こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
このドラマ、第三話までは二人の女優目当てで観てきたが、第四話では岡山天音、そして第五話では新田真剣佑のエピソードが繰り広げられた。両者共に気に入りの俳優なので嬉しい限りである。
第四話の岡山回では部屋に閉じこもった岡山が、励ましに来た4人に向かってドア越しに、朝ドラの仲良し家族じゃねえっつうの。みたいな発言。しかもそこには高畑充希と橋本愛という朝ドラ女優が。竜星涼も、それに言ってる岡山本人も朝ドラ経験者でワロタ。
この回も素晴らしい台詞入りの脚本で泣かせにきた。
で、第五話の新田回。美しい顔立ちの新田が熱量高めの芝居を披露。プラス躁鬱的な乱高下する心持を表現。見事に役者としての力量を発揮した回だった。
物語はこうだ。
都市開発課でビッグプロジェクトを手掛ける新田。社内コンペで社長賞を受賞するなど順風満帆な5年目に見える。ところが国土交通省から件の開発計画の中止を通知してきたからさあ大変。社運を賭けたかのようなレベルのプロジェクトゆえ課全体が沈滞。
そこで部長が新田に指示。お父さんに口利きしてくれ。何と彼の父と兄は国交省の高級官僚だったのだ。
帰宅した新田は恐る恐る父に事情を話すが、そんな頼みを聞き入れてくれようはずもなく一蹴。あえなく玉砕。
翌日部長から、お前はこういう時のためのコネ入社で誰一人お前の働きなんか評価していない。と言われて愕然。茫然自失の態で危うくトラックにはねられそうになる。
すっかり意気消沈した新田はいかにして恢復するのか・・・。
こうなると、竜も岡山も橋本もサクラに立ち直らせてもらった履歴からして、当然彼女の働きが注目される。
橋本にはブスブスブスブスブス。岡山には引き籠ってぶくぶく太ってPCで目を病んで下さい。とキレまくっている。今回は・・・?
それはさておき、新田真剣佑の芝居である。
真っ白い歯を見せての笑顔はいかにも爽やかかつ軽薄っぽさもうかがえる。喋りや態度もなんだか軽いノリ。そんな彼が同期たちを小馬鹿にするさまが見事にはまる。
『ちはやふる』シリーズや『十二人の死にたい子どもたち』(‘19)のおとなしく控えめな言動とは大違い。どっちの映画でも眼鏡を着用し、前髪が鬱陶しかったので、下手すれば本ドラマと同一俳優と分からないかもしれぬ。
芝居の幅が広がっていることが見て取れる。
→(『十二人の怒れる男』+「11人いる!」)×1/2≒『十二人の死にたい子どもたち』?
*『12人の死にたい子どもたち』*
さらに、瓶ビールをラッパ飲みしてくだを巻く芝居など初見である。酔漢の彼はせせら笑い上戸と化す。
最大の見せ場は、父に向かって精一杯の弁舌を放つ渾身の芝居。
今まで優秀な兄に見劣りし、父から半ば見放されたかのような立場の彼が見せた初めての抵抗。父親殺し達成目前。思いのたけがほとばしる魂の叫び。これです。
潤んだ眼から徐々に涙が流れ始める。泣き顔すらも美しい。半泣きから全泣きへとヒートアップ。しかも、ちゃんと洟まで垂らしているではないか!
それでも見惚れる美形ぶり。
こんな捨て身の芝居をTVドラマで開陳するとは。まさかの回である。
橋本環奈嬢が『銀魂』(‘17)やTVドラマ『今日から俺は!!』で変顔をこれでもか、とばかりに押し出したのにも驚いたが、新田の鼻水も凄いと思う。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(‘17)でも虹村億奏に扮してあっと言わせたが、これはそのメイクゆえでもある。
だが、今回は純粋に演技レベルで衝撃を受けた。俳優としてのステップアップが感じられた。佳き哉佳き哉。
ところで、今回はこの先ちょっとした波乱を予想させる回ともなった。
今年のTVドラマ『ハケン占い師アタル』の杉咲花みたいに毎回誰かを救援している高畑。
杉咲に鑑てもらった人は皆憑き物が落ちたかのように生き生きとするようになった。
同じように高畑に支えられた人は皆、見違えるように明るい表情へと変化する(その変化を翌週以降きちんと表現し得ている若手たちも偉い)。
→『ハケン占い師アタル』の杉咲花と『私のおじさん~WATAOJI~』の岡田結実を観た
ここで発生する厄介な問題。それは恋愛感情の芽生え。
竜はもう高畑に好き好き光線発しまくりだが、宇宙人な彼女は全く気付かない。もちろん周囲の人間には丸わかりだ。
そこに参戦してきたのが新田。エンディングで写真に納まる二人。新田が彼女を見やるまなざしはハートマーク点灯中。当然高畑は気付かない。
ここで仮想三角関係が発生したカタチになるが、そこに輪をかけて雲行きを怪しくさせる要素が加わる。
高畑と並び彼女をうっとりと眺める新田のツーショットをファインダー越しに目撃した橋本。
はっ、と何かを諒解してしまった表情。もしかしたら彼女は、新田が高畑ラブであること。そして、自分には新田を想う気持ちがあるということに気付いたのかも・・・とか。
うわ~、うわっうわっ、一体どうなるのか。10年後の彼女が腕にかき抱く赤子は誰の子なのか。謎と不安は深まるばかりである。
とは言え新田の場合は、高畑の女性としての魅力というよりも、彼女の人間性に惚れ込んだ感じだ。父親殺しを果たせたのは自分の価値を認めてくれた彼女のお陰との思い。いわば恩人。人間としての器の大きさ、包容力にヤラれたんじゃなかろうか。
それを若さゆえか、イコール恋愛と勘違いしたのかもしれぬ。なんてね。
かくして演技者としての新田を認めることができた第五話だった。
ちなみに、先回は引き籠りの岡山にキレ、この度は新田の態度に激昂した橋本。次回はどんなキレ具合なのか楽しみだ
それから、恋愛路線へのシフトだけは勘弁して欲しい。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。
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