こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
ついつい最後まで観てしまった『35歳の少女』。
このドラマ、橋本愛を目当てで観てきたが、鈴木保奈美と柴咲コウら芝居巧者な女優たちを観られたのも嬉しい話だ。
柴咲コウ
子供じみたギャン泣きで度肝を抜いたその芝居が強烈無比な印象を残した柴咲。
実年齢39歳の彼女は35歳よりもやや老けて見えるがまあそこは軽くスルー。
10歳の時に事故で昏睡。25年間寝たきりを経て目覚めたキャラ設定。外見は大人でも中身は10歳児というギャップを見事に演じきった。
表情、喋り、声色、立ち姿から所作動作までが実は35歳なのに小児的。浦島効果に戸惑う望美-橋本演じる愛美の姉。そんな役柄である。
坂口健太郎が橋本に向かって、顔はそっくりなのに性格は全然違う。などと言われた橋本が憤慨していたが、確かにちょっと見似ている二人だ。
実は何年か前、酒屋のプレモルのポスターか何かに橋本かと思える女優が起用されていたので帰宅後ヤフーでググってみたら、なんと柴咲コウであった。
なので、二人が姉妹役というのも個人的には得心できた。
鈴木保奈美
もっと凄いのは鈴木で、必ず望美が目覚めるはずだ。との信念が前のめりに過ぎて、己の人生全てを賭ける母は強しを地で行くキャラ。
25年前の若き日と25年後の中年時代の変容振りも物凄い落差。それでも流石に女優だけあって醜怪にならないのは立派である。
あのトレンディドラマのヒロインが時を経てかくも納得の演技を魅せることになろうとはよもや思いも至らぬところであった。
とにかく『SUITS』以上にタフな役だが、何ら違和感なく演じきったのは大したものである。
彼女も奇麗な人だがちょっとしたファニーフェイスの気味で面白い。
ところで、脚本家が昨年の『同期のサクラ』を手掛けた遊川和彦。今回も昏睡状態を体験するヒロイン造形をぶっこんできた。しかも、後半部で人柄ががらりと変化する危機も似通っているし。
*怪しきユーチューバーに豹変す*
*ぐっと奇麗になってます*
そんなことできっと誰かが死亡したり、数々の不幸とアクシデントがヒロインに降りかかるなどが予想された。して、その通りだった。
しかし、最終話はきれい過ぎるくらいにまとまって、みんなの夢が叶うハッピーエンディングを思わせるのであった。
が、全体通じて少々面白くないとも感じられるドラマであった。
なので、毎回橋本にフォーカスして観ていたが、なかなかレポートする気分にもなれず仕舞い。とうとう最終回を迎えてしまったのである。
橋本愛
『同期のサクラ』とほぼ似たようなキャラクターが割り当てられた。よって、初っ端から既視感ばりばりである。というのも、彼女の切れっぷりがお楽しみとも言えたので。
一番素晴らしかったのは、社内で大友花恋扮する後輩との肉弾戦を展開した時だ。殴る蹴る、果ては馬乗りになって相手を痛めつける姿はマジ貴重。
もひとつ言うと、公道上から泥酔状態で元カレをなじった挙句、うえっと反吐を吐くシークエンスも素晴らしかった。
他方、物静かに凄みを効かせた芝居を観られて喜んだこともある。
自分を利用するだけの元カレに、ネクタイ曲がってますよ~。と丁寧に直してやりつつ徐々に首を締め上げていくシークエンスだ。泡を食ってあたふたする男。そのまま振り返りもせずに伝票の束を天井高く投げ捨てて立ち去る姿は迫力に満ちていた。
一番酷いのは柴咲に向かって、あの時死んでいれば良かった。と言い放つところだ。
この一言で一気に視聴者の嫌われ者ナンバー1に躍り出たに違いない。
こんな損な役回りを引き受けてくれて実に有難いと喜ぶのは自分だけか。
とまあ、そんなネガティヴな芝居ばかり誉められてもあまり嬉しくないだろうが、女優本人は結構楽しんでいたんじゃないかと思う。どれもが初体験だったろうし。
一般視聴者側の初体験シーンとしては、彼女のぶりぶりっ子なお嬢様スタイルを挙げておきたい。意外と似合うと思うのだが。
実は『ワンダフルワールドエンド』(15)でゴスロリ姿を公開しているのでこれはイケるとは思ってはいたし。
しかし、こんな嫌われ役あえてを受けて立つその女優魂にぞっこんだ。
そう、個人的好みのタイプや容姿云々は別として、女優としての力量には常日頃感服しているのである。例えれば安藤サクラみたいな立ち位置か。
かように、橋本愛という女優には個人的に惹かれるものがある。顔立ちは好みでないのに何故か魅了されるのだ。
で、その吸引力はあのまなざしにある。そう、あの目力に魂を抜かれてしまったのだ。
時に狂気性を帯び、あるいは邪な光を放ち、はたまた憂いを宿した輝きを伴う魅惑のまなざしに。
キャサリン・ロスやライザ・ミネリのように大きくて愛らしい目をした女優が好きなのにこの体たらくである。魔性の女優なのか。一生の不覚とはこういうことなんだろう。
だからちょっと負けた気分がしないでもない。
そんな忸怩たる思いを抱きつつ毎回彼女の芝居を注視していたのであった。
TVで観られるのは有難いが、やはりどうしても最後まで『サクラ』の二番煎じ感が付いて回って没入できなかったと告白しておく。
そんなことでテキトーなコメントしかできないつまらない記事になってしまったが、どうかご容赦願いたい。
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