端午の節句菓子 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

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ひなの会に出展する作品は お雛様おひなさまが中心ですが お客様の中に 端午の節句用こいのぼりの物を探しに来られる方もいらっしゃいます。

そこで 数は少ないですが 私もいくつか 端午の節句こいのぼりの作品を展示しています。

 

今年最初に作った端午の節句の作品は お菓子膳。

 
お雛様用おひなさまのお菓子膳は 先日ご紹介した金沢のお雛菓子 《金華糖》があります。

 

 

 

金華糖についての詳細は 4年前に書いた こちらから(リンクあり) ご覧ください。

 

 

端午の節句こいのぼりのお菓子と言えば まず思い浮かぶのが 粽(ちまき)chimaki☆☆柏餅柏餅

 

chimaki☆☆は 《チガヤ(イネ科の植物)の葉で 千回巻く》という意味から《チマキ》と言われるようになり 関東より関西で食べられることが多いそうです。

 
まずは その粽chimaki☆☆を作っていきます。
chimaki☆☆の作り方は お細工物の本 (ちりめん細工 お手玉とお祝い物 井上重義監修 日本ヴォーグ社) に掲載されていますが 出来上がりが大きいので 型紙を50%に縮小しました。
50%縮小の型紙で作ると 縦横とも半分の大きさになるので 元の作品の4分の1の大きさ(体積)の物が出来ます。
 
こちらが中に入れる 細長いお餅。
 
 
 
両面接着シートで 2枚を貼り合わせた錦紗で チガヤの葉を作ります。
 
 
 
チガヤの葉4枚で お餅を包み(左) 上部をまとめます(右)。
 
 

 

赤のボタン付け糸赤い糸と金の糸を より合わせ、

 

 

 

 

chimaki☆☆巻き 3つを重ね合わせて 縫いとめます。

 

 

 

 

紅白の和紙で熨斗を作り 金銀の水引3本で 淡路結びを作り 粽につけます。

 

 

 

 

次に作るのは 柏餅柏餅

 

柏餅柏餅は ご存知の通り 上新粉で作った平たいお餅の間に 餡あんこを挟み 柏の葉で包んだ和菓子で 江戸時代(18世紀中頃)織田信長に作られるようになりました。

柏の葉は 新芽が育つまで古い葉が落ちない事から 《子孫繁栄(家系が途切れない)赤ちゃん 2という縁起を担ぎ 端午の節句こいのぼりの菓子として 用いられています。

江戸で生まれた柏餅柏餅は 関西より関東で食べられることが多いそうですが 参勤交代により全国に広まったと言われています。

関西では柏の葉の代わりに サンキライの葉を使った《さんきらい餅》というものがもあるそうですが これは まだ見たことがありませんしょぼん

 

私が日頃 目にする柏餅柏餅は、白いお餅柏餅右矢印こし餡

                    緑の草餅kasiwamochi3☆☆右矢印粒餡

                    ピンクのお餅ピクかしわもち右矢印白味噌餡

ちなみに私は 白味噌餡が一番好きですチョキニコニコ!!

 

 

色がわかりにくいかもしれませんが 柏餅柏餅は 白・緑・ピンクの3色を作りました。

 
 

 

 

そしてお菓子の他に 鯉のぼりこいのぼりの吹き流しhukinagasi☆☆にも使われる色の布を 5色()の水引を使って 淡路結びで作りました。

 

 

 

吹き流しhukinagasi☆☆以外にも 端午の節句には 菖蒲菖蒲 あやめや蓬(よもぎ)などの薬草を編み込んで玉緑色の玉の形にした くす玉に 魔除けとなる五色の糸で装飾、部屋に吊るしたり 身につけて無病息災を祈りましたお願い

《くす玉》を漢字で書くと《玖珠玉》・《薬玉》と書くことからも解りますね~~。

 

五色の糸は  中国の自然哲学 《五行説》に由来するものです。

 

    青青右矢印≪木・東・春・仁≫を意味する。

        緑緑で代用する事もあります。

    赤赤右矢印≪火・南・夏・礼≫を意味する。

    黄黄右矢印≪土・中央・土用・信≫を意味する。

    白白右矢印≪金・西・秋・義≫を意味する。

    黒黒右矢印≪水・北・冬・智≫を意味する。

        紫紫で代用する事もあります

 

また 別の説では 念仏者が臨終チーーン!の時に 阿弥陀仏の手から渡された五色の糸をたどると 極楽浄土に行かれるとも言われているそうです。

 

 

さて 3種類のパーツを作ったら 登場するのが 三方です。

 

 

 

画像では 青く映ってしまっていますが 紫色の袱紗を作り 貼り付けます。

 

 

 

緑と白の錦紗で 細い紐を2本作り

 

 

 

付き合わせて縫い 結び文型の飾りを作って 袱紗に縫い留めました。

 

 

 

出来上がったパーツを乗せたら 端午の節句菓子が出来上がり~~パーニコニコ!!

 

 

 

 

金華糖に比べると ちょっと地味感がありますが 武士織田信長の心意気を引き継ぐ端午の節句には このくらいでちょうどいいかも~~~にひひ!!

 

 

 

そうそう 余談になりますが 粽chimaki☆☆や柏餅柏餅の他にも 地方により端午の節句の和菓子があるようですね。

 

 べこもち・・・青森~北海道

  白玉粉 (上新粉と片栗粉を混ぜたものでも可) と砂糖、白玉粉と黒砂糖を使った生地で

  作ったツートンカラーの葉っぱ葉っぱの形をした餅菓子

  白黒の色が まだらのべこうしの様に見えることから≪べこもち≫と呼ばれます

 

 灰汁まき・・・鹿児島

  もち米を竹の皮に包み、灰汁を加えた水で炊く餅菓子

 

 

そしてもう一つの余談。

 
初節句の時のお祝い返し祝に添える食べ物として 女の子の初節句には 小豆あずきで炊いた赤いお赤飯が知られていますが 以前 名古屋にお住まいの方に聞いた話によると 名古屋周辺では 端午の節句のお祝い返しには もち米をくちなしの実で色を出した水で炊き 黒豆豆を混ぜた黄色いご飯 《黄飯(きいはん)》を添えるそうです。
黒豆は 《マメに元気に育つように》とう願いを込めた物 黄色は魔除けや邪鬼祓い子鬼の意味があるそうです。
 
所変われば 日本の伝統行事も風習も様々ですね。
作品を作りながら 日本文化を楽しく学ばせていただいていますニコニコ