ひなの会に出展する作品は お雛様が中心ですが お客様の中に 端午の節句用
の物を探しに来られる方もいらっしゃいます。
そこで 数は少ないですが 私もいくつか 端午の節句の作品を展示しています。
今年最初に作った端午の節句の作品は お菓子膳。


金華糖についての詳細は 4年前に書いた こちらから(リンクあり) ご覧ください。
端午の節句のお菓子と言えば まず思い浮かぶのが 粽(ちまき)
と柏餅
。
粽は 《チガヤ(イネ科の植物)の葉で 千回巻く》という意味から《チマキ》と言われるようになり 関東より関西で食べられることが多いそうです。


赤のボタン付け糸と金の糸を より合わせ、
粽巻き 3つを重ね合わせて 縫いとめます。
紅白の和紙で熨斗を作り 金銀の水引3本で 淡路結びを作り 粽につけます。
次に作るのは 柏餅
柏餅は ご存知の通り 上新粉で作った平たいお餅の間に 餡
を挟み 柏の葉で包んだ和菓子で 江戸時代(18世紀中頃)
に作られるようになりました。
柏の葉は 新芽が育つまで古い葉が落ちない事から 《子孫繁栄(家系が途切れない)》という縁起を担ぎ 端午の節句
の菓子として 用いられています。
江戸で生まれた柏餅は 関西より関東で食べられることが多いそうですが 参勤交代により全国に広まったと言われています。
関西では柏の葉の代わりに サンキライの葉を使った《さんきらい餅》というものがもあるそうですが これは まだ見たことがありません。
私が日頃 目にする柏餅は、白いお餅
こし餡
緑の草餅粒餡
ピンクのお餅白味噌餡
ちなみに私は 白味噌餡が一番好きです
色がわかりにくいかもしれませんが 柏餅は 白・緑・ピンクの3色を作りました。
そしてお菓子の他に 鯉のぼりの吹き流し
にも使われる五色の布を 5色(黄・赤・白・紫・緑)の水引を使って 淡路結びで作りました。
吹き流し以外にも 端午の節句には 菖蒲
や蓬(よもぎ)などの薬草を編み込んで玉
の形にした くす玉に 魔除けとなる五色の糸で装飾、部屋に吊るしたり 身につけて無病息災を祈りました
。
《くす玉》を漢字で書くと《玖珠玉》・《薬玉》と書くことからも解りますね~~。
五色の糸は 中国の自然哲学 《五行説》に由来するものです。
青≪木・東・春・仁≫を意味する。
緑で代用する事もあります。
赤≪火・南・夏・礼≫を意味する。
黄≪土・中央・土用・信≫を意味する。
白≪金・西・秋・義≫を意味する。
黒≪水・北・冬・智≫を意味する。
紫で代用する事もあります
また 別の説では 念仏者が臨終の時に 阿弥陀仏の手から渡された五色の糸をたどると 極楽浄土に行かれるとも言われているそうです。
さて 3種類のパーツを作ったら 登場するのが 三方です。
画像では 青く映ってしまっていますが 紫色の袱紗を作り 貼り付けます。
緑と白の錦紗で 細い紐を2本作り
付き合わせて縫い 結び文型の飾りを作って 袱紗に縫い留めました。
出来上がったパーツを乗せたら 端午の節句菓子が出来上がり~~。
金華糖に比べると ちょっと地味感がありますが 武士の心意気を引き継ぐ端午の節句には このくらいでちょうどいいかも~~~
そうそう 余談になりますが 粽や柏餅
の他にも 地方により端午の節句の和菓子があるようですね。
べこもち・・・青森~北海道
白玉粉 (上新粉と片栗粉を混ぜたものでも可) と砂糖、白玉粉と黒砂糖を使った生地で
作ったツートンカラーの葉っぱの形をした餅菓子
白黒の色が まだらのべこの様に見えることから≪べこもち≫と呼ばれます
灰汁まき・・・鹿児島
もち米を竹の皮に包み、灰汁を加えた水で炊く餅菓子
そしてもう一つの余談。




