≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その7(スライド9と10)

〈スライド9〉

歯科心身症には、顎関節症・舌痛症.ドライマウス・身体表現性障害、身体症症状などがありますが、本日は、顎関節症を中心に、お話をさせていただきます。

※このスライドは、歯科医師会の講演の時に使ったものなので、やや専門的ですがご了承ください。

顎関節症の症状は、身体と心と口腔領域に現れます。

しかし、東洋医学で診ることで、現代医学では、見えないものが見える可能性があります。

その1つに、“不定愁訴”があります。現代医学でみると・・・・・

線維筋痛症、視床下部症候群、自律神経失調症、身体表現性障害、慢性疲労症候群、顎関節症などの疾患名が上がってきます。

これは、部分と全身とを、総合的に診る、必要性を示しています。

総合的にみるには、現代医学でも、東洋医学でも、次のような、二つ目線が必要です。それは・・・・・・

・部分と全体 

・病変と病巣

・体と心

・微小炎症(病気の芽)と慢性炎症(病気)などです。

・自律神経系・内分泌系 と 免疫系

・中枢自律神経ネットワークと顎関節症状

・自律神経機能の左右差と顎関節症状

顎関節症の症状とは、どんなものが、あるのでしょうか?

 

〈スライド10〉

顎関節症の症状は、体と心と口腔領域に、現れます。

原因は、スライドに示す様なものが考えらます。 

顎関節学会が示す「顎関節症の病態」はこのようなものです。

  顎関節症の病態

・咀嚼筋痛障害

  ・顎関節痛障害

  ・顎関節円板障害

  ・変形性顎関節

私が考える原因は、「人体を構成する4つの柱の異常」です。

   四本の柱

・からだ

  ・こころ

  ・たましい

  ・大自然の

   動き(氣)

顎関節症の症状は、「全身」と「口腔領域」の、2種類の「かみあわせ」の問題が考えられます。

「全身のかみあわせ」とは、重力による姿勢の不調和、体と心の不調和や、高次制御システムの不調、そして、「氣」の働きの、不調が考えられます。

高次制御システムとは、免疫系、自律神経系、ホルモン系、その他(重力など)のクロストークをいいます。

クロストークとは、シグナル伝達経路です。

このように全身のシステムが、つながり合っていることを、理解することが、顎関節症の本質に迫れると、考えています。そして....

さらに深く理解するには、人類の系統発生の流れを見直す事が、良いと思います。

次回は、咽頭弓(鰓弓)由来の 神経・筋肉・骨  ヒトの中に魚、魚の中にヒトがいる。

 

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その6(スライド8)

如意棒は、臨機応変の臨床ができるように!

赤い服は、「自分自身を戒める」ために、

赤は東洋医学では、血脈と神明(いわゆる、心)を示します。

頭の緊箍児(きんこじ)は、自我の暴走を戒めるために、

筋斗雲は、臨床医としての、「まごころ」を忘れないために!スライドのような、孫悟空を登場させています。

「医は意なり」という雲に、わたしは乗りたい。コペル

歯科心身症である、顎関節症の謎に迫りたいと思います。

次回は、「歯科心身症 (顎関節症とは?)」というテーマです

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その5(スライド7)

氣とゆう字は、上部は雲を、下は燦々と輝く太陽と、体内に入ったお米のエネルギーが発散する姿を表しています。

氣の世界は、「タマネギ」のようなものです。

むいても、むいてもその本体に、たどりつけないのです。

人間にとって、「氣」の存在は、「時間」と「空間」に存在するもので、実態は認識するのでなく、体感するものなのです。

氣を知るには、現代医学の人体概念と、比べると理解しやすいと思います。

スライドに示すように、

現代医学では・・・・・

・生物は、「分子の集合体」であり、分子機械であるとしています。

・生物は、37兆個の細胞から構成されている。

東洋医学では・・・・・・

・生体は「氣の集合体」であり、自然の一部分なのです。

・生体(人間)にとって、「氣」の存在は、時間と空間の間にあり、多次元的存在です。

東洋医学の、いう、「氣」とは?

・自然を構成する、分割不可能な最小単位である、哲学的原子で、目には見えないが、何らかの働きをするものなのです。

・氣は、凝集され形を象り、生命活動をするものです。

・生体の構成は、臓腑、経絡、ツボ、氣血津液からなり➔整体観構造で、形成されていると、しています。

「病は氣から」の説明のために、本日は私の分身として「孫悟空」登場させています。

・重々帝綱(じゅうじゅうたいもう)・・・・・・・生体は巨大なネットワーク(生体内と自然の人体とのネットワーク)が繋がることを「即身」という。

 このネットワークは、例えるなら〜電線、水道、高次制御システムである。

・天地同根  万物一体 (禅)

・一即一切  一切即一 (華厳経)

・尽十方界真実人体

次回は、「孫悟空とわたし」です

コペルが考える「医は意なり」も含まれます。

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その3(スライド6)

このスライドは、「病の全体図」です。

横軸に、組織の損傷の蓄積を、縦軸には、生体の恒常性の破綻を示します。

人の健康状態は、ここまでは「健康」、ここからは「病気」と、明確に分けることはできません。

健康と病気には、あいだ、があり、連続して「揺らいでいる状態」、を「未病」といいます。

未病は人によって、さまざまな症状や破綻を示すことから、

未病の診断・治療には、あらゆる角度からの検討や、対応が必要です。

さらに、加齢に伴い複数の未病が、絡み合ってきます。

未病とは、病気の芽である「微小炎症」です。

日本未病学会の定義では

未病とは?

・検査値に異常はないが、自覚症状があるもの。

・自覚症状はないが、検査値に異常がる場合、

を言います。

病気とは?

・自覚症状があり、検査値に異常があるものが、「病気」ということになります。

・慢性炎症で組織の損傷が蓄積したもの

「病は氣から」という、「氣」とはどのようなものでしょうか?

次回は、「氣とは?」というテーマです

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」その2(スライド3から5)

〈スライド3〉

東洋医学では、望診は重要です、 特に顔は、心の状態が、顔にあらわれます。

顔は、臓腑の「氣」が集まるところ、臓腑に問題があると、必ず顔に現れます。そして、心の変化も、現れるものです。顔は、心の鏡です。

スライドは、2000年前の、黄帝内経という医学書に書かれている、顔と臓腑の関係を表しています。

〈スライド4〉

顔は、心の鏡です。

左の絵は、江戸時代の禅僧、白隠がえがいた「だるま」の顔です。

次はピカソとムンクの描いた顔です。

顔には、人間の見えない内面が、浮き出てくるようです。

全ての出来事に「時」がある。という事に気づいていない事が病の始まりと考えています。

〈スライド5〉

本来、顔の表情筋は意識で動かすものですが、

病的にはチック、口舌のデスキネジアなどの不随意運動があります。

しかし、鍼のツボ刺激等で健全な「自然運動」が出現することがあります。

症例は、歯科心身症の患者さんの鍼刺激による、顔の自然運動を示します。

心の状態を評価する方法は色々ありますが、心の負荷の大きさを評価することは、大変な困難を伴います。

しかし、この顔の自然運動は患者さんと治療者にもストレスの度合いを共有することができます。

※グラント解剖学図譜 第7版より

次回は、「病とは?」というテーマです。

 

「病は氣から」その1(スライド1と2)

スライド1

「東洋医学を歯科臨床に生かす」という演題で、90分という時間内で、東洋医学の概念と顎関節症の概念となおかつ、ツボ刺激の実演と3つのご要望がありましたが、限られた時間で全てをお話しするには、無理がありますので、「病は氣から」という「ことわざ」を読み解きながら、歯科心身症を東洋医学で診るという副題をつけ、顎関節症と鍼灸の実態をお話し、そしてツボを実際に触っていただくことにいたしました。

A「氣」は、人体の機能・働きをしめす

❶身体機能をしめす

 ①生命・寿命・健康など維持する力

 ②活動・新陳代謝・血行などを活性化する  エネルギー

 ③防衛力、抵抗力、免疫力

 ④調整、平均化の機能

❷精神機能をしめす

 ①心、感情、精神

 ②気力、根気、精神的パワー

B「氣」は、ガス体のようなものをしめす

❶「氣」は、体内のガス体をしめす

 ①息、呼吸

 ②腸内のガス、おなら、ゲップ

❷「氣」は、体外のガス体、およびそれに類似のもの

 ①空気、酸素

 ②地域・場所に特有の空気、毒気、雰囲気

 ③匂い、臭気、香気

 ④自然現象、気候、気象

東洋医学における病気の治療は、経絡上の経穴(ツボ)に対して鍼や灸を用いて「氣」の流れを整え、人が本来持っている自然治癒力を高め、病気になりにくい体、また、病気になっても治りやすい体質を創る事を目的としています。

スライド2

このスライドは、私が使用している、診療録です。

「病は氣から」の氣は、目に見えないものを画像化するカルテが必要です。

私が、東洋医学専用のカルテをいろいろ作成した中の一部をご紹介いたします。

次回は、「歯科心身症 と 望診(かお)」と「顔は心の鏡」というテーマです。

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

「病は氣から」を解明して臨床自然運動学の創成をめざす その1

生・老・病・死でいのちを学び、「病は氣から」を解明し

慢性炎症を制御する「臨床自然運動学」。

臨床自然運動学は、仏教・儒教・道教などの古代東洋哲学

を土台にして東洋医学を学ぶ。

そして、量子の力で、「病気の芽=微小炎症」を早期に発見し、

神経の力でそれを除去するもの?

正しく健康に生きなければ「風の原初」=いのちの根源を知る

ことはできない、そのために東洋医学(漢方・鍼灸)が発生した

ことを理解する。

有為な風、無為な風を感得する「自然体」をつくり、雲に

乗り、いのちの根源(生命の流れ)にむかうことが、元気のもと。コペル

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

【医は意なり】その8

医は痿なり、腰ぬけざるに駕籠にる。

医は葦なり、立ちのびるほど折り易し。

医は違なり、言行相違するなり。

(言と行がことなる)

以上のように「医は意なり」をいろいろと書いてきましたが、

 医学を志す人たちに長く受け継がれている言葉が「医は意なり」です。この言葉の中心には「医の使命はただ一つ、病気になった人を直すこと」という真摯な気持ちがあります。

 一方で「意なり」を「威なり」や「異なり」と読みくだすことで、自分たちの慢心を戒める気持ちも込められています。日本の医の先人たちは、この言葉を座右の銘とし、熱意と強い使命感をもって進歩に貢献しました。

現在でも「医は意なり」を探求している先生方がいるようです。

私事ですが「医は意なり」を正しく理解して「臨床自然運動学」をまとめてみたいと思います。コペル(臨床自然運動学)

※主催:第29回日本医学会総会2015関西、京都大学総合博物館

医は意なり-命をまもる 知のあゆみ-

2015/02/11(水) 〜 2015/04/12(日)

https://www.museum.kyoto-u.ac.jp/special/content0049/

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

【医は意なり】その7

「医は意なり」という「ことば」は、江戸時代流行語化していて、

自分の都合のよいように解釈して、不勉強の口実にした医者が多かった。

 (本当は、「意は学より生ず」なのに!)

医は圍なり、カコイにて勺をふるを常とす。

(医は囲なり、医院の中で灼をふるう。同じことをする)

医は位なり、位階に上がるほど薬代厚し。

医は以なり、辯を以て人を誑かし、一を以て九に倍す。

(口をもって人をごまかし、薬代一をもって九層倍にする)

※皇太子殿下(現在の天皇陛下)が医学史展「医は意なり -命をまもる知のあゆみ-」を御覧になりました。(2015年4月11日)

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2015-04-21

 

≪今日のコペル(臨床自然運動学)先生の独り言≫

【医は意なり】その6

「医は意なり」という「ことば」は、江戸時代流行語化していて、

自分の都合のよいように解釈して、不勉強の口実にした医者が多かった。

 (本当は、「意は学より生ず」なのに!)

医は飴なり、アメをネブラスを術とす

(医は飴なり、アメをねぶらすの術をする)

医は唯なり、何事もハイハイ云うて承諾す。

医は慰なり、病者を誑かして慰めるを善とす。

(医は慰なり、うまい言葉で、すかして、慰める術をする)