「印象」だけではなく、「疫学調査」を! | 日本の未来を考える

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うさきちさまブログ記事

セレンディピティより引用~


科学的真実を見出すために、私達はどうすればよいのか?
先入観や思い込みを排除し、可能性を広げなければなりません。
独善に陥らないためには、正解と不正解を入れ替える、「内省」と呼ばれる作業が求められます。

物事の集団、グループを図式化すると次のようになります

「Aである」というのが「グループA」。
「Aではない」というのが「アンチA」。(それ以外の選択肢があれば、「Other」)
全てを含む全体的なものを「Whole」と考えれば良いでしょう。

セレンディピティ


この分類は、あらゆる場面で非常に役立つのですが、
今回は、「原発事故」を取り挙げてみます。

「風評被害である」というのを「A」とします。
「風評被害ではない(つまり健康被害である)」を「アンチA
「分からない」、「どちらとも言い切れない」が、「その他」、「全体」となります。


科学的真実を求めるためには、「可能性を排除しない」ことであり、
現時点で「A」や「アンチA」だと言い切るのは、科学的ではありません。

整理するために、これまでに分かった「事実」を並べてみましょう。

福島で、子供の「甲状腺がん」が多発していることは、「事実」です。
また、チェルノブイリ事故よりも、はるかに多くの放射性物質が放出されたことも「事実」です。

これらとは別の、新たな「事実」が出てきました


岩波科学6月号「福島原発事故による死産と乳児死亡の時系列変化」
http://csrp.jp/wp-content/uploads/2014/04/strahlentelex022014_kiji_JP.pdf 

1986年に起こったチェルノブイリ事故後、ヨーロッパ全体で死産、乳児死亡、
先天異常、染色体異常が、長期に渡り増加したことが確認された~引用終わり。

PDFファイルなので、内容を要約すると、
日本でも、震災の9ヵ月後から、死産、乳児死亡の確率が上昇していること。

その度合いが「高い」のが、「福島、茨木、宮城、岩手の一部」、
中程度」は、「東京、埼玉の一部」、
それ以外の地域では、”今のところ”、影響が確認できないとのこと。

疫学調査」と呼ばれるこの解析結果は重要な意味を持ちます。
放射線被爆と健康被害の関連性が明確に示されたと言えるでしょう。
(今回のデータは、震災発生後、たった1年分であることに注意が必要です。なぜなら、チェルノブイリでは、放射能の影響が「4~5年後」にピークに達したからです。)

現段階で確実に言えることは、東北地域に一定の「健康被害がある」こと。
そして今後引き続き、綿密な「疫学調査」をする必要があることです。


「アンチA(健康被害)」が確実に存在する以上、
「A(風評被害だ)」と全体を決め付けるのは非科学的なのです。

「原発再稼動」の議論の前提は、まず、「健康被害」を特定すること。
それなしで、リスクを計算できるはずがありません。
私は、原子力村の「カネ」と、国民の「健康リスク」を秤にかけるのを良しとしませんが、
彼らが「貿易赤字」という「カネ」に拘る以上、議論の溯上にあげるのは仕方ないでしょう。


TOKI○の
メンバーが、「福島県の野菜を食べて応援」するCMに出るそうです

確かに、福島県の野菜「全て」が汚染されているわけはないでしょう。
しかし現段階で、全体の「安全宣言」するのは、時期尚早です。

(そばで笑顔を振りまく当事責任者のひとり・佐藤雄平知事には、怒りがこみ上げました)

TOKIODASH村
唖然坊の日記さまより画像引用

「食べて応援」することが、果たして、真の意味で「福島を応援する」ことなのか?
疫学調査」を待たず、現段階で「風評被害」とすることは、後々禍根を残すのではないのか?

もうひとつ。情けないお知らせを

星月夜☆さまブログより
*卜*隠れの術☆ス卜口ニウムもプル卜二ウムもカタカナはだめよ♪


「吉田調書」の件にしろ、国や東電の隠蔽体質は、度を越しています。
東京電力の「力(ちから)」を「カ(片仮名)」にして検索で引っかかりにくくする姑息な手法など論外です。

一昔前に流行った「ギャル文字」の発想か!Σ(・∀・;)

こんな悪知恵をしてまで「情報」を隠そうとする原子力ムラ。
よほど「やましい」事実があることを自ら認めるようなものです。(´・ω・`)

まとめ。

現段階で、「風評被害」と印象付けることは、科学的ではない。
継続的な「疫学調査」をしたうえで、全体を判断すべきである。
国や東電は、国民の利益になるよう全ての「情報」を公開しなければならない。

原発推進者たちに問う

生まれる前に、あるいは、生まれてすぐに亡くなった子供たちがいる。
彼らは、原発事故によって未来を失ってしまったのだ。
それでも尚、「原発事故による”死者”はいない」と言い張るつもりなのか?

中年のおっさん達(ダボさんや進次郎)などどうでもいい。
好きなだけ汚染水でコーヒーを飲み、元気になった気になればいい。

大切なのは、原発利権に溺れたジジババ連中の「カネ」ではない。
なにより大切なのは、未来を背負う、「子供達の命」です
(`・ω・´)