契約書
ユースの監督でも1部~6部でも、クラブ間でお金の関係がある場合はクラブと契約書を交わします。
1部など特殊な契約はクラブ側が作成する場合もありますが、殆どが各州サッカー協会と「監督委員会」という組織が作成したのを利用します。
契約書の内容は全部で13項目あります。
殆どが常識的なことばかりで、初めは監督名とクラブ名、会長名が契約書に明記され、どのカテゴリー(ユースなのか3部や4部など)でやるかを書き、レベル1の場合ユースまでなのでaficionado profesional(素人だけどもプロとしてお金を貰います)的な一見矛盾した書き方をするように教えられました。
そして監督は練習・試合において選手に指示を出せる権限を持ち、第2監督、フィジカルコーチなどにも同じ権限がもてるということです。
他には選手に対して厳しい規律を与える権限、キャプテンを任命しミーティングをしてチームを良い状態にすること、移動の際など選手を管理し、トラブルが起こった際はクラブの代表として穏便に解決する。
そして給料として、月々に支払う金額と、primaと呼ばれるボーナス(勝利給・引き分けなど)を記載します。
4部クラスぐらいから、プラスとして遠隔地から来た場合、住宅手当、ガソリン代など明記します。
契約書に関して、基本的には期限中は契約内容通りに進め、もし監督がクラブに対し重大な事件を起こした場合は、給料を支払う必要なく解雇できる。
クラブ側の都合で解雇した場合は、契約期間残りの金額を支払わなければいけない。
そして契約期限の初めは7、8、9月で、7月に試合があっても終わりは翌年の6月30日までとします。
最後に同じ契約書を6枚作成し、それぞれにクラブ、会長、監督、秘書のサインします。
契約書のオリジナルは、スペインサッカー協会、各州協会、監督委員会、各テリトリーの委員会、クラブ、監督が保有します。
金銭面などクラブ側と論争となった場合は、それぞれの機関が契約書に基づき裁きます。
以上の内容が1枚の紙に両面記載されています。
1部などは金額も桁違いになってきますので、契約書は冊子ぐらいの厚さになるでしょうね。
O型の適正ポジションは?
これから書くことは、あくまでいくつかの参考データから基づいた僕個人の解釈ですので、全て当てはまるわけではありません。
冷やかし程度に見ていただければと思います。
サッカーはFW、MF、DF、GKと、大きく4つのポジションに別けられます。
色々な選手と話をしたり行動を見ていると、やはりポジション別によって行動が違ってくるのが分かります。
練習が始まる前はわずかですが自由な時間がありますね。
その時間帯で誰がどんな行動するか観察してみるといくつかのグループに別れる気がします。
まず、FWの選手は全員が集まる前に先に一人でアップしたり、もしくは遅れてきたり、一人でボールを使ったりいわゆる自分のやりたいように行動している気がします。
MFの選手は誰か仲が良い選手と一緒になって行動することが多く、皆集まるまで待って揃ってアップする感じです。
DFの選手は、練習が始まる時に必ずと言っていいほど選手皆に声をかける気がします。
GKはFWとDFの両面を持ち合わせている感じですね。
試合中はやはりFWの選手は自分勝手で強引であってほしいと思います。ゴール前でパスなんて考えてはいけません!
MFの選手は常に周りに気を使い、相手が受けやすいパスを出し、相手DFの裏を突くようなパスを出してほしいですね。
DFは危険なスペースに目を光らせ、一番にリスクを回避を優先して、確実にクリアーしてくれる選手がいいです!
以前ある番組でFWはB型、MFはO型、DFはA型、GKはAB型が多いということをやっていました。
うむ、確かに日本を代表するMFの選手
稲本潤一
小野伸二
中田英寿
中村俊輔
小野伸二
はいずれもO型ですね。
FW高原はB型
GK川口能活 DF宮本恒靖はA型です。
いずれも血液型の適正といわれるポジションで海外移籍して、世界の舞台で活躍しました。
これといった決定的な根拠もなく、A型で優秀なFWもいますので上記のデータは偶然かもしれませんが、自分の能力を最大限に引き出せるということでは試してみる価値はあるかもしれないですね。
ちなみに僕はO型なのでMFをやっていたらひょっとして・・・
エスパニョール・ユース監督
・ エスパニョール・ユース監督:オスカル・ペラルナウ
あの名門バルセロナのユースチームからも直々オファーがきたほどのユース界の名監督。
Q:あなたはかつてサッカーのプロ選手でしたか?
A:いいえ、アマチュアでプレーしていただけです。
Q:何年間監督として携わっていますか?
A:監督として14年間携わっています。
Q:優秀な監督の条件で、過去にサッカーのプロ選手であることは重要だと思いますか?
A: 経験上局面に応じて選手にかける言葉や、選手の起用の仕方など瞬時にできることが有利な点だが、それでも選手の状態や選手の能力は経験を積むことによって分かるのでそれほど差はないと思うよ。
Q:優秀な監督である為には何が必要だと思いますか?
A:まず選手とのコミュニケーションを取ることが重要。
そして選手を尊重して、一人一人の個性を大事にしつつ個性を伸ばしながらチームに適合させられるかが監督としての大切なスキルだと思う。
戦術や技術よりもメンタルな部分が一番気を使うかな。
Q:最初にチームの監督に就任してまず何を考えますか?
A:始めに考えることが選手の特徴、性格を把握する事。
まずはチームの事よりもいかに早く個々の能力を見定め、個々の長所を生かしたチームを編成するかだね。
そのあとにチームとしてのシーズンの目標などを具体的に説明していく。
サンシオン~罰、監督取材第3弾
先週フィジカルのテストも終わり、今日からサッカー協会が発行する教科書に沿っての勉強となります。
今日は先生も変わり、主に規律やスペインのスポーツ組織全般についてなど学びました。
特にスペインは試合中の審判に対する暴言や、選手同士の乱闘など多いので、それを取り締まる組織がしっかりしてると思いました。
ひょっとしたら日本でも同じ組織があるかと思いますが、スペインは裁判所のように第一審から~3審まであり、試合中の選手・監督などの罰則行為を審議し罰則の判決を下します。
先生が過去の選手や監督の反則行為の例を紹介してくれました。
その中に何処かで聞いた名前が出てきて、よく聞くと9年前に僕が所属していたクラブの監督の名前でした。
どうやら試合終了後に審判に殴りかかったうえに、審判の更衣室でもドアを乱暴に蹴るなどして審判を脅したということです。
このせいでトレド初めカスティージャラマンチャ州のクラブにいられなくなったとのことでした。
どうりで最近見かけないと思っていたら、こんなことだったのかとちょっと納得・・・
っというように裏の世界も勉強しなければいけないみたいですね。
来週は監督の契約書についても触れるらしいのでちょっと興味が湧きます。
さて、監督取材第3弾は、かつて「カディス」というチームが1部に所属していた時の、トップ監督補佐への取材です。
1部カディス(トップチーム第二監督):
ルイス・グスターボ
Q:あなたはかつてサッカーのプロ選手でしたか?
A:アルゼンチン、スペインなど1部で6年間プレーしてました。スペインでは4年間セビージャとレクレアチーボでプレーしました。
Q:何年間監督として携わっていますか?
A:25年になります。
Q:今までにどのチームで監督をしてきましたか?
A:アルゼンチンではラヌス、ウラカン、キルマス、そしてスペインではウエルバ、そしてカディス。
Q:優秀な監督の条件で、過去にサッカーのプロ選手であることは重要だと思いますか?
A:選手としての経験上いくらかは役立つだろうが良い選手が決して優秀な監督に成れるとは限らない。
Q:優秀な監督である為には何が必要だと思いますか?
A:全ての選手が小さい頃から成長していくように、サッカー選手はジュニアユース、ユース年代の育成が非常に重要になってくる。良い監督はこの年代をいかに上手教える事ができるかで違ってくる。
Q:最初にチームの監督に就任してまず何を考えますか?
A:去年昇格したチームなのでまずは1部に残留することを第一に考えなければいけない。1部と2部は次元が全く違うのでいかに個々の選手の実力を100パーセント出させるかがカギとなってくる。
Q:国内の監督であなたにとって優秀と思われる監督はどなたですか?
A:何人かいる中で私にとってまず現スペイン代表のアラゴネス監督、カディス(トップチーム)らのエスパラゴ監督、ラ・コルーニャのカパーロ監督です。
Q:最後に日本のチームで監督としてやってみたいですか?
A:近年日本のサッカーは急速に発展し選手共にチームとしての完成度も高くなっている。
その練習方法など非常に興味があるので是非日本で学びたい。
アトレティコ・マドリッド監督取材
第2弾こちらも2~3年前に取材した時のです。
アトレティコマドリッド・ジュニアユース監督:
Q:あなたはかつてサッカーのプロ選手でしたか?
A:リーグでプレーはしたことあるがプロとしてはない。
Q:選手として何年間プレーしてましたか?
A:18歳までアトレティコマドリッドのユースでプレーしてました。
Q:何年間監督として携わっていますか?
A:12年です
Q:今までにどのチームで監督をしてきましたか?
A:アトレティコ・マドリッドとラージョバジェカーノです
Q:優秀な監督の条件で、過去にサッカーのプロ選手であることは重要だと思いますか?
A:勿論プロ選手という経験があればそれに越した事はないが、決してプロ選手であった監督が全ていいとは限らない。実際に私はプロ選手ではなかったし、監督のスキルは選手とまったく違うものだからね。でもある程度プレーヤーとしてサッカーに関する経験をする事は重要だと思う。
Q:優秀な監督である為には何が必要だと思いますか?
A:一番重要なのは個性ある選手一人ひとりをまとめあげる統率力かな。どんな局面でも冷静になって選手と向き合い常にモチベーションを上げさせ選手から信頼を得る事が必要。
Q:最初にチームの監督に就任してまず何を考えますか?
A:まず選手達に積極的に話しかけ個々のキャラクターを掴む事。そしてチームとしてはシーズンが始まる1ヶ月前にフィジカルを重点的に行いシーズンで高いパフォーマンスを維持できる様に心がける。また失点をできるだけ抑えることに重点を置く。
Q:国内の監督であなたにとって優秀と思われる監督はどなたですか?
A:私にとっては師匠でもある現スペイン代表のアラゴネス監督です。
Q:最後に日本のチームで監督としてやってみたいですか?
A:機会があれば是非やってみたい。私の友人が日本という国は素晴らしく、サッカーにおいても年々レベルがあがり非常に将来性ある国だといっていた。また過去に何人かの日本人選手が私のチーム(アトレティコ)でプレーしていたからね。
アルバセーテ(2部A)監督取材
資料を整理していたら、2~3年程前に監督の取材をしたときの資料が出てきましたので、少しでも参考になればと思い掲載してみました。
アルバセーテ(2部A)のトップ監督:セサール・フェルナンド氏
以下取材内容:
Q:あなたはかつてサッカーのプロ選手でしたか?
A: プロとしては初めバレンシアCFの下部組織で3年間プレーし、その後バレンシアCFのトップチームでやり、2部のUDサラマンカなどでプレーしました
Q:今までにどのチームで監督をしてきましたか?
A:バレンシアBに2年間、アルバセーテ2年間(アルバセーテが1部昇格した年の監督)、アトレティコ・マドリッド1年、そして今アルバセーテ。
Q:優秀な監督の条件で、過去にサッカーのプロ選手であることは重要だと思いますか?
A:過去にサッカー選手でなくても監督になることはできるし、現に選手でなくても優秀な監督はたくさんいる。しかし選手として経験があれば様々な状況に応じて選手としての視点で見ることができ、打開していける利点はある。
Q:優秀な監督である為には何が必要だと思いますか?
A:私にとって重要なのはポジティブな物の考え方見方だと思う。そしてできるだけたくさんの時間選手とコミニュケーションを取ることが必要で、自分自身が学び、考え付かなかったアイデアが浮かんでくる。
Q:最初にチームの監督に就任してまず何を考えますか?
A:アルバセーテにチームが決った時はやっと我が家に戻れたので嬉しかったよ(笑)
考える事はただ一つ再び一部に昇格する事。でも今は調子が悪い時期だったけれども後半は一試合一試合を大事にして上を目指していく。
Q:国内の監督であなたにとって優秀と思われる監督はどなたですか?
A:スペイン国内にはチームの順位に関係なくたくさん優秀な監督がいるよ。リバプールのベニテス、オサスナのビクトル・フェルナンデス、など他にもまだたくさんいるがスペインの監督の質は世界でもトップレベルだと思う。
Q:最後に日本のチームで監督としてやってみたいですか?
A:年々日本のサッカーレベルの向上が著しく、新しい経験を積むためにも非常に興味がある国だね。僕を必要としているチームがあればすぐにでも行きたいよ(笑)
レアルマドリッド対レクレアティーボ
先週土曜日、レアルマドリッドとレクレアティーボの試合がありました。
上位対下位の戦いで、当然レアルの勝が強いから、売れ残りがありチケットも安いだろうと思って当日券を買うことにしました。
ゴール裏の最上階が基本的に安く、そこから観る試合は双眼鏡でないとかなり観難いので、ラテラル(サイド席)の一番下にしてみました。
何と正規の値段で90€!?(約1万2000円)
更にその上は120、150€だとか・・・
確かにサイド席は高いが、相手はかなり格下でこの値段はないだろうと思い、僕は結局買わずに一緒にいった日本人2人が買いました。
この勢いだと、バルサ、レアルのクラシコは一体いくらまで値が上がるんだろう・・・
友達の写真を借りました。この値段にも拘らずほぼ満員のようです。
僕は近くのBARでテレビで試合観戦をしていました。
入場料は何もプロの試合だけではないのです。
実はジュニアユースやユースの試合も2部で3~5€、1部だと10€も入場料がかかるのです。
入場料を取るということはユース年代でも気の抜いた試合はできないということですね。
選手基礎:JUEGO~遊び
今日は主に「遊び」についての勉強をしました。
んん?「遊び?」
遊びについて何を学ぶの?
っと思いましたが、やっていくうちにスペイン人選手の「基礎」は遊びの中にあると思いました。
まず、小さい子供にサッカーのルールなどをいきなり教えるのではなく、遊びから段階を得て様々なことを「自発的」に学ばせるということです。
この「自発」こそ大切なんですね。
「遊び」から「スポーツ」そして「スポーツ競技」と段階を踏みます。
特に遊びから学ぶ物はこの時期にしか身に付かない事が多く、人間形成の上でも非常に重要だという事です。
簡単なルールはありますが、そこに競技としての勝ち負けはなく、
遊びの中で「仲間と協力」すること、「限られた制限の中で最善の手段を見つけ出すこと」、「集中力を高める」、そして「創造力を養う」等が挙げられます。
そこで道徳的なことも学び、喜びや悔しさなど人間らしさも形成されます。
とにかく自由にやらせて楽しませることが大切ですね。
次にスポーツとしてある程度ルールを取り決め、そこに「個人の技術」というのを見出します。
でもまだ8~11歳の子供は「ボールと俺」という自分勝手な考えなので、ある程度は自由にやらせることも大切だそうです。
そして13歳前後の思春期になり「ボールとライバル、俺」という考えがはっきりするようになり、精神面初め技術もぐんと伸びる時期です。
サッカーバカの僕は、この頃親に常に勉強、勉強と言われよく喧嘩したのを覚えています(笑)
13歳~17歳のユース年代になると、「ボールと、ライバル、仲間、俺」となり、練習も「サッカー」の戦術を取り入れた練習も行います。
17歳以上になるとサッカーも「スポーツ競技」となり、つまり勝敗がシビアな世界に入り込みます。
最初の遊びと違い、能力の高い者だけが残り、個人よりもチームとして、練習も勝つ為の練習へと変わっていきます。
挨拶など勿論、人間的にも成長していかなければ残ることはできません。
そこで、プロとしての道か、アマチュアとしてか、道が決まっていくのです。
日本の「部活」とは違い、スペインでは中学でも高校でも「クラブ」の中で「条件を満たした選手」として成長していかなければ、”クビ”になることは日常茶飯事なのでやはりシビアですね。
ユース試合
土曜日に知り合いが監督をしている、ユース2部の試合を観てきました。
最近は調子があまりよくなく、順位も中盤に下がってきたところです。
でも、知り合いのチームはホームの試合で負けなし、しかも相手は格下だから「どんな試合するのか?」よりも「どんな勝ち方」するのかを観ていました。
試合が始まると、やはり主導権を握ったのはホームのチームでした。
しっかりと繋いで、リスクを負わない戦い方で相手ゴールを何度も脅かしました。
相手は繋ぐというよりも、とにかく相手を潰すという感じで当たりが激しかったですね。
まあまあ、いずれにしてもこれはホームの勝だなっと誰もが思って、観客も安心して観ていました。
しかし、10分、20分と経過して点が決定的な場面を外し続けると、選手もイライラしだしてファールをするようになりました。
明らかに監督も選手も苛立っている様子で色々な指示が飛び交う中、無駄なファールからフリーキックが与えられました。
これをオフサイドギリギリの判定のところで決められ、イライラは確実に判断を無くし、段々と連携が崩れていくのが分かりました。
相手チームはベンチに入っている選手も飛び出して皆喜びあっているのが印象的でした。
そこから相手の気合が勝り、逆に主導権を握られてしまいました。
少し話しがずれますが、
ホームの監督は昨シーズン3部から2部に昇格させた監督がそのまま就任しています。
昨シーズンの練習では選手を「褒め称え」「精神的に盛り上げる」、という指導方針が彼のやり方でした。
しかし、今年は2部に昇格し更に難しい戦いになるから、気合を常に入れるよう「厳しく」「叱る」指導を取り入れたようです。
最初は気合が入りアウェイでも勝ったりして、上位につけていましたが、10試合目にして徐々に勢いが落ちてきています。
ここで練習していた日本人は「いつも監督は怒ってばかりなので、疲れる」と言っていたのを覚えています。
っと、このような「変化」から、結局勝てる相手に1-3で負けてしまいました。
試合では常に選手が100%の力以上出せるように心がけるのが、監督としての1つの仕事だと思えました。
相手は技術は低かったが、結果的に勝った。
つまり相手選手が100%以上の力を出せたところに勝敗はあったのかなと。
選手に100%以上の力を引き出させる、つまり「気合を入れさせる」ことは、単に怒鳴っただけでは効果がない。
技術練習を教えるよりも難しいことかもしれないなあと思いました。