イーティーズ・プレイスの星空観測行 -4ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

思いがけず「晴れ」の予報が出た11月4日、盛岡市内にも紅葉の声が聞こえてきていましたので、盛岡城跡での撮影を予定しました。ただし、この日の月の出は20:00過ぎで月齢は20.0、公園の木々を照らすのは深夜となります。その前に、雪を戴いた岩手山と天の川の星景を撮影しに、八幡平市の焼走りへ。南西方向に沈み行く天の川がちょうど岩手山の頂上あたりから立ちのぼる、まずまずのアングルとなりました。


暗夜のため、高感度での撮影

次に向かったのは、前回取り損ねた網張。月が出る前は真っ暗で、紅葉が残っているのかどうかも分かりません。しかも、カメラのシャッター(レリーズケーブル)がどうも不調です。そうこうするうちに月が出てきましたが、この夜の月はふたご座に鎮座し、岩手山のすぐ脇から出てきます。比較明撮影の予定でしたので、このままでは月が画角に入ってしまい、狙いどおりの画にはなりません。雲がかなり流れていることもあり、泣く泣く断念。

そして、22:00ごろには盛岡に戻り、盛岡城跡へ。この辺りの時間からしばらくは快晴の予報でしたが、空一面に雲。しかもほとんど動かず、これは、天気予報を信じて待つしかありません。気象庁だけの予報であれば、とっとと帰ったかもしれませんがw、GPVによる快晴予報でしたので。

そして、公園内をうろうろしながら待つこと2時間、やっと雲が消え始めました。流れるのではなく、文字どおり雲散し始めました。00:00過ぎ、ようやくの快晴で、魚眼による比較明撮影です。コンクリートのベンチに寝転んで、石川啄木が「十五の心」を詠んだ100年前をしのびながら、北の星空を眺めること約70分。



一人プラネタリウム状態


石垣の上に輝く月とオリオン座

ここで時刻は02:00を少し過ぎた頃。西の空も晴れています。一大決断で、網張へ再び。月もだいぶ高く昇り、十分に紅葉をとらえることができそうです。90分程度の予定で03:00前から撮影を始めました。開始して約30分後、北極星のやや西の低空、すう~っと光ってピカッとまたたく「火球」です。おうし群の流星と思われ、確かにポツポツと火球が出現していることは耳にしていましたが、実はこの撮影時には全く意識にありませんでした。流星群など、勇んで狙った時には振られ、まぁ、世の中そういうことですねw。


月明かりの中でこのぐらい


火球後の撮影コマを比較明合成

10月の新月は15日で、旧暦の9月1日に当たります。そして27日が十三夜で、「芋名月」とされています。9月30日の「中秋の名月」は雲の中にうっすら見える程度でしたが、十三夜の月はほぼ快晴の中で煌々と輝きました。今年も無事にお月見を終え、季節は秋の終わりへ、そして少しずつ冬の足音が聞こえるようになります。


名月の前夜(9月29日:月齢13.4)


芋名月(10月27日:月齢11.9)

紅葉は、徐々に山から低地に下りてきています。十三夜の月明かりの下、八幡平市にて紅葉狩りを行いました。小さな雲が流れる中、撮影できたのは松川渓谷と県民の森で、どちらも見頃からやや散り始めといったところでしたが、それでも去年よりは一週間程度遅く感じました。この後、雫石方面に移動しましたが、霧が発生しており、撮影は断念。


散り始め


岩手山はうっすら雪化粧

29日の夜は快晴の予報が出されました。勇んで紅葉狩りに出発です。この夜の予定は、岩手山のまわりをぐるりと回って、山の表情の変化と紅葉を組み合わせてみようという試み。スタート地点は、八幡平市の県民の森。以降、同市の上坊牧野と焼走り、滝沢村の春子谷地、そして雫石町の一本桜と網張です。滝沢の馬返しを忘れてしまいました。

予報では30日02:00ごろからは曇りとなっていましたので、なんとしても01:00ごろまでにはゴールである網張にたどり着きたい。ところが、出だしの県民の森で、肝心の東~南の方向に雲が残っていて、2時間近く待機し、結局雲が少々流れる中での撮影としました。次の上坊も同様。焼走りに至るあたりからようやく雲一つない夜空となりました。



岩手山の北西約6km


岩手山の北北東約7km


岩手山の東北東約5km


岩手山の南南東約7km


岩手山の南約11km

最終の網張り到着は30日の01:00ごろでしたが、早くも西から雲が張り出しています。ここは岩手山の南西にあり、頂上は北東方向に見えます。ぎりぎりセーフかと思いましたが、雲の流れ方から判断すると、すぐに画角内そして山の上空は覆われてしまいそうでした。残念ながら完走ならず、出だしのつまずきが響いてしまいました。

10月の最後に、ISSの好条件通過が続きました。27日は春子谷地(滝沢村)、29日は焼走り(八幡平市)でそれぞれ撮影。30日は、久しぶりにほぼ直上を通過、最大仰角も75度という、これ以上ないほどの好条件でした。北西から南東に、頭上を通過する長径路が見られますので、最大高度に達する南に岩手山を望む場所を撮影地としました。予報では曇りでしたが、通過時には一部雲がとれ、長い光跡を目にすることができました。



雲の中から(最大仰角40度)


快晴の中で(最大仰角38度)


流れの速い雲(最大仰角75度)

この後の月齢と天気の流れから見て、月下の紅葉狩りの前半は終了。後半は11月後半、内陸と県南部が対象です。紅葉は、昨年よりちょっと遅いようですので、11月の終わり頃になっても、まだ楽しめる地域がありそうですので、予定を組んで撮影に出かけてみます。しばらくおやすみ中の、星雲・星団・銀河の観測と撮影も、月の出が遅くなる、11月10日頃から再開とします。

10月前半に見られる、ISSの好条件パスは、16日が最後でした。最大高度(仰角)が22度と、やや低い通過でしたので、滝沢村の新鬼越池で、水面に映る光跡を狙いに行きました。が、残念ながら、ISS通過時には弱い風があって水面が少々波立つ状況。その後、風が止んだのでしばらく待機して、水面が落ち着くのを待ってから、岩手山の真上にかかった北斗七星を映す池を撮影。


まだ明るさが残る西天


折よく、人工衛星(イリジウム衛星か?)も飛び入り

17~19日あたりは、新月を過ぎて、沈む月の地球照が見られる数日です。18日(月齢3)が条件的には最もよい日まわりですが、曇天にてアウト。19日の撮影となりましたが、やはりわずかに月が太りすぎて、月明かりが少々強かったようです。樹幹に沈む月にギリギリ間にあって撮影。望遠鏡の調整が間に合わず、アップ写真は来月までおあずけ。


馬返しにて撮影

月見の帰路、滝沢村内の県道通過中、「あの」ガスタンクが目に入り、ちょうどリンゴの収穫期でもあり、スイカとの対比は面白かろうと考えて、ついでにオリオン座も入れて撮ってみましょう、ということで数時間待機。ところが、北~東の空には小さな雲が次々に湧いて、なかなかシャッターチャンスが訪れません。わずか1~2分の隙をぬってどうにか撮影完了。



さて、今年のオリオン座流星群の極大は、21日13:00ごろと予報されており、日本では21日の明け方と22日の夜間~明け方が「見かけ上」の極大です。21日は曇り~雨の予報でしたが、沿岸北部は何とか天気がもちそうと判断して、北山崎に遠征しました。ところがやはり、21日の01:00ごろからどんどん曇りだし、あちこちでゴロゴロぴかぴか、そして02:00過ぎ、ついに本降りになってしまいます。


駐車場と展望台の、二元撮影を敢行中で、ちょうど駐車場カメラ(ガイド撮影)の操作をしていた時の降り出しで、機材にシートをかけて車に避難となりました。展望台カメラは、雲行きが怪しいこともあり、電源OFFでビニール袋をかぶせてはありましたが、強めの風が吹き出せば飛ばされてしまう可能性があります。結局2時間近くも降り続け、小やみになった時にはもう3時。何もできずにおしまいの一夜。




曇る前に見えた流星はこれだけ

翌21日の夜は、全県的に晴れ。今度は山に、ということで、八幡平市の県民の森へ。到着して、機材・撮影の準備の途中の21:50ごろ、オリオン座がまだ昇りきらないうちに岩手山の上を横一直線に明るい流星。明らかにオリオン群の流星で、長めの経路で結構大きい。その後を大いに期待させる1個でした。が、ふたをあけてみると・・・。ひょっとして、これが今宵一番だったのかも。


22日04:11、金星に向かって飛ぶ、ギリギリ「火球」


22日4時台に、オリオン座周辺に出現した3個を合成

「特大」流星の出現はありませんでしたが、事前の予報の割には、数はけっこう見られた今年のオリオン座流星群でした。ここ数年、オリオン群との相性は悪くないので、今年もまずまずと総括しておきます。次の、今年最後の大物は、12月に極大を迎える「ふたご座流星群」です。昨年は、北山崎で、緑色に光る流星をとらえています。今年はどんな姿を見せてくれるか、もう今から楽しみ。その前に、「しし座」がありますが、こちらは数的には期待できず。突発的な「特大」が見られるか、だけに注目です。

10月の新月は15日(21:03がその瞬間)で、その前後数日は、地球に反射した太陽光が月を照らす「地球照」を見ることができます。肉眼でも、細い月とともにボンヤリとした月の丸い輪郭を確認することができます。個人的には、写真写りが最もいいのは、新月の2日前と2日後だと思いますので、13日(21:00の月齢27.4)と17日(月齢2.0)がチャンスです。

ただし、新月前は月の出が04:00ごろ、新月後は月没が18:00ごろと、観測や撮影の条件はやや厳しめです。どちらも、日の出が遅く、日の入りが早い時期、すなわち、晩秋から初春の時期でないとその姿をはっきりと見ることができません。自身、新月前の地球照を「まともに」観測したのは、ほぼ半年ぶりかと思います。



細い月と地球照(月齢27.7)


月の出(3分おきに撮影の8コマを合成)

10月の第二週、ISSの好条件パスが続きました。最大仰角は50度以上、予報光度もマイナス等級で、天候条件さえよければ、その長い経路を楽しむことができます。見える方角も、南あり西あり北ありで、いろいろな場所で撮影して、見比べてみるのも一興と思い、それぞれの方角に合わせて出かけてみました。結果は以下の通りです。


南:上坊の一本桜(八幡平市)


南西:銀河ステーション天文台(八幡平市)


北西:岩山展望台(盛岡市)


北:小岩井の一本桜(雫石町)

好条件がすべてそろった場所は、残念ながらありませんでしたが、それぞれで全部または一部の経路は確認することができました。天文台においては、通過の直前までは完全に霧に包まれていて、完全に諦めていたところ、5分前から急激に晴れ、慌ててカメラをセッティングして撮影できました。

岩手山は、この時期、どうしても雲に包まれる日が多く、撮影した4日間とも、頂上までスッキリ見えた日はありませんでした。ISSは、この後しばらく低空(高度10度程度)通過が続き、40~50度以上の高度での通過は月末まで待たなければならないようです。その前にあるのが「オリオン座流星群」ですが、週間予報では何とかなりそうです。出現数は、各種予報を総合すると、条件のよい空で、極大前後の1時間あたり20個程度か、というところです。火球(-2等級以上)も見られる可能性がありますので、運試しを兼ねて観測・撮影とする予定です。
かつて「ジャコビニ流星群」と呼ばれ、13年ごとに活発な出現が見られる群は、現在の正式呼称が「10月りゅう座流星群」となり、今年は8日20:00と9日02:00が極大と予報されました。元の名のとおり、ジャコビニ彗星が近づいた時に限って大出現の可能性がある流星群ですので、それから判断すると、今年はどの予報を見ても「期待できない」「出現は多くはない」というもの。

昨年は、ヨーロッパ方面で大規模な出現があり、素晴らしい写真を見た記憶があります。今年のピークは、結局日本時間16:00ごろだったようで、8~9日の夜間には、ほとんどそれらしい流星を見ることはできませんでした。極大とされた時刻をはさんだ1時間では、「かな?」と思われるものが数個程度でした。しかも、暗くて経路の短いものばかりで、見栄え、写真写りからはやや期待はずれです。


8日18:55出現の、「かな?」流星


9日02:30出現の「散在」流星

多くの出現が期待できる今年の流星群は、今月のオリオン座と12月のふたご座を残すのみとなりました。ネームバリューで言えば、しし座もあげられますが、まだまだ出現が増えることはないでしょう。天気の周りが嫌なサイクルに入りかけた先月から今月初めでしたが、これから年末に向けて、ぜひとも好天に当たることを願うばかりです。

夜間の好天が徐々に増えてきています。ただし、湿度が高く、霧っぽい夜も多く、淡い天体の観測や撮影には苦労の日々ですが、7月から始めた、「星雲・星団・銀河」(メシエ天体、NGC天体)再撮影は継続しています。新しいカメラは、高感度に耐え、まずまずの画像を提供してくれています。季節ものですので、主なものすべてを網羅するにはあと数ヶ月、来年の2~3月ごろに完結、となりそうです。



M20(いて座の三裂星雲)と飛行機の光跡


M45(おうし座のすばる)と飛行機の光跡

そして、ISSが夕方の空に、好条件で見える(はずの)日が続きます。最大仰角50°以上で、長い経路の光跡を、(晴れていれば)楽しむことができます。撮影も数ヶ月ぶりのはずですので、かなり気合いも入り、撮影場所を事前に十分検討して臨んでいます。が、天気ばかりはどうしようもありません。ISSの通過後に晴れるとか、逆に、通過直前になって急激に晴れるとか、遊ばれているような感も。それはそれで楽しいんですけど・・・。


上坊の一本桜にて。通過1時間後に快晴


焼走り天文台にて。通過5分前に突然霧が晴れ

今後しばらくは、継続中の天体写真撮影、ISS追っかけなどを織り交ぜながらの通常観測が中心となります。そうこうしているうちに、岩手山から始まり、岩手の地は雪化粧しますので、「雪景と天の川」なんてぇのを少し撮ってみようと計画中。西に沈む天の川は、12月半ばまでは十分に観測・撮影可能ですが、方角的に場所はだいぶ限定されそうです。それが過ぎると、東の空から「昇る天の川」のシーズン。一年中見るものには事欠かない岩手の星空です。
今年の名月は9月30日で、昨年に続いて満月に当たりました。これは来年までで、2014年からの7年間は、満月の日からは1~2日ずれてしまいます。旧暦の8月15日を中秋の名月の日としており、それに対して月の満ち欠けの周期は約29.5日であることで、微妙なズレが出てきます。月そのものは、いつもの満月と同じなわけですが、「名月」の響きから、やはり空を見上げる人も多くなります。

予報では、台風の影響で、30日の天気だけがどうも怪しげでしたので、前日から撮影に出かけました。29日は、雲は多いながら、時折晴れ間も出る状態でしたので、きれいな月が見えました。そして30日は、やはり日中から厚い雲に覆われ、月の出の頃には完全に曇り、雲を通しての月見となり、夜遅い時間からは雨と風で完全にアウト。



30日だけが・・・

10月に入り、最大の狙い・見所は2つの流星群(8日の、かつて「ジャコビニ」と呼ばれた10月りゅう座と、21日のオリオン座)ですが、その前に、3~4日の、金星とレグルス(しし座)の接近、5~6日の木星と月の接近も見ておきたいところです。特に金星とレグルスは、最接近時には1度を切るほどの近さですので、やはり観測しておくべき対象です。


金星とレグルス

3日朝の空は、薄い雲が広がり条件としてはよくありませんでしたので、望遠鏡の直接焦点(1000mm)で、敢えて高感度長秒露出での撮影です。両星の光度差は5.5等ほどですので、明るさの違いは100倍以上です。金星は、半月を少し過ぎたくらいの、ややふっくらした形に見えています。最接近の4日朝は完全に曇りで、残念ながら今回は観測できませんでした。

レグルスは、天の黄道(太陽の通り道)付近に位置する4つの1等星(ロイヤルスター)の1つですので、月や惑星が近くを通る機会が結構あります。次回、これほど接近するのは2014年9月(条件は良くない)と2015年10月(「惑星集合」のおまけつき)で、ぜひ晴天を願いたいところです。



月暈の中の木星、電柱のあたりにオリオン座

木星と月ですが、天気予報が思わしくなく、端からあきらめて外出していましたが、深夜には雲を通してボンヤリ見えているではありませんか。目元、足元をふらつかせながらw、三脚での固定撮影となりました。離角は4度ほどですので、大接近というほどでもなく、ここのところ毎月見られる光景でもあり、一つの記録写真として、ということで。


500mm望遠だと画角ギリギリ

明月、金星とレグルス、木星と月、と、天気に恵まれない日が続き、いや~な感じのサイクルに入り込んだ気分です。スッキリ快晴の空がなかなか訪れない今年の秋ですが、来週からに期待して、流星群を契機に残り3ヶ月の天文現象あれこれを観測・記録していきます。まずは8日の夜。流星群の極大は20:00ごろの予報です。月明かりなく、輻射点も高いですので、ぜひどうぞ。
早くも9月末となりました。日中は秋晴れが続くものの、夜になると雲が出て、晴れても湿度が高く、夜露に悩まされ、秋の夜長をじっくり星見で過ごす、のはもう少し後なのでしょうか。それでも、「曇り」予報のハズレを期待し、わずかの晴れ間を探してあちらこちら。24日には折爪岳(九戸村)、25日は北山崎(田野畑村)、そして26日は雫石へ。


折爪岳山頂からの眺望:霧の八戸自動車道と八戸市の街灯り


折爪岳展望台にて。天の川に向かってバンザイ


雫石町にて。岩手山の頂上には雲、北斗七星が東の空に直立

月没が夜半過ぎとなる時期ですので、天の川はその後の撮影。幸い、その時間帯になると雲がとれて晴れた夜空が広がります。夏の大三角は沈み、カシオペア辺りが見所になります。平地や盆地には霧が出やすいこともあり、見晴らしのよい高地を目指して遠征、のパターンが増えそうです。


「冬」の星雲・星団


ぎょしゃ座の散開星団3態

星雲・星団・銀河については、カメラを換えたこともあり、7月半ばごろからすべて撮り直し作業に入っています。高感度が得られることと、画素数が大きくなったことにより、比較的短時間での撮影が可能ですが、一通り終了するには少なくとも半年は必要と思われます。月明かりのない、晴れた夜(夜中)には極力撮影行に出る覚悟で。


木星・金星・木星四大衛星

さて、木星が徐々に観望の好機を迎えてきました。26日から27日にかけての深夜、衛星が4つそろってほぼ直線に並びました。意外にも、このような配列を見る機会は多くはありません。数時間後にはイオは木星本体の前面に回って見えなくなりました。03:00前には、しし座にいる金星も顔を出します。半月型を過ぎ、徐々に円形に近づきます。


冬の星座ハイライト(木星・金星つき)

02:00を過ぎると、主な「冬の星座」が勢揃いします。現在は、おうし座に木星、しし座に金星があって、ただでさえにぎやかな星空が、なお一層豪華になっています。しし座が昇る頃には、8個の1等星を楽しむことができます。金星はこの後しし座の中を進み、冬の星座たちから少しずつ離れていきます。

10月になれば、「10月りゅう座」「オリオン座」、11月には「しし座」、12月には「ふたご座」と、好条件の流星群が続きます。春~夏は天気にも恵まれず、例年通りに(?)流星群には振られ続きです。残り3ヶ月、これまでの不運・不振を一気に解消するほどの天候、そして出現を今から心待ち。そして、その場で悔しがらないために、「願い事」は日頃から何度も暗唱すべし。ただし、1~2秒で3回唱えられる程度の言葉を。
7月から9月にかけて、岩手県内各地に足を運び、天の川の星景を撮影してきました。画像のみの場所、画像と動画の場所、諸般の事情により撮影を諦めた場所、様々でしたが、ようやくにして、一本の動画にまとめることができました。一夏の観望の記録としてご覧いただければ幸いです。一足先に、ツイッターを通して公開し、多くの人に見てもらい、概ね好評をいただいております。



動画に収録した以外でも、渋民公園(啄木歌碑)、旧渋民尋常小学校校舎、休暇村網張温泉、早坂高原、思惟大橋、焼走り、にて天の川を撮影しましたが、時間や天候などの関係で動画作成には至りませんでした。9月も末となり、暗夜となる頃には、すでに天の川は西の空に大きく沈み、これからしばらくは月明かりもあって、今夏の撮影はほぼ終了といったところです。しばらく後、冬から春先にかけては、東の空から昇り始める姿を撮影する予定とします。

この時期、秋から冬の星雲・星団・銀河の観測と撮影が中心となってきました。メシエ天体を始め、NGC天体についても、主なものは一通り撮影済ではありますが、新しいカメラとの撮り比べの意味も込めて、季節ごとに再撮影に取りかかったところです。スッキリとした秋空には、もう少し時間がかかりそうです。


秋の球状星団


夏~秋の惑星状星雲

春先に、知人から作成依頼を受けたのが、「星の明るさや色などの違いが一目で分かる資料」でした。小中学生から使えるようなものをということで、「岩手で見ることができる1等星」と題して学習シートの意味合いを込めたものをイメージして取りかかりました。

全天に21個ある1等星のうち、岩手では15個を見ることができます。残り6個は、南天を彩る星々で、北緯39~40度の地では全く目にすることができません。冬~春~夏の1等星は、時期を選んで「まとめ撮り」することで、14個までは意外に楽に撮影できましたが、最後に残ったフォーマルハウト(みなみのうお座:秋の1等星)がなかなかいい状態で見えてくれません。

この「南の一つ星」は、赤緯-29.5°ですので、北緯40度では、南中しても20度ぐらいまでしか昇らないので、空の状態が良くなければきれいに写りません。何度か撮影してやっとまずまずの画像ができましたので、シートにまとめて完成です。折に触れ、星(恒星)の撮影も継続しますので、より状態の良い画像ができた場合には、随時差し替えていくつもりです。


フォーマルハウトがやはりちょっと物足りない画像です

猛烈な夏が、ある日を境に突然にして秋に変わり、体と心が順応し切れていないようです。頻繁に観測に行く八幡平市の高地では、夜間の気温が10度を切るような状態で、ここ数日は日中の最高気温もやっと20度に届く程度。ひょっとして、今年の秋は短くて、冬は冬で烈寒(という言い方はないのかな?)の日々になるのでしょうか。日本の気候も、夏冬で両極端になりつつあるここ数年です。星空は、(目には)何も変わらないのですが。
内陸北部は深夜から快晴の予報です(気象庁以外は・・・)。早めに出発して、雲が流れて晴れてくる様子も観察してみました。(GPVの)予報どおり、南~南西から、北~北東へとゆっくりと厚い雲が動き、徐々にそれが薄くなって星がポツリポツリと見え始めてくる時間。晴れると分かっている(期待している)ので、こんな時間帯も苦にならず、逆に楽しくさえあります。

天の川はすでに西に傾きつつあります。盛岡市玉山区の渋民公園から啄木記念館へ。次いで雫石町の小岩井一本桜。最後に休暇村網張温泉。網張は、星景撮影の後、金星とM44(かに座のプレセペ星団)の接近、そしてISS(と、HTV「こうのとり」)の観測と撮影の予定です。薄明前には月齢27の細い月も出てきます。地球照チャ~ンス。



渋民公園。今回は天の川メインでタテ版


網張。右下には、昇り始めた金星の輝き

天の川:星景が一通り済んだころ、月が山際から顔を出してきます。極細の頼りなげな姿に、肉眼でも地球照が確認できます。M44は、金星の光が強くて、肉眼ではちょっと難しい状態。木星も加わり、東の空は超豪華です。それにしても、金星の動きは速い。ついこの前まで木星の近くにいたと思っていたら、もう「春の星座(現在はしし座)」に入っています。


あえて、ちょっと雲がかかったバージョン


金星は、秋らしく「コスモスバージョン」でM44とともに

さて、ISSの通過時間が迫ってきます。04:29の見え始めということで、日の出40分前、かなり明るくなっています。感度と露出を調整して試し撮りをしながら、その時を待ちます。今回は、ステーションから放出されたHTV(補給機「こうのとり」)が、ISSの後方を航行しているので、空の状態が良ければ見えるかもしれません。が、直前から薄い雲が広がり始め、朝の薄明も重なって残念ながら確認できませんでした。ISSは光度0.5等級、HTVは5~6等級なのでしょうか。次回に期待、ということにしました。


シリウスの下あたりで最大仰角23度

久しぶりの完全徹夜の帰路、雫石あたりは濃霧、盛岡は分厚い雲に覆われ、地域選択と作戦に間違いなし、と満足の一夜。天の川は、あと1~2カ所の撮影を残すのみで、その後は組み合わせて動画作成。今月中のものになりそうです。ISSもまた好条件で見られる日々が続きます。農作業(お彼岸用中心の秋物小菊)もあるし、合間に星見て・・・あぁ体がもつかいな?などと思っていたら、予報では向こう一週間はほとんど曇り、っていやがらせ?
8月31日金曜日の夜、机に向かって椅子に座ったまま、棚に手を伸ばしてちょっとだけ体をひねったら、「クキッ、チクッ」とした痛みが腰に走り・・・。15年ぶり2度目のぎっくり腰です。その瞬間から日曜日の午前中まで、ほとんど横になったままで過ごすという羽目に。安静にしてるより他に手立てがないということで、腰を冷やしつつ、ただひたすら回復を待つ時間でした。

治り始めると、これもあっという間。ホントに何事もなかったかのように元通りです。そうなると、晴れた夜空を見て黙ってはいられないわけで。近場から始めて、中距離~長距離と移動距離を伸ばしながら様子見です。きちんと計画を立てて出かけたわけではないので、とりあえず夜空を見る、程度でまずは数日ほど。

9月上旬、天の川は19:00には南中し、以後どんどん西に傾いていきます。ここからは、前回に引き続き、西空の天の川を背景とした景観撮影が中心です。岩手山周りのいくつかの地点と、沿岸は田野畑の北山崎を撮影地としました。天の川の淡い光芒にとっては、下弦までの月明かりはかなり強烈です。



焼走りの岩手山。天の川はかなり淡い


渋民公園。同じく

月明かりがないと、せっかくの景観が真っ黒になってしまいますので、悩ましいところではあります。感度を上げすぎると画像が荒くなってしまいますので、適度に折り合いがつけられそうな条件で再撮影、というところでしょうか。方角と時間帯、撮影の感覚は確認できましたので、また次週以降に。

次に北山崎。数日前に、腰馴らしを兼ねて撮影はしていましたが、やはり月明かりが強いのと、ずっと雲がかかっていたこともあり、不本意な画にしかなりませんでした。今度は、第二展望台まで下りて、薄明から暗夜へと移る際の撮影と決めて出かけました。が、19:00過ぎまでどうしても雲がとれず、快晴となった時間にはすでにあたりは真っ暗、肝心の景観も暗闇です。逆に天の川はくっきり、「ぎんがけい!」を実感しました。



かなり感度を上げましたが・・・

撮影場所は、第一展望台から下ること360段、林の中に設置されていますので視野がやや狭く、タテ版での撮影としました。撮影中、突然藪からガサガサと。目の前に現れたのは「ハクビシン」のような顔模様の動物です。暗闇でしたのではっきりとはしませんが。ドキッと身構えた瞬間でした。帰路、国道45号線の谷にかかる思惟大橋を撮影。谷底に下り、見上げる構図としました。カシオペアから立ちのぼる、北方向の天の川がくっきりと見えました。


全長315mのアーチ橋

橋のない時代、彼の地への赴任者がこのあたりの山坂にさしかかり、行こうか戻ろうか迷ったのが「思案坂」、そこを越えたらさらに深い谷。それを目の前にして愕然とし、職を放り出して帰ったというのが、その名も「辞職坂」。今でも思惟大橋の谷に道が残り、ちょっとした観光ルートになっているようです。私は徒歩で越えようという気は起きませんがw。

天の川撮影は、今回分の再撮影を含めて、予定ではあと数箇所。同時に動画用にも撮っていますので、9月中には「岩手の天の川:夏編」という形で完成できそうです。「夏編」があれば「冬編」もあるわけで、これは東から昇る天の川を集めたものになる予定です。だいたい2月末あたりから撮影を開始して・・・って、気が早すぎますかw。