イーティーズ・プレイスの星空観測行 -3ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

2012年の本格観測の締めくくりはリニア彗星(C/2012 K5)となりました。22~23日に引き続き、24~25日も快晴に恵まれた沿岸での撮影。前回よりもさらに月明かりが強く、月没は25日の04:00過ぎでしたので、暗夜での撮影は無理で、明るい中での観測です。長時間にわたる、星間移動の様子をメインに、動画作成用の撮影を主目的としました。

予報では、最大光度でも7.3等でしたが、比較的写りもよく、今年の彗星の中では上位にランクします。来年には、肉眼彗星が予想される、特大2個の予報が出されていますので、そのための予行の位置づけでもあり、あれこれとアイディアを試しています。最低気温-7°の中、19:00ごろから翌朝06:00すぎまで。


24日19:45~23:15、30分ごとの画像を合成


25日05:38~06:00、朝の薄明に吸い込まれる様子


動画(星間移動、コマ動画、薄明前)

朝の薄明開始前、短時間でしたが暗夜が訪れ、南の空も快晴です。継続中の、星雲・星団・銀河の撮影の一環として、うみへび座のM83に望遠鏡を向けました。形が好きな銀河の一つですが、赤緯が-30°で、北緯40°では南中時でも高度20°程度、大気の状態がよほどよくないと鮮明な画像が得られません。この日は条件的にはまずまずということで、とりあえずキープ画像としました。


大型のかっこいい銀河です

東の空が明るくなり始め、徐々に朝焼けに染まってきます。金星の出は05:09で、木々の間から顔を出し始めました。すべての星々が薄明に吸い込まれたあとも、-4等級の輝きで一つだけ青空の中に見えています。その下には水星が出ているはずですが、明るくなりすぎたのか、木の陰なのか、確認することはできませんでした。


25日06:13、日の出40分前

今年の観測・撮影の最終は、27日と31日の月(月齢14.2と17.3)の予定です。「月の満ち欠け」のスライド動画(新版)作成用の撮影ですが、今のところどうも天気が不安です。一瞬の晴れ間でも撮影はできますので、どうか「雪」だけはやめて欲しいところ。これを逃すと、同じ月齢の月に会えるのはほぼ2ヶ月後となりますので。
振り返ってみますと、今年は彗星観測の記憶がありません。毎年、世界中で数百(?)もの新彗星が発見される中、肉眼彗星、とまではいかなくても、そこそこ見栄えのいいものはなかったような気がします。見逃しただけかもしれませんが。思い起こせば、現在の仕事をする遠いきっかけになったのは、1997年に見た「ヘール・ボップ彗星」でした。20世紀最大級の大彗星で、数ヶ月にわたって、見たり撮ったりと楽しませてくれました。


1997年3月、フィルム時代の撮影

2012年も年の瀬を迎え、リニア彗星が7等級まで明るくなっています。望遠鏡であれば伸びた尾が見えそうです。おおぐま座の中を移動中で、北斗七星のドゥベ(おおぐま座α)の近くにいます。最大光度を迎えるのは月末ですが、一晩中月明かりがありますので、早めの23日に観測に出かけました。

深夜からは晴れの予報だったのですが、どうやら雲の吹き出し口の真下だったようで、大小の雲が終始流れる悪コンディション。時間的に移動もできず、雲の切れ目を狙ってはシャッターを切ること数十回。撮った枚数は相当ですが、見られるコマはほんのわずかという結果でした。それでも、長く伸びた尾と、移動の様子を記録することができました。



60秒露出がやっとなほどの雲の多さ


1時間ごとの移動。1日に4°以上の移動量

彗星撮影の合間に、通常観測として、星雲・星団・銀河の撮影もと思っていましたが、やはり十分な露出が得られるほどの晴れ間が少なく、数枚のみの収穫です。しかも、遠出の時間がとれなかったこともあり、かなりの街灯りを受けての撮影となりました。次回のための試作品という程度の位置づけです。


数億光年彼方のうみへび座銀河団周辺。空が明るすぎ


ふたご座の散開星団

彗星と言えば、1986年にハレー彗星が接近しましたが、地球との位置関係が今ひとつで、イメージしたほどの見栄えがしませんでした。その時の決心が、「生きて、もう一度ハレーを見てやるぞ!」というもの。次回の接近は2061年の夏で、条件的には最高のようです。私は102歳ですが、可能性がゼロではありません。もちろん、そのために健康管理とか体調維持とか・・・をするつもりはないのですがw。好き勝手にやって生きていれば、それもまた愉快。
雪、ゆき、ユキ、雪、ゆき、ユキ、またゆき~よ~~、の盛岡。この先一週間から10日は曇りと雪の連続、しかも真冬日ありの厳しい予報。ISSもしばらく見てないし、海に行きたい症候群が再び、三度。冬の典型的な気候とはいえ、これほど極端に違わなくてもいいんじゃない?

18日、ISSはオホーツク海上空を通過。盛岡は最大仰角13°の予報でしたが、少し北に行けばもう少しは高い位置で見られそう。そこで、普代村の黒崎へ。ここはちょうど北緯40°で、通過する北側に海が開けて見えます。低空に雲がなければ、少々暗くても見えるはず(この日の予報光度は0.4等)。



雲が流れて間に合いました

この先しばらくは、こんな感じの通過が続くようです。さて、観測、と思って駐車場で準備をしながらふと海の方を見やると、光の柱が何本も立っているのが見えます。海を見晴らすところまで歩を進めたところ、沖合の船(イカ漁か?)の漁火からまっすぐ雲の中にビーム状の光が立ちのぼっています。

地平線を見渡すと、その数10本以上。その場で「いさりビ~ム」と名付け、写真に収めてみました。帰宅後に調べたところ、「漁火光柱(いさりびこうちゅう)」と呼ばれるもので、上空に氷の結晶が存在する場合に、光が反射して見える現象のようです。確かにこの日は、キンキンに冷えて、星も冴え渡り、おまけに夕方の早い時間帯には、海からビュンビュンと風が吹きつけていました。



林立する柱のごく一部

ひとしきり、いい物を見たあとは、通常観測へ。予定では、二重星と春の星座の星雲・星団・銀河で明け方まで、でしたが、夜半過ぎから薄い雲・厚い雲が交互にやってきて、スッキリした星空が長くは続きません。しかも、東の空は終夜明るく、どうも思惑どおりには行かないようです。


名のある主なものだけ

二重星(三重星・四重星)は、撮影するのはデリケートな条件が必須です。風があると像が揺れてしまうし、ピントが甘いときっちりと分離してくれません。条件的に最良ではなかったこともあり、固有名をもつ、有名どころのみの、「試運転」といった位置づけでいくつか観測し撮影したのみ。

乾燥した沿岸は、風のない快晴の夜空にさえ出会えば、素晴らしいシーイングの、鮮明な像を得ることができます。ここからは月が徐々に太ってきて、月末にかけては本格的な観測はお預けですが、それはそれとして、月を見たり、比較明撮影をしたりと、やりたいことはいっぱい、いっぱい。
12月の新月は13日。日の出が遅く、日の入りが早いこの時期には、その前後に細い月と地球照がきれいに見られます。今月の狙い目は、10日から12日の早朝と、15日から17日の夕方です。前半は、沿岸部での予報がまずまずでしたので、9日から出かけ、そのまま滞在の上で観測・撮影に臨みました。

月の出の方位は、新月に向かって南に移動していきます。一日に10°弱の移動ですので、三日分で一枚にまとめるとちょうどいい感じになります。が、10日の朝時点で早くもアウト。月の出直後から雲が出て、そこそこ昇るまでずっと月は隠れたまま、という状態でした。11日の朝も、月そのものが見える時間帯はありましたが、昇る過程の大半は薄雲の中。



12日の、昇る月と地球照・金星・水星


11日と12日の月と地球照

新月前の月と地球照、また来月に再トライとなります。そして、新月のあと。天気は内陸・沿岸ともに芳しくありません。もう最初から諦めて、見られる日だけ、撮れそうな日だけ、と割り切りました。結果、16日の夕方だけ、西の低空に厚い雲が居座った中、1時間弱の撮影ができました。


16日18:56~19:17、右の雲の中に岩手山


前後での、ほぼ同じ細さの月くらべ

観測を予定していた6日間のうち、ほぼ全過程で撮影ができたのは、12日の朝だけという結果になりました。今さらながら、相当にハードルが高い撮影です。ここ数年一度も成功していませんが、太陽の出没の関係上、3月ごろまでは挑戦できそうです。

今年も残り半月。これといった「天文現象」こそありませんが、通常の、恒星・星座・星雲・星団・銀河・・・などなど、観測・撮影の対象は尽きません。再撮影に取り組んでいるものもあり、晴れ間を見つけては出かけていきます。
さて、今年のふたご座流星群。極大予報が14日08:00ということで、国内ではもちろん星が見えない時間ですが、夜半過ぎから夜明けにかけて、極大に向かって流星の出現がどんどん増えていくとされていました。条件さえ良ければ1時間に100個ぐらいは見られるのではないか、との予想も。13日深夜から14日の薄明開始あたりまで観測できれば理想的です。

当日の天気予報によれば、この時間帯は内陸ではほぼ絶望的。沿岸の、しかも北部のみが晴れの可能性がありそうです。観測地に選んだのは、田野畑村の北山崎。通常観測では、特に冬場は何度も訪れていて、土地勘も十分ですし、園地内の「白花しゃくなげ荘」さんとは交流もあります。迷うことなく現地に向けて14時前に出発しました。

早い到着の理由は、17時頃には南東上空をISSが好条件で通過するからで、方角的には北山崎を前景に最高の経路での航行です。最大仰角47°光度-1.6等と、これまたほぼ最良の条件。現地に着いてさっそく展望台へ。16:30ごろにはほぼ全天が雲に覆われています。少しでも晴れ間が出ることを祈りつつ撮影準備。すると、通過の15分ほど前になって、南側半分の雲が一気に南東目指して流れていき、ISSが通る「花道」がポッカリと開いてくれました。



雲の流れ方が急速

撮影後、「しゃくなげ荘」オススメの「元祖磯釜めし」に舌鼓。体も暖まって、駐車場にて観測の準備をし、20時頃までは関係者(ご家族・ご親戚)の皆さんと観望会。木星・オリオン座大星雲・ベテルギウス・アンドロメダ大銀河・・・・。この時間帯はほぼ快晴で、きれいな天体を堪能できました。そして、21時頃からはいよいよふたご座群の観測・撮影態勢に突入です。

00時頃までは少々の雲は流れるものの、まずまずの空模様で、それらしい流星も流れ、時間とともに、小さいものがほとんどながら、出現数も順調に増えていきました。なるべく広く、多くの流星をとらえるために、メインカメラには魚眼レンズを装着しています。一つ一つは小さくなりますが、数多くを写して合成することにより放射点を確認できるようにするのが狙いでした。全天の半分ほどがカバーできますので、1時間あたり20~30は捕捉できるのではないか、と考えました。



13日22時台の3コマを合成(中央やや上が放射点)

日付が変わり、さらなる出現が見込まれます。が、0時過ぎごろから雲行きが怪しくなり、1時前には完全な曇り空。しかも雲が見るからに厚く濃い感じです。抜けるには相当の時間を要しそう。そしてその予想通り、再び晴れた空が現れた頃には3時を回っていました。後日の情報では、1時~2時台には、結構大きなものも含め相当数の流星が舞ったとか・・・。


左:03:28の流星/右:04:54の「人工衛星」

どうも消化不良気味の遠征ではありましたが、晴れの時間帯も少なくなく、「らしい」流星も見られたので、とりあえずはよしとします。早朝に撤収し、途中で仮眠の後に帰宅しましたが、道中盛岡まではずっと曇りや雨模様で、やはり全く星空は見えなかったとのこと。

ここ数年の傾向として、ふたご座群は極大後に大きな流星(火球)の出現の可能性があります。14日夜、天気予報は思わしくないものの、その可能性を求めて紫波町に出かけました。20時頃までは東の空を中心に星は見えています。ただし、霧が出てきていて条件的にはきわめて厳しい。21時過ぎからは、完全な曇り空となり、万事休す。ふたご群、また来年、ということに。
12月9日夜、雪に埋もれた盛岡を脱出し、宮古市の浄土ヶ浜へ。約一週間ぶりの快晴の夜空です。遠征の主目的は、「月の満ち欠けスライド動画~ニューバージョン~」作成のための、月および地球照の撮影です。10日~12日の朝、細い月(月齢25.9~27.9)が見られますので、春の星座の各種天体撮影とあわせての観測行です。

10日の朝こそ、薄雲が広がるあいにくの条件でしたが、11日と12日は快晴に恵まれ、キリッと冷えた海辺で無事観測・撮影を済ませました。新月の前日ともなれば、月の出が5時過ぎになり、条件的にまずまずの撮影ができるのは6時近くです。日の出が遅いこの時期にしかできないことですので、待ちに待った、ということで。



新月の前日二日分

日の出直前の浄土ヶ浜は、薄明の中の月と金星、それに水星も見えて、東~南東の空は豪華です。少し離れた上空には、土星も見えています。金星と土星が大接近したのは半月前のこと。今は、だいぶ離れてしまい、金星はどんどんと高度を下げていきます。


11日朝の浄土ヶ浜


12日朝の月・金星・水星(5分ごとのコマを合成)

月が出るまでの時間は、春の星座(しし座・おとめ座・かみのけ座・りょうけん座など)の中の、星雲・星団・銀河の観測と撮影です。この領域は、系外銀河の宝庫で、渦巻銀河や楕円銀河が数多く見られます。メシエ番号が付いたものも多く、見飽きることがありません。

ふと見上げた北斗七星。何度も見ていますが、七つ星の明るさはもちろん、色の違いがあることに気づき、初めて一つ一つの星を撮影してみました。7つのうち6つまでが2等星と見栄えが良い並びで、全体を愛でるとともに、構成する星々をじっくり観察するのもまた一興。



ひしゃくの柄から順に

もう一つ、太陽系内にある、地球の仲間である「小惑星」「準惑星」も観測の目的の一つでした。小惑星ベスタと準惑星ケレスが相次いで「衝」を迎え、観測の好機を迎えています。とは言っても、遠く(火星と木星の間)にあり、小さな天体(直径にして、ケレスは950km、ベスタは500kmほど)ですので、それぞれの存在と移動が分かるだけです。


ベスタの移動(上の輝星は木星でその下がアルデバラン)


ケレスの移動(左下の星群はふたご座のM35)

12日午後、戻ってきた盛岡はやはり曇り一時雪。しかも、13日の最低気温は-8°と、この時期にしては極低温。12日夕方にはISSが好条件で通過しましたが、雲に阻まれ全く見えず。やはり冬場は沿岸に限ります。ということで、13~14日のふたご座流星群は、天気予報のにらめっこした結果、田野畑村の北山崎に決定。13日20:00ごろから14日05:00ごろまで、さぁ、いくつの流れ星が見られるかな。
いよいよ冬を迎え、岩手の星空も、山から雪景色がその美しさを増してきます。月明かりもいい頃合いですので、月下の比較明撮影としゃれ込みました。やはり、手始めは岩手山なんです。北から、東から、南から、いろんな方角から見ると、山の様子がそれぞれに違い、星の動きもまた変化します。11月末から12月初めにかけては、そんな景色が狙い目。


馬返し登山口(滝沢村)からの岩手山


新鬼越池(滝沢村)からの岩手山


網張(雫石町)からの岩手山

12月1日は、ISSの経路の関係で、沿岸は田野畑村へ。こちらも、東から昇る月に、正面から照らされた「海のアルプス」が夜空の星々を凌ぐ堂々の絶景。ここは、何度か撮影していますが、この夜は月齢と天気がこれまでで最高の具合でした。適度な波も一役。


北山崎(田野畑村)と南天の星々の軌跡

さて、ISSの好条件通過が何日か続きました。事前に経路を確認し、それぞれの方角に合わせて撮影場所をあちこち。11月30日は、北極星あたりに見え始め、北東へ。12月1日は、北西に見え始め、南東方向で最大仰角。そして、2日は、仰角74度から春の星座を真っ逆さまに直進です。


11月30日、網張(雫石町)にて


12月1日、盛岡駅西口周辺にて撮影、の予定でしたが・・・


12月2日、北山崎(田野畑村)にて

このところ、水星が見頃(観望の好機)です。12月5日の西方最大離角で高度が最も高くなりますが、天気が怪しいので少々先取りして観測中です。4時過ぎごろから、土星~金星~水星と、一つずつ顔を出してきます。日の出前には、東の空に三惑星がきれいな斜め直線に並んでいます。水星は-0.5等ほどまでにはなりますが、何しろ高度が低く、観測は厳しめです。現在半月状。


網張(雫石町)にて撮影。下は盛岡市の街灯り


北山崎(田野畑村)にて撮影。漁り火とともに


12月1~2日に見られた6惑星。気流状態最悪でそれぞれの雰囲気のみ

今週は、月の撮影の連続ですが、月齢の関係で、チャンスはだいたい3時から5時頃となります。ほぼ同じ月齢の月は、2ヶ月に一度しか見られませんので、毎日早起きまたは夜更かし(徹夜?)の日々になりそうです。月の出が遅くなってくる週末からは、西空に沈む天の川と冬景色の組み合わせ写真、なんてのもいいですね。
11月も大詰め、最終週に入りました。今月の最後に見られる天文現象は、「金星と土星の大接近」と「半影月食」です。惑星同士の接近や集合は頻繁に起こりますが、離角にして1度以内、しかも大きな惑星による接近はそう滅多にはないことです。今回は、最接近こそ27日の10時ということで、直接見ることはできませんが、当日の早朝には0.5度ほどまで近づいた2惑星の姿が観測できます。

「半影」月食は、地球が作る影(ただし、太陽光線が一部当たります)の中を満月が通り過ぎていく現象です。光の中ですので、実際に欠けることはありませんが、時間の経過とともに、やや暗く見える部分が移動していく様子を確かめてみたいところです。数年に一度は起きるのですが、なぜかこれまでじっくり観測・撮影した記憶がありません。

この2つの現象を前にした週の初め、内陸はそろそろ冬モードで曇りや雨、あるいは雪の便りも聞こえてくる中、沿岸地域は乾燥した晴れの日が続きそうです。現在、月の満ち欠けのスライド動画を作成中です。だいぶ前に作成したものはあるのですが、それは、月齢にして「1」ごとの画像を並べたもので、どうしても1枚ごとの変化が大きく臨場感に欠けるきらいがあります。そこで、それぞれの間を埋めるべく、月齢0.5刻みの新バージョンを作ろうと考え、作業に着手したところです。

その、月の撮影も兼ねて、24日の夜、田野畑村から宮古市へ遠征です。月齢の関係上、月の観測・撮影は25日になってからでしたので、それまでは月明かりを活かして比較明用の画像を撮影しました。まずは、1年8ヶ月ぶりに営業を再開した、田野畑村の「羅賀荘」を遠望する、田野畑村の海岸線。そのまま戻って、思惟大橋。どちらも再撮影ですが、この日の月齢が10.6~10.7程度で、この種の撮影には最適の、天然のライトアップだと自分では考えているものでしたので、ほぼ理想どおりです。



右下の建物が「ホテル羅賀(らが)荘」


谷底からの高さ120m

ここから宮古市の浄土ヶ浜に移動し、月の撮影の後、東天から昇るスピカ~金星~土星を写真に収めました。2日後には大接近する2大惑星ですが、この日の朝はまだだいぶ離れています。休日ともあって、深夜遅くまで浜まで下りてくる車が思いの外多くありましたが、2時3時を過ぎるとさすがに物好きは私一人となった次第です。


ソフトフィルターを使用(金星の左下に土星、右上にスピカ)


月齢10.7。動画完成まであと27枚・・・

そして金星と土星が大接近する27日。内陸はやはり「雪」の予報。沿岸南部のみ晴れの可能性があります。もちろん迷わずに出発、したのが26日の22:00ごろ。陸前高田市の蛇ヶ崎は、晴れたり曇ったり雨がぱらついたりと、雲の流れが速くめまぐるしい変化でしたが、幸い04:00~05:30の時間帯は概ね晴れで推移し、望遠鏡の同一視野におさまるほどの大接近の様子を堪能することができました。


金星は土星の約100倍の明るさ。土星の左下に衛星3個


5分ごとの画像を比較明合成

翌28日の夜は半影月食です。21:15に始まり、01:53終了、最大食は23:33です。半影とはいえ、本影ギリギリまで近づきますので、最大の頃であれば、肉眼でも確認できそうです。夕方はだいぶ雲が出ていましたが、食が進むにつれて空の雲もすっかりとれて、満月が煌々と輝いています。その気になってみれば、月の上側が少し暗めになっているのが分かります。01:00前には再び雲に覆われ、最期まで見届けることはできませんでしたが、ハイライトは見られたということで、これまた満足。


最大食を中心として、前後の画像を合成

なお、この夜の満月は、今年最小の満月でしたので、5月に見られた最大の満月(スーパームーン)と比較しようと思い画像を検索したのですが・・・見つからない。見えていれば撮っていないはずはないのですが。日誌を見ると、5月6日(満月当日)には、「曇り!」という記述だけが残っていました。出てきた画像は前日(5日)のもの。大きさ的にはほとんど同じですので、改めて比較するための画像を作成しました。


半径(直径)にして約13%の違い

もうすぐ師走、そして、今年最後の風物詩、「ふたご座流星群」まであと半月足らずとなりました。最良の条件の下、どれだけの流星の乱舞を見せてくれるのか、待ち遠しいですねぇ。ここ数年は、天気との相性も徐々に良くなってきている実感もあり、今回は行けそうな気がするんです。
しし座流星群、極大は17日19:00と予報されていました。16日の04:00ごろには、偶然にも大きな流星をとらえていましたので、大出現の可能性はゼロだとしても、それなりの期待感が高まります。しかも、火球クラスは、極大時間のあとに出現する傾向がある、とあってはなおさら、見ないわけにはいきません。が、天気は下り坂、晴れ間が出そうなのは沿岸南部のみ、という予報です。

GPVによる、17日の最終予報を確認し、出かけた先は大船渡市。場合によっては、近辺を移動しながらの観測も視野に入れつつ。到着は23:00過ぎで、その頃から雲が一気に流れて晴れの夜空が広がってきました。さっそくの撮影開始。魚眼レンズによるガイド撮影です。しし座はようやく顔を見せ始める頃。順調、順調、と見えたのもわずか1時間程度。

西から雨雲があっという間に広がり、ポツリポツリと落ち始めました。迷っている間もなく、即撤収して移動。陸前高田市の蛇ヶ崎へ。ここは、自分の中では「晴れの特異地点」としてインプットされている場所で、過去にも流星群をはじめ、何度も訪れています。ほとんど雲がない、快晴の空が広がっています。これは、夜明けまで大丈夫だろう、と思ったのですが、ここも雨雲が出始め、終いには本降り状態に。

さすがにこれはダメ、と一旦は諦めて、最寄りの道の駅辺りで休息のつもりで移動を開始しましたが、その途上、大船渡市の細浦漁港辺りで、諦めきれずに空を見上げたところ、北から晴れ間が広がってきています。急遽、漁港の敷地内に駐車し、固定撮影を開始。結局、朝まで晴れが続き、しし座群の流星もとらえることができました。あれこれジタバタしながら、極大の夜は終了した次第。ナイストライ、としておきます。



大船渡市、五葉山(鷹生ダム)の星空(23:30~01:00)


陸前高田市、蛇ヶ崎の星空(02:00~03:00)


大船渡市、細浦漁場の星空と流星(04:00~05:30)

18日の午前中は「道の駅さんりく」にて仮眠・休憩の後、日中に釜石市での用事がありましたので、移動。天気予報を確認すると、夜には沿岸北部が晴れそう。そこで、夕方には宮古市に入り、向かったのは重茂半島の月山展望台。ここも、宮古市街の撮影のために何度か訪れた場所です。この夜は、とんでもない強風が吹き荒れ、駐車している車が時折大きく揺れるほどです。狙いは、沈む夏の大三角と天の川。顔が凍り付きそうになりながら、何とか撮影終了。これからの時期、しかも夜に行くところではないようですw。


18日20:57撮影。強風で手前の木々が大揺れ

その後浄土ヶ浜に。今度は、昇る冬の大三角狙い。月がなく、星は煌々と冴え渡っていましたが、その分、地上風景は暗闇の中で見えづらい。そこで、車の照明をつけて、ちょっとしたライトアップ。岩の姿が浮かび上がって、まずまずの雰囲気になったかと。撮影終了直後、浜に下りてくる車のライトが見えました。やって来たのはなんとパトカー。通常の見回りのようでしたので、ちょっとだけ言葉を交わして、特に問題なし。そのまま朝まで撮影は続行です。


なんちゃってライトアップ


しし座群の流星、0~1等級か?

「特大」の流星こそ見られなかったものの、そこそこの、いかにもしし座群という流れ星はいくつか目にし、とらえることができましたので、今年のしし座流星群は、満足、満足。次の大出現は22年後(かな?)。待ってま~す。そして、今年最後の大物はふたご座流星群で、12月13~14日の極大は、条件的にはほぼ最良です。今から晴天を祈り続けていれば、きっと聞き届けられるのではないでしょうか。何とかお願いします・・・って、誰に頼めばいいの?
ここ数年、ずっと狙い続けている画があります。それは、地球照の月が沈むところと昇るところを、2~3日連続で、同じ場所で撮影したものを合成したものです。月没点と月出点の移動、そして月の形と輝きの変化を一目で見られるものをものにしてみよう、という試みです。撮影のチャンスは夜が長い(日没が早く、日の出が遅い)晩秋から早春にかけてだけですので、今がその時期です。

いまだに撮れていないのは、新月の前後一週間ほど連続して晴れたことがない、ということです。11月の新月は14日、沈む月は10~12日、昇るのは16~17日にかけて。が、さっそく10日は曇りでアウト。11日だけでも、と思い八幡平市の県民の森へ。月の出は02:47、快晴です。インターバル撮影をセットしたカメラを放置して、通常観測へ。撮影し終わった画像を確認すると、途中から月の周囲がボンヤリ。なんと、霜よけに装着したカイロが切れて、レンズが曇ってしまいました。



試しに合成したら、月がワープしそうな画で面白い

12日からは再びの曇りや雨。やっと晴れの予報が出たのは15日です。そして、14日の朝には、ISSが日本列島上空を縦断し、岩手でも仰角80度以上で見られる滅多にないチャンスです。雨模様の予報でしたが、深夜に出発し、田野畑村へ。やはり厚い雲に覆われていましたが、5秒ほど、雲のすき間からISSを見ることができました。完全にダメと思っていただけに、ちょっとだけ得した気分です。

この日の夜からは快晴の予報が出ていましたので、そのまま滞在し、通常観測と撮影(星雲・星団・銀河など)をメインに、普代村の黒崎へ。日付が変わる頃まで続けましたが、強い風が止まず、やむなく数km南の田野畑村は「自然大学校」内の駐車場へ移動し、改めて観測態勢に。



強風の中、太平洋に沈む天の川(黒崎展望台にて)

すると、04:05、オリオン座のあたりからしし座にかけてゆったりと流れる、虹色に輝き、緑色に砕け散る大火球を目撃しました。おうし群かと思われますが、独断判定では-8等級。少々雲が広がり始めたので、様子を見ている最中の出来事でした。速度・明るさ・色合いなど、総合的な美しさでは、これまで見た流星の中で一番かもしれません。記憶のアルバムにしっかり収納しました。

いったんは帰宅しましたが、この日も沿岸地域は快晴の予報でしたので、夜になってから、今度は宮古市へ。15日朝の、ISSの撮影が目的です。浄土ヶ浜にて待ち構え、04:26~04:31、無事に出迎え、そして見送ることができました。そのちょっと前には、北から東に流れる、(散在と思われる)明るめの流星も見られ、満足の一夜となった次第。



東の低空に現れた、0~1等級と思われる流星


魚眼で、地上風景とISS全経路がやっと画角内

さらに、15日夜は大船渡市へ。こちらでも、通常観測をメインに、明け方のISSを出迎える算段。深夜に到着しましたが、沿岸地域とはいえ、五葉山の麓ですので、それなりに冷えています。空の状態はまずまず、内陸よりも湿度が10~15%は低い数値です。観測も終盤の03:52、しし座の下に、明るい高速流星が出現。サブの放置カメラがとらえていました。経路と性状から見て、しし群の流星と思われます。


しし座とかに座、しし群の放射点「鎌首」から出ています

ホッと一息もつかの間、ISSの通過時刻が近づいています。比較的長い経路の予報ですので、ダムの反対側から五葉山一帯を見渡す位置に移動です。日の出1時間前で、刻一刻と空は明るさを増してくる時間帯ですので、感度と露出時間の設定が非常に困難です。直前まで試し撮りを繰り返しながら、見え始めを待ちます。そして・・・無事に見送り。


「すばる」付近に見え始め、りゅう座まで。左上も人工衛星

しし座流星群の極大は、17日夜の予報です。実際には、月が沈み、しし座の放射点が高く昇る、深夜から明け方までが好条件です。この時間帯、岩手の天気は曇りの予報。ただ、沿岸地域は晴れの時間帯がありそうですので、直前まで予報を見ながら、可能性があれば出かけてみます。大出現の可能性はゼロですが、極大予報日に、それらしい流星が1つでも2つでも見られれば、今年のしし群はオーケーです。