月末にあれやこれや、お天気に恵まれてホッ | イーティーズ・プレイスの星空観測行

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

11月も大詰め、最終週に入りました。今月の最後に見られる天文現象は、「金星と土星の大接近」と「半影月食」です。惑星同士の接近や集合は頻繁に起こりますが、離角にして1度以内、しかも大きな惑星による接近はそう滅多にはないことです。今回は、最接近こそ27日の10時ということで、直接見ることはできませんが、当日の早朝には0.5度ほどまで近づいた2惑星の姿が観測できます。

「半影」月食は、地球が作る影(ただし、太陽光線が一部当たります)の中を満月が通り過ぎていく現象です。光の中ですので、実際に欠けることはありませんが、時間の経過とともに、やや暗く見える部分が移動していく様子を確かめてみたいところです。数年に一度は起きるのですが、なぜかこれまでじっくり観測・撮影した記憶がありません。

この2つの現象を前にした週の初め、内陸はそろそろ冬モードで曇りや雨、あるいは雪の便りも聞こえてくる中、沿岸地域は乾燥した晴れの日が続きそうです。現在、月の満ち欠けのスライド動画を作成中です。だいぶ前に作成したものはあるのですが、それは、月齢にして「1」ごとの画像を並べたもので、どうしても1枚ごとの変化が大きく臨場感に欠けるきらいがあります。そこで、それぞれの間を埋めるべく、月齢0.5刻みの新バージョンを作ろうと考え、作業に着手したところです。

その、月の撮影も兼ねて、24日の夜、田野畑村から宮古市へ遠征です。月齢の関係上、月の観測・撮影は25日になってからでしたので、それまでは月明かりを活かして比較明用の画像を撮影しました。まずは、1年8ヶ月ぶりに営業を再開した、田野畑村の「羅賀荘」を遠望する、田野畑村の海岸線。そのまま戻って、思惟大橋。どちらも再撮影ですが、この日の月齢が10.6~10.7程度で、この種の撮影には最適の、天然のライトアップだと自分では考えているものでしたので、ほぼ理想どおりです。



右下の建物が「ホテル羅賀(らが)荘」


谷底からの高さ120m

ここから宮古市の浄土ヶ浜に移動し、月の撮影の後、東天から昇るスピカ~金星~土星を写真に収めました。2日後には大接近する2大惑星ですが、この日の朝はまだだいぶ離れています。休日ともあって、深夜遅くまで浜まで下りてくる車が思いの外多くありましたが、2時3時を過ぎるとさすがに物好きは私一人となった次第です。


ソフトフィルターを使用(金星の左下に土星、右上にスピカ)


月齢10.7。動画完成まであと27枚・・・

そして金星と土星が大接近する27日。内陸はやはり「雪」の予報。沿岸南部のみ晴れの可能性があります。もちろん迷わずに出発、したのが26日の22:00ごろ。陸前高田市の蛇ヶ崎は、晴れたり曇ったり雨がぱらついたりと、雲の流れが速くめまぐるしい変化でしたが、幸い04:00~05:30の時間帯は概ね晴れで推移し、望遠鏡の同一視野におさまるほどの大接近の様子を堪能することができました。


金星は土星の約100倍の明るさ。土星の左下に衛星3個


5分ごとの画像を比較明合成

翌28日の夜は半影月食です。21:15に始まり、01:53終了、最大食は23:33です。半影とはいえ、本影ギリギリまで近づきますので、最大の頃であれば、肉眼でも確認できそうです。夕方はだいぶ雲が出ていましたが、食が進むにつれて空の雲もすっかりとれて、満月が煌々と輝いています。その気になってみれば、月の上側が少し暗めになっているのが分かります。01:00前には再び雲に覆われ、最期まで見届けることはできませんでしたが、ハイライトは見られたということで、これまた満足。


最大食を中心として、前後の画像を合成

なお、この夜の満月は、今年最小の満月でしたので、5月に見られた最大の満月(スーパームーン)と比較しようと思い画像を検索したのですが・・・見つからない。見えていれば撮っていないはずはないのですが。日誌を見ると、5月6日(満月当日)には、「曇り!」という記述だけが残っていました。出てきた画像は前日(5日)のもの。大きさ的にはほとんど同じですので、改めて比較するための画像を作成しました。


半径(直径)にして約13%の違い

もうすぐ師走、そして、今年最後の風物詩、「ふたご座流星群」まであと半月足らずとなりました。最良の条件の下、どれだけの流星の乱舞を見せてくれるのか、待ち遠しいですねぇ。ここ数年は、天気との相性も徐々に良くなってきている実感もあり、今回は行けそうな気がするんです。