イーティーズ・プレイスの星空観測行 -16ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

前回に引き続き、比較明写真撮影がメインの夜。月明かりがないことを考慮し、北上市~金ヶ崎町~奥州市と回ることに。再撮影の数箇所を含め、候補を絞り込みます。

最初は、北上市街を見下ろす男山にての撮影。何度も来て撮影もしてはいますが、雲・霧・靄などでスッキリ晴れた記憶があまりない場所です。今夜も北の方角に小さな雲の固まりが居座っているが大きな影響はなく無事終了。


北上市街。北上川と和賀川の合流地点。北の雲が邪魔。

北上市の樺山遺跡、ここも再撮影。環状列石と竪穴式住居跡を中心として、遺跡公園として整備され資料館も併設されています。最初のコマでフラッシュをたき、前景を浮かび上がらせながらの撮影。住居を撮影中、北西の方角に大きな光の軌跡が(実は、よそ見をしているときに写ったもので、後で画像を見て気づきました)。大流星かと思ったものの、径路や光の色具合から見て人工衛星ではないかと。


樺山遺跡の復元竪穴式住居。「すわ!大流星か」人工衛星と思われます。

金ヶ崎町に移動。伝統的建造物群の中の、「旧大沼家侍住宅」へ。前から撮りたい場所だったのですが、実際に来てみると、思ったより建物が大きく、前面には電線が走り、背後は大きな木立でアングルが難しい。建物はもちろん入れたいし、星々(空)もある程度入らないと画としては成立しない。しかも、近くには街灯もなく真っ暗。近づいたり遠ざかったりしながら試し撮り多数。結論→月明かりの下で再撮影するに如かず。

隣接する奥州市江刺区へ。ここも以前から撮りたかった、「蔵町モール」。蔵並をメインに、石畳が続くすてきな風景です。来てみると、その通りには露店のテントが何軒か並んでいて、これは全くの想定外。テントのギリギリまで寄って西の方角を撮影。撮影中には、土曜日ということもあるのでしょうか、飲み会帰りらしき通行人がカメラの前を通り過ぎ、その都度撮り直しです。皆さん怪しいものを見るような、怪訝な表情で、かつ無言で通ります。「端の方を歩いて」などとは言えません。なかには、「星ですか」と分かっていらっしゃる方もおいででした。

終了後、再び北上市へ。北上川にかかる珊瑚橋を撮影。何度も通った場所ですが、改めて見ると何ともいい味を出している、由緒ある橋です。北極星を中心に入れ、こぐま座の星々の軌跡が写り込めば上出来です。

またもや江刺区。「明治記念館」です。春に撮影したときには、花見用の提灯が桜の木にズラリとかけられ、その光で建物の壁が真っ白になってしまったことを思い出し、再撮影。何とも効率の悪い移動となりましたが、近距離だったので、それほど時間のロスもなく。事前の計画はやはり大切なようで。この夜はここで終了。



春の明治記念館。建物も木も真っ白で再撮影。

5日の夜。「晴れ」の予報通り、雲一つない快晴。前夜撮影した分の画像処理はほとんど手つかずで、ここでさらにためてしまうとやる気がなくなりそうで。ということで、今夜は木星の観測。かねてより狙っていた、四大衛星の公転の観測と撮影です。出かけた先は雫石町の網張。お気に入りの観測場所の一つです。

最も内側を回るイオは、公転周期1.77日(約42時間)、二番目のエウロパは3.55日(85時間)ですので、一晩観測すればこの二衛星については、結構な移動を描写できるのではないかと考えました。本番は、もっと夜が長い時期で、衛星の配置がきれいな日を予定していますが、それに向けた練習、暫定版ということで。



事前に確認したとおり、衛星の配置は今ひとつ。20:00時点では3つが見えています。22:00過ぎ、イオが顔を出し始め、木星本体の東側に4つが勢揃いです。この夜は、夜景や星空を見に来る人が普段より多く、入れ替わり立ち替わりで10組ぐらいでしょうか。それを歓迎してか、いつもより流星も多く見られたような気がします。23:29、木星の西側、南の一つ星フォーマルハウトに向かって大きな流星が。見ていた人たちの口からは思わず歓声が上がります。

流星が現れたとき、ほぼ例外なく、男女問わず、「見た!」と言ってから仲間に向かって「見た?」と尋ねています。非常に不思議で面白い反応です。どのような思考・心理の過程で出てくる言葉なのか興味深いところです。「あっ」「出た」「流れた」「すごい」「わぁ」「流れ星っ」などがとっさに口について出るものと思っていましたが。ちなみに、2001年11月のしし座流星群(流星雨)、誰もいない広い草原で観測中の私は、大流星を目にするごとに「ウォ~ッ」「どうだ!」「ありがとう~!」などと何度も叫んでいました。

03:00、ようやく最後の1台が去り、私一人が残りました。話し声からして、比較的若い女性二人組のようでしたが、「あの人まだ星見てるわよ」「仕事大丈夫なのかしら」なんて話をしながら帰って行ったのでしょうか。ご心配なく。これが仕事ですから。月の出とともに雲が湧いてきて、木星も白い固まりに包まれ始めました。天気予報では、03:00~06:00は「曇り」でした。気象庁さん、大正解。これからも頼りにします。
9月に入り、金星の輝きがいっそう増してきた今日この頃。ただし、沈む時間もどんどん早くなり、西空が暗くなる時間との競争です。望遠鏡は、極軸合わせをすることなく、「勘」に頼っての撮影。行きつけの場所ですので木々や山の形を目安にして設置しますが、結構正確なようです。金星は、半月状を過ぎ、三日月状へと変化し、視直径も急速に大きくなります。こまめに観測継続の予定。

大急ぎで望遠鏡を格納し、いそいそと比較明再撮影へ。今夜の予定は北上~奥州~平泉のコース。最初は北上市の男山から眺める市街。これまで何度も訪れている場所ですが、スッキリ快晴という日がなかなかありません。今日も、撮影開始早々、北から、西から、雲がわき、10分の撮影さえもできない状態。いったん離れて移動です。

内陸部はどうもはっきりしない晴天模様。「晴れ」ではあるものの、雲量が思いの外多く、どの方角を向いても、どうしても画角に入ってしまいます。たぶん何時間待ってもこの状況に変化はなさそうです。そのうち、下弦の月が昇り、弱々しいながらも地上風景を浮かび上がらせるはず。半月(弦月)は、形こそ満月の半分ですが、光量は満月の10%にも満たないほどですので、そこを考慮して撮影できる場所はどこか。

今夜も「海が見たい」ので、北上市から、遠野市を抜けて仙人トンネルへ。釜石市経由で大槌町です。吉里吉里のリアスシーニックラインの途中にある崎山展望台へ到着。ここからは、船越湾と野島、遠方に山田湾やタブの大島まで見通すことができます。ここも再撮影ですが、やはり月明かりが弱い。しかも、船越方向には霧がかかってぼんやり。水平線も霧の中、漁り火がポツポツと空中に浮かんでいるように見えます。さて、どんな仕上がりになるやら。


船越湾。霧にむせぶ様子がそれなりの効果では?

その後、前回振られた三王岩を目指し、ちょうど日付が変わる頃に到着。月はまだ十分な高さではないものの、快晴。月光が海面に映え、適度な波しぶきが岩にぶつかって砕ける様は夜陰ながら、いと美し。構図にやや手こずるも、撮影を開始...したところ、15分程度でカメラがストップ。「何事?」と思い確認したところ、まさかの電池切れ。替えたはずだと思っていたのは...夢だったのだろうか。えてして、条件のよいときには凡ミスが生じるもので。これも何とかの法則か?とにかく再撮影(の再撮影)です。


三王岩。看板を浮かび上がらせ、岩をシルエットに。

次は浄土ヶ浜。駐車場から浜までは800mぐらい歩きますが、今日は海沿いの遊歩道をとおってみました。日中であれば、多くの人々が観光で行き交う場所ですが、夜中の一人歩きは、これだけの観光地であってもやはり怖いものがあります。

ちょうど初秋のオリオン座が昇ってきており、星々の軌跡が水面にも映っています。惜しむらくは、あと30分早ければ、リゲルとベテルギウスの両一等星が岩陰から昇る全過程を描写できたものを。あの電池切れさえなければ...「地団駄」とは実際に踏むものだと改めて認識した夜でした。さらに、湿度が劇高で、カメラのレンズが曇り始めた模様。こんな日に限って、いつも持ち歩いている電子カイロを車に置き忘れてくる体たらく。いい構図で捉えはしたものの、露出がやや短めとなりました。


浄土ヶ浜。海面に映るオリオンの軌跡。全体はぼんやりでイマイチ。

最後は、前回三度も振られた山田湾。今夜も霧混じりでスッキリしない感じです。趣の一つと割り切って撮影を開始、したところ、港から漁船が次々と出て行きます。この時期のこの時間、何の漁だろう。強烈な照明で、スポットライトよろしく、私とカメラを照らし出していただきました。撮影断念も考えましたが、そうそう頻繁に来られる場所でもなし、だましだましながらも一応撮っておくことに。

やうやう、東の空が白み始めた頃に帰路につきましたが、内陸はずっと曇りベース、または霧模様です。特に、いつもの区界近辺は視界数十m程度の、こわいこわい状態。ヤク(これもいつもの「メ○シャキ」ですので誤解なきよう)が切れて少々の眠気にも襲われながら、今日も無事帰宅。画像処理と反省会は...もちろん寝てからです。お休みなさい(ただいま07:09)。
1月末に始めた、「比較明合成写真による岩手の星空」シリーズ、早くも7ヶ月が経過。真冬の装備で、フリースの上からスキーウェアの上下、完全装備で寝袋に入っても、寒くて目が覚めたあの頃が夢のような、「残暑」というにはあまりに酷暑の今日この頃。今日も日中は「完全引きこもり」で、日が沈むのをじっと待つ。

あの冬の日々に撮影した画像を見直し、再撮影の計画を立てたところ、技術の向上なども(ちょっとだけ)あり、全体の3割近くに上ってしまいました。さて、今夜の晴れの予報が出ているのは沿岸のみ。そこで、作戦としては、「山田湾~浄土ヶ浜~三王岩~日出島~真崎海岸」のコース。

日出島以外はすべて再撮影。月明かりがなかった夜の撮影であったり、アングル(構図)が今ひとつだったり、...あれこれ不満な内容を含むものばかりです。月齢20、月の出は20:30頃。22:00頃からの撮影を目標に、山田湾へ。

ところがなんと、大島(オランダ島)が見えない。上空は快晴ながら、湾内は濃い霧に覆われている状況。確かに濃霧注意報(警報だったか?)は出てはいたが、予想を遙かに上回る、真っ白状態です。頭の中も真っ白。出だしから計画が頓挫しようとは...。

悩み迷ってもしょうがない、頭を切り換えて、北から攻めることに変更し、真崎海岸へ。番屋の趣ある風情の撮影です。前回は、やはり霧模様の中、夜露でレンズが曇り、何とも情けない画像になった次第。今回は快晴無風、夜露の心配なし。方向は北西。カペラが昇ってくる絶好の時間帯。ほとんどベストの条件で撮影完了です。ただし、東の海上には雲が集まり始め、先行きやや不安。


BEFORE:夜露で星の軌跡も先細り。ハマナスは綺麗ですが...。


AFTER:スッキリ快晴で星々の美しい軌跡が。

三王岩。恐れたとおり、岩の周辺(背景)には次々と雲が襲いかかり、とても撮影どころではありません。ここも思案のしどころ。南が晴れていることを見て、思い切って山田に再チャレンジを決断。霧が晴れていることを祈りつつ。その山田湾は、相変わらず霧の中。外海に面している海岸(陸地)と湾内ではやはり気象条件が相当異なるようです。

いったん浄土ヶ浜へ。駐車場から浜までは結構な距離で、夜とはいえ、歩くと汗ばむほどで、しかも、「何も出ない」とは思うものの、やっぱり暗闇は怖いんです。幸い、雲の切れ目から「おうし座」が昇ってきているところで、早速撮影開始。が、北から小さな雲がポッポッと湧いては合体しながら東に移動し始めます。「あっち行けっ」「そのまま昇っちゃえっ」と心で叫んでも、自然相手ではかなうはずもなく。結局、10分程度の露出しか得られませんでした。それでも、月下の浄土ヶ浜、それなりに味わい深いものにはなったかと。


BEFORE:月明かりなく、星の軌跡が勝ちすぎてやや不気味な色合い。


AFTER:月明かりの中で、景色が浮かび上がりそれなりの味わいだが、星の軌跡は物足りない感じ。要再々撮影。

時刻は00:30。次は、三王岩か、山田湾か。残り時間を考え、近場の三王岩へ。初秋のオリオンが昇ってくる時間で、構図としては最高のはず、という予想どおり、岩の高さにぴったりオリオン座がかかっています。仕上がりを予想しながら撮影開始。が、間もなく北からの雲が次々と邪魔をします。シャッターを切っては中断、待機してはまたシャッター、中断アゲイン、再々度撮影。最終的には雲さんの勝ち。「参りました」


2時間以上、ずっとこんな感じ。降参。

残された時間も少なく、帰宅も考えましたが、せっかく来たのだから、と三度目の山田湾へ。さすがにこの時間には霧もようやく晴れてはいたものの、今度はこちらにも雲が...。しかも巨大な固まりでどっかり腰を落ち着けた感じです。20分ぐらい待機はしてみましたが、全く動きなし。オリオン座がすっぽり包まれています。ということで、今夜はおしまい。なかなか思惑どおりには行かないものでして。まぁ、世の中すべて思いどおりに事が運ぶなんてことはあるはずもなく、ましてや自然相手の仕事(半分は趣味)、しかも「晴れ(快晴)」じゃなきゃヤダというわがまま商売ゆえ、こんなことは日常茶飯。めげずに次も頑張りましょう。
今夜の晴れは一関地区と沿岸南部という予報です。

今回の最大の目的は月の撮影。8月25日02:05が満月の瞬間です。月が地球を回る軌道は完全な円形ではなく、わずかに楕円形です。最も近いときの距離は約36万km、遠いときは約40万km。それに伴い、見かけの月の大きさも最大12%ほど変化します。今年は、1月の満月が最大、そして8月の満月が最小です。

とりあえず一関に向かい、市内厳美にて待機。月が高く昇るまでには間があったので、「霜後の滝」を撮影しようと現地へ。しかし、空を広く薄い雲が覆っていて、比較明撮影は断念。どうも雲の動きが怪しい。スッキリした快晴にはならないのではないか。

「待つ」ことよりも「動く」ことを選択。月は一晩中出ているはずなので、あちこち移動して最も条件のいい場所で撮影したい。そこで、頼みの気仙地区へ。陸前高田、晴れ。ここでも十分。しかし、その後のこと(比較明撮影)を考え、さらに大船渡へ移動。碁石海岸、晴れ。当地の晴れ方は実に潔く、誠に頼りになります。

早速、月の撮影。上出来。1月の満月と比べてみました。




イメージでは分かっていましたが、実際に並べて比べてみると、その違いは驚きです。この中間が平均距離にあるときの大きさですので、両極端の比較ということです。

引き続き、穴通磯(春先の撮影時に雲が少々)の再撮影に向かいましたが、北側の雲が動かず。1時間程度待機したものの、「無理」と判断し移動です。実は、この夜も昨日に続いて山が見たい気分。そこで向かったのは、気仙と言えばこの山、「五葉山」です。

大船渡から望む五葉山は撮影済ですので、今回は住田側から見た山を撮影します。上有住の山中。遠くになだらかな稜線が見えています。山頂付近に北から流れる雲が集まっていますが、動きは速い様子。00:00ジャストに撮影開始。早々、おうし座のアルデバランが満月の明かりをものともせずに、その赤い光を山陰から現し始めました。

やや望遠で、20分程度の撮影が無事終了。これ1枚で満足、帰ります。帰路、花巻~盛岡は雨や曇り。今回の作戦は大成功、大いに意味のある遠征となりました。
沿岸北部が「晴れ」の予報を受けて、じっくりと比較明撮影に取り組もうと張り切って出発です。遠方ということもあり、また、これまで何度か出かけては天気に泣かされてもきましたので、全メディアの天気予報をチェック、自信をもっての遠征です。

最初の撮影地は野田村の十府ヶ浦。ここも何度か訪れてはいます。その都度厚い雲や、予報は「晴れ」にもかかわらず雨が降ったりと、振られ続けた場所です。今夜こそ、いけそう。波がやや高く、砂浜の奥までしぶきが上がってくる状況ですが、上空は快晴で、ちょうどカシオペアが画角の上方に捉えられる時間帯。




最後のあたりで、漁船が野田港に入ってきて、港周辺と突端の「大唐の倉」を照らし出しました。ここは、地質学的には古第三紀の凝灰岩断層で、言い伝えでは、平重盛(清盛の嫡男)の子が漂着したとされる場所です。

次は、普代浜です。春頃に一度撮影していますが、月明かりがない中での撮影で、出来栄えに不満がありましたので、再撮影です。今回は十分な月明かりで、満足のいくできあがり、と思った最中、浜の向こう側を走る車一台。こんな時間に、こんな場所に何用で車が入るの?しかも、途中で引き返す際に、こちらにライトをしっかり当ててくれるほど親切!結局撮り直し。ところが、またしても一台の車が浜辺に。今度は向こうを向いてターンしてくれましたので、どうにか我慢して最後まで。

再び野田村。安家橋梁と国道45号安家大橋が重なって見えるポイントへ。まずまず。野田村での比較明用の撮影は今回が初めてで、知っている景観をうまく捉えることができました。時間は23:00。この日は、月没が3時頃ということで、月があるうちに撮影できるのは残り3時間程度、ということで、洋野町へ移動です。

洋野町大野の模範牧場。20年以上前、久慈市に住んでいた頃、頻繁に星を見に訪れた場所です。真冬の深夜、側溝(当時はふたがなかった)にはまり、困り果てた末、近くの酪農家を訪ね、お願いしてトラクターで引っ張り上げてもらったことなどを思い出しました。あのときのご恩は決して忘れはしません。

この場所に現在建てられたすばらしい施設が「ひろのまきば天文台」。駐車場は当時のまま、広がる草原で草をはむ牛は、...もちろん当時の牛ではなかろう。月明かりの影響を考え、南北両面から撮影。今度、営業時間内に是非訪ねてみたい。



残り時間は1時間程度。思い切って種市の海浜公園へ。目指すは「窓岩」。月もだいぶ西に傾いています。駐車場には自衛隊の車輌がずらり。テントが10張ぐらい。芝生にはキャンパーのテントが。皆さん寝静まっているようですので、明かりを控え、足音を立てぬよう目的地へ。

満潮なのか、かなり波が高く、そして荒く、岩の下半分は水の中です。背景には折しも「真夏のオリオン」が昇ってくる絶好の時間帯。時期的には、晩夏あるいは初秋といった方がいいかもしれませんが。



この夜の総移動距離は約400km、撮影枚数は約500枚で1.5GB分。どの場所も好条件で撮影できましたので、画像処理も楽しくやりましょう、とは自分に対する言い聞かせ。

再び夜。無性に月下の山が見たくなった夜です。西和賀町の和賀岳目指して出かけました。残念ながら連峰のあたりだけ雲に覆われ、その山容を見ることはできません。移動して、金ヶ崎町の駒ヶ岳。ここは綺麗に見えています。経塚山と並んだ景観を無事撮影して移動。

早池峰山。麓は晴れていたものの、河原坊から上、小田越まで猛烈な霧の中。残念ですがどうしようもありません。何となく物足りない気分で、再び西和賀へ。こちらも地表から霧の中。山はもちろん全く見えず。こんな夜に限って姿を見せてくれないなんて、もう「いけず」なんだから!

さて、話変わって、1ヶ月ほど前に撮影した木星の自転写真。最後の方になって、木星表面の黒い斑点状のものが写りました。当初、何かが衝突した痕か?それにしては大きすぎる。縞が復活する兆候か?それにしては時期的に早すぎる。などと思ったものの、正体がわからずほとんど忘れかけていたのですが、先日ふと思い出し、あれは何だったんだろう。ということで、再び画像処理をやり直して検証。その結果、木星の衛星(たぶんエウロパ)が落とす影であることが判明しました。



解像度が悪く、最初は点ではなく黒く広がって見えたのでなんだか分からなかったもの。処理方法を変えてみたら、「点」状であり、しかも右には衛星の姿もしっかりと写っています。それはそれとして、大赤斑ねらいの自転画像に衛星の影の画像までおまけに写った、という必然と偶然が重なったすばらしい(自画自賛です)仕上がりになりました。新しい画像によるスライドショーはホームページにて公開中。
ここしばらく、金星・土星・火星の三惑星が夕空の中で集合している様子を楽しむことができました。今日は、金星と火星が最も近づく日で、その間隔は約2度。2度というと、実は満月4個分もあり、大騒ぎするほどの接近というわけではないものの、それぞれの惑星の動きや配置が日々変化する様子を観測することにおもしろみがあります。金・火の二惑星に比べて、土星の動き(移動)は小さいので、かなり離れてはきましたが、もう少しの間見続けようと思います。



左下に金星、その上に火星、ずっと右に離れて土星

さて、内陸部は夜半までは晴れの予報が出ており、月齢9.5の月明かりもあることから、しばらくぶりに比較明写真撮影に出かけます。ターゲットは稲庭岳(二戸市)と八幡平周辺、です。月が沈む前にものにしたいところ。

稲庭岳は快晴微風で、星空の眺めがすばらしい。ペルセウス座流星群当日がこうだったら、といまだにグチグチと思っている自分です。ほとんど風が吹かない状態でも風力発電のプロペラがゴウゴウと音をたてて回り、足下の虫の声と渾然一体となって結構耳に心地よし。ちょうど北斗七星が沈む軌跡が入り、まずまずの構図です。



ここから八幡平に移動し、黒谷地湿原の撮影。移動途中の山の麓に、「族」らしき車が数台停まっており、しばらくしたら案の定、カーブを攻める音が聞こえてきました。幸い、山の上まで来ることはなく、無事に撮影終了。ただし、はじめの数コマ撮影後にカメラが動いたのか、星の軌跡がややぶれてしまいました。きっちり締めたつもりが、...初歩的ミスです。辛うじて月が残っていたので、フラッシュを併用して草むらと森を描写できました。

収穫は、天の川に沿って流れる、長い軌跡の流星を目撃したこと。デネブあたりから出現し、アルタイルを越えるところまで伸びました。径路からして、ひょっとしてペルセウスの残り物だったのかも。

日付が変わった頃には月も沈み、今日はここまで、ということで帰宅、のつもりが、盛岡市内に入ってもまだ晴れている様子。もったいない天気だったので、そのまま市内を移動し、市街を撮影。不来方橋から、開運橋方向を撮ってみました。人工照明が強く、晴れているかどうかも定かではない中、とりあえず30分弱シャッターを切り続け。画像処理してみたところ、綺麗に星々の軌跡を捉えていました。

街明かりの中でも、星空は広がっており、星々は動いています。こんな写真は比較明合成ならではで、「合成」ではありますが、決して「ウソ」ではありません。



「成らぬは人の為さぬなりけり」ということで、ダメで元々、流星群の出現の可能性があり、晴れ間が期待できる地、陸前高田市は蛇ケ崎。ここは、昨年のオリオン座流星群、先月の木星大赤斑チャンスなど、結構縁起のいい場所で、他の地域が悪天候の時の、晴れの特異地点ではないかと思われるほど。流星の素が残っていることを願っての遠征です。

20:00前に到着したところ、近くの浜では盆踊り大会が始まったところ。「♪おどぉ~っちゃお~♪」などと、ノリのいい、金沢明子風の軽快な音頭。歌詞の中に、「りっくぜんたっかた~」と聞き取れたので、地元の踊り用の歌なのであろう。何度も聞くうちに、メロディが頭の中でぐ~るぐる。やがて、景品の抽選会が始まり、今年の一等賞は一輪車。21:00、花火が打ち上がり、お開きです。

まさか、盆踊りの中継をしに遠征したわけでもなし、こちらはこちらで準備にかかります。先日の種市から見ると、北極星が低く、緯度にして2度くらいは低いのかな?天頂付近はまずまずの晴れだが、全体的には薄雲が広がり今ひとつの状況。特に西側の雲が厚く、動きも遅い。肝心の流星は、この時点で、「上」(目視でマイナス等級)が一つ、「並」(「上」未満のすべて)が数個、「特上」(「痕」を残すような火球クラス)はゼロ。

00:00を過ぎた頃から薄雲がとれ始め、文句なしの「晴れ」の領域が広がって、「上」が2個追加、「並」もさらに数個。ただし、「上」はどちらもカメラを向けた反対側に軌跡を描き、ゲットならず。「上」の100個も1個の「特上」に如かず。ここはぜひ空を切り裂く大火球の出現を願うのみ。

ところで、蚊がやたらに多い夜です。「異常」とも言えるほどの大群。あえてイメージでたとえるならば、銀河系を取り巻く球状星団のごとく、全身取り囲まれているような感覚。いくらスプレーをかけても効き目なし。特に顔面攻撃が凄まじい。鏡を見ると、額から瞼、両頬に唇まで腫れて、「力石徹にフルボッコにされた矢吹丈」のような、・・・かっこいい話ではなく、「お岩さん」とでも形容したくなるほどの惨状です。

そういえば、盆踊りの最中に、「例年になく虫が多く出ていますので、虫除けを忘れずに、云々」とのアナウンスが聞こえていました。天気のせいもあるのかな?気象の影響もあるのだろうか。蚊には結局最後まで悩ませられました。

02:00過ぎ、ついに雲があっという間に空を覆います。やはり天気予報どおりか、と半ばあきらめて機材を格納。それでもあきらめ切れずに、固定撮影に切り替えて、ちょっとした晴れ間を狙ってシャッターを切り続けますが、奇跡は起こらず、蚊の大群による被害を増大させただけです。




流星が写ったのはこれ1枚。しかも径路からしてペルセ群ではない!

05:30、帰宅。花巻(大迫)から盛岡はずっと雨模様で、結果的には観測地選択は正解。ただし、漠とした徒労感はぬぐえない。そういえば、ペルセウス座流星群は、「出た!見た!撮った!」と実感した経験が一度もないような気が。相性なのかなぁ。勇者にはなかなかなれそうもない。

総括:今回の三晩(男鹿、種市、陸前高田)での移動距離は、あちこち迷走も含めて約1000km。総撮影枚数約400枚、うち流星ゲットはわずかに2枚(ペルセウスは1枚)。単純な費用対効果からすれば、事業仕分けでは明らかに「廃止」または「大幅な縮減」と判断される事案なれど、こればかりは金勘定でどうなるものでもなし、「より綿密な計画を伴い継続」と判定。「特上」の2個を始め、「おっ!」という流星を撮れなかったことは、残念、無念、また来年。さらに、種市での車上屋根爆睡事件(?)などという体たらくを十二分に反省し、今年の残りの流星群、および、来年こそのペルセウス群、完全制覇をここに誓って、どんと晴れ。
2010年8月13日09:00、ペルセウス座流星群の極大が予報されていた日時です。観測の好機は、13日の01:00~03:00頃です。月明かりもなく、最良のコンディション・・・のはずでした。しかし、そこに現れたのが、台風4号。何と東北は秋田に上陸、そのまま岩手県を横断し、三陸沖に達し温帯低気圧となりました。

12日18:00頃の上陸で、北東北は風雨にみまわれ、とても流星群観測どころではありません。が、予想以上に早い通過で、「ひょっとして」と思い各メディアの天気予報をチェック。ほとんどは県内も近県も終夜雨や曇りの予報でしたが、一部、「男鹿市が00:00頃から晴れ」、さらに一部には、「宮古市が00:00頃から晴れ」の予報を打っています。

どちらが可能性として高いか。台風通過後の雲の動きはなかなか読み切れません。そこで、単純に早い時間に通過した方が、風も止むだろうし、より晴れる確率が高いのではないか、などと考えて迷いなく男鹿半島への遠征を決断。男鹿半島までの道のりは、岩手県内の沿岸北部までの距離とほとんど同じです。ということを考えると、岩手県は広い、と改めて実感した瞬間です。

まずは半島の付け根付近にある「寒風山」へ。ところが期待に反して、雨風が強く、加えて麓から霧が湧いてきそうな雰囲気。周囲を見渡したところ、北~西の方角に晴れ間が見える。ということで、半島の突端を目指し、男鹿西海岸の入道崎。晴れています。機材の準備にかかろうとしたところ、強烈な照明が。正体は、岬の先端の灯台でした。かなりの範囲までその明かりは届いています。立派な灯台ですが、今回だけは、申し訳ありませんが「邪魔」なんです。

しばらく周囲の道を走り、数キロ南にある「八望台」にたどりつきます。ここも晴れ。腹を決めて準備を完了し、数枚試し撮りです。広い駐車場には街灯もなく、カシオペア~ペルセウス~ぎょしゃ~おうし、と美しい星座たちが鮮明に写ります。流星も、小さいながらいくつか流れ始めました。

さて、ここからが本番と思った午前1時頃、西から次々と雲が湧いてきて、あっという間に空一面覆われることに。すぐ通り過ぎるだろう、という期待は裏切られ、03:00過ぎまで晴れることはほとんどありませんでした。結果、流星は1コマも撮影できず。「痕」を残すほどの「大物」は2つ目にしましたが、どちらも、流れたのはカメラの画角をわずかにはずれた方向。おうし座の南方と木星の西方にすばらしい軌跡を描きました。画像には残りませんが、記憶には焼き付けました。薄明開始前、03:30にはそそくさと片付け、潔く撤収です。

14日夕方。今夜の天気も今ひとつです。各社の予報を総合し、出した結論は洋野町北部。着いたところは種市の「大和の丘森林公園」。晴れています。残り物の星屑の捕獲には絶好のシチュエーション。手始めに、三日月と三惑星の集合写真を撮影。直前まで快晴だったのに、みるみる雲が湧いてきて薄明終了時には一面の曇り空。何とも嫌な予感・・・。



三日月の右上方の輝星が金星、その左上に火星、右方に土星

機材の準備も完了。極軸調整時に緯度の高さを実感。輻射点が昇るまで、ごろ寝でしばらく観察しようと、車の屋根の上に寝袋を敷いて横になったところ・・・・極度の睡魔に襲われ、抗しきれずについウトウト。

目が覚めてみたら何と午前1時過ぎ!屋根から落ちなかっただけでもヤレヤレか、と寝ぼけていたら、顔や腕になにやら冷たいものが。雨!そんなバカな、と思いながらも慌てて機材を格納。終夜晴れの予定が、空を覆う厚い雲です。あきらめきれずに、固定撮影に切り替え、少しでも晴れ間が見えたらカメラを向けながら撮影しましたが、さすがに大物は現れず、今年のペルセウス観測はどうにも消化不良。まだ数日は出現の可能性はあるものの、天気が思わしくなく、これで終了の予定。また来年。



結局写ったのはこの1枚だけ(右下は「すばる」)
8月6日から、夕方の西空に見えている三惑星、金星・土星・火星の集合写真を連続撮影してきましたが、その5日目です。5日連続の晴天は最近にはなかったことで、このくらいの期間があれば、それぞれの惑星の移動量が比較できて結構興味深い画像になるはず。

ところが、日没とともに雲が増えてきて、特に西空には多数の雲の固まり、そして筋雲。わずかな切れ目から撮影するしかありません。雲の出没とその移動はなかなかに予測が難しい。頼りは自分の経験と勘のみ。

ということで、雲の切れ目から惑星たちが顔をのぞかせるであろう方向に移動を繰り返します。盛岡市内→紫波町→矢巾町、そして再び紫波町へ。雲を追いかけ、雲に追われ、時間との戦い。撮影可能時間は19:30~20:00までのわずか30分。その間に撮影できそうな場所を求めて車を走らせます。

結果的に、三惑星をかろうじて捉えられたのは、紫波町内の田んぼの中の一本道。ぎりぎりセーフでした。ただし、雲がだいぶ出ており、完璧というわけにはいきませんでした。




11日からは曇りや雨の予報ですので、とりあえずここまでの画像を処理して、5日間にわたる三惑星の移動を合成してみました。5日間の撮影条件(場所、時刻、感度、露出時間、ガイド、固定)はすべて異なります。



下が金星(-4.2等)、その右上が土星(1.1等)、左が火星(1.4等)で、画角の左上の星は、おとめ座γ星(2.7等)です。それぞれの惑星の、明るさや一日の移動量の違いが比較できる画像になりました。

9日~10日にかけて、宮古市真崎海岸で撮影した、木星の自転画像の処理も終わり、スライドショーに仕立ててみました。4時間30分を54コマ、1分間にしたものです。HP「観測の記録」→「惑星観測(木星)」にて。
後半はシーイングもよく、比較的鮮明な画像になった気がします。



ところで、12日~13日、ペルセウス座流星群の極大当日は、やはり雨模様のようで、今年も見送りの公算が大となりました。台風4号が、12日夜にも上陸かと。天体観測どころではなさそうです。昨年も極大日が曇りで、翌日の観測では大きな流星が少なかった記憶があります。



2009年8月14日、雫石町小岩井の一本桜駐車場にて

夏の風物詩、今年も振られそうです。
今シーズン何度目かの、「木星大赤斑チャンス」の日。大赤斑の子午線通過は9日23:10ごろ。そのため、できれば22:00ごろから02:00頃まで連続観測したいところ。外の天候は「曇り」、今にもパラパラ降ってきそうな空模様。ただし、もちろん、暑い!さらに、できればここ数日追いかけている、三惑星(金星・土星・火星)の集合写真も撮りたい。そのためには、19:00~20:00あたりも晴れている場所が望ましい。

各メディアの予報は、内陸・沿岸ともに曇り一時雨。唯一、気象庁の天気分布予報が、21:00~03:00頃まで、沿岸北部の狭い地域が晴れることを予報。ということは、予報通りであれば、21:00前から徐々に西から晴れてくる可能性がありそう。ということで、迷わず遠征。目的地は宮古市の真崎海岸に決定。

18:30、現地到着。全体に雲がかかってはいるが、流れは速い。そして、19:00ごろからは期待通り西からどんどん雲がとれて晴れ間が広がってくる。海岸の砂浜に三脚を設置し、山あいに沈んでいく三惑星を狙う。ギリギリのところで何とか撮影完了。惑星の動きは速い。わずか3~4日でその配置を大きく変えています。



ところで、19:10頃、砂浜がかすかに揺れる感触。帰宅後に確認したところ、やはり地震だったようで。幸い、津波などなく、事なきを得ました。この記事執筆最中(10日15:00)宮城県北部で震度4の地震。学生時代の昭和53年、宮城県沖地震で、ブロック塀の下敷きとなり多くの命が失われたことを思い出しました。

21:00前、木星が出る時間ですが、東の海上付近には流れていった雲が大きく停滞していて、なかなか木星が顔を出しません。ペガススの大四辺形は完全に昇っていますので間もなくのはず。近くのキャンプ場では、花火に興じている家族連れらしきキャンパーたち。だいぶアルコールも入ったような、大人の皆さんの嬌声。

21:30過ぎ、やっと木星が現れ、すぐに晴れの領域へ。早速撮影開始。大赤斑はすでにかすかに見えはじめている状態です。心地よい波の音を聞きながら、撮影は続きます。5分間隔で、露出を変えながら各3~4コマ。今回は画質にこだわり、感度を下げて、カメラのノイズを極力抑えた撮影を心がけます。23:10頃、大赤斑が子午線通過。02:45、4時間30分にわたる木星の自転観測終了。




予想、期待以上の晴天で、22:00過ぎからは文字どおり雲一つない快晴のもと、MT160では木星の観測撮影、LX90では各種星雲星団の観測。もちろん肉眼では満天の星空観測です。あれこれ見た星雲星団の中では、おうし座のM1(かに星雲)が好きな対象。メシエ天体のリストの一番にあるというだけでもかっこいいが、その姿形、1054年に大爆発した超新星の残骸であり、現在でも秒速150kmの速度で膨張を続けています。

01:00をすぎたあたりから、それほど大きくはないものの、流星がいくつか見られました。径路から判断すると、ペルセウス群ではないかと思われます。今日の天気、12~13日までとっておきたいほどの晴天でしたが、流星群当日はあいにく曇りベースで降水確率60%の世界。予報が外れることを願ってはいるが・・・・。

最後に、徐々に姿を見せてきた秋~冬の星座をいくつか撮影して、本日終了。総撮影枚数、奇しくも222枚。おひつじ座~おうし座~ぎょしゃ座、と久しぶりに見る星座が次々と昇ってきます。03:00頃には、夏の大三角が西に沈む頃、東の空には早くも冬の王者オリオンが顔を出します。夏8月、明け方近くにはすでにして秋~冬の使者たちの姿。



おうし座:プレアデス星団(すばる)とヒアデス星団

帰路、宮古市街を抜けると、とたんに雲が広がり、川井~区界は猛烈な濃霧。対向車のライトも直前にならないと見えないほどの危険な状況。そして盛岡は完全な曇り。