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イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

7月に入ってから始めた「微速度撮影」。比較明写真用に撮影した数十枚から数百枚の写真を動画化する手法で、当初EDIUS NEOというソフトを使用していましたが、最近SiriusCompというフリーソフトをインストールし、通常の動画とともに、「比較明動画」も作成できるようになりました。EDIUSは、動画化すると同時に、コントラストや輝度などの画像処理も一括でできることから、当面は、通常動画はEDIUSで、比較明動画はSiriusで、という形で作成しています。

Siriusでは、画像を一括して読み込み、比較明合成を全自動で行ってくれる優れものです。以前からその存在は知ってはいたのですが、1枚1枚の手作業で画像ができてくる過程も楽しみの一つとしていて、ここ1年半の間はPhotoshopを使い続けてきました。

ところが、2~3百枚までであれば、1時間に百枚程度は処理できますので、まとまった時間と忍耐があれば何とかこなしてきたのですが、5百枚とか千枚を超えてくると、終わりのない道を歩いているような気分になってさすがに耐えきれなくなってきました。


これは約3時間分、500枚を合成したもの

この画像ができる過程を動画化したものがこれ

比較明動画/高田松原の一本松

高画質にすると容量が巨大になりますので、YouTubeへのアップの都合上、30秒(300枚程度)、約2Gの動画としてみました。これで、一回の撮影画像をもとにして、「比較明合成写真」「通常動画」「比較明動画」の3種類の処理ができます。それぞれの状況、撮影結果、画像状態に応じて使い分けていくことができます。

机上のパソコン1台でこれだけの画像処理がすべて1時間以内でできてしまう。すごすぎる。ソフトを考え、作って、フリーで提供する人に心から感謝する今日この頃。でも、これでまた県内全域再び撮影に回らなければならないわけで、何年かかる?
岩手の星空の「比較明合成写真」を始めてはや1年半。初めてこの種の写真を雑誌で見た時の驚きと感動は今でも覚えています。それまでやっていた、フィルムでの撮影ではありえない写真。煌々と人工照明が輝く夜空に星々の長い軌跡。

あれこれ調べてみると、自分が使っているソフトでもできることが分かり、これもあれこれと試行錯誤や研究を重ねながら撮りためた写真が160景ほどになりました。自分でも納得できるようなものはその中の数割程度ですが、1枚1枚に撮影時の記憶がよみがえります。


最初期の作品の一つ、「宮古市街」2010年1月撮影

主な景観は撮影済ですが、さらに季節や月明かり、時間等を吟味しながら、もっともっとすてきな岩手の星空を記録していこうと考えています・・・と思っていた矢先、またまた衝撃的記事が雑誌に。

よく、テレビなどで見られる、星空がゆっくりと動く、あるいは花が咲く、蝶が羽化する、などの映像が簡単に作れるらしい。微速度撮影というもので、「インターバル撮影」とか「コマ落とし」と呼ばれる手法で、長時間にわたるゆっくりした動きを動画表現する手段です。それ用のソフトさえあれば、これまで撮影した画像も動画処理が可能です。

さっそくソフト(Grass Valley EDIUS Neo 3)を入手。使い方も非常に簡単で、あっという間に動画が完成。こんな手軽にできていいのだろうか。机の上で、パソコン1台あれば、画像も動画も思いのままなんて、凄い時代になったものです。ただし、画像と違って、動画は大容量で、そのままHPやブログに貼り付けることはできず、いったんYouTubeに投稿してから、それを貼り付けるということにせざるを得ない状況。数十秒の動画でも軽く100Mを超えます。画像は、画質を落とせば1枚数百キロバイトです。

これまでの画像から最初に作ったのは、「微速度撮影による岩手の星空33景」で、1景平均約60枚、撮影時間30分が7秒程度の動画になっています。原作は高画質で自分でも「きれいだなぁ」と思うほどですが、投稿画像になるとどうしても画質に難が出てしまいます。

微速度撮影による岩手の星空33景

動画第二作は、陸前高田市、高田松原の一本松です。北側から撮れば上空を通過する天の川が、南側から撮れば北天を周回する北斗七星(あるいはカシオペア)の動画が完成します。

希望としては、7月7日、七夕当日に撮影したかったのですが、この日は完全に曇り。そこで翌日、晴れの予報が出ていましたので出かけたところ・・・一晩中曇り。9日も晴れの予報の中を遠征・・・月も見えないほどの曇り。10日、晴れの予報の中・・・雲は薄く南から晴れ間が広がってきています。三晩通ってやっと晴れの空に出会えました。

できれば暗夜直後(22:00ごろ)から夜明け前の薄明(03:00ごろ)まで、ずっと天の川の動きを追い続ける動画が撮りたかったのですが、この日は月齢9.1、月没が00:00ごろということで、月が沈むまでは天の川は肉眼では見えませんし、写りもよくはありません。そこで、前半は南側からの撮影で、北斗七星が沈んでくる構図。雲が徐々に晴れてくる様子も描写できました。

月が沈んでからは北側に移動し、南中状態からの天の川を撮影。一本松が海面に映る構図です。夜明け前までの約3時間の画像(動画)で、本音としては物足りない部分もありますが、現時点ではまずまずの出来というところでしょうか。

高田松原の一本松/天の川と北斗七星

まだまだ可能性が広がりそうな手法・技法ですので、機材の能力をさらに引き出しつつ、より印象的な画像を作っていきます。
あの日から100日。これまでどうしても足(というよりも気持ちか?)が向かなかった沿岸南部、それも陸前高田市に行こうと急に思い立ちました。「見ること」さえ怖くて、ずっと避けてきた地域です。

その気にさせたのは、高田松原の一本松。津波に耐えた、あの「奇跡の一本松」です。その松の木が、海水の浸食などにより危ないということで、こも囲いをしたり、根回りに鉄板を埋め込んだりと、養生に全力を挙げているということ。応援のつもりで、自分にできる「写真撮影」の決行に及んだ次第です。

折良く、23:00過ぎには、低空ながらISSの通過もあり、星々の日周運動写真とともに渾身の1枚を狙います。月の出は21:30。ということは、街灯りはないはずなので、22:30ごろからの撮影になりそうです。念のために早めに出発し、22:00前には現地に到着。

松のある場所近くには、一般車は立ち入り禁止となっていますので、少し離れたところに駐車し、現場までは少し歩きます。松の木の直前まで来たところで、急に脇から軽トラックが現れ・・・ナンバーを見たら、何と「北九州」!木のそばにはテントやプレハブ、あるいはキャンピングカーなどがあり、あちこちから来たボランティアか、復旧作業・保守点検に当たる方々なのでしょうか。

撮影は、木の南側に回り、北天の日周運動と一本松の組み合わせとしました。ISS通過の時間帯を入れて、90分程度を予定しました。が、30~40分したところで、ISSの方角を少々読み違えていたことに気づき、結局50分の撮影後、少し移動してISS、ということに。


北斗七星が沈んでくる構図


昇るカシオペアとともに

そして、移動。先日、雲により撮影できなかった、平泉町の束稲山へ。北上川を前景にした、山全体という構図です。時間的に、明るい星がほとんどないこともありましたので、やや望遠気味で短めの露出としました。


薄い靄のような霞のような霧のような

再移動。奥州市胆沢区の、「散居集落」へ。「エグネ」と呼ばれる屋敷林に囲まれた住居が、田畑の中に散在している集落です。ここは、約1年ぶりの再撮影です。


遠く山並みはここも霧か霞か

どうも、カメラの素子(?)の具合なのか、メモリーカードの案配なのか、紫がかった発色が目についた夜でした。月明かりの方向、というわけでもないようなので、やはり修理が必要か?Yオークションで、望遠レンズ付きのレンズキット(つまりレンズ2本+本体+付属品一式)が2万円台で出ていたのを発見しましたが・・・。迷う、迷う、迷う。修理の見積もり次第、ということで。
さて、皆既月食(月没帯食)を翌朝に控えた15日夜です。前夜、室根山まで出かけて、濃霧と強風の前にあえなく撃沈してから丸一日。今夜、再びの山登り(頂上まで車で行けます)。中腹あたりまでのツツジはすでに終わりを迎えています。

頂上一帯はまだまだ赤い花に包まれた状況で、あと数日はもちそうです。満月を数時間後に迎える丸い月が昇ってきて、頂上から気仙沼方向を見ると太平洋が月明かりに照らされてとてもきれいです。


雲の中の月がまん丸く写っています

そうこうするうちに、ISSが通過する時刻が近づいてきます。昨夜の濃霧がウソのように、快晴無風の山頂です。気温の違いなのか、風の有無なのか、はたまた気合いの差なのか、自然現象を予想(予報)したり説明したりするのは本当に難しいことです。


石碑とツツジが月明かりの中

予報光度は0.8等ほどはあったのですが、何しろ満月ということで月の光が強く、ISSの光跡は何となくはかなげに見えます。少々の雲が、そのはかなさを吸い込んで流れていくような仕上がりとなりました。次いで、頂上から南、天文台(「きらら室根山天文台」)方向をねらって比較明撮影です。


頂上一帯のツツジはまだまだ見頃

それぞれ、まずまずの出来、としておきます。ここからの移動先は、平泉町の束稲山。北上川を前景にしたアングルねらいです。月明かりの下で、「大」の文字も識別できるはずです。新しいバイパス沿いで撮影を開始直後、南からの雲が広がり断念、という「いつものパターン」。


けっこういいアングルです

ここで、時間的に月食シフトに切り替え。観測地は、前夜の下見・シミュレーションのとおり、紫波町です。天体望遠鏡を設置し、駆動スイッチON・・・動きません。バッテリーを替えてもスイッチのON/OFFを繰り返してもピクリともせず。汗・・・。これが第一のトラブル。

望遠鏡は手動、と割り切り、カメラの準備・・・シャッターが切れない。数時間前まで元気にけなげに頑張っていたのに。急遽予備のカメラに切り替えましたが、こちらはピント調節がちょっとくせ者で使いづらいのですが、仕方ありません。これが第二のトラブルです。


ほとんどマニュアル操作にしてはまずまずか?

03:00過ぎから、南西方向に徐々に雲が広がりだし、当初04:00ギリギリまでの観測が可能と踏んでいたのですが、わずか20分足らずの月食となってしまいました。今回は月没帯食ということで、最大でも半分強欠けたところまでしか見られないものでしたが、次回12月20日の月食は、全国で最初から最後までの全過程が見られますので、そちらが月食としては今年のメインです。

帰宅後、望遠鏡の電源コードは、内部の接点部分のハンダが取れていたことが判明。メインテナンス不足です。カメラは原因不明で、修理に出すしかなさそうです。数年間、かなり過酷な扱いをしてきたことは確かで、これまでに数万回のシャッターを切り続けてきた強者です。中古市場などでは、もはや値も付かないようなジャンク扱いですが、愛着はひとしおです。もう一頑張りしてもらいます。ものは大切に、人には親切に。
6月16日03:23、皆既月食が始まる日時です。今回は、満月が欠けたまま沈むという、「月没帯食」と呼ばれる現象です。岩手では、皆既になる前に月が沈んでしまうため、半分ほど欠けた姿までしか見ることはできません。今のところ天気は何とかなりそうです。

昨年には、欠けたままの満月が昇ってくるという、「月出帯食」という現象がありましたが、あいにくの天気で、望遠鏡をとおしてかすかにその様子が見られる程度でした。今回の現象は初めての体験ですので、どんな感じになるのか、楽しみです。

ぶっつけ、というのも不安ですので、前日の15日に練習、シミュレーションをすることにしました。16日より、ちょうど1時間月没が早くなります。場所の選定、カメラの焦点距離や露出など、事前に調整しておくべきことは意外にたくさんあります。

月食は夜明け前のことでもあり、夏至直前とはいえ、それまでの夜は長い。月明かりも十分ということで、一関の室根山に出かけました。ここは、山頂付近が、自生するツツジの群落で埋め尽くされ、山全体が真っ赤に染まるほどの見事な眺めが楽しめます。しかも、20:00過ぎにはISS(国際宇宙ステーション)が南西~北東の空を高度70度と、ほぼ頭上を通過して、こと座のベガ(織姫)方向に沈んでいきます。

明るいうちに現地に到着して下見。薄暗くなる直前まで思いの外多くの人が訪れました。山頂にあるのは「きらら室根山天文台」で、その脇の芝生には自衛隊の通信隊(?)が野営をしながら通信中継(かな?)の任務に当たっています。

さて、19:30。撮影準備のため山頂に向かったところ、若い自衛隊員二名が景色を楽しんでいます。せっかくでしたので、当夜のISSが見られる時間や方向などを話し、時間が空いていたら是非見てね、と。・・・ところが、20:00過ぎ、強い西風に吹かれてあっという間に山頂付近は霧に覆われてしまいます。ほんとに「あっ」という間。ほんと。

さらに、出現予報時間を調べたのが2~3日前のことで、その時刻になっても現れず。実に予報の15分後に見え始めました。JAXAのISS予報は毎日更新されていますが、直前情報をチェックしておかなかったミスでした。肝心のISSは、最大光度-2.5等と、圧倒的な明るさで天頂を駆け抜けたものの、写野に入る頃には霧の中。ほんのかすかに写る程度でした。


ほんの30分前までは「快晴」だったのに

カメラのレンズが、これもあっという間に曇るほどです。10分も露出できなさそうな状況でした。撮影後、先の自衛隊員に会いましたので、声をかけたところ、「見えました」とのこと。たぶん、夜半まで待てば霧は晴れたのではないかと思われますが、その後の予定もあり、ここは泣く泣く撤収。下山途中の山の中腹から、太平洋、気仙沼方面が見えましたので、雲がかかってはいましたが10分ほど撮影。山に近い方は灯りもだいぶ見えますが、海沿いは真っ暗なままです。


被災地にも星々が昇り、日が昇る。GO!GO!TOHOKU!

この後、平泉~奥州~北上と撮影予定がありましたが、どこも曇り空。ところが、花巻を過ぎた頃から徐々に雲がなくなり、紫波町に着いた、日付が変わる頃にはすっかり晴れの状態に。月食観測地「候補」の一つ、紫波町彦部の「野村胡堂・あらえびす記念館」駐車場です。月もいい具合の輝きで、あれこれ試し撮りの後、堂々とした記念館も比較明撮影、と思ってシャッターを切り始めると、ものの10分で北から次々と雲がわき始めます。


今夜はこんなのばっかり

03:00前には、再びISSが頭上を通過します。北からわいた雲が帯のように伸びて居座り、室根山でと同様、予報時刻と径路に少々の違いはありましたが、慌てて修正しながら何とか写野には収まりました。


03:00で空はこれだけ明るい。低い位置には木星の姿

03:00を過ぎるともう夜明けの薄明の始まりです。月食の開始時刻には、さらに明るい中での観測・撮影ですので、・・・まぁ、やってみなけりゃわからない、ということで、「後編」に続く。
4日(土)、約一ヶ月ぶりに観測・撮影したISS(国際宇宙ステーション)の輝きは、「追っかけ病」に再び火をつけたようです。高度など、観測条件は決してよいわけではないのですが、少しでも見られるのであれば見たい、という状態。

6日の夜も、00:37ごろと02:08ごろの二度の周回を見ることができます。ただし、高度はそれぞれ18度と11度という予報。径路は4日とほぼ同じではあるものの、一度目はかなり短時間の通過となりそう。


短径路。アンドロメダ銀河とともに

二度目。ねらいは小岩井の一本桜上空通過の画でしたが、01:00過ぎから霧が出始め、あっという間に周辺は濃霧の中。仕方なく、前回と同じ、葛根田川に架かる西長橋まで移動しての待機です。今回は暗夜での撮影ですので、少々暗めでも、しっかり写ってくれることでしょう。


飛行機の光跡(上)とのコラボ

こちらは、北西~北に航行するISSと、東~西に進む長径路の飛行機が、(見かけ上)すれ違う形となり、その光跡の比較とともに、なかなか面白い画になりました。

再び6日夜。季節柄、ふと思い出して向かったのは「山岸のカキツバタ群落」です。県の天然記念物で、満開ならば紫の花が一面に広がっているはず。で、実際に、満開(かな?)。日中に確認しておくべきでした。


すぐ脇を車がひっきりなし

民家や車、近所の自販機など、様々な人工照明が多く、三方向から試し撮りの後に、このようなアングルになったものですが、南天の空ではさそり座が南中に向かって移動中です。月明かりの時期まで花がもってくれれば再撮影の予定。

7日のISSは、01:00ちょうど、北西の北斗七星の下あたりからの出現で、北東のカシオペアの下までの比較的長径路。高度は18度、最大光度は0.6等と、ここでの撮影的にはまずまずの条件です。


雲が微動だにせず

方角から考えて、前景はやはり小岩井の一本桜でしょう。今夜はまずまずの天気。なれど、00:00を過ぎたあたりから、岩手山から立ち上るような雲がどんどん大きくなり、一時間経っても全く動きません。ISSは、その雲の中から現れ、はるか彼方へと消えていきました。

この場所は、特に夜は霧が発生しやすく、雲の湧き出し口でもあり、なかなか簡単にはいい画を撮らせてはくれません。だからなおいっそう、何度でも足を運んで、何度でもチャレンジしたくなります。「今夜もダメか」の繰り返しですが、「おぉっ!」と言える条件に出会うために通う日々なのです。ISS追っかけと一本桜通いは、ほとんど病気。これからも。
新月翌日の快晴の夜。ISSの周回が二回見られそうな予報です。いずれも北海道上空を通過する軌道ですので、北の低空に現れます。真北から北東に進む一度目の01:22は問題なさそうですが、02:56の二度目は、北西から北東への長い径路で、超低空の上に薄明の中での観測ということで、どの程度に見えるのかやや心配。

その前に、深夜に南中を迎える夏の星座を撮影しようと、網張へ。雫石市街上空を通過するさそり座~いて座、そして天の川を入れた構図です。以前、星の日周運動のスライドショーを作成するために撮影した場所・構図ですが、比較明撮影はしていなかったものです。


南中へと向かう南天の星々

22:00~23:00ごろ、駐車場には、夜景や星空を見に来たと思われる車が数台停まっていました。ISSは、岩手山に沈む構図にしたかったこともあり、網張周辺の、山を見上げる場所に移動です。県道脇の草むらの中で待機。しばらくすると、数台のバイクの音が近づいてきます。かなりの爆音が目の前を通り過ぎていきました。存在を気づかれなくてホッとした一瞬です。


星々を圧倒する輝き

ISSは、北極星の下あたりに出現し、予報最大光度-0.2等で岩手山の頂上付近を突き刺すようにして山陰に沈んでいきました。一度目の周回、無事撮影終了です。久しぶりに目にしたISSの輝きはやはり美しく印象深いものがあります。

再び移動。当初予定は小岩井の一本桜でしたが、周囲は濃霧が立ちこめた状態。ペンション群のあたりまで所々霧が発生していたようです。仕方なく、霧地帯を抜けるまで西へと走行、葛根田川に至ります。川に架かる西長橋からは、4月にもISSを撮影しています。


だいぶ明るくなり、軌跡はかすか

03:00近くともなると、朝の薄明がだいぶ進み、刻一刻と明るさが増してきます。同じ露出時間で撮影した数分間で、最初のコマと最後のコマの明るさが違いすぎたので、2コマ分は泣く泣くカットし、間の3コマ90秒分だけを画像処理して何とか仕上げてみました。肉眼でも光跡を追うのが困難な状況でしたので、かすかながら写っただけでもよしとしておきます。

これから連日ISSは観測できそうですが、いずれも高度は10度前後で撮影向きではなさそうです。条件のよい日を待ちながら、ISSとはしばらくお別れ。

6月は9日(木)の月が下弦で、比較明撮影は月明かり的には11日あたりから22日頃までが好条件です。その間の16日早朝には皆既月食。食の始まりが03:20過ぎですので、かなり明るい中での月食です。しかも、月食のまま月が沈むという、「月没帯食」という現象。岩手では、皆既になる前に月没を迎えることになります。

初めての体験ですので、どんな風に見えるのか、どんな風に写るのか、楽しみです。肉眼では、望遠鏡では、写真では、と興味が尽きない今日この頃。好天を祈るばかりです。天気次第では遠征もあり?日本海に沈む月、ってのもいいかも。
週間天気予報が日ごとに変わり、25日夜から翌朝にかけて快晴になりそうな。月は下弦で、明かりはかなり弱いことを覚悟しながらも、近場を攻めてみることに。

最初に向かったのは、リンゴの花の満開時期を逃してしまった、盛岡ガス滝沢工場。東北自動車道下り、盛岡インターと滝沢インターの間でも見える、二基のガスタンクです。一つは、滝沢村の特産品のスイカ、もう一つはチャグチャグ馬コ。

月の出は00:30ごろでしたが、タンクが見える方向の真東から昇ってくることもあり、月が出る前に撮影してみました。周囲の人工光(家屋、道路、信号、車など)が様々に入り交じり、色合いが複雑かつ微妙になるのでは、と思いながらの撮影でしたが、画像処理してみたら、逆にうまく溶け合って、しかもスイカのタンクがテカテカで実においしそうな仕上がりとなりました。


これはうまそう

次いで岩手山の馬返し駐車場へ。ここも何度も撮影してはいますが、なかなか納得の一枚が撮れません。到着した時には月が顔を出していますが、思った通り十分な明るさとはほど遠い。高感度での撮影でしたが、そうなると星の軌跡がうるさく感じ、肝心の山の風情が負けてしまいそうになります。何とかトリミングして見られる程度にはなりましたが。


露出35分でかなりの微光星まで写ります

撮影を終えようとした時に、南から飛行機が見えてきました。北に向かって航行する光跡を画像処理してみたら、沈む北斗七星をとおって、画角を横切る構図のできあがりです。


総露出5分の作品

かなり夜露も出てきて、カメラの三脚はすっかり濡れてしまうほどです。電子カイロを持参し忘れたこともあり、山や高原・草原での撮影は無理と判断し、街中の候補に向かいます。前から撮ってみようと思っていた、盛岡市内蝶ケ森に向かいます。市街中心部と、その上に岩手山が見える構図狙いです。


岩手山の姿は全く見えず

あれほど晴れていたにもかかわらず、盛岡市街は「モヤ」に包まれた状態。中心部(県庁周辺)から盛岡駅方面は茶色っぽい、ホコリのような空気に覆われています。ほんの少し方角が変われば山の影がクッキリ見えていましたので、いかに中心部の空気が汚れているかが分かります。この時間(03:00前後)でもこんな状態ですので、日中はいかばかりかと。

さて、今月の比較明撮影(景色編)は、ほんとにこれで終わりです。残っているのは、久しぶりのISS(国際宇宙ステーション)追っかけです。28日頃から6月始めにかけていろいろな径路で飛ぶ姿が見えるはずですので、すてきな景色と合わせて撮影してみようと考えています。が、27日からずっと曇り?雨?・・・ヤレヤレ。
夕方の時点で、今夜の天気について、各局・メディアによっていろいろな予報が出されています。しかも、ほとんどが朝の予報を修正しています。朝から全く変更しないのは、1局だけ。もちろん、信頼に足る、いつもの局です。具体的な予報は、
○気象庁:00:00まで晴れ、以後朝まで曇り(朝の予報から変更)
○IAT:00:00まで晴時々曇、03:00まで晴れ以後曇り(朝の予報と変更なし)

00:00~03:00の時間帯を「晴れ」と読んだのはIATのみでした。他は時間の少々の違いはあっても、夜半過ぎは基本的には「曇り」の予報です。今夜は、月の出が21:00ごろで、撮影ねらいは(場所や方角にもよりますが)23:00~03:00というところですので、微妙な案配です。

最も撮りたい対象は、八幡平市の「上坊(うわぼう)の一本桜」で、18日に満開になったばかりです。岩手山をはさんで、小岩井の一本桜と反対側に位置しており、その枝ぶりや岩手山の山容、そして星々の軌跡などを比較してみたいと考えていました。

22:00現地到着。月は薄雲の中でぼんやり状態です。全体風景が月光に照らし出されるまでもう少しですので、待機です。撮影者が一人いらして、木に照明を当てながら撮っているようです。山頂付近は晴れているようですので、なかなかいい狙い。

私は、自然の光のみでの撮影予定でしたので、月が十分な高さまで上がるのを待つことに決めたわけですが、23:00ごろからくもが「うわ~っ」と出てきて、月も見えないほどに。気象庁の予報が当たり、と半ば諦めながらも、「IATが」と一縷の望みをかけてそのまま待機します。

00:30ごろ、急に風が出てきて、どんどん強くなります。分厚い雲がみるみる運び去られて・・・晴れちゃいました。ほんと、あっという間の出来事。月はほぼ南中し、だいぶ山に迫ってきています。月明かりの影響は避けられませんが、小さな雲がどんどん湧いてくる状況なので、隙を見ながら撮影してみました。吹きさらしの牧草地ゆえ、枝が大きく揺れ、しかも大きな月の、強烈な逆光での撮影です。三脚が倒れはしまいかと心配するほどの風でしたが、何とか持ちこたえ、岩手山上空にはさそり座がさしかかっています。


分かりづらいですが、満開です

撮影(露出)時間、わずか20分程度。この後、残念ながら、山頂が雲に覆われてしまいます。月明かりが左(南)から差し込む状態で、アングルに少々苦労しましたが、なんとか。ベストの出来ではありませんが、トリミングしての仕上がりです。今後の天気からして、たぶん星空の下での満開はこの時間帯が今年の最後でしょう。

結局、03:00過ぎに帰宅するまでの間、雲がだいぶ出てはいましたが、基本的には晴れという結果でした。IATの予報者はこのような風の状況まで予測して「晴れ」を打ったんでしょうか。だとしたら凄すぎます。やっぱり信頼してよかった、と改めて感謝、感動。

今年は、内陸北部の代表的一本桜をずっと狙ってきましたが、晴天で満開に当たったのはここだけでした。月齢や天気との関係で、なかなか完全に満足できるものにはなりません。他の二本と比較して、今年の一本桜紀行はおしまい、ということに。


小岩井の一本桜(満月の下)


為内の一本桜(満月の下の葉桜)

今後、月の出はどんどん遅くなり、月明かりも急速に弱くなっていきます。今後の天気から見ても、月下での今月の比較明撮影はこれでおしまいでしょう。また来月、ということですが、来月といえば、16日(満月)は皆既月食で、月食のまま月が沈むという、「月没帯食」という珍しい現象が見られます。岩手では、残念ながら、皆既の前に沈んでしまいますが、空が明るくなる中で、月食がどんな風に見えるか今から楽しみです。
前夜のミスをカバーすべく、時間的には十分な余裕があったにもかかわらず、夕方の天気予報も見ずにお出かけ。昼の時点では、ほとんどが終夜「晴れ」の予報。ただし、信頼度激高のIAT(岩手朝日テレビ)は、21:00~03:00は「曇り」の予報。これだけが頭の隅に引っかかってはいたのですが。

前回の反省を活かし、最初の撮影地は八幡平市の焼走り熔岩流に。月の出は20:00ごろで、満月直後とはいえそれなりの明かりを得るには30分ぐらいは待つ必要があります。20:30から、アングル決めを兼ねての試し撮り。20:49撮影開始。

そのわずか10分後あたりから、岩手山の南斜面低いところに雲が見え始めます。やがて西の低空からも雲が湧き出し、山の背後からどんどん迫ってくる感じになりました。IATの天気予報が当たらないことを祈りながらの撮影です。


右(西)から左(南)へとどんどん雲が流れて

とりあえず、予定どおりに移動して、岩手山馬返し駐車場へ。強風の中、北西方向からの分厚い雲が空を覆い始めています。そんな中、駐車場には車が4台。この時期のこんな時間に何を目的に来ている人たちなのでしょうか。まだ山には登れないはずだし・・・。キャンプ?山菜?う~む、わからない。

しばらく待機したものの、晴れそうもなく、再び移動。矢巾町の菜の花畑へ。全体を月が照らし出すのは00:00過ぎと思われましたが、到着した頃にはすでにここにも雲が押し寄せており、あっという間に月も黒雲の中に飲み込まれて姿を消してしまいました。

予報では、03:00ごろから再び晴れとなっていましたので、それよりは少し早い時間に雲が取れることを期待して待機・・・するもむなしく、いっこうに晴れ間はのぞきません。潔く諦めて撤収です。帰宅後、夕方に出された天気予報を確認したところ、気象庁は17:00の予報で、00:00~03:00の天気をちゃっかり「曇り」に変更しています。それでも完全には当たってないんですが。複数のメディアは、終夜晴れの予報のままでした。って、どういう予報してるんだ!


これは17日の撮影を画像処理したもの。全体が照らされてはいない

19日~20日の天気はまだはっきりしませんが、20日の日中からはしばらく曇りや雨が続きそうですので、(まだ早いですが)今月の比較明撮影適日は3日(3晩)だけという結果でした。このペースだと、撮りたい場所を(ある程度満足のいく仕上がりに)全部撮るのに、あと3~4年かかるんですけど。