イーティーズ・プレイスの星空観測行 -10ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

紅葉シーズン到来です。月齢から見て、撮影チャンスは今週と来週始めのみ。昨年は、紅葉の盛りに悪天候が続き、さらには月明かりのない期間に各所で見頃を迎えるという、需要と供給がかみ合わない年でした。遠くまで赤や黄色の木々を写し取るには、満月をはさんでその前後3~4日ぐらいが限界でしょうか。つまり、月のうちの一週間程度ということです。

10月初旬~中旬に見頃を迎えるのはかなり標高が高い地域です。奥羽山脈や北上高地が中心となります。今シーズンの手始めとして、八幡平を集中的に攻め始めました。11日夜、予報は「晴れ」でしたが、終夜雲が切れることなく、ついには濃霧で視界不良。本格的な撮影は断念。


ずっとこんな感じでした

12日、昼の予報では終夜晴れでしたが、ふたを開けてみれば、霧に強風、さらには雨と、散々でした。帰宅後に、夕方の天気予報を確認したところ、案の定、コロッと変更されています。憤懣やるかたなく、鬱憤晴らしに「ちょっと一杯」のつもりが・・・。13日昼頃までボゥ~とした頭で過ごす羽目に。夜。気象庁の予報は、21時頃からずっと晴れ、信頼のIATも終夜快晴。間違いない。

日没の頃には、アスピーテラインを登って、八幡平の茶臼岳あたりに到着。徐々に雲が取れていく星空と、十六夜の月が昇ってくる様子を眺めながら、快晴を待ちます。そして、20:00ごろ、予報より早く、いよいよ空には雲一つない状況が訪れ・・・たと思ったら、岩手山はあっという間に霧に包まれ、全く見えなくなってしまい。

山の上の方は、前日と前々日の強風のせいか、落葉が進み、すでに紅葉は終わっている状況もあり、樹海ライン側に下りる決断を固めました。途中、藤七温泉あたりで月と木星が並んで上空に浮かぶ姿が目に入りましたので、記念のつもりで撮影してみました。その後、下倉山辺りまで下りて、岩手山方向の撮影。月明かりと霞で、遠方がぼやけて見えますが、紅葉感はまずまず。


月明かりに浮かび上がる温泉宿の風情


月が直上です

比較明撮影に並行して、駐車帯にて十六夜の月の撮影。12日が、今年最小の満月でしたので、その翌日ということで、「限りなく今年最小に近い月」ということになります。これは、望遠鏡(口径160mm、焦点距離1000mm)の直接焦点撮影、すなわち、カメラに1000mmの望遠レンズをつけたことと同じ。また、、月と木星が接近しています(角度で5°弱)ので、そちらは300mm望遠レンズにて撮影。


だいぶ違います。10月の月は右側が少し欠けています


肉眼ではかなり近づいて見えましたが、実際はこんな感じ

次いで、松川地熱発電所を経由して、松川渓谷へ。すでにこのくらいの標高でも真っ盛りを迎えようとしている状況です。間もなく紅葉は里に下りてきて、人々の目を楽しませてくれそうです。盛岡はたぶん11月に入らないと見頃とはならないと思いますが。そうなると、月明かりがなく、今年も撮影は無理そう。


松川地熱発電所。夜間照明が強く紅葉感が今ひとつゆえボツ


松川玄武岩近くの河川敷にて

ここで、何を思ったか、100kmかなたの夏油(北上市)に向かいます。北上には以前住んでいたこともあり、周辺を含めてあちこち巡り歩いてはいます。ただ、夏油の紅葉は一度も目にしたことがなく、たぶんこの時期はそれなりの見栄えがするのではないか、と単純に考えただけだったような気がします。


ここ数日の急な冷え込みで一気に紅葉が進んだようです


夏油大橋から眺めた入畑ダム湖周辺の紅葉。薄明が始まっています

帰路、東の空がどんどん明るくなり、矢巾町にさしかかったところで、早池峰山方向に朝日がちらっと見えてきました。急遽、路上駐車で、昇る朝日を記念撮影です。通りかかった、ウォーキング中の主婦が、「いい朝日だ、最高だねぇ」と声をかけてくれました。冬に向かって、日の出の方角が徐々に南に移動しています。


日が昇るにつれて、朝霧・朝靄がどんどん晴れていきます

週間天気予報から判断して、紅葉の追っかけも17日あたりで最終でしょうか。週末は天気が悪そうですので、撮影できるのは一晩か二晩。昨年撮り損なった「仙人峠」を是非狙いたい。遠野市側と釜石市側の両方で。ところで、こんなことをやっていて、今さらながらに感じるのは、「紅葉は、日中に肉眼で見るのが一番」だということ。人間の目はやっぱり凄い。
しばらく前から、10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が13年ぶりに大出現か?というニュースが、天文雑誌などで紙面を賑わせてきました。中には、1時間に600個などというトンデモ予想(失礼!)も出ている始末。直前になって、ネットやツイッターの世界でも関連した投稿や書き込みが急に増えたようです。世間が騒ぐと、流星群はスカに終わるというジンクスがあり、さてさて今回はどのような顛末と相成りますでしょうか。

その前に、8日04:00過ぎ、ISSが好条件で北~東の空を駆け抜けます。撮影場所の候補を何ヶ所か挙げた結果、遠野市の「南部曲り家千葉家」に決定!02:00ごろにいざ出発。したところ、紫波~大迫(花巻市)~宮守(遠野市)と、だいぶ霧が発生しています。心配しながら千葉家前の駐車場に到着。

03:00ごろ、まだ霧は出ていません。ところが、03:30を過ぎたあたりから、モウモウというかモクモクというかワサワサというか、何とも表現しきれない勢いで、周囲はあっという間に濃霧に包まれ、10m先も霞んで見えないほどです。確かに霧が湧きやすい地形だそうで、こんな気象が数々の民話や伝説を生む土壌にもなってきたのでしょうが。


04:00撮影。ISS通過15分前。ほとんど諦めかけたその時・・・

04:05、北西にカシオペアがうっすら見えてきました。そしてわずか5分ほどで、一気に北の空が晴れ渡り、千葉家上空だけが快晴状態です。北極星も、昇ってくる北斗七星も、遮るものはなにもなく、夜空にきらめいています。これこそ、まさに霧の神様(あるいはISSに搭乗している古川さん?)からのご褒美かな、などと思ったりして。長くやってればこういうことも、・・・あるよねぇ。

慌てて撮影開始です。背後に街灯はあるものの、霧の中でそれほど気にはなりません。何度も試し撮りをする時間はないので、月明かりもないことから、やや高感度で少し長めの露出時間を設定しました。仕上がりを見たところ、うまくハマッタようです。ISSは、カシオペア座の下(ケフェウス座あたり)から見え始め、もう最初からキラキラです。予報最大光度は-1.2等級ということで、周囲のどの星よりもはるかに目立つ光輝です。


10分前の濃霧が、ウソのようです

岩手県を代表する古民家と、最先端科学のシンボルが出会った瞬間でした。画角の通過時間は、わずかに100秒。往復2時間が全く苦にならない夜でした。ちなみに、帰路はやはり宮守~大迫~紫波あたりまでは、所々濃霧の状態、日が出てからやっと霧が晴れだしたようです。

さて、8日夜。流星群の極大予報は9日03:00ごろということでしたが、その前に、久しぶりに一本松(陸前高田市)の比較明撮影をしたいと思い、明るいうちに出発。もちろん快晴で、月齢は11~12といったところ。アングルを探りながら、21:30撮影開始。00:00ちょうどにバッテリー切れで終了。月明かりの中での凛とした立ち姿、何度見てもいいものです。


あわよくば、流星の一つでもと思ったが・・・

この時間まで、群流星らしきものはわずかに三個。この群の特徴は、暗めでゆっくり、スウ~っという感じです。徐々に月が傾き始め、流星観測にはうってつけの状態になってきました。いつでも来い、の態勢でさらに数時間。いくつかは画角内を通ったものの、写るほどではなく、肉眼で確認して「あっそう」という程度のものばかり。結局、あるかないか分からないようなものが数個写っただけで、夜は終了。

04:53ごろから、ISSが見えてきます。西の空、木星のそばを通過して、南の空に消えていきます。時間的に見て、朝焼けが始まりそうですので、直前まで露出時間や感度を微調整しながら待ち構えました。1分どころか、10秒ごとに東の空が明るくなってきましたので、ISSが見え始めてからも露出調整が続きます。画角に入る直前にやっと決断し、絞りF4.0、感度ISO400、露出6秒です。


ISSは朝焼けの中に吸い込まれていきました

仕上がりを見ると、この判断は大成功。ISSが朝日に吸い込まれていく様子が、肉眼で見た情景そのままをうまく描写できています。そして、一本松の両側に輝く一等星2つ。右にオリオン座のリゲル、左にはおおいぬ座のシリウスと、冬を代表する星座と星に付き添われている感じで、横綱の脇を固める、露払いと太刀持ちといった風情です。
「星食」とは、星の前を月が通り過ぎる現象で、星が月に隠されます。月の通り道を「白道」と呼びますが、白道上に位置する明るい星はそう多くはありません。2~3年前、アンタレス(さそり座の1等星)の食が白昼に起きましたが、夜間の好条件で起きることは滅多にありません。

1日18:36、さそり座δ(2.3等星)の食が起きました。これは、今年最も明るい星の食です。時間帯の関係で、岩手では「潜入」を見ることはできますが、「出現」は月没後の出来事でもあり、観測は不可能です。せめて潜入だけでも捉えたいと思い、出発。が、盛岡から北の方向には、西空には低く黒い雲が垂れ込め、とても無理そうです。

南の空に晴れ間が見えましたので、雲の切れ目を追って南下。花巻と北上の境辺りまで来たところで、雲の動きが速くなり、今度は南に向かって流れ始めました。慌てて進路を変えて、今度は北上。時間的に見て紫波町が限界、ということで、18:20、観測の開始です。いい感じに雲が取れてきていますので、何とかなりそうな予感。


潜入直前

潜入まであと1分、というその時、下から黒い雲がふわ~っと湧き上がってきて、月を隠してしまい、潜入の瞬間を見ることはできませんでした。すぐに雲は消え、また何事もなかったかのように月齢4の月がゆっくりと西に沈んでいきました。翌日の画像処理で、何とか雰囲気だけは伝わりそうな動画ができました。

さそり座δの星食(YouTube)

その後は、M44(かに座のプレセペ星団)に入った火星が見えてくるまで、星空探訪、といきたかったところですが、雲が湧いては消え、消えては湧き、の繰り返しで、結局この夜は「快晴」と呼べるような星空を拝むことはできませんでした。一時的には小雨がぱらつき、望遠鏡にシートをかぶせて待機、などということも。


一等星6個

全天に一等星は21個ありますが、岩手で見えるのはそのうちの15個。この時期、スピカ(おとめ座)を除いた14個を、一晩約8時間で見ることができます。星(恒星)は、その表面温度によって色が違いますし、大きさや距離の違いによって明るさも違ってきます。じっくりと恒星を望遠鏡で見るということはなかなかやらないことでしたので、改めて見比べ撮影してみました。


二重星団h-x。「天上の宝石箱」


M42オリオン大星雲。冬の星雲の王者

秋~冬の星空には、いろいろな天体の見所満載です。晴れ間を待ちながらの観測・撮影でしたが、主なところは一通り目にすることができました。終夜快晴に恵まれたいつか、「メシエ天体マラソン」にでも挑戦しようかと考えています。最初はもちろん、M1、おうし座のカニ星雲です。

そうこうするうちに、雲を通して火星の輝きが見えてきました。M44は薄雲では肉眼での確認は困難です。惑星は、ほぼ黄道(太陽の通り道)上を動いており、いわゆる「黄道12星座」(誕生星座と同じもの)の中を通ります。かに座には美しい散開星団、プレセペがあり、惑星が近くを通り過ぎたり、星団の中に入り込むことはしばしばあります。


星団の星の一つと見紛うように

星は、単独で生まれることは少なく、ガスの中から、爆発的に次々と多くの星が誕生するとされています。太陽も、元はいくつかの星と同時に、同じ場所で生まれたと言われていますが、50億年も経つと、皆ちりぢりになってどの星が兄弟・姉妹だったのか分からなくなっています。プレセペ星団の星々は、約7億歳とされる比較的「若い」兄弟星で、その中で赤く輝く火星は異彩を放っています。だいぶ遠いところにいますので、大きさはさほどではないものの、その存在感はしっかりと見せてくれました。これから徐々に地球に近づいて(地球が追いついて)きます。
新月の27日、約1ヶ月ぶりに陸前高田市へ。9月に入り、「衰弱」が伝えられた一本松。現状確認と応援を兼ねて撮影に向かいました。今回の画は、松を前景に、東から昇ってくる木星、秋~冬の星座の比較明撮影と微速度動画がメインです。

18:30現地到着。19:23撮影開始。すでに木星が昇り始めています。-2.8等、海面にその姿を映しながら、神々の王「ジュピター」の名にふさわしく、堂々と輝きながら。10月末の「衝」(地球をはさんで太陽と正反対に位置)を目前に、ほぼ最大光輝です。


圧倒的輝き

20:36、わし座のアルタイルあたりから北極星に向かって長径路の大流星が。消え入る直前に分裂し、さらに輝きを増すというおまけつきでした。そうこうするうちに、おうし座(すばる、アルデバラン、ヒアデス星団)~オリオン座が昇り始め、一本松は冬の大三角(ベテルギウス、シリウス、プロキオン)に包まれます。


まるでオリオン座を従えているような


三つの一等星に包まれ守られているようです

02:00、ふと足元を見れば、海面がだいぶ上がってきています。調べてみると、満潮は4時過ぎということで、三脚が水に浸かってしまいそうです。でも、水面に映ったシリウスがかすかな波に揺らめいてとてもきれいです。見上げる冬の星座の星々と凛とした松の姿の美しさは実に印象的です。

04:20、北の低空をISSが通過しました。(心の中で)「古川さ~ん」と叫んでみました。明るい星のない領域を航行していきましたので、(たぶん)1等級そこそこでもかなり目立った輝きでした。この夜は、岩手から見える15個の1等星のうち、アンタレス(さそり座)とスピカ(おとめ座)を除いた13個を見ることができました。もう少し早い時間(18:00ごろ)で西の空がある程度開けた場所であれば、一晩で15個すべてが見られるはずです。一度挑戦してみる価値がありそうです。


朝焼けの中で

04:30ごろには東の空が白んできて、あっという間に明るさに包まれます。太陽がほぼ真東から昇り真西に沈むこの時期、夕方には太陽がまっすぐに沈み、短時間で日没~暗夜を迎えることから「秋の日はつるべ落とし」と表現されますが、朝の様子を表す言い回しはないものでしょうか。「秋の朝は打ち上げ花火」とか・・・。

微速度動画(YouTube)一本松と秋冬の星座

昼前には、動画を含む各種画像処理は終了。夜は、県内全域晴れの予報が出ていたので、雑用を済ませて一旦寝てから再び遠征・・・のつもりが、目が覚めたら29日04:00って、しかも盛岡は完璧な曇り空。よかったのか、どうなのか。
秋晴れの日中、そして県内全域で終夜晴れの予報。25日未明には、久々にISS(国際宇宙ステーション)が比較的好条件で見られる予報も出ています。月明かりが当てにできない(月齢27)のが残念ですが、一晩中撮影ができそうです。

まずは、かねてより何度もチャレンジしている「盛岡市街に沈む星々」の微速度動画の撮影に、岩山展望台へ。18:00過ぎには到着したところ、一面に雲が広がっています。雲は南西方面から少しずつ取れてはきていますが、動きは遅い。

それでも快晴を祈りつつ撮影開始。土曜日の夜ということもあり、展望台には入れ替わり立ち替わりで大勢の人がやってきます。約7時間おりましたが、その間に延べで100人以上は来たはずです。中には、2~3度上がってくる明らかに同じ若者グループも。さらには駐車場近くで花火を始めるグループまで・・・。

さて、撮影を開始して2時間後、やっと快晴状態ですが、大気の状態は今ひとつで、「スッキリ」ではなく、「ややボンヤリ」といった感じの晴れ。そんな中で流星がいくつか見られたのは幸い。


中央上部にかすかに流星(肉眼では「オッ」と思うくらいの)

01:00過ぎには、川筋に霧状のものが発生し始めた様子でしたので、迷った末に撮影は終了。できれば夜明けまでの画を撮りたかったのですが、またもやおあずけということに。よって、ISSの撮影も移動となりました。

【YouTube動画】盛岡市街と沈む星々(暫定版)

やって来たのは早池峰山。小田越登山口付近、花巻市大迫町側の県道25号線路上です。真っ暗闇の中を撮影開始。感度を上げても、露出を長くしても、山は真っ黒にしか写りません。ISSの通過は04:04~04:07、最大高度35度で最大光度は-0.9等の予報です。カシオペアの下あたりに見え始め、北極星の下を通過して北斗七星方向に航行します。


周囲の星々を圧倒する輝き。山は真っ黒に

少しでも山容が分かる程度までということで、薄明が始まるころまではと思って、そのまま撮影を続けたところ、04:18ごろに山中に灯りが見え始めました。山頂で御来光を目指す登山者ではないかと思われますが、04:22、県道を上ってきた車のライトに照らされたこともあり、やむなく撮影を中止しました。


4~5分でけっこう登ったようです。総露出は約30分

日の出(05:25ごろ)のちょうど1時間前までの撮影でしたが、はたして御来光に間に合ったのかどうか、気になります。早池峰からの帰路、花巻~紫波~盛岡と、ずっと霧の中。移動は大正解でした。盛岡市街、夜明けまでの動画、近日中に再びチャレンジ。
10月末の「衝」(地球をはさんで、太陽と正反対に位置する)を前に、木星が観望の好機を迎え、一晩中観測できる時期になっています。台風や低気圧の影響で、なかなか長時間観測できる日がないのが残念ですが、去る15日(木)から16日(金)にかけて、本当に久しぶりに終夜晴天がありました(ただし、沿岸北部のみだったようですが)。

15日夕、沿岸は田野畑村の北山崎に向けて出発しましたが、岩泉を抜ける頃には北から大きな雲が流れているのが目に入り、ここは万全を期して、急遽宮古に向かいました。そして、浄土ヶ浜第一駐車場。薄い雲が西から東に動いている状況でしたが、夜から朝にかけては「晴れ」の予報が出ています。

23:00ごろから03:00ごろにかけて、木星の大赤斑の移動が一部始終観測可能な夜です。木星は約10時間で自転していますが、大赤斑の移動を長時間にわたって観測することによって、自転の様子がよく分かります。また、衛星の位置関係から、木星本体にその影が映って見えるはずですので、その影の移動も興味深いものになるはずです。

望遠鏡2台設置。1台は木星本体の拡大写真用、もう1台は衛星撮影用です。22:30撮影開始。朝の薄明が始まるまで、約6時間にわたる動画作成作戦スタートです。撮影間隔は2分、6時間分で約180枚の予定です。23:00過ぎに大赤斑が顔を出し始め、思った通り衛星の影も映っています。大きな月がそばにあり、大気の状況もやや不安定なこともあり、ベストの条件ではないものの、04:00過ぎまでねばって撮影完了です。


南(上)の縞が復活して大赤斑がやや見づらくなっています


四大衛星は片側に集まった状態です

6時間は、木星の「半日」以上にあたりますので、自転をとらえるには十分な時間です。衛星については、最も内側のイオが、公転周期約1.8日、次のエウロパが約3.6日で、十分とまでは言えないものの、それなりの動きを描写することはできます。ガリレオ・ガリレイが、衛星の動き(位置の変化)を、公転運動だと看破して、ミニ太陽系をイメージし、地動説を確信したのは400年前のことです。


木星の自転(YouTube)

四大衛星の公転(YouTube)

12日(月)18:27。9月の満月の瞬間です。そしてこの日は旧暦8月15日、すなわち「中秋の名月」の日。「~名月」が満月になるのは、実は珍しいことで、1日か2日ずれることの方が普通です。それというのも、月の満ち欠けの周期(新月から新月)が約29.5日だからで、この0.5日分がズレを生む原因です。

旧暦では一ヶ月は29日か30日で、「満月の日」とは、「満月の瞬間」を含む日のことですので、必ずしも15日が満月とは限りません。それが今年から、確か3年(4年だったかな?)連続で中秋の名月が満月になるようです。だいたい、3年か4年連続で満月が続き、少しずつずれていってその後数年(5年から7年ぐらい)は満月ではなくなる、という繰り返しです。

月を愛でる行事の中では最もポピュラーな「お月見」、やはり見ておくにしくはなし。この季節の月は、見上げる高度が適度で、寒さ・暑さもさほどではないことからこのような習慣になったらしいのですが、最近は、ほとんどの人にとっては、ちらっと見上げる程度のものになってしまったようです。

盛岡の天気は、予報によれば曇り~小雨。今回は満月の瞬間の写真を撮りたいので、何とかその時間帯に、東の空が晴れている場所はないものか。とりあえず矢巾町に出かけ、しばらく待機してみたものの、北からの雲が低空にたまってくる状況です。南の方が明るい様子。時間的に見て、南下するとしても、花巻市あたりが限界でしょうか。

何度か観測に利用した、とある公園に行ってみたところ、思いの外多くの車が停まっていて、とても望遠鏡を出せる状況にはなし。18:00、困った末に、線路の近く、田んぼのあぜ道での観測開始です。月は・・・うす~い雲の中にしっかり見えています。日没後の薄明の中、その瞬間を待ちながら試し撮り。そして、


まんまる

今年の、見かけ上最大の満月は3月の「スーパームーン」、そして最小の満月は10月に見られます。9月の満月は、「ほぼ最小」の月で、視直径にして、10月の満月より「0.1秒」だけ大きいものです。「1秒」という角度は、1度の60分の1(1分)の、さらに60分の1ですので、肉眼では全く分かりません。残念ながら、3月の満月は、悪天候のために撮影できませんでしたが、翌月4月の「ほぼ最大の満月」は撮っていましたので、大きさを比べてみました。


約12%の違い、どちらも薄い雲の中での撮影

明月を撮り終わったとたんに、雲が広がりだし、ポツリポツリと雨が落ちてきて・・・撤収です。盛岡はその時間帯にはかなり激しい雨が降ったようで、今回の小遠征は正解。深夜、月は雲を通してその存在が分かる程度でしたが、今夜は多くの人が月を見上げて、改めてその美しさを認識したのではないでしょうか。
10日ぶりぐらいに、天気予報に太陽マークが並びました。6日午後から翌日にかけてずっと晴れの予報です。久しぶりに朝まで、のつもりで、日没前には網張を目指して出発・・・したところ、西に行くほど雲が増え、現地はほとんど曇り空。

待機すること1時間でやっと雲が切れ始めました。5日が上弦で、6日の月齢は8.4、ほんの少し丸みを帯びた半月というところです。望遠鏡の調整を兼ねて、お月様とアンドロメダ銀河の観測と撮影。その後、木星をちょっとだけ観測してから比較明撮影へ。

予定では、盛岡市内二カ所、駅西口方面と岩山での市街地撮影。ところが、西から移動してきた(?)厚い雲が盛岡上空を覆い、星どころか月の姿さえも分からないほどの曇り空。月没が23:00ごろなので、22:00ごろからは撮影に入りたかったところですが、一旦断念。

00:00過ぎにやっと晴れ間が現れ始めました。岩山展望台にて、盛岡市街に沈む「夏の大三角」の微速度動画撮影を開始、したとたんに南~西から雲がうわ~っと湧いてきてあっという間の曇り空。東の空のわずかな晴れ間からオリオン座が顔を出しているだけです。

しかも、まさかの、雨。少々の雲は覚悟していたものの、雨が降り出そうとは全くの予想外。すべての天気予報で、雨降りの可能性を示唆するものは皆無だったはずですが。もういかんともしがたい状況で、とっとと撤収です。それにしても、平日の深夜過ぎなのですが、けっこう展望台を訪れる人がいるものです。02:00ごろまでは入れ替わり立ち替わりで、10人以上は来ましたね。皆さん想定外の「寒さ(気温15度)」のせいか、10分も経たずに立ち去りましたが。

話変わりまして、9月14日(水)、チャリティー写真集『復活への記憶 東北ふるさとのアルバム』(マガジンハウス)が発売となります。野田村観光協会のツイッターで知った企画なのですが、釜石市と野田村の分、何枚かの写真を提供させていただきました。店頭でお見かけの際は是非手にとってご覧下さい。以下は掲載されている写真の一部です。


安家橋梁(野田村)


釜石港


十府ヶ浦(野田村)
今年のペルセウス座流星群の極大予報は13日15:00。よって、出現が最も期待できるのは13日の未明ということに。天気予報を確認したところ、内陸は夜遅くから曇り。全メディア、朝まで晴れそうなのは沿岸地域ということに。昨夜に引き続き、また往復200km走らねばならんのか~~。

満月を翌日に控えており、終夜月明かりの中での観測となります。そのような中で比較的見えそうなのは、北~北東方向か?そちらが開けていて、流星が映えそうな景色・・・一本松だね。20:00盛岡発。

陸前高田市、高田松原の一本松は約一ヶ月ぶり。近くの空き地に車を停め、荷物を担いで徒歩。現地に至る道の入口付近に仙台ナンバーの車が一台。「?」と思いつつも、木に近づいていきます。すると、北側に小さな赤い光が見えて、すぐにカメラだと分かりました。自動シャッターを切っている音がします。無人。

南側に回り込んでいくと、月明かりの中に人影が見えます。そちら側にもカメラを設置して撮影中の様子。かなりの機材を持ち込んでいるようです。相当力が入っているなぁ、などと思いながらちょっと話をしてみると、東京から、某全国紙の取材として来ているとのこと。どうりで。

肝心の天気は、・・・曇りじゃん!雲の動きは遅く、晴れ間はほとんどなし。それでも、天気予報を信じて撮影開始。例の取材カメラマンとはアングルが少し違うことになり、はたしてどちらが流星をとらえるか勝負!というほど大げさなものではないが。期待どおりに出現して、どちらも撮ることができればそれが最高。

とはいうものの、晴れ間はいっこうに広がる気配なし。「晴れませんねぇ」「出ませんねぇ」「流れてくれませんかねぇ」「蚊が多いですねぇ」などお互いに「ねぇねぇ」いいながら撮影を続けます。00:00過ぎごろからやっと天頂付近に晴れ間が広がってきました。私は木の南側から北天をねらってカメラを構えていましたが、画角の下半分はずっと雲の中。

そのような中でも、01:00ごろから、辛うじて写るぐらいの流星がポツポツ。「はっ」とする、目の覚めるような火球クラスは今夜も「なし」でした。下調べはしてこなかったものの、前夜に続いてISSが見られ、画角に光跡の半分が収まったのは幸運でした。


右上隅にかすかに


最大光度を迎える前に画面から出ちゃいました

結局夜明けの薄明が始まるまでシャッターを切り続けましたが、流星群に「おっ」という瞬間もなく、虫除けスプレーをものともしない「蚊群」に襲われ続けた一夜でした。03:45、今夜二度目のISSの通過。今度は南天を木星と競うほどの明るさで航行していきます。それを見送って撤収。

帰り際、まだねばっているカメラマン氏に、「お疲れ様。写りましたか?」と尋ねたところ、私のに写っていたのと同じものが撮れたようで、「高感度にしていて何とかとらえました」と、やはりかなり疲れた様子。おそらく8時間以上もあの場にいたでしょうから当然です。とりあえず、「ボウズ」じゃなくて何より。わざわざ岩手まで足を運んでいただいて、何もなしじゃ申し訳ないので。って、別に私がすまながる必要はないですね。

さて、はたして「第三夜」はあるのか。それは体力・気力・天気次第。私は・・・「なし」に一票。
今年のペルセウス座流星群の極大は8月13日15:00の予報、ということで、天気の様子を見ながら11~12日と12~13日の二晩の観測を予定しました。14日が満月ですので、大きな月明かりの中という悪条件下での観測です。

昨年から引き続き、流星群との相性は最悪の状態の中、第一夜は、微速度撮影を兼ねて宮古市の浄土ヶ浜へ。月は12日の03:00ごろには沈むことから、月明かりの中では木星の動きを中心に、月没後は昇るオリオン座と(あわよくば)流星の1つでも、との思惑。

さて、現地到着時の空には雲がいっぱい。予報では終夜晴れるはずでしたので、第一駐車場から徒歩にて浜へ。約4ヶ月ぶりの浄土ヶ浜でまず驚いたのは、浜がすっかり再整備され、砂浜の代わりにバラス(小石)が敷き詰められていたことです。海辺の遊歩道こそまだ通行禁止ではありますが、浜に下りる道路もきれいに直っています。

20:00前からさっそく撮影開始。それから2時間以上、雲が湧いては消え、舞っては散り、の繰り返しで、木星が昇り始めてやっと快晴に向かい始めました。その時、・・・。

山から下りて浜に出てきた一匹(一頭?)の動物。木の下の月陰ではっきりは見えなかったものの、やや大型の真っ黒な姿です。しばらく私の方を窺うようにして微動だにしません。その距離10mにも満たないくらいでしょうか。その時、・・・。

一台の車がレストハウス脇に来て停まります。かの黒い物体は、それを機に山の中へと戻っていきました。車から降りて近づいてきたのは、私同様、夜景を撮りに来た方でした。その第一声が「熊でしたよ」。えぇ~っ。こんなところに、しかもこんな時間に熊が出るなんて、聞いたこともない。狸とか野良犬と見間違えたのでは・・・。半信半疑でこの場はそれだけ。

話を伺うと、その方はプロの写真家で、国内外あちこち出かけられて、写真集も相当出版されていたり、個展や企画展なども数多く開催されていらっしゃるということでした。結局翌日の未明まであれこれ話をしながら、最後にはいろいろと情報交換などして別れることになります。それにしても、やはりプロはいいカメラを使ってるなぁ。

撮影は順調、に最後まで進むはずでしたが、夜半過ぎから急に潮が満ちてきて、浜の低地に敷かれた小石の間から水がしみ出してきます。あっという間に周囲は水たまりの状態です。やはり天然の砂浜とは異なる、再生後の浄土ヶ浜でした。体と荷物は避難しましたが、カメラは動画撮影の途中でしたので、そのまま放置プレイとなりました。後で再生してみたところ、やはり波の影響で何度か三脚が微妙に動いてブレが生じていました。全くの想定外です。

日付が変わり、月がだいぶ西に傾いてきた頃から流星がポツリポツリ。中には0等級ほどのまずまずの見栄えのものも。3時前に出現したその中の一つが、かろうじて画角の隅に飛び込みました。月明かりの下で撮影するための感度・露出・絞りでしたので、写りはやや心許ない感じです。



さらに、月没後には、オリオン座に向かって人工衛星(携帯のインターネット調査により、ISS:国際宇宙ステーションであることが判明)も飛び込んできて、あれこれ楽しめる観測と相成りました。


予報では0.5等級の明るさ


昇るオリオン座とISSの光跡など比較明合成

夜明けまで撮影後、撤収。帰路、「熊」の話を思い出し、まさかとは思いつつも、明け方や夕方に活発に活動するんじゃなかったかなぁ、なんて考えて怖くなり、小走りで、三脚の足をガチャガチャ鳴らしながら、時には声を出したりしてゼエゼエ言いながら駐車場まで戻った次第。

帰宅後、あれこれ検索したところ、浄土ヶ浜に熊が出没したことは、実際にあった話。しかも、人里近くに現れる熊は夜行性となる傾向が強い、との信頼筋による調査もあるようです。あれは本当に「熊」だったのか?ぞぞぞぞ~~~っ。