ENSEMBLE ni-ke -31ページ目

機材紹介 「自作テレキャスターカスタム 最終形態」



自作ギターは完成後もちょくちょく弄ってました。

製作時の記事は以下からどうぞ。


一番変わったのはピックガード。本物の木製です。これも自分で作りました。材はボディと同じくサクラです。極限まで薄くはしましたが、それでもやはり普通のピックガードよりは厚くなってしまうし、さらには割れやすいので、ボディへの取り付けの際は弦は勿論、ネックも一度外してから行いました。

着色はボディと同じく水性ポアステインで行いました。ボディ着色の際の反省を踏まえ、木目を生かした着色をするために塗料はかなり水で薄めてから慎重に塗り重ねました。
トップコートは裏側は油性セラックニスを刷毛塗りで、表側は油性ウレタンニスのスプレータイプを使用しました。どちらもたまたま家に残っていたものを使いましたが、セラックニスについては透明と書かれたものであっても塗るとどうしても黄色っぽい色がついて元の色が変わってしまいます(メーカーによるのかもしれませんが)。さらに、やはり刷毛塗りだとどうしてもムラや凹凸ができてしまいます。なのでセラックニスは裏側にのみ使用し、表側についてはスプレータイプの油性ウレタンニスを使用しました。こちらについては色もほぼ完全なクリアなので元の色も殆ど変わりませんし、スプレーなのでムラも殆どできませんでした。おすすめです。

ウレタンニススプレーは300mlの3分の1ほど残っていた状態から使用しましたが、ピックガードの表側だけとはいえそれなりの塗膜を作ることはできました。サンドペーパーでの水研ぎについては、僕の場合は1500番で行って縁が少し削れてしまったので、ムラが殆どなければ水研ぎはしないか、もしくは2000番くらいでほんの軽く行うだけでいいと思います。コンパウンド仕上げについては僕は軽く行いましたが、やらないならやらないで味が出る気もします。


これはなかなか使えました。

全身図


ピックアップについてはフロントのハムバッカーがDIMARZIOのDP211 EJカスタム、リアのシングルコイルがDUNCANのSTL-1で変わりありません。

音については、EJカスタムは前評判通りハムらしくない、シングルっぽさがあって出力の低いピックアップでした。ハムらしい音や出力は望むべくもありませんが、そのかわりシングルとの音の相性は抜群なので、単体よりもシングルコイルとのミックスで使う目的なら大アリです。
STL-1についてはやはりハイが強く結構キンキンした音がします。当初リアのボリュームポットは抵抗値が1MΩのものを使ってましたが、それだとキンキンしすぎて正直キツかったです。その後250KΩも試しましたが、最終的には300KΩで落ち着きました。250KΩとの大きな違いは感じませんが、気持ち抜けが良く少し個性のある感じがしなくもないです。

リアボリュームポットにはハイパスコンデンサーも装着しており、当初はSILVER MICA 250PFを使用していましたが、その後少し奮発してEMERSON CUSTOMの2017 TREBLE BLEED CIRCUITを購入し換装しました。違いについては歴然…と言いたいところなんですが、ポットを1MΩから300KΩに変えたタイミングでハイパスも変えてしまったので明確には比べられませんでした…。とりあえずは、ポットも含めて1MΩ&SILVER MICAだった頃には音に対して不満だらけだったものの、300KΩ&EMERSON CUSTOMに換装した現在については高音の出過ぎも改善し不満はなくなった、ということは確かです。
その他、フロントボリュームポットとトーンポットはCTSの500KΩ、トーンコンデンサーはORANGE DROP 0.022uF 600Vで変わりありません。

その他の改造として、ナットをTUSQ製に、ネックジョイントのビスをステンレス製に替えました。これは意外と音にも影響があったと思います。ついでもブリッジも安物からちゃんとした物に換えたかったんですが、お金の余裕がなかった…。なのでとりあえずはここで一旦打ち止めです。


あとこれは改造とは無関係ですが、ボディの塗装の際、トップコートに2液性のウレタンスプレーを2缶使ったんですが、メーカーの違うものを使ってしまったせいか、最近になって一番上の塗膜が部分的に剥がれてくるという悲劇が起こってしまいました…。そこで、特にトップコートの剥がれが激しいボディの表側の箇所を、色が剥げる覚悟で再度水研ぎを行いました。その結果…


 やっぱり色も剥げたし…
縁も結構色が削れちゃってるし…

でもでも…見ようによってはちょっとレリックっぽい…気もする…?

まあ自作だし、味が出たと思って諦める、もとい割り切ることにしました!

これは僕の初めてのレリックギターだ!
うん!きっとそうだ…

機材紹介 「Blitz BLP-CST BK 改」



正式なモデル名は
Blitz by AriaProⅡ BLP-CST BK(ブラック)

しかしこちらはかなり弄ってます。

まず、このモデルはいわゆるレスポールカスタムを基にしているので、本来は金属のパーツはほぼ全てゴールドです。しかし僕はゴールドパーツは改造の観点や好みの問題からあまり好きではないため、元々ゴールドだったパーツはピックアップも含めて全てシルバーに換装してしまいました。特にジョン・サイクスのファンというわけではありません。換装の過程についてはいつか別の記事でご紹介できたらと思っています。


さらに、レスポールタイプは演奏する際にフロントピックアップ付近にあるトグルスイッチに手が触れてしまい、スイッチが予期せず切り替わってしまうことがよくある(特にパンク系のギタリストはよくガムテープ等でスイッチを固定してますよね)ということで、スイッチをトーンノブの場所に移設。そのためトーンを1つ減らして2ボリューム1トーン仕様にしています。この仕様に関しては、最近完成させたアベフトシ氏仕様のテレキャスターカスタムを基にした自作ギターと同様にしたわけです。自作ギターの詳細についてはぜひ過去の記事からどうぞ!


がっつり移設してますね。はい。
で、トグルスイッチを移設したからもともとトグルスイッチがあった場所に穴が開いてしまっているわけです。レスポールタイプはピックガードでなくボディに直接穴を開ける仕様なわけですから、隠すこともできないわけですね。

さて、その穴をどうするか…。そのままにはしたくないのでいろいろ考えてみました。
ステッカーを貼る…いや、自分はステッカーは貼らない派だ。ダミーでスイッチやノブを設置するか…いやいや、使えないものを増設するのは自分のポリシーに反する。だとしたらキルスイッチでも増設するか…悪くないけど、自分が演奏したいジャンルでは使わないな…。
スイッチ……そうか、ダイレクトスイッチだ!!

というわけで、エフェクター用のスイッチを購入してリアピックアップのダイレクトスイッチの増設に踏み切りました。配線にはかなり試行錯誤しましたが、なんとか無事増設に成功。
ダイレクトスイッチは初体験でしたが、おもしろいし意外に使えそうですね!エフェクター用のスイッチを使ったのは、プッシュする際にある程度の抵抗があるので間違って押したりすることがなさそうという理由からです。狙い通り、程よい抵抗感があって押しやす過ぎず押しにく過ぎずなかなか良い感じです!ダイレクトスイッチについての詳しい解説や配線図なんかは後日改めて記事にできたらと思います。


トグルスイッチ跡に増設したリアダイレクトスイッチ。
プッシュする毎にオン、オフと切り替わります。オン時はリアピックアップのボリュームとトーンが強制的に最大値になり、トグルスイッチやボリューム、トーンノブは無効になります。当初はダイレクトオン時もトグルスイッチは有効になるように配線していましたが、それだと効果が薄いと判断しスイッチが無効になるように配線し直しました。

あと見えない部分の改造としては、配線が複雑になった分少しノイズが増えてしまったため、実験的な意味も含めてキャビティに電導塗料を塗ってみました(通常、ハムバッカー搭載のギターにはあまり電導塗料は塗らないらしい)。結果、ノイズは減った気がします。電導塗料塗布の宿命と言われるハイ落ち(高音域の減衰)については、自分程度の耳ではさほど感じませんでした。


自分としては全体的にかなり満足のいく改造ができました。安価なモデルは思いきった改造ができるから大好きです!

今後はピックアップを交換予定です。
自分的にはある程度のパワーに加えてクリーンの音も重視したいので、リアをDuncanのSH-5、フロントはSH-5との音量バランスを考えてSH-1のネック用ではなくブリッジ用に換装しようかと目論んでますが、友人からは汎用性があるからリアはSH-4のJBにしとけと助言を受けており、目下悩み中です…。

GWは基本在宅でしたから…

いろいろやりました。


①Blitzレスポールのパーツ交換
シルバーパーツの黒レスポールが欲しかったので、以前から所持していたBlitzのシルバーパーツの青レスポールと、新しく購入した同じくBlitzのゴールドパーツの黒レスポールのパーツを総取っ替え。
同じメーカーだからそのままドンと交換できるかと思いきや、ペグだけは青レスポールのペグ→クルーソンタイプ、黒レスポールのペグ→ロトマチックタイプだったため交換できず…。結局それぞれのペグをネットで注文し対応しました…。


②Fender Japanストラトキャスターのノイズ対策&ピックアップ交換
中学生の時に初めて手にした、姉からのお下がりのギター。調べたら94~95年のフジゲン製で、今ではジャパンヴィンテージと呼ばれる物らしい。
7~8年前に一度修理に出したものの、そこのリペアの腕が悪かったらしくその後もガリや接触不良が続き長らくお蔵入りしていた悲運のギター。この度キャビティに電導塗料を塗りノイズ対策を施し、ピックアップをFenderのTex-Mexに交換、さらに配線を2ボリューム1トーンから1ボリューム1トーンに改造し完全復活!


③Squierテレキャスターのネック交換&諸々改造(予定)
こちらはまだ写真撮ってません。もともとメイプル指板のネックだったものを、別注したローズウッド指板のネックを塗装したうえで交換予定(塗装だけ終わった)。あとは今後ピックアップ交換と、配線も1ボリューム1トーンから2ボリューム1トーンに改造することを目論み中。


上記の各作業については、余裕があれば今後掘り下げて紹介したいと思います。



あとは近所で桜を見たり…


家でゆっくりしたり…


いろいろできることはある。
うん。

自分的三大◯◯

最近すっかりギターブログみたくなってしまって、クラシック感はほぼほぼゼロになってしまいましたね。我ながら過去の記事とのギャップがすごい…。まあ、そこについては温かく見守っていただけたら幸いです…。


今日は個人的に好きな日本のミュージシャンやバンドについて解説したいと思います。


自分的三大ギタリスト

①アベフトシ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
僕にとっては永遠のロックスター。激しいカッティングに注目されがちですが、ライブの音源や動画を見ていただければ分かる通り、技術もかなり高く、CD音源よりもライブ音源のほうが優れた演奏をしているんじゃないかと感じる、稀有なギタリストです。僕にとっては唯一無二の存在であり、テレキャスター使いとしても日本一と思ってます。

②上原子友康(怒髪天)
数年前に友人に誘われて、それまで全く知らなかった怒髪天のライブに行きました。そこで目を奪われたのが王子こと友康さんのプレーでした。今ではバンドとしても怒髪天は好きですけど、ライブに行ったら申し訳ないけどほぼ友康さんにしか目がいきません。とにかく圧倒的な技術があり魅力的なギタリストです。ストラト使いとしては日本一と個人的には思ってます。曲調の振り幅が大きい怒髪天のほぼ全ての作曲を担っている点でも天才と思います。

③横山健(Hi-STANDARD)
正確に言うと、活動休止前のHi-STANDARDの頃の健さんが好きです。今ではすっかりホロウボディのグレッチのギターばかり弾くようになってしまいましたが、あのナビゲーターのレスポールタイプを切り裂くように弾いていた頃の健さんが好きだったなー。Hi-STANDARDのアルバム「MAKING THE ROAD」は、間違いなく日本のロックシーンに残る傑作です。でも今では音も丸くなっちゃってさらに不◯までしちゃって…正直どうだかなーという部分もあります…。

◯三大ギタリスト補足
個人的に「昔は良かった…」というギタリストは実は他にも結構います。元BOØWYの布袋さんなんかは昔大好きでよくライブにも行きましたけど、今はなんというか…勿論好きは好きですが、やっぱり歳をとったな…という感じで。それはそれで「今の味」ってのは勿論あるんですが、やはり若い頃のプレーとは違うわけですね。健さんも然りです。使ってるギターも違ってたりするわけですしね。だから個人的には、友康さんなんかはストラト一筋だし、アベフトシなんかもテレキャスター以外のイメージはほぼないですから、そういう方々のプレーがやっぱり特に好きですね。


自分的三大ベーシスト

①ウエノコウジ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)
僕の好きな、基本的に「アン直」(エフェクターを経由させずアンプ直結で音を出す)のベーシストです。ギターにおいてもアン直の音が好きなのでアベフトシや健さんが好きなわけですが、ベースでもアン直の音ってやっぱりアナログ感があってかっこいいですよねぇ。「音」としては一番好きなベーシストであり、そして見た目にも背が高くてスマートでかっこいいですよねぇ。

②JIRO(GLAY)
ピックを使い、ギターを弾くような腕の振りで楽しそうにベースを弾くJIROさんのプレースタイルが大好きです。かっこいいけどなかなか真似できないですよね。そしてあの明るい音とリズム感…確固たる自分のスタイルを持っているベーシストです。

③上ちゃん(マキシマム ザ ホルモン)
ホルモンのことを良く言わない人でも、上ちゃんのベースの腕だけは認める人の多いこと!(僕はホルモン大好きですよ) 僕はロックの入り口がBOØWYだったので基本的にピック弾きのベーシストが好きなんですが、上ちゃんだけはそういう次元ではないですね。とにかく技術と音が半端ない。全身刺青だらけなのにシャイで礼儀正しいところも大好きです。

◯三大ベーシスト補足
ベーシストに限ったことではありませんが、技術うんぬんよりも「自分のスタイル、自分の音」をしっかり確立しているミュージシャンが好きです。うまいだけなんて面白くもなんともないですからね。それはロックだろうがクラシックだろうが同じこと。根は同じなんです。


自分的三大ドラマー

①茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)
欣ちゃんのドラムは本当に大好きです。スカパラの現メンバーの中では確か最後に加入したと思いますが、それでいてスカサウンドの核を担っているわけですからね。そして欣ちゃん加入前と後では、はっきり言って別のバンドとも言えます。それくらい影響力があるということなんでしょう。僕は欣ちゃんが歌っている曲も好きで、「世界地図」とか「KinouKyouAshita」とかは本当におすすめです。

②恒岡章(Hi-STANDARD)
恒ちゃんはとにかく技術がすごいです(勿論技術だけの話ではないですが)。そしてアルバム「MAKING THE ROAD」より前とそれ以降でずいぶん腕が上がってる…と思うのは僕だけかな…?ベース&ボーカルの難波さんとギターの健さんにまず目が行きがちだけど、恒ちゃんあってのHi-STANDARDのサウンドだと思ってます。

③中村達也(BLANKEY JET CITY)
BLANKEY JET CITYは最近になって聴くようになりました。上記の欣ちゃんと恒ちゃんの音が明るい印象なのに対して、達也さんの音はエッジが効いていてカミソリのような印象を受けます。ひたすらカッコよくて、達也さんのドラムを聴きながら酒が呑める感じ(?)ですね。スカパラに欣ちゃんが加入するずっと前、予期せぬ事態からドラマーが不在になった際に、少ない準備期間にも関わらず達也さんがサポートドラマーとして見事にその穴を埋め、無事ツアーを敢行できたエピソードは有名ですね。世間的にちゃっとやらかしてはいるけど、きっと男気のある方なんだと思います!

◯三大ドラマー補足
ミッシェルのクハラさんを入れるか迷うところでしたが、三大◯◯にミッシェルのメンバーが3人も入ってるのはどうなんだ…ということで外しました(それだけの理由です…)。クハラさんもそうですが、僕はやっぱり明るい音とリズム感を持ってるドラマーが好きですね。特にクハラさんのドラムは、ボーカルのチバさんの声を含め超重厚なミッシェルのサウンドの中にあって、異質にならない絶妙なラインで明るくて少しポップなサウンドなんです。ミッシェルみたいなバンドがメジャーシーンで受け入れられた要因の一つがクハラさんのドラムにあると個人的には思っています。



好きなことをだらだら書くのって楽しいんですよね(需要はなくとも)。
次は好きなバンドの話をもう少し掘り下げて書きたいと思います。

ren

長女(猫)の話 ~出会い~

うちの長女(猫)

名前はリリ。もうすぐ12歳になる。
もう立派なおばあちゃんだが、ますますかわいい。次女(人間)ともかなり仲良しになった。(写真は次女に首飾りを着けられた時のもの。次女に着けられる分にはなぜかさほど嫌がらない)

このブログの昔からの読者さんはご存知かもしれないが、リリは4歳の時に大病に罹り、一時は余命1ヶ月の宣告を受けたことがある。そこから驚異の快復を見せ、現在12歳目前。生命力とは何か、生きるとは何かということを僕らはリリから教わった。


そんなリリとの出会いは、10年以上前。
maiさんと入籍してから半年経ち、ようやく一緒に住むことになってから僅か数日後。

僕「家具とか揃えていかなきゃね。まず何買いに行こうか。何欲しい?」
mai「……猫。」
僕「え…?」
mai「猫ちゃんが欲しい。」
僕「え…だって家具とか…」
mai「家具より猫ちゃん!黒猫に来てほしい!うちにはかわいい黒猫の女の子が来るんだー!!」


もう訳が分からない…
てか猫だけでもハードル高いのになぜ黒猫限定…?

家具よりとにかく猫を欲するmaiさん。勿論僕も猫は大好きだ。しかし実家で猫を飼っていた経験がある僕からすると、猫を飼った経験がないmaiさんの提案は些か急すぎる。猫を飼いたいのならまず家の準備をして、さらに猫を迎える準備をして満を持してから、と説得にかかるが、maiさんにしては珍しく譲らない。

仕方なく、実家で飼っていた猫がお世話になっていた動物病院に一応聞いてみたら?と提案をしてみる。実家で飼っていた猫はその病院からもらわれてきた子だったからだ。

そしてまたもやmaiさんにしては珍しく、速攻で動物病院に電話をしだす。普段から腰が重いmaiさんとは思えない行動力…。てかそんなに猫ちゃん飼いたかったんだ…。

動物病院からは、今病院のほうにはもらっていただける猫ちゃんはいないけど、知り合いの猫をたくさん飼っている方を紹介してくださることに。そこに生後半年くらいのおとなしい子猫ちゃんがいるはず、とのことだった。

maiさん、速攻でその方にも電話をする。そしてなんと、あれよという間にその日のうちにその方のお宅にお伺いすることに。僕からはmaiさんに「家はまだ何にも準備できてないんだからね!本当に今日は見に行くだけだからね!!」と念を押す。

そしていざ、猫マスターさん(仮称)のお宅へ。
そしたらいるいる、猫ちゃんが十数匹!猫好きの僕らにとってはまさに天国。
聞けばこの猫マスターさん、地域の野良猫を捕獲して引き取り、自費で避妊手術を受けさせるというボランティア活動をたった一人で行っている、非常に尊い方だったのである。そして世間的にはもうご高齢と呼ばれる年齢でありながら、それを全く感じさせないパワーとバイタリティー、さらに現役バリバリでお仕事もされている。話しているとこちらまで生命力を分けてもらっている気がしてくる、そんな不思議な方だった。

そしてその時に猫マスターさんに紹介してもらったのが、当時まだ生後半年ほどの小さなリリなのでした。
なんと、maiさんの予言通り黒猫でしかも女の子!!これはもう、運命を感じずにいられません。

こうしないとすぐ逃げてしまうからと、ケージに入れられその中で固く丸まって俯いていた小さなリリ。
病院からは「大人しい子猫ちゃん」と伝えられていたが、猫マスターさん曰く「この子は人見知りでとても難しい性格よ。警戒心も強くて、うちの中に入ってくるまでに数ヶ月かかったの。病院でおとなしかったのは緊張して固まってただけ。猫は飼い主を選ぶっていうけど、どうかしらね…」とのこと。しかしここが猫マスターさんのすごいところで、「もし引き取ってからやっぱりダメだと思ったら、またうちに戻してくれていいから。それは全然悪いことじゃないし、前にもうちに出戻ってきた子はいるのよ!」とのこと。この懐の深さときたら…

「なでてみる?」と言われ、ケージの中でこわばっているリリに恐る恐る手を伸ばした僕。その時のことは今でもはっきり覚えてるんですが、僕が頭をなでると、それまで固まっていたリリが顔を上げて僕の方を見ながら、気持ち良さそうに目を細めたんです。

それを見た猫マスターさんが一言
「これはあなたを選んだわね」

この一言で僕らとリリの運命が決まりました。


はっきり言って、リリを一目見た時から2人とも一目惚れだったんですが、この一言でリリと一緒に暮らしていく決意が固まった、というべきかもしれません。
また、後々リリの性格を知れば知るほど、初めて会った相手になでてもらって気持ち良さそうにするなんてことは、ほぼあり得ない子なんですね。運命ってこういう時に使う言葉なのかと、今でも考えることがあります。

その後、家でちゃんと猫を迎える準備をするために、1週間後にリリを迎えに来ることを猫マスターさんに伝えて帰路に。そして早速その足でホームセンターに行き、最低限の猫グッズを購入。

そして次の日、「今日から猫グッズを優先して揃えていこう」という話の筈が…

maiさん「もう猫ちゃん迎えに行きたい…」

…やっぱりそうなりますよねー…

すぐに猫マスターさんに連絡し、結局その日のうちにリリを迎えに行きました。
猫マスターさんは少し驚きつつも大変喜んでくれて、「嫁入り道具よ!」と言ってキャットフードや猫砂、おもちゃなど大量の猫グッズを持たせてくれました。さらには、引き取ってからの最初の診察とワクチン接種、避妊手術の費用までも全額負担すると申し出てくださいました。聞けば、人に猫を譲る時には毎回必ずそうしているとのこと。本当にただただ尊敬に値する方です。



こうして、リリに初めて会った次の日から、僕らは3人家族になったのでした。



今はそんなリリにも妹ができてお姉さんになりました。お姉さんというよりは、日に日にお互い似てきていて、まるで双子のようです。
そしてもうすぐ12歳か…
感慨深いなぁ…


てか、巨大になったな……