自作エレキギター製作記録② 電装系~ピックガード製作 | ENSEMBLE ni-ke

自作エレキギター製作記録② 電装系~ピックガード製作

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次は電装系(内部配線や電子部品)についてです。

テレキャスターカスタムといえばフェンダーが本家なんですが、実はアベフトシ氏の愛機はテレキャスターカスタムを基にして別のメーカーが作っている改造モデルなんですね。そこで問題になってくるのは、本家のコントロール系統は2ボリューム2トーンで、有名なギブソンのレスポールなどのギターと同様のスタンダードな配線なんですが、アベフトシモデルは2ボリューム1トーンとトーンが1つ少なく、さらにスイッチが移設されているんです。

フェンダーのテレキャスターカスタム

アベフトシモデル(コピーモデルの画像ですが)

ご覧のようにフェンダーのものには左上にスイッチがあり、右下に4つのコントロールノブがあります。対してアベフトシモデルには左上にスイッチがなく、右下のコントロールノブが3つになっていて、この1つ減ったコントロールノブ(トーンノブ)の場所にスイッチが移設されているのがお分かりでしょうか。

余談ですが、エレキギターの内部配線というのは基本的に「配線図」というものを参考にして組み上げるものであり、専門知識を持っていない限りは自分で一から配線を考えることはほぼ不可能に近いんです。
しかし、上記の本家フェンダーよりトーンが1つ少ないアベフトシモデルの「2ボリューム1トーン」の配線図ときたら、本やネットでいくら調べても情報が全然出てこない…。ここで完全に途方に暮れてしまい、2回目の放置と相成ってしまいました(3~4ヶ月くらいだったかな…)。

しかし捨てる神あれば拾う神あり。ここで救世主が登場します。
僕と同じく、というか僕よりも数段上の楽器マニアである同じ職場の同僚が救いの手を差し伸べてくれたのでした。

まず上記「2ボリューム1トーン問題」に関しては、彼が機転を利かせて自分が所持している配線の似た「フライングV」なるギターをわざわざ分解して配線を調べてくれて、それによりなんとか2ボリューム1トーンの配線図を完成させることができたのでした。
さらに、僕がAmazonで安物のピックアップ(弦の振動を電気信号に変える電子部品)を購入してしまったせいで、ピックアップに巻き付いている極細のワイヤーが切れてしまい、またまた途方に暮れていた時には、なんと彼がピックアップを分解してたちまち修理してくれたのでした(普通の人には絶対できない芸当です)。その他にも足りない工具をいろいろ貸してくれたり、最後の音出しにも延々と付き合ってくれたりと、まさに神がかり的な活躍を見せてくれたのでした。運良く彼と同じ職場だったからこそ完成まで漕ぎ着けたことは明白です。本当に感謝してもしきれません!ていうかもうこれ「自作」じゃなくて「協作」じゃね…?
しかしそんな彼でさえも「さすがにギターを自作しようとは思わないっす(笑)」だそうな…。

このように配線を組むのにはかなり苦労しました。ですので、今後もし僕と同じような人が現れた時のために(現れるか…?)今回作った2ボリューム1トーンの配線図は何らかの形で後日公開したいと思ってます。たぶん手書きのしょぼい画像を載せるだけになるとは思いますが…。


おまけで一応ピックガードの製作について簡単に触れときます。

ピックガードは別に自作したかったわけではないんですが、テレキャスターカスタムの既製品のピックガードを購入するとなると、上記で説明したようにスイッチを移設している関係で左上のスイッチの穴が不要になってしまう…イコール穴を塞ぐかそのまま放置するしかない…想像するとなんかダサい…。ということで、それなら自作してしまえ!という流れになりました。

あと、本家フェンダーのテレキャスターカスタムもアベフトシモデルもフロントピックアップ(ネックの側に付いているピックアップ)には「ワイドレンジハムバッカー」というものを採用していて、レスポールなどに付いている一般的なハムバッカーよりサイズが大きいんですが、どうせピックガードを自作するならもっと変わったものにしてやる!という精神で、自作ギターのフロントピックアップにはワイドレンジではなく普通のハムバッカーを採用することにしました。このこともピックガードを自作するに至った理由の一つです。

フロントをワイドレンジハムバッカーにしなかったのには、実は他にも理由があります。
僕はアベフトシ氏を心から敬愛してますので、自作のギターをアベフトシモデルと全く同じような仕様にしたくなかったんです。同じにすることに気が引けたというか……分かるかなぁ、この微妙なファン心理…。
ちなみにボディの色を黒でなく深緑色にしたことも同じ理由からです。

とまあそこは置いておいて、完成した自作ピックガードの単体写真も載せておきます

この工程については正直あまり思い出したくないので簡単に書きます…地味に一番辛かったかも…

プラ板に型を取り糸鋸で切断。あとは切断面をヤスリで整えた後、デザインナイフでエッジの面取り。かなりアナログな手作業で作りました。
おかげでエッジはガタガタ、表面は使用前から傷だらけ、さらに仕上げの穴開けでもボール盤の使い方が上手くないせいで割れが発生したり…。それでも最終的にはなんとかかんとか形にした感じです。
次にピックガードを自作する時にはちゃんと型を作ってルーターやトリマーで綺麗に仕上げることをこの時誓いましたね、うん。


次回は遂に完成です!