「スペインに住んでみたい」「海外で働いてみたい」
そう思ってスペインにやってきたものの、現実はなかなか厳しい——そんな思いを抱えている方、多いのではないでしょうか。
私もそのひとりです。
日本でがむしゃらに働いてきた自負もあるし、仕事の進め方や段取りも理解しているつもり。でも、スペインでの就職活動はまったく別の壁にぶつかります。
スペインで就職するということ
スペインで自営業や独立をするのではなく、地元企業に就職するとなると、想像以上にハードルが高い。
業務内容は理解できても、問題は「言葉」です。
日常会話ができても、ビジネスで通用するスペイン語を使いこなすのは別問題。特に大手企業では、「会社の顔」として完璧なスペイン語を話せない外国人を積極的に採用するケースは少ないのが現実です。
「ワーキングホリデー=リゾート暮らし」は一部の人の特権
よく言われるのが、「スペインでワーキングホリデーしながら、海辺でのんびり」なんて夢のようなライフスタイル。
でも、そんな生活ができるのは、十分な貯金があって、本気で職探しをしなくても困らない人たちだけ。
実際には、スペインで生活を成り立たせるのは、自分の国で衣食住を整える以上に大変です。甘い夢だけでやってくると、現実とのギャップに苦しむことになります。
まずは「ワンランク下げる」という選択肢
日本で積んできたキャリアがあるからこそ、現地でも同等、あるいはそれ以上のポジションを狙いたくなります。でも、語学力が追いつかない限り、それは簡単ではありません。
だから私はまず、「難易度を一段階下げた仕事に挑戦する」ことにしました。
現地で働きやすい職種とは?
スペインで比較的採用されやすい職種としては、以下のようなものがあります:
日本食レストランスタッフ
日本語教師
いずれも大変な仕事ではありますが、語学力の壁を感じにくく、外国人でも採用のチャンスがあります。
一方で、
ホテルの清掃
レストランの皿洗い、キッチンアシスタント
など、裏方の仕事も「簡単そう」に見えるかもしれませんが、実は現地スタッフとのスペイン語でのコミュニケーションが必須。そのため、語学に自信のない未経験の外国人は採用されづらいのが実情です。
スペインの労働市場の本音
スペインは今もなお「学歴社会+コネ社会」。
つまり、「高学歴で英語・多言語ができるエリート」が大手企業に就職しやすい構造が根強く残っています。
販売員や営業など、日本では未経験でも入りやすい仕事も、まずは地元のスペイン人が優先され、条件があまり良くない場合に限って、外国人にチャンスが回ってくる…そんな順番があります。
私たちは、よほどのスペイン語力や特技がない限り、基本的に「Waiting Listの外側」にいて、チャンスが来るまで辛抱強く待つしかないのです。
言葉の壁とどう向き合うか?
スペインで暮らすだけでも、文化や習慣の違いでストレスを感じることは多い。
だからといって、日本人コミュニティだけで過ごしてしまうと、スペイン語は伸びない。
言葉は「インプット×アウトプット」。
自分から場数を踏んで、失敗しながらでも実践するしかないんですよね。
「日本にいれば、もっと選択肢があるのに…」
そう思ってしまう前に、まずは語学力を少しでも自然に使える場所に、自分を置くことが大事なんだと痛感しています。
最後に:スペインで働くとは?
スペイン人でも、「説明が下手」「話が分かりにくい人」はたくさんいます。
だからこそ、語学だけでなく「伝える力」や「柔軟性」が大切。
日本で仕事経験がある人ほど、「なぜ自分がこんなに評価されないのか」と悩むかもしれません。
でも、言葉の壁を乗り越えない限り、スペインで“日本人としての価値”を発揮できる場は限られてしまう。
だから今は、「できることからやっていく」。
それが、スペインで働くための一歩だと、自分に言い聞かせています。
インターンシップ→就職
社会保障
入社前研修
雇用契約書
入社後
解雇通知
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