アダム・ウィンガード監督、ミリー・ボビー・ブラウン、カイリー・ホットル、レベッカ・ホール、アレクサンダー・スカルスガルド、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ジュリアン・デニソン、エイザ・ゴンザレス、小栗旬、デミアン・ビチル、カイル・チャンドラーほか出演の『ゴジラvsコング』。

 

巨大生物〈タイタン〉のコングは、研究機関「モナーク」が髑髏島(スカルアイランド)に建造したドームに収容されていた。コングは島民のただ一人の生き残りである少女ジア(カイリー・ホットル)と心を通わせていた。同時期、海から上陸したゴジラがペンサコーラにある巨大テクノロジー企業「エイペックス・サイバネティクス」のアメリカ本部を襲う。エイペックスに潜入していたバーニー(ブライアン・タイリー・ヘンリー)は、そこでゴジラの襲撃の原因と思われるものを目にする。地下の空洞に膨大な生体エネルギーが存在し、タイタンたちはそこからやってきた、という考えに基づいて地質学者のネイサン(アレクサンダー・スカルスガルド)と言語学者のアイリーン(レベッカ・ホール)たちはコングを地底の空洞世界への入り口がある南極に移送しようとするが、コングの存在を感じたゴジラが彼らの前に出現する。

 

2019年公開の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の続篇で、ハリウッド版ゴジラシリーズの3作目。また、2017年の『キングコング:髑髏島の巨神』の続篇でもあって、怪獣たちが共演する「モンスター・ヴァース」の第4弾。

 

通常のスクリーンとIMAXレーザー3Dで、どちらも字幕版を鑑賞。

 

レジェンダリー・ピクチャーズによるハリウッドゴジラについては、前作、前々作と散々酷評してきましたが、各感想でも述べてきたように「面白いところもあった」し、“コング”が主役の『髑髏島の巨神』はお気に入りだったから、ゴジラとコング、それぞれ日米を代表するライヴァル怪獣同士の対決を描くこの『ゴジラvsコング』は、その企画を知った時から観るつもりでいました。

 

3月に全米で公開されてから日本での公開まで間があったためにすでに多くのネタバレがされていて、YouTubeでは関連動画がバンバン流されてるしヤフーニュースでも思いっきりネタバレ記事が掲載されてたりするんで、このブログでもかまわず内容について書きますから、まっさらな状態で鑑賞したいかたは以降の感想は読まれない方がいいです。

 

 

結論を先に言うと、面白かったです。夏休み映画第一弾がきた!って感じですね。

 

 

 

もう頭カラッポにして観られるという(^o^)

 

なので、ちょっとでもご興味があるかたは、こんなブログ記事読んでないですぐに劇場へどうぞ。

 

ちょっと前に劇場で観た「平成ガメラ」三部作の楽しい記憶がまだ残っているから、ここでハリウッド製ゴジラ映画でより気分が盛り上がったというのは確実にある。

 

キングコング映画にハズレなし、という僕の中のジンクスもまたしても守られたし(ハズレた作品は観ていないので)♪

 

第1作目の『GODZILLA ゴジラ』と2作目の『キング・オブ・モンスターズ』の何に僕が引っかかって批判したのかというと、それは劇中での「核兵器」の描き方、捉え方に対してで(逆にそれ以外のところはそこまで貶していない)、だから核兵器が登場しない『髑髏島の巨神』は無心に楽しめたんですが、今回の『ゴジラvsコング』にも核兵器は出てきませんでした。

 

ゴジラとコングにことさら日本やアメリカというそれぞれの国を象徴させてもいなくて、単純に巨大怪獣たちのバトルを楽しめる作品に仕上がっていて、ひとまず安心。

 

『髑髏島の巨神』の冒頭で、太平洋戦争中に日米の兵士たち2人が髑髏島に不時着して戦う描写があって、彼らはその後友情を育んだという設定で、それは続くこの『ゴジラvsコング』を暗示させるものだっただけに、下手をするとまたしても核兵器の使用が蒸し返されるんじゃないかと内心危惧していたんですが(これまでのハリウッドゴジラ2作での無神経極まりない核の描写を思えば不思議ではない)、『ゴジラvsコング』本篇内では核兵器は一切扱われず言及すらされなかった。

 

前作では巨大全翼機、今回も地下空洞探査機ヒーヴや国と国を地下で結ぶ超高速の運搬手段など、回を重ねるごとにこのハリウッドゴジラシリーズにも空想科学的な乗り物や兵器がどんどん投入されてきているので、もはや核兵器を持ち出すまでもないから、というのもあると思うんですよね。強力な兵器を出したいなら、架空の兵器を出せばいいんだから。いずれはメーサー車とかも(^o^)

 

人によっては現行兵器にこだわるミリヲタ的な好みで怪獣映画の出来を評価するようだけど、個人的にはその方面に興味がないので、たとえスーパーXみたいな架空の乗り物が出てきても全然オッケー。

 

僕が観たいのは戦争映画じゃなくて怪獣映画だから。

 

そもそも昭和や平成のゴジラだって、空想科学兵器はバンバン出てたし、タイムトラヴェルや宇宙人までなんでもアリのノリでやってましたからね。

 

さて、これから鑑賞する人たちに気を遣ってわざわざネタバレを回避して感想を書かれているかたもいらっしゃるのに申し訳ないのですが、先ほども述べたようにすでにいろんな記事などで2大怪獣たちの闘いの勝敗の行方はバラされてるし、新登場の怪獣の名称と画像もガンガン出てしまっているので、ここでもしっかり触れますからね。

 

ブライアン・タイリー・ヘンリー演じる陰謀論者のバーニーは、ゴジラに破壊されたエイペックスの建物の中で謎の機械を目撃する。それは対ゴジラ用に開発されていた兵器だった。

 

赤く光る謎の機械が、そのロボット兵器のパーツの一つだと言われた瞬間に、ゴジラファンの頭によぎったのはもちろん、東宝が世界に誇るスーパーロボット、

 

モゲラ!

 

…惜しい!!

 

 

ジェットジャガー!

 

 

違ぇよ!!!w

 

…ゴジラとコングの両雄を圧倒する悪役として、今回メカニコング“メカゴジラ”が登場する。

 

 

 

このハリウッドゴジラ版メカゴジラはスピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』(コングさんも出演してましたがw)でもそうだったように実写版トランスフォーマーっぽいデザインがいろいろ言われてもいますが、ともかく前作の“ギドラ”と同じくメカゴジラが完全な悪役として描かれていることが僕は嬉しかったし、しかも対ゴジラ兵器として人類が作り出したという設定は平成ゴジラでのそれを踏襲してもいるので、とても巧いことかつてのシリーズのハイブリッドになっていて、メカゴジラ登場の場面では事前に知っていたにもかかわらず、思わず鳥肌が立つほどでした。

 

 

 

 

しかも、日本の昭和シリーズではキングギドラとメカゴジラは直接絡むことはなかったけど、このハリウッドゴジラではメカゴジラは前作でゴジラに倒されたギドラの頭蓋骨からそのDNA情報を受け継いでいることが描かれていて、2体の悪役怪獣は1本の線で繋がっている。

 

劇中では詳しく説明はされてなかったけど、操縦者を無視して「自分の意思で」ゴジラを倒しにかかるところなどは、あれはギドラのDNAの影響だろうから、この映画は「メカゴジラの誕生」であるとともに「キングギドラの逆襲」でもあるんだな。メカゴジラの身体を得て復活したギドラがゴジラと再び闘っている。

 

そんなことを勝手に考えながら客席で一人熱くなっていた。

 

主役であるゴジラとコングのどちらが勝つのか、という観る前の疑問にはウィンガード監督自身が、曖昧な決着にはせずにちゃんと勝敗を決める、ということを明言していたので、どうなるんだろうと思っていたんだけれど、これもメカゴジラという“真の敵”の登場によって、ゴジラとコング、どちらもしっかりと立てることができたわけで、やはり「対戦モノ」に悪役は不可欠だなぁ、と思いましたね。

 

今回、視点としてはコング寄りで、それに対して「ゴジラへのリスペクトが足りない」という批判もありますが、僕はそうは思いません。

 

コングと心を通わせて彼とコミュニケーションを取る少女とその保護者である博士たちがコングの方に肩入れしているから、ゴジラがないがしろにされている、と感じた人もいるのだろうけれど、ゴジラはある種の畏怖の念を持って見られてはいるものの人間は彼と直接コンタクトを取れないし交流もできないので、コングの方を人間たちと絡ませたのは正解だと思うし、そのおかげでゴジラにも神秘性が保たれたんじゃないだろうか。

 

 

 

 

コングは手話を使って人間とやりとりするけど、ゴジラは“顔”で語る。今回は特にゴジラに「侠気」を感じましたね。コングと目と目で通じ合う真のライヴァル、そしてともに闘った「友」。

 

一応、タイマン勝負ではゴジラに軍配が上がったけど、そのあとメカゴジラとの闘いに苦戦するゴジラにジアの説得でコングが加勢、1対1ではけっしてかなわなかっただろう強力な“敵”を2大怪獣のタッグによって打ち破る。

 

クライマックスの逆転劇で、思わず「キターーー!!!ヘ(゚∀゚*)ノ」と叫びたくなっちゃった。

 

人間に近い視点をコングが持っているからこそ、怪獣バトルという人間が置いてけぼりになりがちな作品で、彼ら怪獣たちの闘いに入り込めるんですよね。

 

巨大な恐竜型と類人猿型という互いに異なるフォルムと個性を持つ怪獣たちの対決は、これまでのVSモノ以上に闘い方もヴァラエティに富んでいて、それはコングが人間と意思疎通が可能だったり手でモノを掴んで武器として使えたりするからでもある。もしかしたら、彼らの祖先は文明らしきものを持っていたのではないか、と思わせるような描写もあるし。

 

ゴジラとコングの闘いは、他の怪獣たちが相手では成り立たない面白さがあるし、これまで多くの作品で彼らと同じ名前の怪獣の活躍や大暴れが描かれてきた歴史があるからこそ、その積み重ねのうえでの世紀の対決なんだな。本当に重みがある。1962年の『キングコング対ゴジラ』へのオマージュもしっかりあったし、キング・コングにゆかりのある「デナム」の名称も。

 

コングが『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスみたいにゴジラの熱線をよけてジャンプしたり、『リーサル・ウェポン2』(リチャード・ドナー監督のご冥福をお祈りいたします。21.7.5)のメル・ギブソンのように脱臼した肩を建物に思いっきりぶつけてもとに戻したりするお遊びも。

 

今回、エンドクレジットのあとにはさらなる続篇を思わせる映像はまったく流れないので、ひとまずこれで「モンスターヴァース」は一区切り、ということかもしれないけれど、まだいるでしょ、キングギドラとメカゴジラの他にも人気の悪役怪獣が。

 

ギドラに次ぐ新たな宇宙怪獣が現われて、それとメカゴジラを作り上げた人類のテクノロジーが組み合わさったら…

 

待ってるぜ、ガイガン!!

 

ゴジラはこれからも人間たちと同じ世界で、コングは地下空洞の世界で、互いに棲み分けることでそれぞれが「王」として生きていくことになったものの、もしも再び“強敵”が現われた時には彼らはまた共闘するかもしれない、と思わせてくれる。

 

いきなり出てきた「地球空洞説」に各方面からツッコミも入ってるし、どんどん荒唐無稽度が増していってる設定や展開に呆れたり興味を失いつつある人もちらほらいらっしゃるようだけど、まぁ、それ言ったら全長120メートルとか200メートルを超えるような怪獣たちが次々と出てきて闘ってる時点ですでに充分荒唐無稽なわけですしw

 

前作でも海底に超古代文明の遺跡があったし、タイタンたちがはるか昔から存在していたこともシリーズ中でずっと語られ続けてきているので、ちゃんと布石は打たれていたんですよね。

 

コングが座っていたあの玉座や彼をかたどった彫刻など、あれらの建造物をコングと同等の知能の生き物が作れたとは思えないから(コングが手にした、あのゴジラと同種であろう生き物の背ビレで作られた斧も)、あれは超古代文明の遺跡なのだろうし、そうすると、今後の展開についてもあれこれと想像が膨らむ。

 

超古代文明の怪獣といえば…

 

マンダ!

 

…じゃなくて(いや、出てきてもいいけど^_^;)、超古代文明アトランティスが生み出した大怪獣といったら、“彼”じゃないですか。

 

カメーバガ~メラ~♪

 

レジェンダリーは密かに大映からガメラ先生の権利も買ってんじゃないの?平成ガメラに続いて、今年は大映の往年の妖怪映画と一緒に昭和のガメラもスクリーンで上映されますし。

 

観たいなぁ、ゴジラvsガメラ。怪獣映画ファンの夢だよね~。

 

 

 

この『ゴジラvsコング』については、ストーリーとか人間パートは「おまけ」みたいなものだから、というふうに言われてるし、いくらでもツッコミを入れられるのも事実だけど、それ言ったら評価の高い平成ガメラシリーズだってそうだし、ほとんどの怪獣映画はご都合主義で荒唐無稽なものなんだから、その中でこの映画はよくまとまってたと思いますよ。

 

上映時間は113分で、これはモンスターヴァース作品の中では一番短い。だけど、観たかったものをしっかり見せてくれる。

 

昭和のゴジラシリーズでも、登場人物たちが並んで突っ立ったまま怪獣プロレスの解説をしてるようなことはあったし、平成ガメラなんかも結局クライマックスの戦いの場面ではそういう演出になりがちだったけど、このレジェンダリーのハリウッドゴジラシリーズでは人間たちは直接戦ったり動き回っていた。

 

『ゴジラvsコング』ではコングと絡むアイリーンやネイサン、ジアたちと、ゴジラが襲ったエイペックス社に忍び込むマディソンやバーニーたちがそれぞれ別々に描かれてクライマックスの香港での決戦で両者がようやく合流する。

 

といっても、同じ場所に居合わせるだけで、ついに最後まで「チーム・コング」と「チーム・ゴジラ」のメンバーたちの間には面識も会話もないままなんだけど。彼らは互いの活躍を知らない。

 

でも、コングとの交流が描かれることで、怪獣と人間たちとの間にちゃんと接点があったし、一方のマディソン一行はメカゴジラと遭遇するので、やはり彼らの場面からも目が離せない。彼ら人間たちのドラマ部分に僕は退屈することはなかった。

 

前作では母親がああいうことになったせいもあるし、また芹沢博士をはじめ1作目の登場人物たちが次々と死んでしまうようなシリアスなストーリーだったために、マディソンも暗めの少女として描かれていたのが、今回は彼女がちょっと“ひょうきんキャラ”に変わってて、演じるミリー・ボビー・ブラウンもとってもキュートに見えたんですよね。「ヒャッホー」とか言いながら穴の中を滑っていったり(^o^)

 

 

 

『キングコング対ゴジラ』もそうだったように、特にマディソンと友人のジョシュ、そしてバーニーの3人組の場面ははっきりコメディタッチになってて、彼らの存在が映画全体のトーンを明るいものにしていた。ジョシュ役のジュリアン・デニソンは『デッドプール2』で手から炎を飛ばすミュータントのファイヤー・フィスト役で暴れてましたが、今回はマディソンやバーニーに振り回される役(彼がやったことといえば、メカゴジラを制御するコンソールにウイスキーをぶっかけただけw)。

 

また、アイリーンとネイサンたち「地下空洞」組にはエイペックスのCEO・シモンズの娘マイアが合流することで、2つのストーリーが結びつけられる。

 

見せ場であるコングとゴジラの闘いに比べてどうでもいいストーリーみたいに言われてるけど、ほんとに無駄がないんだよね。

 

主要な登場人物たちはしっかり自分の役割を果たすし(小栗旬演じる芹沢蓮は…^_^;)、出演者はみんな好演してましたね。いや、前作だって前々作だって出演者たちの演技は別に悪くなかったですが。

 

ジア役の子役のカイリー・ホットルちゃんがとても可愛くて、手話を使って会話をしたり、顔の表情だけで感情を表現するところなど、ほんとに名演技でした。

 

彼女は実際に聴覚にハンディキャップがあって、劇中で使っている手話はネイティヴのもの。

 

 

 

ジアは実はかなり重要な役で、この映画では人間側の登場人物たちではっきり主人公といえるようなキャラクターはおらず、複数の登場人物がそれぞれに均等に活躍するんだけど、あえて主役を挙げるなら、コング側はジア、ゴジラ側はマディソンといったところだろうか。

 

アレクサンダー・スカルスガルド演じるネイサンも大活躍を見せるし、映画の紹介では彼を主人公としているものもあるけど、いい意味でスカルスガルドさんは地味で主役主役してないんですよね。オレがオレが、なガッついてる感じがしない。ジアからはずっと「臆病者」とからかわれてるしw

 

 

 

 

この、アイリーンとネイサン、そしてジアの疑似家族的な関係は微笑ましくて、「勇敢」と「臆病」を手話で間違えて覚えるところも可笑しかったし、マディソンたちのパートと同様に、こちらも僕は人間たちの芝居を楽しめました。人間パートはただの「おまけ」じゃなかった。

 

巨大な怪獣同士が闘う映画なんて、そんな深刻に描くものじゃないんだよね。登場人物たちが冗談言い合ったり、モンスターから必死に逃げてる姿が滑稽だったり、そんでついに怪獣バトルが始まったら「よし、きた~~!!」と盛り上がる、楽しくて燃えるものでしょう。

 

僕は、これまで違和感があったり、はっきり嫌悪感をもよおす展開もあったレジェンダリー版ハリウッドゴジラで3本目にしてようやく率直に「面白い」「好き」と感じられる作品にめぐり逢えた気がする。

 

シリーズ各作品の評価は人それぞれでしょうが、僕はこの『ゴジラvsコング』が一番面白かった(その次は『髑髏島の巨神』)。自分が求めていた「怪獣映画」の要素がここにあったから。

 

VFX(視覚効果)に関しても、同じくレジェンダリー・ピクチャーズの『パシフィック・リム』を初めて観た時の感動に近いものがあったし、あの映画のように久しぶりに4DXで観たくなりました。

 

昔の日本の怪獣映画のように怪獣同士がしっかり取っ組み合いをするのがよかったなぁ。

 

しかも、かつてのぬいぐるみ(着ぐるみ)を使った特撮では難しかったアングルや躍動感のある撮影で、でも画面はガチャガチャしてなくて何が起こってどうなっているのかちゃんとわかるように描いている。

 

平成ゴジラでは怪獣たちが光線を吐き合ってるだけ、みたいな闘いが多かったし、特撮が高く評価されている平成ガメラシリーズでも、クライマックスで怪獣同士の寄りの画が多過ぎて何がどうなったんだかよくわかんないショットがしばしば見受けられたんだけど、今回の『ゴジラvsコング』にはそういう混乱がないんですよね。

 

だから、プロレス中継を観ているような臨場感と興奮が味わえた。

 

どうも、TwitterのTLでは公開後も1作目や2作目の時のような興奮気味の絶賛ツイートを目にすることがほとんどないし、世間的にはシリーズの中でそんなに高くは評価されていないようですが、僕はこの映画は推したいなぁ。

 

アダム・ウィンガード監督は、本当にゴジラやキングコングをリスペクトしてると思う。昔の特撮怪獣映画も。

 

これまで散々ハリウッドゴジラを貶しまくってきたのにいきなり褒めまくってますが、まぁ、あえて物申すなら、やっぱり小栗旬さんの扱いですかねw

 

 

 

なかなかヒドいよねw

 

小栗さんが演じた場面は半分ぐらいカットされたようですが。

 

罪の声』の撮影と重なるため一度は断わったのに監督から熱烈にオファーされて、日本での撮影をズラしてもらってまで出演した役があれか?と(;^_^A

 

だいたい、彼のあの役が前作で非業の死を遂げた(僕は無理やり無駄死にさせられたと感じたが)渡辺謙演じる芹沢猪四郎博士の息子である必要はあったのか?

 

エイペックスはモナークと取り引きがある(だからシモンズはモナークの元職員だったマーク・ラッセルの娘のマディソンのことを知っていた)、と説明されてるから、その関係で蓮はエイペックスに勤めてるんだろうけど、父親は瀕死のゴジラを復活させるために死んだのに、どうして息子がそのゴジラを殺そうとするのかわからない。

 

もしかしたら別のメディアで前日譚が描かれているのかもしれませんが、僕は観てないし、劇場パンフも買ってないからその辺の設定は知らなくて、芹沢博士の息子がなんでエイペックスの手下みたいなことやってたんだか映画を観ただけではわからなかった。

 

ヘンなヘルメットかぶってメカゴジラを操縦しながら髑髏島に生息していたモンスター“スカルクローラー”を殺して気持ちよさそうな顔したり白目剥いてアヘ顔してましたが、メカゴジラの暴走であっけなく退場。

 

彼はどうなったんだろうか。

 

思わせぶりな登場をしておいて、出番は『パシフィック・リム:アップライジング』の真剣佑並みの短さ。日本人の俳優って、こんな扱いばっかだよな。

 

モータルコンバット』では真田広之さんは結構出てたようだけど。

 

渡辺謙さんだってクリストファー・ノーラン監督の映画に初めて出た時には「なんだかなー」って役だったから、小栗旬さんも今後はもっと大きな役が得られるといいですが。

 

この映画ではわかりやすい悪役としてエイペックスのCEOとその娘が出てくるけど、デミアン・ビチル(『ヘイトフル・エイト』)とエイザ・ゴンザレス(『ベイビー・ドライバー』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』)が演じる彼らはメキシコ系なんですよね。

 

で、その一方でバーニー役のブライアン・タイリー・ヘンリー(『ビール・ストリートの恋人たち』)やマディソンの友人ジョシュ役のジュリアン・デニソンにジア役のカイリー・ホットルなどのキャスティングからも、一応白人以外の人たちを一方的な悪者のように描かないように配慮はしているんだけど、ゴジラって日本産にもかかわらずレジェンダリーのゴジラシリーズでは日本人の扱いがほんとにぞんざいだよね。謙さんは前作で自殺させられちゃったし、その息子はこの描かれよう。

 

悪役だってかっこよければいいし、デミアン・ビチルもエイザ・ゴンザレスも素敵な悪役ぶりでしたけどね。

 

でも、悪役ですらなくて、白目剥いて感電してるだけではなぁ…一応、日本の皆さんにも気を遣って人気俳優さんに出演オファーしましたよ~、っていうただのアリバイっぽいんだよ。とりあえず出しときゃオッケーだろ、的な。小栗さんが気の毒でしょうがない。

 

まぁ、小栗さんは現地でデミアン・ビチルさんやアレクサンダー・スカルスガルドさんたちと交流を深めたようだから、彼にとっては実のある経験だったのでしょう。

 

世界中で大ヒットしてるようだし、もはやゴジラは日本人の手を離れて、名実ともに「世界のGODZILLA」になった、ということかな。“ゴジラ”は欲しいけど、日本人はいらん、と。

 

これは実は今後の伏線で、今回ギドラとシンクロした蓮がマッドサイエンティストになって次回作で宇宙怪獣とメカゴジラのテクノロジーを融合させたサイボーグ怪獣“ガイガン”を作り出す、なんていうことになったら最高なんだけどな~。

 

さぁて、「モンスター・ヴァース」はこれからどんな展開を見せていくのでしょうか。

 

 

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