オーディオシステムを組むときに予算の配分やどのコンポーネントが重要かについては諸説あります。

 

 

スピーカーが最も重要だというのはおそらく多くの方が同意してくださると思います。中にはアンプが最も重要とおっしゃる方もいらっしゃいますが、普及価格帯のスピーカーを高性能のアンプや再生システムで駆動した場合と高性能なスピーカーを中程度のシステムで駆動した場合とでは後者の方が明らかに音はいいです。(下記の記事参照)

 

 

しかし、機器については多くが語られているのですが、電源の工夫や電源タップなどがどの程度音の変化をもたらし、それが、そう言った機器の予算配分として、どの程度を確保したらいいのかとか、どの程度注力すればいいのか、ということについてはどの機器に予算を割り振るか、以上に諸説あると思います。

 

 

 電源の強化だでけ、びっくりするほど音が変わった

 

我が家のシステムの音は、昨年後半から年始にかけて、私が思っていた以上に大幅に変化しました。

新たないわゆるコンポーネントは全く購入していないのに、です。

 

昨年の前半で私が聴いていた音も決して悪いものではなく、オーディオショーなどに行っても、多くのブースで、これならうちの音の方がいいな、と思うことが多かったのですが、それでも、そこから大幅に進化したのです。

 

では、何を改善してそのようになったのでしょうか。

スタートラインは、リポバッテリーの使用でした。

 

初めは、リポバッテリーが余っていたので、ノイズはないだろうし、試しにスイッチングハブに使ってみようと思ったのがきっかけです。

音は良くなりました。ただ、思いの外、駆動時間が短く、効果も限定的だったので、通常のリニア電源に戻していました。

 

次に、Zen Streamが12VのDC電源仕様なので、3セルのリポバッテリーを使ってみました。

 

これも音は良くなります。しかし、これだけではそこまでの効果はなく、Marantz SA10のCD再生の音の方がいい感じでした。GroundArayを併用するとかなり音が良くなりました。

その後、12Vで動作可能ないろいろな機器で並列化していないリポバッテリーを試して行きます。

 

例えば、HUGO-M-Scaler、これは結構効果が大きく感じました。使っているのは3セルのバッテリー1つです。

 

その後、バッテリーの消費電力を充電量から推測して、どのぐらい駆動可能かを調べました。

 

 

 

実は、この頃、電源を切り忘れて、リポバッテリーがオシャカになるということがなん度も起きてしまっていたので、消費電力を知って、切り忘れても簡単にはバッテリーの過放電にならないように並列化を進めようと思って行った実験でした。

私はこの頃、バッテリー駆動は単にノイズの低減による音質向上が主なのだと考えていました。

 

 

 バッテリー駆動の効果は、ノイズ低減だけではない

Lipoバッテリー駆動による音の向上は明らかなのですが、何せ、LiPoバッテリーを使うのはかなり気を使います。防爆バッグに入れて使ったり、使用しないときにはバッテリーを取り外して、置いたりと結構大変です。そこで、鉛蓄電池を使ってみようと思い立ちます。多くの先達が、自動車用の鉛蓄電池をオーディオに使っていらっしゃいます。私も評判がいい、パナソニックのCAOSという青色のバッテリーを購入し使ってみました。

 

ここで、驚愕の事実が判明します。なんと、リポバッテリーと鉛蓄電池とでは音が全く違うのです。もちろん、リポバッテリー2並列の方がはるかに音がいいのです。容量ははるかに鉛蓄電池の方が大きいのにです。この時は、鉛蓄電池からのケーブルをアルミホイルで覆って、シールドしたところ音がそこそこ良くなったので、てっきり空間にある高周波ノイズが原因だったんだと思いました。実は、音の違いの原因ははそれだけではなかったのです。

 

 

そして、ついに、非常に重要なブレークスルーを発見します。それまで2並列にしていたリポバッテリーを4並列で使ってみたのです。
この時の驚きは本当にすごいものでした。これまで聴いていた音はなんだったのだろうという経験でした。
そこで、私は、これはノイズの問題では無いんだと初めて気が付きます。それ以前にも、容量が大きいバッテリーの方が音が多少いいので、容量が重要だと思ったこともありましたが、鉛蓄電池ではダメでした。
並列化によって、何が起きたのか、この考察を通して、これは、おそらく瞬間的な電力供給能力、言い換えれば、バッテリーの内部抵抗がいかに低いか、ということが根本的に重要な問題なのでは無いだろうかと気がつくのです。ただ、この段階ではまだ同じバッテリーなら容量が大きい方が音がいいのではとも考えていました。
そう言った考えのもと、この後、並列化を進めて行きます。

 

そうして、最終的には現在の一機種12並列まで行き着きます。しかし、今では。TAISアダプターを使用すれば、おそらく並列化はそこまで必要ないのではと思うようになってきました。

 

 

 コンデンサバンクの登場

 

 

その後、この音をなんとかして、もっと簡単に得られないだろうかと考えて、思いついたのが、コンデンサバンクの使用でした。そして、知り合いの方のご親族で、大手メーカーで映像機器の開発を主導していらっしゃったという技術者の方にコンデンサバンクのことやバッテリーを自動で充電できる機器はできないだろうかと相談しました。すると、その方が、OSコンデンサを使ったバッテリーバンクを実際に作って送ってくださったのです。

 

 

その効果は、驚愕の効果でした。

 

音が根本的に変わってしまったのです。

私は、ここまで電源を変えただけで音が変わるとは思ってもいなかったので、本当にびっくりしました。

市販品でも似たような機器(Peti tank)があり、数個持っていて、光メディアコンバーターに使ったりしていたのですが、それとは根本的に違う効果でした。

 

TAISさんからは、私のリポバッテリー並列下で音が良くなった理由や、TAISコンデンサバンクで音が改善する理由がメールで送られてくるのですが、専門的で理解が追いつきませんでした。どうも、デジタル機器内では、MHz単位、GHz単位で信号が発生するため、微細に観察すればGHz、MHzオーダーの電力需給変動が発生する。それに対応するためには極限までコンデンサの内部抵抗(ESRといいます)を下げて、ケーブルも電力を必要とするところまでの長さを極力短くする必要があるとのことでした。実は、私の今のアダプターはDCプラグから3cm程度のところにコンデンサバンクがあるのですが、それをされに短くすればもっと良くなるとTAISさんからは言われています。

 

その後、TAISさんから、小型リポバッテリーをDCプラグの直前につける方が音が良くなると思うというアイディアをいただきました。私はそのアイディアをしばらく気がつかず、放っておいたのですが、ある時、知人を通して作った方がいいと催促され、作ってみました。

作ったのが TAIS新型アダプターと今私が勝手に読んでいるアダプターです。

 

この音は本当に衝撃的でした。それまでの音も十分に衝撃を受けるほどいいのですが、この新型アダプターの音は別次元でした。

きちんと理論に裏打ちされたTAISさんの知識には本当に脱帽です。

話は脇道にそれますが、TAISさんも私も創造の館というYouTubeは大っ嫌いです。似非科学とはこのことだともいうべき内容で、良くもまあ、あんな浅薄な知識で、全く根拠のないことを公にできるなと思っています。

 

 

 GTO-D2 NCFとの出会い

 

バッテリー駆動+TAIS新型アダプターで我が家のオーディオの音は本当に今までにない次元にありました。そして、どどめが昨年末に、全く思いもかけずに購入した電源タップでした。

 

BJ-Electric KAM-Xというケーブルを注文しようとショップに行ったのですが、絶対聞いた方がいいと店員さんに促されて、試聴して、その効果に本当に驚いて、その場で購入してしまいました。10万円以上の電源タップを購入したのは初めてですし、冒険だなとも思ったのですが、あまりにも効果が大きく、しかもクリーン電源の下流に使ってもその効果は歴然だったので、Direct Stream P15という我が家のクリーン電源の下流に使ってみようと購入したのです。

このタップの効果は、我が家では本当に素晴らしいものがあります。

まず、低域の量感が上がると同時に、解像感も高くなります。とにかく低域が素晴らしいのです。それだけではなく空間が広がり、しかも、音の細部の表現がびっくりするほどリアルになります。

 

 

 

 電源関係の工夫だけで音は別物になる

去年から今年にかけて、NeoStreamの導入はあったものの、大きな買い物はしていません。しかし、我が家の音は全くの別物になりました。昨日、息子と一緒にKingGnuを聴いたのですが、息子は、『これ、世界一すごいKingGnuかも』とびっくりして、一曲聞かせてくれと言ってきた彼は次々に様々な曲を聴いて行きました。『本当、こんなベース聴いたの初めてだよ。そこで弾いてる感じじゃん。これまで全く聞こえてなかった音がみんな聞こえるんだもん。これ凄すぎでしょ』と大喜びでした。

 

オーケストラの音も、今やS席の前から10列目以内の真ん中で聞く音、という感じになっています。以前は小規模構成の室内楽などは素晴らしかったのですが、オーケストラはなんとなく迫力が足りないなと思ったり、元のリアルさが足りないなと思うこともあったのですが、今は本当にコンサート会場で聴いている、それも前の方の直接音が多い場所で聴いている感じです。

ブラスバンドは、一人一人の技量がわかってしまう感じがするぐらい、音が分離して、生で聴いている感じです。

 

音がここまで良くなるのに、プレーヤー、アンプは何一ついじっていません。自作の電源アダプタと、リポバッテリー、そして、10万円のタップだけです。これらを外した音は全くつまらなく感じてしまいます。

 

皆さんの機器も、もし電源にこだわっていないなら、バッテリー駆動やコンデンサバンクを試してみてください。GTO-D2 NCFは最も簡単に音をよくする可能性のある機器の一つだとおみます。

 

TAISアダプターの作り方はこのブログに書いてあります。OSコンが1000μF16Vで一個150円、それを10個買って、1500円。ケーブルが1m 670円、DCプラグが一個880円、DCプラグのメスが230円でした。合計で3000円以内で作成できます。小型リポバッテリーが1500円、大容量のリポバッテリーが一個6000円程度で、2個以上はあった方がいいので、12000円。合計2万円弱。これにGTO-D2 NCDが12万円で、合計15万円以内で、効果はおそらく100万円かけて機器をグレードアップするよりも上ではないかと思います。自己責任にはなりますが、ぜひお試しあれ。