打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】 -5ページ目

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

東京都の舛添要一知事の出張費が、条例より高いとして、
批判にあっている。


加えて、毎週東京から100キロ離れた
別荘で週末を過ごしていることも、
同様に問題となっている。


舛添知事は、いずれも件も問題ないまたは精査する、としている。


出張費は、特別なことがあれば条例で定めた金額を
越えてもよいとされているが、毎回越えるのはどうか。


夏休みなどたまにならいざ知らず、
毎週別荘で過ごすのは、これまたどうかのか。


筆者はあえてここで妥当性の可否には触れない。
それを判断するのは、選挙時の都民だ。


それを踏まえて言えば、舛添知事が指摘を受けた時に即答する、
「問題ない」という発言が問題だ。
理由を述べるならまだしも、問題の有無を即判断するのは、どうなのか。


問題ないかどうかを判断するのは、
一次的には都議会であり、最終的には都民だからだ。


私的なぜいたくは論外だが、都政がうまく回り、
都民に寄与する事かどうかを判断軸にしたいと考えたい。

三菱自動車が、自社生産の車の燃費データを偽っていたことが、

供給先の日産自動車の指摘で明らかになった。




同社の不正がまたしても繰り返された形だ。

過去の不正を起因とした死亡事故が起きた過去があるにもかかわらずだ。

まさか「これくらいの不正なら」と考えていたのか。




消費者や日産をだましていたのだから、

詐欺罪を適用されてもやむをえまい。




同じ悪事を繰り返す、そんな企業に、

命にかかわる自動車を生産する資格があるのか。




補償問題など危機は山積みだ。

会社の存続問題にもかかわってくる。




であればいっそのこと廃業を視野に入れることも、

考えねばならないのではないか。




犯罪を繰り返す集団、それは反社と同じなのだから。

一昨日、熊本県で震度7を記録した揺れをはじめとする熊本地震で、
きょう未明に発生した震度6強の揺れが、それまで本心とされていた
当初の震度7の16倍もの規模(マグニチュード)だったして、
そちらを本震、当初からそれまでの揺れを前震とする発表がなされた。


今も震度6以上の揺れが続き、救出活動が続いている。
これ以上の被害拡大がないよう、祈るしかできないことがもどかしい。


今夜からは雨も予想されている。土砂崩れはもちろん、
ちょっとした強風でも建物が崩れる恐れがある。
避難先での安全確保が最優先される状況だ。

(この点、 山本孝二・元気象庁長官が、
 崩壊の恐れがある熊本県宇土市役所の映像を見て、
 風に注意が必要だと、繰り返し伝えている。)


震度7の揺れが前震というと驚かれるかもしれないが、
震源が浅いことを考えると、規模が小さくても揺れは大きくなることから、
意外なことではない。ただ、前震で震度7は珍しいことではある。


それより意外なことは、新しく本震とされた揺れからも、
断続的に余震が続いているが、当該新本震の約2時間後に起きた揺れは、
それまでの震源群とは違うところで発生している。


確かにある揺れが別の揺れに影響を与えることはよくある。
しかし、影響を与えたにしては、同じ震度というのは、
気象庁発表でも聞いたことがないという。


さらに地震学者が関連はないとみられるといっているが、
昨年から噴火が活発となっている阿蘇山が、今日も噴火した。


範囲を広げれば、鹿児島県の桜島、宮崎県の新燃岳、口永良部島の噴火など、
近年、九州中部から南部にかけて、地震と密接に関連する火山活動が活発になっている。


筆者はあくまで気象予報士であり(同じ気象庁管轄とはいえ)
範囲外の地震の専門家ではないが、まだ解明されていない
大きな地殻変動が九州地方を中心として
日本列島で起きている可能性を探る必要があるように感じる。


その推論根拠の1つとして、昨年5月で、北海道から沖縄までの
列島全体が揺れたマグニチュード8.5の地震がある。


8.5といったら通常なら、東日本大震災レベルの災害が起きても
おかしくない規模である。


しかしこの地震は、震源が地下約590kmと深かったため、
最大でも震度5強だった(それでも大きな揺れだが)。


阿蘇山は山頂を大きく取り巻く外輪山が、
桜島は鹿児島湾(錦江湾)全体が、
火山のカルデラ(火口部分のへこみ)と言われている。


いずれも20km四方におよび、富士山の1000倍を優に超える。
それだけ大規模な噴火が起こりうる火山なのだ。
そして今回の震源域は阿蘇山に隣接している。


当面まずはこれ以上の被害を出さないことおよび復旧に全力を挙げねばならないが、
長期的に見て、気象庁が「聞いたことがない」としている以上、
未知の近く変動がある可能性の調査も必要ではないかと感じている。




北朝鮮による拉致事件による被害者家族会などが、
救うための国民大集会を開催した。


中国が、いよいよ本腰を入れて制裁に乗り出し始めた今、
金第一書記は、強硬姿勢をますます確固たるものにするだろう。


裏を返せば、その分政権転覆の危険性が高まり、
一度ひっくり返ったらその速度は早まる、ということだ。


国際社会の目は、核・ミサイル開発に向くが、
日本人以外の拉致被害者もおり、
政権転覆時は、否応なしに対応が迫られる。


中国が建前をも変えて本音通りの行動を始めた今、
金政権は、いよいよ試練の時を迎える。
中国も、政権瓦解の影響を覚悟し始めたのだろうか。


本欄でも繰り返し言ってきたが、中国を説得できれば、
北朝鮮の現体制は崩壊する。そうなれば、拉致被害者も戻る。


中国の懸念は、押し寄せる難民と米軍の38度線越えだ。


難民対策には、日本も資金物資両面の援助を申し出、
米軍も、中国との深刻な対立は避けたいから、
38度線越えは、強行しないだろう。


中国もそれがわかってきた上、北朝鮮の行動で、
THAAD(終末高高度防衛)ミサイルを
配備されたらたまったものではないから、
ようやく重い腰を上げたのだ。


ミサイル問題も重要だが、拉致は宣戦布告だ。
すでに戦争状態にある、といってもよい。


であれば、まずはそれを解決することであり、
中国を水面下でも支援することが、そのカギとなる。


まずは幕を開けるG7でこの話題を取り上げ、
中国を、多くの国がサポートする姿勢を見せることだ。


もちろん、日本国民が常に関心を持ち続けることが前提だ。
そのために、本欄も微力ながらこの問題を取り上げ続けたい。
埼玉県で女子中学生が連れ去られ、
2年間監禁され、犯人のすきを見て逃げ出した事件で、
相も変わらず、無知な被害者たたきが出ている。


「なぜ2年間も逃げだせなかったのか。」


無知だけならまだましだ。
現状の私たちの想像力の欠如を露呈している。


犯人に力づくで連れ去られた。
日常では考えられないことだ。
非常事態に、正常な精神状態など保てるわけがない。


力づくで監禁されたその恐怖の中、
次に何をされるか分からない。
逃げ出して捕まったら何をされるか。


ちょっと考えればそれくらいのことは想像できよう。
しかし、今の日本社会は、そんな余裕がないように見える。


米国では、過酷な状況から帰ってきた「生還者」として、
英雄視される。


なぜこのような違いが出てくるのか。
答えは、先にも言った「想像力の欠如」だ。


確かに、米国の方が日本より犯罪件数は多い。
だから事件を身近に感じるから、想像できる、ともいえる。


しかし件数の差は、10倍とか100倍とかではない。
仮にそうだったとしても、行方不明者の情報は日常茶飯事だ。
北朝鮮による拉致事件もそうだ。


それなのに何か他人事で自分には関係ない、
つまり、「思いやり」の無さが、このような、
被害者を傷つける発言をネットにはびこらせるのだろう。


最近は「おもてなし」が日本人の美徳という風潮がある。
おもてなしの要素に、相手を喜ばせたい「思いやり」がある。


思いやりは相手を喜ばせたい、だけではない。
悪い状況にある相手にも、想像力を働かせ、
相手がどういう状況なのかを思慮することだ。


それが出来なければ、おもてなしも、
いずれは、評価されなくなっていく。


悪いことには目をつぶり、良いことしか見ない。
そんな事なかれ主義から、すぐにでも脱却しなければ、
我が国の未来が心もとなく感じるのは、筆者だけであろうか。
北海道新幹線が開通し、九州まで、
新幹線が列島を貫くことになった。


東京から終点である新函館北斗まで、
最速で4時間2分と、4時間の壁は破れなかった。


新幹線にとって、4時間以上か未満かで、
大きな差が出てくる。


4時間を切れば、飛行機との乗客シェアが、
新幹線の方が多くなるからだ。


例えば、東京~の距離が新函館北斗(823.7km)に近い
広島(821.2km)の場合、開業当初は約5時間だったが、
今は4時間を切っており、航空機との激しいシェア争いをしている。


かつて4時間かかっていた岡山 (676.3km) は3時間余りだが、
こちらもシェアを争っている。


両都市とも、最新鋭のボーイング787を就航させた時、
羽田からの最初の路線として投入している。
JR東海も、最高時速を285kmに引き上げて対抗している。


だから新函館北斗も、4時間を切ることが期待された。
だが、それがかなわなかった。


広島で4時間を切れるのに、東北区間での最高時速は320kmなのに、
なぜきれなかったのか。


それは、在来線と共用となる、青函トンネル(53.9km)及び
その前後区間の約82kmにおいて、トンネル内での、
在来貨物列車とのすれ違いで、時速差が大きいと、

貨物列車が横転する危険性が指摘されたことにより、
最高時速を140kmに抑えたことが大きい。


将来、これを克服する策として、新幹線仕様の機関車開発や
トンネルの上下線に遮蔽板を設けるなどの案が出ているが、
いずれも具体的には至っていない。


となると、盛岡以南スピードアップしかないことになる。


しかし整備新幹線は、事実上時速260kmに抑えられており、
盛岡-新函館北斗でのスピードアップは望めない。
東京-大宮は、住宅地の騒音の懸念により、110km以下だ。


おのずと大宮-盛岡間でのスピードアップが必要になる。
(東北新幹線は盛岡以北が整備新幹線である。)
上記区間のうち、宇都宮以南は275km、以北が320kmとなっている。


北海道新幹線に使われている、E5・H5系は、
もともと360kmを目指して開発され、実験はうまくいった。
しかし沿線の騒音がネックとなり、320kmに抑えられた。


ということは、宇都宮-盛岡で360kmを
出すことができるかぞどうかが、
4時間の壁を破るカギになる。


そうなると、同列車を開発したのはJR東日本だから、
JR北海道は、他力本願ということになってしまう。
もっとも、東北新幹線の時間短縮だから、
東日本にとっても、メリットはある。


とはいえ、騒音を抑えるには相当の技術が必要で、
まだまだ先になるだろう。


ただ4時間の壁を破れていないのは、東京駅からで、
全列車が止まる大宮は3時間半余りだ。
東京都内でも、羽田経由より大宮経由の方が
便利な地域はたくさんある。


武蔵野線を介せば、埼玉の広範囲や千葉も同様だ。
その点をもっとPRしてもよいのではないだろうか。


追記:新函館北斗駅は、新幹線開業前日まで、
   駅員のいない「渡島大野(おしまおおの)」駅だった。
   無人駅がいきなり新幹線のターミナルとなった形だ。

   駅名をめぐっては「新函館」を主張する函館市と、
   同駅のある北斗市が「函館北斗」を主張し争っていた。

   北海道の高橋はるみ知事やJR北海道が折衷案の
   「新函館北斗」にしたわけだが、筆者は、
   いっそのこと「渡島大野」のままで良かった、と感じる。

   理由は、動画サイトなどで、
   かつての渡島大野駅をみていただければ、
   お分かり頂けると思う。
   (ギャップやのどかな風景が観光客を呼び込めるのではないか。)
アメリカ大統領選の予備選挙で、
共和党はドナルド・トランプ氏が、
民主党はヒラリー・クリントン前国務長官氏が
党候補の指名獲得に向け、大きく前進した。


ただ、トランプ氏は指名獲得に必要な
過半数の大議員獲得は難しい状況で、
対抗馬のテッド・クルーズ上院議員に、
主流派が結集しつつある。


民主党でも、バーニー・サンダース上院議員が、
予想外の表集めをし、クリントン氏盤石とまでは言っていない。


トランプ・サンダース両氏がここまで支持を集めるのはなぜか。
しかも二人は、両党の党員でも何でもない、いわゆる無党派だ。


特にトランプ氏は、党主流派から総スカンをくらっているのに、
何故1位を獲得できているのか。


双方に共通して言えるのは、その「無党派」ということだ。
予備選挙には、党員以外の人も参加できる所がある。


共和党の大会に民主党員が投票する、逆もある。
だから党内主流派とは違う候補が1位になるのだ。


アメリカの大統領選は、本選だけでも複雑なシステムだ。
今選んでいるのは、「党公認候補」であり、大統領そのものではない。


その公認候補を選ぶ過程も、各州によってまちまちだ。
その間隙をぬって、二人の健闘が続いている。


システムは複雑だが、その背景は至って単純だ。


既存の政治やそれに結び付いている団体(特に金融界)と、
それ以外の層との格差拡大に対する不満だ。


トランプ氏は、移民排斥を叫んでいる。
それを支持しているのは、移民流入によって
仕事を奪われたとされる中間~下流層だ。


サンダース氏は、「民主社会主義」を掲げ、
例えば奨学金返済の免除による、
卒業後の借金返済というハンデを無くすことを公約にし、
若い人たちからの支持を得ている。


いずれも、収入に問題を抱えている人たちだ。


この構図、今恐れられていることの原因に似ていないだろうか。


そう、テロ頻発の遠因である「格差拡大」だ。


テロが生まれる背景として、
社会での格差拡大による、排他被害感情があげられる。
収入が少なくなれば、社会参加の機会がへることは、
詳細は別の機会に譲るが、日本でも顕在化しつつある。


アメリカでは、所得の半分を、
0.1%の人が握っている、とも言われている。


アメリカでも、格差拡大の是正が急務であり、
世界的にみても、それがテロ根絶の遠いようで一番の道であることが、
図らずとも、今回の選挙で見えてきたとも言える。

辺野古基地をめぐる、政府と沖縄県との訴訟において、
裁判所が出した和解勧告に対して、
政府が受け入れを決め、工事を中断した。


一方で安倍首相は、辺野古建設に変わりはない、と強調した。
当初政府は、和解を拒否する方針だったとされる。


しかし、その拒否を始め、
政府の、沖縄に対する高圧的ともとれる姿勢に対する
世論の冷ややかさが、参院選前に増してきた。


それに同調するかのように、和解案には、
「今回は政府が勝つかもしれないが、計画変更など、
 その後に必要となる県知事の承認・撤回に対して
 訴訟を起こしたとしても、常に政府が勝つとは限らない。」
としていた。


要は「余り調子に乗ると痛い目見るぞ。」としたことだ。
これに対して、検察を管轄し裁判を良く知る法務省の官僚が、
和解受け入れを強く勧めたという。


事実、和解受け入れを決めた直後の、各紙世論調査では、
「受入を評価する」が半数を超えている。


裁判所は、同時に辺野古以外にはないということも、
言外に表したとも言える。


つまり「辺野古建設を認める判断を出すけど、
 政府は、謙虚な姿勢で臨め。」と言ったことになるのだ。


筆者は、かねてからこの問題について、
「沖縄県民に頭を下げてでも、受入をお願いすべき。」
と主張してきた。


裁判所がそこまで踏み込んでいるかは分からないが、
「常に勝つとは限らない=政府敗訴判決を出すぞ。」
と言ったことから、少なくとも、
謙虚さを求めたことに変わりはない。

認知症の男性が鉄道施設内に立入り、
列車にはねられ死亡した事故で
事故の賠償金を求めた民事訴訟で、
原告のJR東海が敗訴する判決があった。


裁判の論点は、責任能力のない人の代わりに、
監督義務者が責任を負うとした民法上の規定を、
認知症の家族がどこまで負うべきかどうかだった。


JR東海は、上場会社である以上、損害回復を求めないと、
株主に追及される恐れがあるとして提訴に踏み切った事情もある。


しかし、認知症になった人を、
24時間365日監視し続けるのは、土台無理な話だ。


今回の事故では、ほんの数分目を離したすきに、
いなくなってしまったのだという。


その点で、個人に賠償を負わせなかったのは、
評価できる判決であるとも言える。


一方でもしこれが、例えば「失火で隣家が燃えたら。」
となると、どうなるだろうか。
今回の同様の理由で、賠償が求められない、となると、
個人の損害が大きすぎる。


今回の損害は、巨大企業が受けたものである。
被害の程度は、指して大きいものではない。


しかも、線路内の立入防止策が徹底していたのか、など、
JR東海側の安全策の不行き届きも考慮されても良かったと考える。


もちろん、民事裁判なので、原告被告双方が問題にしなければ、
争点にはならない、ということも踏まえるべきだが、
今後、同様の裁判が起きないとも限らない。


今回の判決は、一律家族に賠償義務はなし、とはしていない。
本件特有の事情を総合的に判断された。


損害を受けた側、程度、過失その他の個別具体的な事象を、
総合的に勘案して、決着を図るようにせねば、
認知症の家族も、損害を受けた側も、
安心して生活を送ることはできまい。


法制度整備や新たな保険など、裁判にならなくて済むよう、
新たな仕組みも必要になってくる。


少なくとも今回の判決は、巨大企業から賠償を求められても、
一定の歯止めがかかることがわかり、その点では、
誰にでも起こりうることでの漠然とした不安から
解放されることにはなるだろう。

経営再建を目指す我が国家電大手・シャープが、
支援先に、台湾の大手家電・鴻海(ホンハイ)を選んだ。


その直後にシャープ側から、
偶発債務が3000億円を超えるとの事実が、
鴻海に通知された。


「債務」という言葉が入っているので、
負債のように、一瞬思えるが、現実の債務ではない。


裁判の敗訴、支払いに使った他人振出の小切手が
不渡りになり支払先が回収できずに自身に支払義務が発生する、など、
自身ではない要因によって現実の債務になる可能性のある債務を言う。


「潜在債務」と言った方が、一般の言葉感覚にはなじむだろうか。
(ちょっとちがってくるが・・・。)


企業会計では、過去の実績に基づいたその発生確率によって
金額を見積もって「偶発債務」として明らかにしておく。


その明らかにした金額が3000億円超というのは、
シャープの売上高からすれば、特別な驚きではない。
ただし、通常の範囲とも言い切れない。
会計上では明らかにしなければならない事実だ。


驚くのは、支援先が決まってから、その事実を通知したことだ。
鴻海に重要な事実を告げていなかったことになるとすれば、
鴻海を騙した、と言われても仕方ないようにも思える。


しかし鴻海側もこれだけの大型買収を行うのであれば、
事前に綿密なデューデリジェンス(財務内容調査)を行うはずだ。


偶発債務は、予め明らかにするもので、
隠せるものではないから、それを知らないとすれば、
余りにお粗末すぎるかとぼけていたかのどちらかだ。


アメリカのアップル社とも渡り合うほどの鴻海が、
知らなかったとは、到底考えにくい。


となると、なぜ鴻海は知らんぷりをしていたのか。


鴻海は、支援合意の際、大胆なリストラは行わない、
企業分割はしない、など、
シャープにとっての好条件を飲んだという。


しかし、支援金額の半分の「潜在債務」があるとなると、
重要な事実を隠していた、となり、支援合意を見直すこともできる。


鴻海は、競争相手であった産業革新機構に対し、
是が非でも勝つために、破格の条件を示したとも言える。


産業革新機構が手を引いた現段階なら、
同機構の支援策さえ下回らなければ、
ひっくり返されることもない。


支援金額引き下げを狙って知らんふりをしていたのだろうか。
であれば、シャープはまんまと引っ掛かったことになるが、
そんな単純な手に引っ掛かるとも考えにくい。


支援先には選んだが、選定までのシャープ内部の
駆け引きは凄まじかった、という。
鴻海派と機構派に分かれていた、ともいえる。


シャープの高橋社長は機構派と伝えられている。
機構側の支援金額と鴻海との差が、偶発債務の金額と
似通っていることを考えれば、
機構には伝わっていたのでは、勘ぐってしまう。


そうなると、狐と狸の化かし合いの様相になってくる。


支援の正式合意は、先送りとなった。
どのような展開になってくるかは、
交渉が緊張の度合いを増し、

機構やその後ろにいる経済産業省が
どのように動いてくるかがガキとなりそうだ。