打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】 -18ページ目

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今週は、この疑問について考えます。



この夏の参院選挙で初当選した山本太郎参議院議員が、
先日の秋の園遊会で、天皇陛下に、原発事故をめぐる
内容をしたためた手紙を直接渡した。



このことが物議をかもしている、天皇の政治利用だとして。



ピンとこない方もいるだろう。



天皇や皇室の政治利用が、なぜ、はばかられるかから書きたい。



現在の憲法では、第一条において
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、
 この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。 」
とある。



あらゆる主張を持つ千差万別の国民の統合である以上、
特定の主張に、肩入れすることができない、と導くことができる。



そして、それを補強している第三、四条には
「第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、
 内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」

「第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、
 国政に関する権能を有しない。」

とある。



この二つを合わせると、天皇は政治に関与できず、

責任も問われない、ということになる。



ここから、主義主張に依拠し、自分の主張や思惑を
実現させようとすることが目的である政治が、
天皇を、その実現目的で利用することは
はばかられる、となるわけである。



山本議員は、「原発事故をめぐる現状を書いた。」と主張している。
確かに、現状を書いた手紙を出しただけなら、主義主張ではないだろう。



被災地の慰問時に、一般市民が現状を訴えている、
それと何が違うのか、ということになる。



しかし、園遊会は、天皇皇后両陛下がお招きになる。
慰問は、逆である。そもそも性格が違う。



仮に、同じだとしても、その手紙を渡す目的がなんなのかだ。



前半に書いた通り、天皇は、国政に関する権能を有しない。
天皇に訴えたところで、何も動かない。



国会議員として、被災地救済、原発0を実現させたいなら、
国会という、国権の最高機関のメンバーなのだから、
そこで本来やるべきである。



両陛下に、被災地の現状を訴えたいなら、
手紙ではなくとも、言葉で
「被災地の皆さんが、ご訪問を心待ちにしている。」
だけで良かったのではないだろうか。



手紙を渡す、ということは、めったにないことである。
ということは、おのずと注目を集める。



それを通じて、自分の実現させたいことをしたのであれば、
現状を訴えたいのが目的であっても、結局は、
政治目的になってしまうのではなかろうか。



政治目的ではないのなら、山本議員は、謝罪するだろう。
裏返せば、謝罪しなければ、・・・ということになる。



今のところ、謝罪の声は聞こえない。
今後の、山本議員の言動に注目したい。




本日もお読みいただき、ありがとうございました。


皆さんは、山本議員の行動を、
政治利用と思いますか、思わないですか。

きょうは、小泉元首相の、最近の
原発0を求める一連の発言を取り上
げます。




先週、それまで、各地の講演などで、
脱原発発言をしていた小泉首相が、
初めて、テレビカメラの前で、脱原発を主張した。



小泉氏が脱原発の考え方を持ったのは、
外国での、核廃棄物の最終処分場の現状を見て、
日本での原発では、到底処理できない、
と感じたからだと言われている。



確かに、未だ、廃棄物の最終処分場が決まっておらず、
しかも、その半減期が万年単位であることを考えると、
今、ここで原子力発電を続けていたら、
核のゴミであふれかえってしまうことは容易に想像できる。



小泉氏が所属している自民党は、
従来、原子力発言を推進してきた。



その小泉氏も、党総裁、つまり総理の時は、
その政策を変更することはなかった。



退任してからも、特に触れることはなかったが、
東京五輪の招致が成功した直後から、その声を上げ始めた。



東京五輪の招致成功は、何といっても、安倍首相の、
「福島の汚染水は、完全にコントロールされている。」
の発言によるところが、最後の決め手になったと言われている。



しかし現状は、コントロールできていないことは明白だ。
7年後、この状態では、外国が、自国の選手を派遣しないことが、
起きてもおかしくはない恐れが出てきている。



小泉氏は、外国での視察を契機として、
その恐れが非常に高いことを、独特の嗅覚で、
感じ取っているのかもしれない。



それまで、原発反対派も言ってこなかった、
「最終処分場が決まっていないのに、作るわけにはいかない。」
という発言が、その発言の本気度を感じさせる。



不思議なことに、原発推進政策を改めて取ることにした自民党からは、
「発言の真意を確かめたい。」として、
いらだちを隠して、推移をみている様子がうかがえる。



従来の原発反対派からは、社民党の福島前党首が、
「連携を取りたい。」と言っている程度で、
他からはそのような声は聞こえない。



他には、自身の経験から原発事故の悲惨さを身にしみた菅元首相が、
一緒に行動できることを期待する発言が聞かれるのみだ。



自民党の小泉氏とは、従来の原発反対派は手を組めないのだろうか。



小泉氏は、それらすべての動きを見切って、
今、声を上げ始めたように思える。



何より、国際社会の、福島を見る注目度は、
日本国内で感じられているより、はるかに大きい。



東京五輪まで解決させないと、本当に、
日本の国際的地位が没落してしまう、
そう実感からこそ、原発0の声を上げ始めた、
と感じるのは、筆者だけであろうか。



少なくとも、改めて、原発の是非を考えさせる
契機にはなったことには間違いない。




今週もお読みいただき、ありがとうございました。


皆さんは、いかがお考えですか。

きょうは、伊豆大島で起きた土砂災害を取り上げます。



まずは、この災害で亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、
行方不明の方々が、無事であることをお祈り申し上げます。



今回の土砂災害が発生した時点で、
気象庁の特別警報が出ていなかったこと、
大島町から避難勧告・指示が出ていなかったことが、
特に後者が問題となっている。



後者から書いていきたい。



大島町の川島町長は、避難勧告を出さなかった理由として、
当初、沢の水があふれている中での非難はかえって危険、
として、判断を見送ったとしている。



しかし、遅くとも、災害発生の8時間前には、
気象庁から、広く一般に注意・警戒を
呼びかける注意報・警報とは別の「土砂災害警戒情報」
という、土砂災害に特化した情報を、
東京都と共同で発表している。



そしてその情報が、大島町に伝わっている。
遅くともこの時点で、避難勧告・指示を
出すべきだった、と指摘されている。
これには反論する余地はないと言っていいだろう。



その後も、一定の情報が、
気象庁や東京都から大島町には届いていた。



川島町長は当時島外におり、
一部の情報は、町長に届いていなかったことも判明した。



市区町村長が外に出ることは往々にしてある。
しかし、当時は副町長も島外にいた。
町長に次ぐ責任者も不在だったのである。



少なくとも、台風が近づいている、という時点で、
どちらかが帰島すべきであっただろう。
このことだけでも、大きな問題だ。



伊豆大島は火山島で、
多くの範囲で火山灰がメートル単位で堆積し、
地層を形成している。



直近では、1986年の同島中心に山頂を持つ
三原山の噴火で、島民全員が島外避難をしている。



筆者は、土砂災害が起きた直後の生中継を見て、
被災家屋から臨む映像の奥に、
土砂崩れを起こしている山が、遠く、低く見えたことで、
「これは土石流では?」と直感した。
まだ、土石流といわれる前である。



土砂崩れでは、その範囲は、崩れた所とその周辺にとどまる。
しかし、土石流は、文字通り、土石が流れるので、
その範囲は、下流の広範囲に及ぶ。



筆者は、この土砂災害発生してから、
初めて、火山灰が、通常の土砂に比べて、
土石流を誘発しやすいことを知った。



三原山噴火の全島避難から5年後、
長崎県の雲仙普賢岳噴火で起きた火山灰を含んだ火砕流と、
その火山灰が雨で流された土石流が頻発していた。



その時の記憶が、土石流では、と思わせたのであろう。
実際、今回の土砂災害は、土石流であった。



火山灰のその性質を知らなかった筆者でさえ、
土石流では、と直感させたのだから、
火山灰の恐ろしさを身をもって体験しているのであれば、
伊豆大島は、他地域に比べ、土石流が発生しやすい地域であることは、
町役場なら、当然に知っていたであろう。



であれば、特別警報の発生を待たずに、
気象庁や東京都の情報を待たずに、
避難勧告を躊躇なく出せていたのではないだろうか。



ここで浮かび上がるのが、
大雨の特別警報が出ていなかったことである。



特別警報が出ていないから、まだ大丈夫、
どこかになかったかということである。



今回の台風では、特別警報をだす基準に至っていなかった。
基準値を超えた地点が限定されていたからである。



しかし、警報が出ている時点で、既に尋常ではない状況であるわけで、
特別警報が出ていないから、というのは理由にならない。



特別警報の運用が、反って慢心を招いていなかったか。
菅官房長官が指摘したように、運用等を見直すと同時に、
警報の段階で、「もうまずい。」という認識を、
改めて自治体に持ってもらうようにし、
その態勢整備も、政府や都道府県の積極援助の下、
なされなければならないと感じる。



気象庁は、気象現象に関する注意・警戒は呼びかけられても、
避難勧告・指示の権限は、市区町村にあるのだから。




筆者は、今回の災害は、何とかならなかったのかと、
言う思いを持っています。



このようなことを繰り返さないためにも、
公的機関の連携はもちろんのこと、
一般市民も、普段から防災意識を高めなければならない、
と感じました。

皆さんは、いかがお思いですか?

きょうは、少し前の話題ですが、
他の喫緊の話題で先送りにしていたこの話題です。




先日、最高裁判所において、
婚外子と嫡出子(以下”婚内子”と表現します。)の、
遺産相続分が、前者が後者の半分は、
憲法の「法の下の平等」に反しているとして、違憲との判断を示した。



このこと自体、全く異論の挟む余地のない判断だと評価したい。
なぜなら、生まれてきた子供には、何らの責任もなく、
自身の努力ではどうしようもないことで差をつけられるのは、
差別以外の何物でもないからである。



しかし、それ以外の判断については、理解に苦しむ事だらけだ。



判決文の中で、
「遅くとも平成13年7月当時
(筆者注:本裁判における相続開始時点)において、
 憲法14条1項に違反していたものというべきである。」
としている。



その前の行りでは、「婚姻、家族の形態が著しく多様化しており、
これに伴い、婚姻、家族の在り方に対する国民の意識の多様化が
大きく進んでいることが指摘されている。」
としている。



しかし、なぜ「平成13年7月当時」で線引きできるのか?
多様化しているのであれば、時期で区切ることは、
そもそも無理なのではないか。



いみじくも、別の行りで、
「A(本裁判の原告)の相続の開始時(前での平成13年7月のこと)
 から本決定までの間に開始された他の相続につき、本件規定を
 前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判、遺産の分割の
 協議その他の合意等により確定的なものとなった
 法律関係に影響を及ぼすものではない。」としている。



先の行と併せて要約すれば、
「平成13年7月の時点では、差別は違憲状態だったけど、
 その時から今日の判決までに起きた他の相続については、
 この判決には従わなくていいよ。」
と言っているのである。



もし適用してしまったら、相続時に遡ってやり直さねばならず、
混乱してしまう、ということで出された判断ではあろうが、
これでは、裁判にせず、法律の規定を受け入れた婚外子にとっては、
たまったものではない。



ここで、2つのケースを考えたい。



【ケース1】
 ○登場人物 A、B(Aの配偶者)、C(Aと婚外子Yを設けた)、
       X(AとB)の子、Y(AとCの子)



 このケースでBが亡くなると、Bの財産は、AとXの半分ずつ相続される。
 その後Aが亡くなるとどうなるか。XとYで分けることになる。



 ということは、Bの財産は、間接的に、何らの血縁・姻戚関係のないYに、
 一定の財産が行ってしまうことになる。



 このとき、Xは、Aと同居していた。Bが亡くなる前から一緒だった。

 そして、AとBの財産は、半分ずつ共有の、その家だけだった…。



 Xは、Bの死亡時に、家の持ち分のうち、1/4を得たことになる。
 Aはも1/4を得て、元々の持ち分1/2と併せて、3/4持つことになる。



 そして、今回の判決に従えば、Aの死亡時に、XとYは、3/8ずつ得る。
 従前の規定でも、Yが1/4得ることになる。



 Xは、Aの死亡後に、初めてYの存在を知った。
 それまでは、その家で続いてきたAB夫婦の唯一の子供として、
 その家を継ぐ唯一の存在だと信じていた。



 そこに、その家とは無関係のYが現れて、
 家の所有権のうち、3/8(または1/4)を持たれたしまった。



 これでは、Xの生活基盤を揺るがすことになってしまう。
 Xには何の責任もない。(もちろんYにもだ。)



 Bの遺産も、全くの他人であるYに、
 実の子Xとおなじ分が行ってしまうことも、
 不合理でない、とは言えないのではないだろうか。



【ケース2】
 ○登場人物 A、B(Aの配偶者)、C・D(ともにAとBの子)



 このケースで、Cが生まれたとき、AとBは婚姻届を出していなかった。
 つまり、婚外子ということになる。これは、父親が認知しても、である。



 その後、AとBが、何らかの事情で、入籍することにし、
 そしてDが生まれた。Dは婚内子になる。
 ABCDは、1つの家族して、生活を重ねて行った。



 さらに月日がたち、Aが亡くなった時、Bは半分、
 CとDで残りの半分を分けるが、Cは婚外子ということで、
 Dの半分になってしまった。



 同じ両親の下に生まれたのに、両親の婚姻届提出の時期が違うだけで、
 何らの責任のないCが、Dの半分しかもらえない。



ケース1,2を比べれば、同じ婚外子の問題でも、
状況によって、同じ規定が、全く逆の不合理な結果を招いている。



つまり、相続は家族の問題であり、その家族は、判決が示している通り、
「家族の形態が著しく多様化しており」、一律の線引きなど、
本来物理的に無理でなのである。



なので、争いになった際は、
その家族個別の事情を踏まえて、何が一番当事者双方にとって、
一番良い形になるかを考えて判断がされるべきものである、と考える。



法の下の平等に反する、とした判断は、至極当然だが、
このように、家族個別の事情がある以上、
原則は原則として、その上で、個別事情を
加味して判断するのが、妥当であっただろう。



少なくとも、全く責任のない子供に、
不合理を押し付けるようなことは、絶対に合ってはならない。
不合理がどうしても出るなら、その不合理も平等にすべきである。



しかし、この判決は、それをしなかったことで、大きな火種を、
油に投げ込んでしまったとしか、どう考えても思えない。
問題は、多発してしまうだろう。



親が亡くなってから実は兄弟がいた、ということは、
決して少なくないことなのだから。




今週も、長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。

皆さんは、いかがお考えでしょうか。

きょうは、度重なる事故を起こしている、
JR北海道の話題を取り上げます。




JR北海道の脱線事故を受け、
国土交通省は、ついに、本格的な調査に乗り出した。



JR北海道の事故は、ここ1,2年で、
急に立て続けに発生しているように見られているが、
実は、今回事故のあった函館本線では、
以前にも、貨物列車の脱線事故が起きている。



今回の事故の直前にも、運転士が、
自分のミスを隠すため、列車の安全を維持する装置を、
ハンマーでたたき壊そうとする、
信じられない事件が発覚した。



安全意識などどこへやら、一社員の問題かと思いきや、
線路幅の補修基準を、25年も、
誤って運用していたことも明るみに出た。


その補修基準に反していた箇所を調べると、
特定の管轄に偏っていることも分かった。



これが何を意味するか。組織が、縦割だけならまだしも、
技術の伝承が、個人間レベルでしか継承されず、
基準を知っている技術者がいないところでは、
当然に、それは引き継がれないことになる。



他にも、中間管理職の不足による役員と現場の意思疎通の不足、
かつて大きな力を持っていた労働組合も今は複数に分かれ、
内部では、現場の社員がそのまま組合員であることから、
どういう状態かは、推して知るべしであろう。
常に、外部の干渉を入り込みやすい余地になっている。



この状態を伝聞した時、筆者は、ある、
同じ交通業界の会社を思い浮かべた。



日本航空である。



1985年、ジャンボ機が墜落し、
日本航空(JAL)の内部の問題が、
次々に明るみに出た。



先に書いたJR北の、意思疎通不足、
複数存在し正当な力を発揮できない労働組合、
そして、事故…。



当時、中曽根康弘首相は、外部から、
カネボウ(現クラシエ)の伊藤淳二会長を、
会長として送り込み、組織変革に当たったが、
内部のものすごい抵抗にあい、挫折してしまった。



組織というものは、長年続いたら、
人が入れ替わっても、同じ体質が続くということは、
古今東西、どこにでも言われている。



JALも例外ではなく、その組織のいびつさが続き、
ついに2010年、経営破たんしてしまった。



そこに全権を持った稲盛和夫氏が乗りこみ、
経営再建を果たしたのは、ご承知のとおりである。



JAL再建は、稲盛氏の手腕によるところが大きいが、
経営破たんによって、組織が崩れていたことも、
再建を容易にした要因とも言えるだろう。



現在、JR北海道の鉄道部門は、設立以来赤字を続けている。
政府等の援助がなければ、もはや、組織は立ち行かない。



ならば、いっそのこと、ここで経営破たんさせ、
組織を一から立て直してみてはどうか。



社員のリストラがなければ、労働組合も反対はしないだろう。



本州の他のJR三社と違い、JR北は株式上場していないので、
株式は、実質的に政府が100%持っている。
(名義上は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構。)
代表取締役等重要事項には、閣議の了承も必要だ。



これ以上、北海道民や観光客の生命や、北海道の観光等の経済を、
脅かさないためにも、非常事態なのだから、
JALの再建のように、強力な再建策が求められる。



まだ、経営破たんに陥る状況ではないが、
補助などがなければ、一気にその状況になる。



JALと違って、ライバル会社がない。
放置して破綻してしまったら、北海道経済は、
壊滅状況に陥る。もう、時間はない。



雪の季節は、もう、そこまで来ているのだから。




皆さんは、今回の一連の事故や不祥事を、

どのようにとらえていますか。


本日もお読みいただき、ありがとうございました。

きょうは、政府内で、討されている、
法人に対する復興減税を取り上げます。




週明けに、いよいよ、来年4月に消費税を3%
引き上げるかどうかが決定される。



これまでの動きから、引き上げは規定路線の様相だ。



消費税は、消費者だけでなく、企業間取引でも適用される。
当然に、経営に影響を与える。



そこで、東日本大震災の復興ために設けられた復興特別税を、
法人に限って、前倒しで廃止し、影響を小さくしようと
政府内で議論されている。



財政再建を急ぎたい財務省は当然反対、
企業活動を促進したい経済産業省は賛成と、
霞が関でも割れているほか、
閣内や与党内でも、賛否が分かれている。



安倍首相は、かねてより、労働者の賃金上昇こそ、
日本経済の復活に欠かせないものとして、
経済界に賃金引き上げを再三求めている。



しかし、残念ながら、一部賛同の動きはあるものの、
全体としては、経済界の動きは鈍い。



賃金引き上げは、企業にとっては支出を意味する。
支出が多くなると、その分利益が減る。
利益が減れば経営にはマイナスだ。そうなると株価が下がる。



だから、企業は、儲けたお金を、内部留保として、
家計に例えればタンス預金になっててしまうのだ。
(企業だから、金庫、と言う方が適当か。)



これは、リーマンショック前の
「実感なき好景気」の時に、顕著に表れた。



大手企業が、軒並み、過去最高売上・利益を上げたにもかかわらず、
その大手企業の賃金の動きは鈍かった。
労使交渉では、「不景気になった時の備え」と抗弁していた。



その後のリーマンショックで、景気が急激に冷え込んだことが、
その抗弁を力強く根拠づけ、正当化させてしまった。



家計が潤わないのに、景気が回復するわけがない。
だからこそ、安倍首相は、賃金上昇を唱えるわけである。



ただ、残念ながら、政府の施策として、
それを後押しするものは、弱いと言わざるを得ない。



人件費を増やした企業は、その10%分減税する、
という施策であるが、結局は90%は支出が増えてしまうことになる。
これでは、人件費を増やすインセンティブ(誘因)には成りにくい。



そんな中で、復興減税を実施したとしても、
内部留保に回されるのは明らかである。



内部留保になるということは、市場にお金が出回らない、
ということは、市場が活性化しない。
市場が活性化しない、ということは、
企業の売り上げが上がらない、ということである。



そうなると、さらに内部留保を増やそうとする。
その負のスパイラルが続けば、
企業が自分自身の手足を縛ることになってしまう。



となれば、人件費上昇には程遠くなる。
このスパイラルに、人件費上昇を誘発する形で、
くさびを打たないと、成長戦略は望めない。



そのくさびについては、本欄でも、以前、
労働市場の活性化を上げているが、
そこに載っているので、詳細は割愛したい。

(詳細は、下記をご覧ください
 http://ameblo.jp/depthsofnews/entry-11571587649.html



実は、3年前の今頃から、求人数が増加に転じ、
その勢いも加速し、ついには先月、
前年同月比で、20%増までに達している。



バブル期並みに人手が足りないのに、賃金は減少している。
人がいないと企業は回らないにも関わらずだ。



つまり、企業にとって、人件費は、
それだけ経営を圧迫する、ということである。



であれば、上昇分の10%免税、という、小規模ではなく、
「内部留保を人件費に回したら、翌年度は同額の税金を免除」
するくらいの大胆な施策でないと、企業は動かない。



賃金引き上げ=企業の財務面でのプラスに
なるような施策を出さないと、
自縄自縛状態が続き、アベノミクスは、
失敗に終わってしまうだろう。



安倍首相には、経済界や霞が関、与党内の声を押し切って、

もっと大胆な施策を打ってもらいたい。




今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、いかがお考えですか?

今回は、きのう発売されたiPhone5S、5Cについて取り上げます。



NTTドコモが、ついにiPhoneの販売に踏み切った。
従来から販売している、ソフトバンク、auに続き、
主要大手3キャリアが、そろったことになる。



これまで、ドコモは、iPhoneの販売をアップル社に働きかけていたが、
アップル側から提示された条件が、到底受け入れられるものではなく、
何度となく話が流れていた。



その条件は、
・ドコモのもつ技術を全面提供すること
・販売台数の一定割合を、iPhoneにすること
と伝えられていた。



しかし、5年前に、ソフトバンクがiPhoneを出して以来、
毎年1%以上のペースでシェアを下げていて、
これ以上のシェア低下は見過ごせない状況になった。



一方のアップル社も、日本でこそ、販売機種の一番人気を誇っているが、
世界シェアで見れば、サムスンに大きく水をあけられている。



そういった事情から、双方歩み寄りをして、
ドコモにとっての悲願となる、iPhone販売となった。



ドコモとしては、他社に流れたユーザーが、
戻ってくる際の優遇措置を打ち出すなど、数々の割引制度を整えている。
No.1のプライドをかなぐり捨てて、起死回生を図ろうとしている。



NTTグループという優位性も過去のものとなり、
電波状況も、3社ほとんど変わらなくなってきている。
あとは、各種の割引制度をどこまで充実させるかの消耗戦になる、
という指摘がある。



とりあえずは、ドコモとしては、これ以上の顧客流出を
防げることにはなっただろう。
しかし、流れ出た顧客が戻ってくるか、と言ったら、
2年縛りの面から、劇的な効果は、少なくとも見込めない。



また、ドコモがこれまで築いてきた独自のアプリサービスは、
iPhoneでは使えない。それを愛用してきたドコモユーザーが、
iPhoneに乗り換えるとは、考えにくいのが自然だろう。



その独自サービスで、収益を支えてきた面もある。



となると、ドコモがアップル社から課された販売台数割合が、
どのくらいなのかがカギとなってくる。



割合が大きければ、機種変更でiPhoneをその分強く勧めなければならない。
それはおのずと独自サービスの収益低下につながる。



割合が小さければ、iPhoneに血眼になる必要はなく、
独自サービスの収益は、さほど既存せずに済むが、
国内のシェア回復にはつながりにくい。



また、既存のユーザーがどのくらいiPhoneへの乗り換えを希望しているか、
既にほとんどが他社に流れていった、と考える向きもある。



どちらにしても、少なくとも、ドコモにとってiPhone販売は、
特効薬にはなりえないことになる。



それどころか、iPhone販売に踏み切ったことで、
サムスン初めこれまでドコモに端末を供給してきた従来のメーカーが、
その分ワリを食うことになり、独自サービスにも影を落としかねない。



販売台数割合がどのくらいかが分からないとはいえ、
販売することに変わりないことから、従来のメーカーには、
多少はあるにせよ、台数が減ることは確実であり、
独自サービスの収益も減ることになる。



ただ、先にも話した通り、iPhoneを欲しがる層は、
一定数は流出したことから、大打撃にはならないだろう。
その意味で、禁断のリンゴに手を出した、
というほどの負のインパクトにはならないものと思われる。



となると、後は、3社の体力勝負となってくるが、
早くも、似通った料金体系で落ち着きつつある。



であれば、無理してキャリアを乗り変える動きは少なく、
騒がれているほどの大きな動きにはならないだろう。



買い替えを考えているユーザーは、今は静観するのが一番だと思われる。



1つはっきり言えることは、どのキャリアでも同じ端末が変えるのであれば、
メーカーがどれだけ魅力ある端末を作れるかが今後のカギとなることから、
キャリア主導だった業界の動きが、メーカー主導に変わることだけは、
間違いないだろう。




いかがでしたでしょうか。

今回は、初めて特定業種の話題を取り上げてみました。
皆さんのご感想を、お待ちしています。

今回は、東京に決まった2020年五輪について書きます



国際オリンピック委員会(IOC)は、
2020年の夏季五輪開催地に、東京を選んだ。



決め手は、卓越した開催能力、安定した財政、
そして、原発汚染水に対し、安倍首相が、
「完全にコントロールされている。」と断言したことだ。



本当に大丈夫なのかどうか、
その他に上げる課題も含めて触れていきたい。



【開催能力】
 これについては、過去の実績から、
 誰もが疑問の余地を挟むことはないだろう。



 前回の東京、札幌、長野、2002サッカーW杯、
 その他の協議の五輪予選など多くの国際大会が、
 日本国内で開催されており、申し分のない実績だ。



 ただ、新しい競技場がきちっと作れるかが前提だが、
 それも、プレ大会開催に間に合うよう、
 実質5年も時間があることから、心配は無用だろう。



【安定した財政】
 東京都は、既に4000億円余りの基金を積み立てている。
 1兆を超えると見込まれる開催費用は、できるだけ、
 放映権料、入場料などの収入で賄う、というが、
 これだけの余分があれば、赤字補てんは問題ないだろう。



【原発の問題】
 安倍首相の「コントロールされている。」という発言は、
 ”決意”と受け取るべきであろう。



 何を以てしてコントロールされていると言えるのかにもよるが、
 開催決定直後にもかかわらず、東京電力の幹部社員から、
 「コントロールできているとは言い難い。」という発言が出ている。



 しかし安倍首相は、明瞭な言葉で「未来も問題ない」言いきった。
 これは、事実上の国際公約である。
 これから7年、否応なしに、国際社会から注目される。



 この問題の解決は、すべからく、原発周辺自治体の
 立ち入り規制区域の解除につながることから、
 それを国際公約としたことに、安倍首相の並々ならぬ決意が見て取れる。



 2007年の新潟県中越沖地震で、
 東京電力柏崎刈羽原発で火災が発生した際、
 放射能漏れはなかったにもかかわらず、
 日本代表との対戦を予定していたサッカーイタリア代表は、
 来日をキャンセルした。



 安倍首相が、それを知らないわけがなかろう。
 諸外国が、自国の選手を危険なところにさらすわけにはいかない。
 ”決意”を表明した以上、必ず解決させねばならなくなった。



 根本解決は、原子炉内の燃料棒の取り出し・封じ込めである。
 取り出しは、10年単位の作業であることから、現在、
 建屋にカバーをかける封じ込め作業を進めている。



 汚染水問題と同時に、早くこちらも進めてほしい。



【テロの問題】
 オリンピックは、テロリストにとって、格好のアピール場となる。
 絶対に阻止しなければならない。
 となると、当然に、警備は厳重なものになる。



 島国だから、入ってくるのは容易ではない、と安心はできない。
 なぜなら、今年のボストンマラソンのテロのように、
 犯人が米国内在住で、ずっと準備をしていたからだ。



 長野五輪時長野市在住だった筆者は、
 五輪期間中の物々しい警備を良く覚えている。



 車一台がやっと通れるような裏道でさえも、
 ずっとパトカーが行き来していた。



 五輪開催地ではなかった上田市の新幹線上田駅にも、
 警察官が警備していた。駅だけなく、
 トンネルに入り口上にも警備が配置されていたという。



 「五輪会場はコンパクトだから。」という向きもあるが、
 会場エリア外でも、東京都内なら、
 例えば、東京都庁などは、格好の対象だろう。



 市民生活が不便になるくらいの警備が求められる。
 私たちにも、その覚悟が必要である。



【IOCのごり押し】
 今回のIOC総会で、「そこまでIOCの権限は強いのか。」
 と感じられた方も多いだろう。



 IOCは、非政府組織であり、そもそもは、
 スポーツを愛する欧州貴族のサロンだった。
 今も、その名残が残っている。



 先日任期満了で退任した、ジャック・ロゲ前会長は、
 できるだけ明文化したガバナンスを進めてきて、
 その名残も、だいぶ少なくはなっているが、
 それでも、個々の委員のもつ影響力は大きい。



 長野五輪では、前回のリレハンメル五輪で
 公開競技にもなっていなかったスノーボードを、
 爆発的な人気急上昇により、IOCは、
 というより、当時のファン・アントニオ・サマランチ会長は、
 いきなり正式種目にするよう、長野五輪組織委員会に迫った。



 先日、新会長になった、トーマス・バッハ氏は、かねてから、
 ロゲ前会長が進めてきた肥大化阻止路線には、一歩距離を置いていた。


 会長就任後、早速、野球・ソフトボールの復活に対し、
 「数週間内に、何らかの結論を出さねばならない。」と、
 復活に向けた含みのある発言をしている。



 もっとも、野球・ソフトボールの復活なら、
 日本にとって望むところだが、その他のことも
 いろいろ出てくるであろう。



【最後は市民の、お・も・て・な・し】
 7年でいろんな問題が出てくるだろうが、
 先週でも触れたように、高い開催能力は、
 実は、私たち一般市民の草の根の活動が、
 元選手のIOC委員に強烈な印象を与えている。



 2002年のW杯でも、外国から来たサポーターが、
 母国に帰って、日本での大歓迎ぶりを伝えているという。



 今回の五輪招致に、どちらかというと否定的な意見も、
 少ないとは言えなかったが、もう、決まった以上、
 外国人がこれから多く日本を訪れる。
 その人たちを、「五輪反対だから」といって、
 歓迎しない人は、いないだろう。



 だからといって、私たちが、
 何か特別なことを意識する必要はない。
 これまで通り、安心して楽しんでもらえるように、
 今まで通りのことをすればよいだけだ。
 新しいアイデアは、その延長線上で出てくる。



 今週も、長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
 皆さんは、どのようにとらえていますか?
 

今回は、明日早朝に決定する、2020年五輪開催地について書きます。



国際オリンピック委員会(IOC)の総会が、
アルゼンチンのブエノスアイレスで、
日本時間のきょう午後9時前(現地時間午前9時前)から開かれる。



ジャック・ロゲ会長の後継会長選挙、
夏季五輪に残す種目と併せて、
2020年夏季五輪開催地が、その総会の中で決定される。



候補地は、ご存じの通り、スペインのマドリッド、
トルコのイスタンブール、そして、東京だ。



情勢は刻々と変化し、3日前までは東京が有利だったが、
福島原発の汚染水問題やマドリッドの激しいロビー活動で、
日本時間の昨日夜までは、マドリッドがやや優勢と伝えられていた。



投稿時(日本時間7日午前0時過ぎ、現地時間6日正午過ぎ)では、
東京もわずかな差を追いつき、イスタンブールも猛追し、
2都市のすぐ後ろまで追いつきつつある、という話が、
現地から伝わっている。



よって、どの都市も、過半数の支持を集めていないとみられている。
(ただ、皆さんがこれを読まれる頃は、全く違った情勢かもしれない。)



投票は、103人のIOC委員のうち、
ロゲ会長と開催候補地の国の委員(今回はスペイン3、トルコ1、日本1)
を除いた97人で行われる。



一部で、東京かマドリッドが、1回目の投票で過半数を得る、
との報道もあるが、それは、希望的観測、悪い言い方をすれば、
IOC委員に対する、勝ち馬に乗らせようとする心理的誘導であろう。



そうなると、カギは、決選から漏れた都市に、
1回目の投票で入れた委員が、残った2都市のどちらかに入れるかだ。
また、1回目の投票で、自都市に入れてくれた票をどれだけつなぎとめるか、
かつ、相手に入れた票をどれだけ奪えるかも、絡んでくる。



イスタンブールの弱みは隣国シリアの内戦、
マドリッドの弱みは財政危機、東京の弱みは原発である。



逆に強みは、東京は開催能力の高さ、マドリッドは既存施設の使用、
そしてイスタンブールは、「初のイスラム圏開催」という大義名分である。



しかし、既存施設の使用は、東京も同じである。
また、初のイスラム圏開催は、他の、これから五輪開催を狙う
イスラム諸国にとっては、先を越されることで、逆に支持を得られていない。



それに、一番IOC委員が気にするのは、やはり、開催能力である。
トルコの場合、内戦だけでなく、デモのこともあり、
円滑開催が望めない、とされており、
そうなれば、東京が圧倒的優位なはずである。



ではなぜ、財政危機で開催能力が危ぶまれているマドリッドが、
開催能力を買われている東京を、一時リードしていたのだろうか。



1つは、IOC委員の地域の偏在である。
委員103人のうち、44人はヨーロッパ出身である。



ただし、1回目の投票では、先に書いた通り、
ロゲ会長とスペイン・トルコの委員は投票できないことから、
39人になる。とはいえ、多さでは群を抜いていることに変わりない。



アジアは、その約半分の23人しかいない。(投票は日本を除く22人。)
アフリカは、さらにその約半分の12人しかいない。



また、南米各国は、スペインからの移民も多く、
スペインに親近感を持っている国も多い。



マドリッドは、2012年から続けての3回目の立候補である。
2012年は、同じ欧州のロンドン、
2016年は、大本命と言われていながら、連続欧州開催が、
IOCの掲げる大陸間の公平性から難点となった上、
初の南米開催という説得力の強いスローガンを掲げた、
リオデジャネイロに決まった。



今回は、欧州連続開催という難点はない上、
東京に、「史上初の…」というスローガンはない。
そして、財政危機は、実は大きな追い風となっているのだ。



というのは、もし、財政危機が理由でマドリッドが落選したら、
欧州経済危機は、やはり深刻、ということになりかねない。
欧州各国としては、それが引き金になって再び混乱することは絶対に避けたい。



だから、マドリッドをなんとしも開催地にして、
経済危機はもはや過去のものとしたい、という思惑から、
欧州各国の結束を、皮肉にも、誘っている。



そして日本が原発の問題に、明確な安全性を示せず、
IOC委員の安心感を得られていないことが、何より一番大きい。



なので、一時は、マドリッドに決まりそうな趨勢だった。



日本政府が、十分な議論も尽くさないまま、
皇室の政治利用の批判を受けてまで、高円宮久子妃殿下を、
プレゼンテーションの場に出席させることしたことが、
東京側もその認識であることを、いみじくも示唆してしまった。



では、東京が招致を得るためには、何が必要か?
それは、最後のプレゼンテーションである。



前提にあるのは、投票は無記名である、ということだ。



まず、欧州の結束は、本物かどうか疑わしい、ということだ。
少なくとも、投票行動に必ずしも結びつくとは限らない。
なにせ、無記名投票なのだから。



実は、2012年招致でロンドンに敗れたパリが、
1924年開催以来100年ぶりの2024年、
つまり次回の五輪招致を目指している。



先に書いたように、欧州連続開催は非常に不利だ。
2024年という年に開催する意義がある以上、2028年以降では意味はなく、
今回は、3都市のうち唯一欧州でない東京に決まってほしいのが

本音とみてよいだろう。



フランスは委員2人を出している。また、アフリカ各国の中には、
フランスの植民地だったことから、公用語をフランス語としている国もある。



フランスの委員が、1回目の投票で結束を示すために
マドリッドに入れたとしても、2回目は、1回目で義理を果たしたとして、
本意に沿った投票行動にでることも十分ありうる。



もう1つ、総会の中で行われるIOC会長選挙では、
ドイツのバッハ氏が、目下最有力と言われている。



「開催地も会長も欧州。」となると、ここでも、
大陸間の公平性が問われることから、
ドイツとしては、やはり東京に決まってほしいのが、
本音とみてよいだろう。そのドイツの委員も、2人だ。



そして何より、やはり開催能力の高さをプレゼンで改めてPRし、
IOC委員を安心させることができる場があるということだ。



開催能力がなぜそこまで評価されているのか、
今のIOC委員の中には、1964年の東京五輪の選手もいる。
その時に良い印象を持っている元選手も多いという。



時代を超えて、98年長野五輪や2002年のサッカーW杯での、
市民の草の根の活動からくるもてなしは、今も世界の評価が非常に高い。
開催能力評価は、インフラが整っているだけではないのだ。



外国メディアから、福島の質問が相次いでいるのは、実は、
欧州の委員も含めて、本音では開催能力の高い東京を望んでおり、
その安心を取り付けたい裏返しなのだ。



事実、イギリスの公共放送BBCの記者は、
招致委員会の竹田理事長がうまく説明できなかったことに対し、
(政府や東電の人間ではないのだから当たり前ではあるが)
「日本側の説明には、がっかりした。」と言っている。



先に書いた通り、これが、IOC委員が東京投票に躊躇する、
一番大きな、というか唯一の、非常に大きな一因となっている。



しかし、プレゼンでは、安倍首相自ら乗り出して説明する。
不安を払しょくできる絶好の機会である。



他の2都市は、PRできる材料は、すでに出尽くしている。
東京より、プレゼンで得られるアドバンテージ
は多くなく、
よほどのサプライズがない限り、難しい。



となると、安倍首相が、プレゼンで、安全性を確保できる具体策を示せるか、
IOC委員の質問に、安心させる答えが、如何にできるかがカギになってくる。



開催地の○○○○○に、「マドリッド」ではなく、

「TOKYO」となるかどうか、「あべそうり」がキーパーソンとなってきた。




非常に長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、東京開催を望んでいますか?いませんか?



筆者は、本ブログを書くに当たって重視している、客観・公平の趣旨から、
決まっていない現段階で、どちらかは明らかにしませんが、
もし東京に決まったら、長野や2002W杯の時のように、
できることで具体的な活動貢献をしたい、と考えています。

今回は、緊迫するシリア情勢を取り上げます。



シリアの内戦において、アサド政権側が、
化学兵器を一般市民に使ったとして、
アメリカが、単独での攻撃をも辞さない構えを見せている。



しかし、フランスこそ攻撃に加わる姿勢を示しているものの、
イギリスは、国会の議決において、攻撃への不支持を示したため、
キャメロン政権は、攻撃に加わらないことを表明した。



ロシアは、かねてより攻撃には反対で、中国もそれを支持している。



国連の常任理事国だけでも、ここまで対応が分かれているだけでなく、
肝心のアメリカ国民が、賛成の倍近い反対の世論調査結果が出ている。



なのに、なぜオバマ政権は、攻撃をしない、
ということを選択肢に入れていないのか。



化学兵器は、「貧者の核兵器」と呼ばれており、非常に安価で、
核兵器ほどではないが、殺傷能力の高い兵器である。
身近な薬品や化学物質で製造できることから、
テロの道具としても使われやすい。



実際、今回使用されたとされるサリンは、我が国で、
1994年の松本サリン事件、翌年の地下鉄サリン事件で、
オウム真理教が使用し、一般市民が犠牲になっている。



アメリカ政府が、国民の反対を押し切っても、
今回、攻撃に踏み切ろうとしているのは、
化学兵器がテロリストの手に渡り、
それを使用されるのを恐れているからである。



アサド政権側は、「使ったのは(敵の)反政府軍だ。」と主張し、
その反政府軍も、政権が使ったと主張している。
つまり、自分たちではなく、相手に責任があるとしている。



また、化学兵器を使った、という明確な証拠が、
まだ出ていないことも、各国の足並みの乱れや、
アメリカ国内の世論の反対を大きくしている。



10年前のイラク戦争の時も、ある、と言われていた
イラク国内の大量破壊兵器は、結局は見つからなかった、
という苦い経験も背景にある。



それに、シリアを攻撃したとしても、
それが歯止めになるかどうかも疑問という声もある。



とはいえ、アメリカ政府は、化学兵器が
使われたこと自体の証拠は、つかんだのであろう。
だから、テロリストにわたらせないため、
一定の行動を起こさざるを得ないのである。



なので、オバマ大統領は「攻撃は限定的」として、
世論や各国に配慮しつつテロリストをけん制するために、
軍事施設を狙った小規模の空爆で終わらせることを示唆している。



そこで、我が国が取るべき立場は、ということになる。



テロに対する危険性は、我が国でも十分起きうる。
何より、先に述べたように、サリンは、日本国内で、
テロの道具として使われ、国民に犠牲者が出ている。



既に、安倍首相が「政権側に責任がある。」と述べているのだから、
”テロを防止する意味で”とした上で、
「どちらが使用したかにかかわらず、政権が国家の責任を負っているのだから、
 テロに使われないよう、アサド大統領には、その意味で責任がある。」
ということまでは、明確にした方が良いのではないだろうか。



こうすれば、政権側が使ったという明確な証拠がなくても、
アサド政権をけん制できるし、アサド政権を支持している
ロシアとの関係も損ねない。



そして、なにより、日本も、テロは絶対許さない、という
メッセージを明確に発信でき、
核兵器をも開発した北朝鮮に対しても、けん制できる。



集団的自衛権の政府解釈を変えようというのなら、
もっと、普段からの立場を明確にする必要があるのではないだろうか。




今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、いかがお考えでしょうか。


攻撃は不可避でしょうが、人身に被害が及ばないことを、
節に祈るばかりです。