Column71.JAL並の経営再建を、JR北海道。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、度重なる事故を起こしている、
JR北海道の話題を取り上げます。




JR北海道の脱線事故を受け、
国土交通省は、ついに、本格的な調査に乗り出した。



JR北海道の事故は、ここ1,2年で、
急に立て続けに発生しているように見られているが、
実は、今回事故のあった函館本線では、
以前にも、貨物列車の脱線事故が起きている。



今回の事故の直前にも、運転士が、
自分のミスを隠すため、列車の安全を維持する装置を、
ハンマーでたたき壊そうとする、
信じられない事件が発覚した。



安全意識などどこへやら、一社員の問題かと思いきや、
線路幅の補修基準を、25年も、
誤って運用していたことも明るみに出た。


その補修基準に反していた箇所を調べると、
特定の管轄に偏っていることも分かった。



これが何を意味するか。組織が、縦割だけならまだしも、
技術の伝承が、個人間レベルでしか継承されず、
基準を知っている技術者がいないところでは、
当然に、それは引き継がれないことになる。



他にも、中間管理職の不足による役員と現場の意思疎通の不足、
かつて大きな力を持っていた労働組合も今は複数に分かれ、
内部では、現場の社員がそのまま組合員であることから、
どういう状態かは、推して知るべしであろう。
常に、外部の干渉を入り込みやすい余地になっている。



この状態を伝聞した時、筆者は、ある、
同じ交通業界の会社を思い浮かべた。



日本航空である。



1985年、ジャンボ機が墜落し、
日本航空(JAL)の内部の問題が、
次々に明るみに出た。



先に書いたJR北の、意思疎通不足、
複数存在し正当な力を発揮できない労働組合、
そして、事故…。



当時、中曽根康弘首相は、外部から、
カネボウ(現クラシエ)の伊藤淳二会長を、
会長として送り込み、組織変革に当たったが、
内部のものすごい抵抗にあい、挫折してしまった。



組織というものは、長年続いたら、
人が入れ替わっても、同じ体質が続くということは、
古今東西、どこにでも言われている。



JALも例外ではなく、その組織のいびつさが続き、
ついに2010年、経営破たんしてしまった。



そこに全権を持った稲盛和夫氏が乗りこみ、
経営再建を果たしたのは、ご承知のとおりである。



JAL再建は、稲盛氏の手腕によるところが大きいが、
経営破たんによって、組織が崩れていたことも、
再建を容易にした要因とも言えるだろう。



現在、JR北海道の鉄道部門は、設立以来赤字を続けている。
政府等の援助がなければ、もはや、組織は立ち行かない。



ならば、いっそのこと、ここで経営破たんさせ、
組織を一から立て直してみてはどうか。



社員のリストラがなければ、労働組合も反対はしないだろう。



本州の他のJR三社と違い、JR北は株式上場していないので、
株式は、実質的に政府が100%持っている。
(名義上は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構。)
代表取締役等重要事項には、閣議の了承も必要だ。



これ以上、北海道民や観光客の生命や、北海道の観光等の経済を、
脅かさないためにも、非常事態なのだから、
JALの再建のように、強力な再建策が求められる。



まだ、経営破たんに陥る状況ではないが、
補助などがなければ、一気にその状況になる。



JALと違って、ライバル会社がない。
放置して破綻してしまったら、北海道経済は、
壊滅状況に陥る。もう、時間はない。



雪の季節は、もう、そこまで来ているのだから。




皆さんは、今回の一連の事故や不祥事を、

どのようにとらえていますか。


本日もお読みいただき、ありがとうございました。