きょうは、小泉元首相の、最近の
原発0を求める一連の発言を取り上げます。
先週、それまで、各地の講演などで、
脱原発発言をしていた小泉首相が、
初めて、テレビカメラの前で、脱原発を主張した。
小泉氏が脱原発の考え方を持ったのは、
外国での、核廃棄物の最終処分場の現状を見て、
日本での原発では、到底処理できない、
と感じたからだと言われている。
確かに、未だ、廃棄物の最終処分場が決まっておらず、
しかも、その半減期が万年単位であることを考えると、
今、ここで原子力発電を続けていたら、
核のゴミであふれかえってしまうことは容易に想像できる。
小泉氏が所属している自民党は、
従来、原子力発言を推進してきた。
その小泉氏も、党総裁、つまり総理の時は、
その政策を変更することはなかった。
退任してからも、特に触れることはなかったが、
東京五輪の招致が成功した直後から、その声を上げ始めた。
東京五輪の招致成功は、何といっても、安倍首相の、
「福島の汚染水は、完全にコントロールされている。」
の発言によるところが、最後の決め手になったと言われている。
しかし現状は、コントロールできていないことは明白だ。
7年後、この状態では、外国が、自国の選手を派遣しないことが、
起きてもおかしくはない恐れが出てきている。
小泉氏は、外国での視察を契機として、
その恐れが非常に高いことを、独特の嗅覚で、
感じ取っているのかもしれない。
それまで、原発反対派も言ってこなかった、
「最終処分場が決まっていないのに、作るわけにはいかない。」
という発言が、その発言の本気度を感じさせる。
不思議なことに、原発推進政策を改めて取ることにした自民党からは、
「発言の真意を確かめたい。」として、
いらだちを隠して、推移をみている様子がうかがえる。
従来の原発反対派からは、社民党の福島前党首が、
「連携を取りたい。」と言っている程度で、
他からはそのような声は聞こえない。
他には、自身の経験から原発事故の悲惨さを身にしみた菅元首相が、
一緒に行動できることを期待する発言が聞かれるのみだ。
自民党の小泉氏とは、従来の原発反対派は手を組めないのだろうか。
小泉氏は、それらすべての動きを見切って、
今、声を上げ始めたように思える。
何より、国際社会の、福島を見る注目度は、
日本国内で感じられているより、はるかに大きい。
東京五輪まで解決させないと、本当に、
日本の国際的地位が没落してしまう、
そう実感からこそ、原発0の声を上げ始めた、
と感じるのは、筆者だけであろうか。
少なくとも、改めて、原発の是非を考えさせる
契機にはなったことには間違いない。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、いかがお考えですか。