パラレルワールドを題材にした作品は、数あるが、

これほどリアリティがあるものは お目にかかったことは、ない。

 

実際に時間移動できるか 想像力を研ぎ澄まさない限り到達できないこと

 

それは、得るものが ある場合 同時に失うものが生じるという点である。

 

この物語の悟は、リバイバルという能力で現在起きた不都合な現実を

過去に遡り修正できる。

 

小学生の時に起きた連続殺人事件から母親が殺害されその容疑が

自分に掛かった時点から 大幅なリバイバルで 

小学生まで戻り 真相を解明し自分の思う平和を敢行する

 

只 その代償は 自分の死という終りなのだが・・・

 

 

パラレルワールドとは、幾つかの展開と結末が存在し

最終的には ひとつに収束される。

(ひとつの答えに辿りつく 前段階でそれを、受け止めてもよいし

途中経過で、それを選択もあるえるという話)

 

 

主人公悟は、過去に遡り 本来殺される同級生の女の子を救う

 

その女の子が、書いた作文のタイトルが

 

わたしのいない街

 

母子家庭のその子は 虐待されていて

大人も子供もいない無人島のようなところにいき

自由な生活することに想いを巡らすのだった。

 

主人公の悟も 同じく母子家庭だが、石田ゆりこ扮する母親の

愛情をうけ正義感強い子に育つ

 

結果的に何度かのやり直しで その子の命を救うことは、できるが

真犯人を確保しないが 為 

別な場所で、同様に小学生殺人事件は おこなわれ

 

最初のタイムラインで死ななかった子が死ぬことに、なる

 

主人公がした行為は、明らかな善意で、あるにも関わらず

一方で あらたなシナリオが 作られ別の被害者がでる。

 

ドラマの中でも はじめの事故では、仕事先のピザやの子が

目を覚ました時横にいたが

 

パラレルが進むうちに関連性が消え 関わりが無くなることに、

 

代わって わたしのいない街を書いた女の子が傍らにいた。

「おとなになったんだ・・」

女の子の口癖だった

「ばかなの?」が 心地いい

 

すべての発端、原因を 解決しなければならないと

主人公は 考えるのだが

これも 分岐点の一つであることを 注意しなければならなかった。

 

かっての同級生は、弁護士になっており

その原因となっていたのは 、主人公の行動からの

流れであることを改めて説明しつつ 物語は終盤に向かう。

 

真犯人は子供の頃から知っているかっての教師、そして今は

政治家となり名前を 変えていた。

 

リバイバルで 小学生時の犯罪を未然に、防ぐ

未来を知り 見かけは子供でありながら中身は大人の

名探偵コナン状態で なんどもやりなおせたのだから

それ程の成果とは 思えないが 自分の周りの不幸を回避したのは

確かなので主人公的には、よしなのであろう

 

悪党である連続殺人者の言い分には、

賛同こそできないが、教職者として生徒に接したジレンマでもあるのかもしれない。

 

かれが狙うのは 虐待されている児童が主だった。

 

虐待されている児童を助けるのは、一般の人が考えるより困難だ。

この物語に出てくる虐待されてた女の子が標的から外されたのも

実は、主人公たちが一丸となってその問題に、向き合うことで

解決の兆しが見え 犯人の主旨から反れただけの話だ。

 

毎日、毎日 逃げ場のない 虐待の輪廻から 

友達からそんな姿を見られたくない 知られたくない

これから 先の何年が どれほど長く感じるか

耐えうるものなのか 

 

なんとかできるなら してあげたい

でも それは 長い時間が必要で、あり

また 沢山の助けを求める手が、あると感じた

 

犯人は そこから 解放という手段として

死による終りの救いに辿りついたのだろう。

 

ここで 誤解の無いように付け加えるなら 

 

物語の序盤で 主人公の母親が刺され救急車を呼ぶ場面が、

あるが

当然 呼ぶ方は 一分一秒でも 早く来て欲しいと

願うだろう。

それは だれでも 同じだろうし その仕組みも

わかってる筈

 

なのに 現実は どうだろうか?

 

明らかに救急車が来てても 道を譲らない車

急に走り出して横断歩道を渡る歩行者

いつまでも 途切れない歩行者の列・・・

 

自分が 運ばれた時 もしくは 親愛なるものが

搬送されたとき 

 

何を願う ?

 

はっきり 関係のない人の命と 一分一秒を争わないあなたの行動の

重みが問われる時 そのものの本質が見える

 

虐待されているものの気持ちを 考え 想いを巡らせ

極端な結果を導いた者が 導いた答えは、

 

少なくとも この物語の主人公より 劣るだろうが

 

無関心で 見てみないふり興味をもたない人間よりは

 

はるかに 心を痛め 苦しんだ人間であり

そこまで 追い詰めたのが やさしさのないその他大勢だということだ。

 

わずかな 思いやりや優しさを みんなが持ってれば

この物語の悪党は 本来うまれでないものだ。

 

そして そんな すべてのツケを清算するかのように

この物語の主人公は 

「正義の味方は、死なないさ」を最後に

この世から消える。

 

ぼくだけが いない街

 

最終的に辿りついた結末が これなのが 悲しい・・・

 

正義のヒーローが ひとり がんばるより

みんなが ちいさな勇気を持ち寄るべきなんだろうな・・・