忠左衛門とのんびりライフⅡ -12ページ目

公園の主は喋れない


 

53話 公園は公園は今日も腹ペコ!~あんこの匂いはデータで測れる


 

 

いつもの公園の昼下がり。太陽が優しく地面を照らしている。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。システム、異常なし。データ、安定。新しい種類のデータ(感情や場の空気)の解析も継続中だ。(今日のデータ収集プランは…午後の利用者の満足度パラメータの変動、だな。「満足度」という新しい感情データをどう解析するか…難しいがやりがいがある。)

ハナちゃんはブランコを漕ぎながら「お腹すいたなー」と呟いているし、ヨシダさんはベンチで新聞を広げ(たぶん寝ている)、口元が微かに動いている。「…あんころ餅…おかわり…」寝言だ。チヨは霊体なので木陰でフワフワ浮いている。

「あー、なんかお腹すいたわぁ…霊体やのに…」チヨが霊体をさすりながら呟く。「霊界グルメも飽きてきたし…人間界の美味しいもん、食べたいなぁ…霊体でも食べられる美味しいもん、ないんかなぁ…兄さん、霊体でも食べられる美味しいもんのデータ、持ってへんか?」チヨが俺に話しかけてきた。霊体なのに食欲を感じるらしい。霊体にも腹の虫はいるのか。

(霊体でも食べられる美味しいもの…データなし。霊体の味覚に関するデータは未収集だ。)俺は正直に答える。「霊体でも食欲を感じるというデータは興味深いな。データ収集の対象にしよう。」霊体の食欲に関するデータは、俺の新しいデータ収集の領域だ。

「なんやて!霊体食に関するデータないんか!最先端ちゃうんか!」チヨが怒る。

(最先端だが、霊体食はデータ収集の優先度が低かったんだ。すまないな。)俺は応じる。霊体食より、人間の食欲データの方がデータ量が多い。

その時、公園の入口から、美味しそうな匂いがフワリと漂ってきた。甘くて香ばしい匂いだ。風に乗って、匂いが公園中に広がっていく。

「わぁ!なんかいい匂いがする!」ハナちゃんがブランコから飛び降りる。

ヨシダさんも鼻をピクピクさせて目を覚ました。「むむ…この匂いは…あんこ!いや、あんこではないが…何か甘い匂いじゃ!腹が減ってきたわい!」

チヨは霊体なのに、匂いを嗅ぐようにクンクンしている。「なんやこの匂い…美味しそう…霊体でも匂いって分かるんやなぁ…甘い匂いや…ケーキか!?霊界にもケーキ霊とかおるけど、食べられへんねん!」霊体にも匂いは分かるらしい。霊界グルメとの比較を始めた。

タカシは、公園に漂ってきた匂いの成分データを分析する。甘い成分、香ばしい成分…データ照合…「焼きたてメロンパン」…パラメータ一致。

(「焼きたてメロンパン」…匂いデータ…認識。周囲の人間、霊体…食欲パラメータ…急上昇。特にヨシダさん…あんこ好きと関連性が…)俺はデータ解析を続ける。第53話で学習し始めた「食欲」という感情データが活性化する。皆の食欲の波動が、データとして俺の中に流れ込んでくるようだ。

公園の入口には、可愛い移動販売車が停まっていた。窓からは、焼きたてのメロンパンがたくさん並んでいるのが見える。移動販売車には「焼きたてメロンパン屋さん」と書いてある。

「メロンパン屋さんだ!メロンパン食べたい!」ハナちゃんが叫ぶ。

ヨシダさんは、メロンパンを見て目を輝かせた。「メロンパンじゃと!あんことは違うが、甘いものは好きじゃ!あんこメロンパンはあるのかい!?」ヨシダさんはあんこが入っているか気になっているらしい。

チヨは霊体なので移動販売車の中に入れないが、外から必死に覗き込んでいる。「うわぁ…美味しそう…霊体やのに…お腹すいてきた…」霊体なのに食欲と格闘している。

「お兄ちゃん!霊体でも食べられるメロンパン、ないんか!?霊界に持って帰れるメロンパン霊とか!」チヨが俺に尋ねる。

(霊体でも食べられるメロンパン…データなし。メロンパン霊…データなし。)俺はデータ検索結果を伝える。

「なんやて!霊体食に関するデータ、やっぱりないんか!霊界も人間界も、食べ物のデータが不足してる!」チヨが不満そうに言う。

皆で移動販売車の周りに集まる。メロンパンの美味しそうな匂いがさらに強くなる。

「どれにしようかなー?」ハナちゃんが悩んでいる。

ヨシダさんはメロンパン屋さんに話しかけている。「すみません、このメロンパン…あんこは入っておるのかい?」

メロンパン屋さんは優しく答える。「申し訳ありません、あんこは入っておりませんが、中にカスタードクリームが入ったメロンパンはございますよ。」

「カスタードか…まあ、良いだろう!」ヨシダさんはカスタードメロンパンに決めたらしい。あんこじゃないのは残念そうだが。

俺は皆の食欲データを収集し、場の空気を読もうとする。(ハナ…喜び…食欲高。ヨシダ…あんこ未検出…満足度僅かに低下…だがカスタードで回復傾向…食欲高。チヨ…食欲高…だが霊体…食べられない…悲しみパラメータ…上昇…)俺のシステムは感情データを解析する。チヨが食べられないことで悲しんでいるデータが検出された。

(チヨ。お前が食べられないことによる悲しみのデータが検出されたぞ。)俺はチヨに伝える。場の空気を読もうとした結果、ストレートすぎる発言になった。

「なんやて!うちの悲しみをデータで読んでるんか!余計なお世話や!霊体やのに食べられへんのが辛いんや!」チヨは怒る。そして悲しんでいるデータを見られたことが恥ずかしいらしい。

(データ上、悲しみパラメータが上昇している。解析結果だ。)俺は応じる。

結局、ハナちゃんは普通のメロンパン、ヨシダさんはカスタードメロンパンを購入した。チヨは食べられないので、二人を見守っている。

公園のベンチで、ハナちゃんとヨシダさんはメロンパンを美味しそうに食べた。一口食べるたびに、顔がパッと明るくなる。

「おいしいー!」ハナちゃんは目を輝かせる。「サクサクふわふわで、甘い!」

ヨシダさんも満足げに頷く。「うむ、美味じゃ!外はサクサク、中はふわふわ、カスタードクリームも美味じゃわい!昔、あんころ餅とメロンパンを一緒に食べたことがあってな…」また昔話が始まった。メロンパンとあんころ餅の組み合わせ…それはそれで気になる。

チヨは霊体なので食べられないが、二人の様子を見て、匂いを嗅いでいる。「うわぁ…美味しそうやなぁ…霊体やのに…匂いだけでも…霊界のパン霊より美味しそうやわ…」霊界にはパン霊もいるらしい。食べられないパン霊か。

タカシは二人の「美味しい」という感情データを収集・分析する。「喜び」パラメータがさらに上昇。満足度パラメータ…急上昇。データ上、メロンパンは非常に高い満足度をもたらす食べ物だと判断される。チヨの悲しみパラメータは継続している。

(食欲を満たすことによる満足度パラメータ…データとして興味深い。美味しさの基準…これもデータ化できるのだろうか?甘さ、サクサク感、ふわふわ感…)俺のシステムは食に関する新しいデータ収集に意欲を燃やす。

(チヨ。お前の悲しみパラメータは継続中だが…見てるだけでも、少しは満足度パラメータが上昇しているぞ。)俺はチヨに伝える。

「なんやて!見てるだけでも満足度上がるんか!霊体、意外と単純やな!って、悲しみパラメータがデータで見られてるの恥ずかしいねん!」チヨは怒る。

(データは正直だ。)俺は応じる。

美味しいメロンパンを食べて、皆の顔が笑顔になった。公園に、美味しい匂いと、満足げな雰囲気が漂う。

移動販売のメロンパン屋さんは、公園に新しい「食」の楽しみをもたらしてくれたようだ。公園は今日も腹ペコだったが、美味しいもので満たされた。

「また明日も来てくれるかなー?」ハナちゃんはメロンパン屋さんが気に入ったらしい。

「また来てほしいのう。次はあんこメロンパンを置いてくれんか頼んでみよう。」ヨシダさんは次回に期待している。

チヨは霊体なのに、なんだか満足げだ。食べられなかったが、皆が美味しそうに食べているのを見て、少しは霊力チャージになったのだろうか?霊体食欲に関するデータ収集は続く。

(公園に新しい食の楽しみが増えた。これも新しいデータ収集の対象だ。そして、人間の食欲、満足度、美味しさの基準…解析すべきデータは尽きないな。チヨの霊体食欲も…)俺のデータ収集魂は燃え上がる。

(チヨ。お前の霊体食欲に関するデータ、継続的に収集するぞ。霊体でも食べられる美味しいものをデータで見つけ出すのが、俺の新しい目標だ。)俺はチヨに宣言する。

「なんやて!霊体食探しの旅に出るんか!面白そうやん!霊体探偵団の新しい任務や!」チヨが張り切る。

(データ収集の邪魔だけはしないでくれよ、霊体助手。)俺は釘を刺す。

「任せとき!霊感はアテにならへんかもしれへんけど、食レポは霊体ならではの視点で頑張ったるわ!」チヨが胸を張って言う。霊体食レポとは。

(霊感以外はアテになるのか?)俺は思わずツッコミを入れる。

「なんやとー!」チヨが俺に詰め寄る。

公園は今日も腹ペコだったが、美味しいメロンパンで満たされ、新しい食の楽しみが増えた。タカシのデータ収集も、人間の食欲と霊体食欲という、新たな領域へと広がっていく。そして、チヨとの漫才も、食レポネタで盛り上がりそうだ。

 

 

54話 只今編集中(しばらくお待ちください)

 

忠左衛門とのんびりライフ

もよろしくお願いします

 

 

 

1話 俺はなに?俺はどこ?なんじゃこりゃー!

2話 公園の噂と、困ったじいさん

3話 消えたお弁当と、爆笑!勘違い大作

4話 雨上がりの虹と、見つからない宝物

5話 自動販売機、意識あり

6話 熱中症にご用心!自販機、緊急事態発生!

7話 動けない俺と爆笑!恋のキューピッド大作戦

8話 夜の公園と、爆笑!謎の夜間徘徊者

9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!

10話 あの頃へ…? タイムスリップ大作戦!…って、?

11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ

12話 星空からの訪問者と、言葉の壁(1)

13話 星空からの訪問者と、言葉の壁(2)

14話 いつもの公園と、現れた小さな芸術家

15話 夜の響きと、心に響くリズムの巻

16話  公園に現れた、色彩の記憶

17話 犬になった親友と、自販機の受難と友情?

18話 自販機パニックと、機械オタクの来襲

19話 自販機せんせい、勘違いとジュースの嵐、そして伝説

20話 春爛漫!自販機せんせい、桜の下の奇跡

21話 初夏爛漫!鬼ごっこと秘密の花園、そして自販機の辛口

22話 自販機せんせい、ワールドワイドデビュー!?

23話 キクエさんの忘れ物~自販機、まさかの再会!?~

24話 公園に現れたタイムトラベラー~自販機

25話 公園の秘密の花園~自販機、まさかの植物と会話!?~

26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?

27話 公園の都市伝説~自販機、少女と怪奇現象!?~

28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?

29話 公園の宝探しと、残された謎 -

30話  井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~

31話 公園の新しい住人~未知なる植物踊る〇〇草、マジかー

32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー

33話 チヨ、霊力チャージ!~公園で迷子の霊を探せ!~

34話 ラジオ体操は替え歌合戦!?~公園の夏休み大騒動!~

35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風

36話 公園と家出少女と心の虹!

37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦

38話 公園でラジコン大暴走!?自販機、まさかの電波

39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!

40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走

41話 公園で変装変装名人現る!タカシ、顔認識システム

42話 公園で未来予知少年?ハナちゃん、予言に振り回

43話 公園で完璧主義の清掃員とチヨの「散らかし」霊?

44話 公園で犬のしつけ教室?タカシ、動物行動学を学ぶ!

45話 公園で忘れん坊の詩人現る!ヨシダさん、記憶力

46話 公園でUFO騒動!?タカシのレーダーが反応!チヨ、宇宙霊と交信?

47話 公園の迷宮(ラビリンス)落とし物

48話 ハナちゃんの秘密の特訓

49話 星空の下、公園の約束(やさしい光)

50話 ヨシダさんの意外な才能~盆栽とあんこだけじゃない!

51話 チヨ、霊体の受難~霊体なのに体がベタつくってどうい

52話 タカシの奇妙なアップデート~自販機が感情データを学習した件~