NEW MODELS IMPRESSION 1982.7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・NEW MODELS IMPRESSION 1982.7脅威の出力20ps 最速140km/h !! YAMAHA SPORTS RZ125 サーキットやワインディングでこそ真価を発揮125クラスのスーパースポーツとして、ヤマハRZ125が新発売された。水冷2サイクル単気筒エンジンは、20ps/9,500rpmという驚異的な高出力を出す。スリムな車体で97kgの軽量、クロスレシオ6段変速と相まって心ゆくまでスポーツランを楽しめるマシンである。興奮の7,500~9,500rpmRZ125の開発コンセプトは”ピュア・スーパースポーツ”。ポジション、エンジン、足まわり、すべてがスーパースポーツ一色で統一されている。最近では珍しいほど性格がハッキリしたバイクなのである。驚いたのはヤマハの袋井テストコースの直線でメーター読み140km/hのスピードが出たことだ。下りでは145km/h(10,300rpmぐらい)も出てしまう。メーカーのデータによれば、1名乗車で134km/h、2名乗車で128km/hの最高速だが、それにしてもスゴイ。 140km/hフルスケールのメーターを振り切ってしまうほどの高性能だしかし、低中速は非力だ。スタートにしても3,000~4,000rpmでクラッチをつないだんではかったるい。5,000~6,000rpmで半クラッチを使って、ようやくスムーズなスタートができる、という感じだ。通常の走行でも、6,000~6,500まで回転を上げて、やっとエンジンが軽く回り出し、パワーが出てきたな、と感じるのは7,000rpm。RZ125エンジン性能曲線図 RZ125走行性能曲線図125とは思えない強力な加速を見せるのは、7,500~9,500rpmの間だけ。つまりパワーバンドは2,000rpmという狭さであり、これはもうレーサー並み!クロスレシオの6段変速は、とてもつながりがよい。うまくチェンジすればタコメーター指は常にパワーバンド内を往復する。そして2サイクル特有の高速でキューンという引っ張る味が最高に楽しめる。テストランのつもりが、いつしかレース的な走りとなってしまったのもムリはない。タンクからシートカウルまで、流れるようなラインをもつRZ125ライディングポジションは、ゆるい前傾フォームとなるもので、フートレストはかなり後退している。ハンドル幅は広すぎず、グリップ位置とシートとの“落差”が適当にあって、市街地走行でも首や肩が痛くなることはなさそうである。ニーグリップ部もスリムでコーナーでの体重移動もいやすい。じつにしっくりくるポジションといえる。サスペンションはやや堅めであり、路面の荒れたいなか道では、ハンドルやシートにコツコツとショックを伝えてくれる。しかし、テストコースでは、S字の切り返しも軽く決まり、コーナーリングでの安定感も素晴らしい。バンク角も右50°、左51°という深さであり、1時間に及ぶテストコースの走行でさえ1度もフートレストは接地しなかった。タイヤは、ダンロップで、前F16、2.75-18 後K798、3.00-18であった。ロードレース練習車?エンジンはDT125と同様の水冷2サイクル単気筒。56×50mmのボア・ストロークで排気量123cc。吸入方式はリードバルブで、吸入混合気の流速を均等化し、出力と燃費を有利にするYEISも付けられている。また振動の低減を狙って、1軸バランサーを内蔵。コンパクトなまとまりをみせるエンジン部。クラッチケースなどの形状がDTとは違っているRZ125の水冷システム図圧縮比は6.4と、DT125の7.2よりもだいぶ低く抑えている。にもかかわらず、DTの16ps/7,000rpmをはるかに上回る20ps/9,500rpmという高出力。これはシリンダーのポート形状やタイミング、排気系のセッティングによって生み出されたもの。それにしても、20psという数字は、リッター当たり162.6psとなり、一般市販車としては最高である。水冷のヘッドとクランクシャフト、ピストンクランクシャフト大端に、レーサーにしか使われないような銀メッキのケージ付きニードルベアリングが採用されたのも、この高出力での熱トラブルに対処したものだ。軽量、高剛性のダブルクレードルフレームフレームはダブルクレードル。フロントフォークは140mmのストロークをもち、モノクロスのリヤサスは、ホイールトラベル110mm。車重は乾燥で97kgと、ちょうどDT125と同じ数値となっている。ブレーキはフロントが有効径200mmのシングルディスク。車重の軽さと相まって、その効きは強力そのもの。リヤの130mm径ドラムブレーキも、十分な利き味であった。高速走行中、気になったことといえば、ハンドルのグリップ部とフートレスト、それにタンクのニーグリップ部に出る振動。高回転での長時間走行(実際は不可能だが)では手足がしびれるかもしれない。また市街地走行では、クラッチの重さも気になるところ。特にスタート時、微妙なクラッチコントロールが要求されるエンジンであるだけに、もう少し軽くしてほしい。ところで、このRZ125は法定速度50km/hである。トップギアの6速で50km/hといえばエンジン回転数は3,500rpmほど。パワーがでるのはその倍の7,000rpmだから、トップギアで楽しめるのは100km/h以上!ということになる。高速道路は走れない・・・となれば、このRZ125はなんのためのバイクか?という疑問がわく。メーカーでは、初心者にも楽しめるスーパースポーツ入門車という。ところが、それを “ 簡単に乗りこなせる車 ” と考えたら大間違いである。バイクを上手に、速く走らせたいと考えている人たちが、ウデを磨くための練習車、と心得るべきである。このRZの性能を引き出すには、ひんぱんなギアチェンジが必要だし、軽量ゆえにバランス感覚もシビアなものが要求される。これらは、レースを最終目的としたライディングテクニックの向上につながる。ワインディング走行、サーキット走行、そしてプロダクションレース参加――こういった使われ方をこそ、RZ125は望んでいるようである。Photo(茂垣克己) 文(大光明克征)別冊 MOTOR CYCLIST 1982年7月号 NO.45 八重洲出版・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【筆者紹介】大光明 克征(おおみや かつゆき)さん’60年代のブリジストン・レーシングにライダー兼メカニックとして在籍。BSワークスの「イエローヘルメット」エンジニア・ライダーとしてBS90レーサーなどで活躍された。その後、モーターサイクリスト誌/別冊モーターサイクリストにて試乗記を書く編集部員として長く活躍された。’70はじめにも、MC編集部員としてSUZUKA 200 MILEにジュニア90ccにも出場。’71MCFAJロードレース全日本選手権等にも参戦されていたとのこと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わたしが、RZ125を手に入れたくなったのは、自宅にあった昔の別冊MCの この記事がきっかけです。著作権の問題もあるので、ずっと迷っていました。が、この素晴らしい文章をRZワンツーを愛するみなさんに是非とも目を通していただいので載せます・・・・・・・・(^^)/これが書かれたのが30年前の雑誌記事であり、入手が難しいであろうこと 及び ちょうど 2011.4.15発売予定の「別冊モーターサイクリスト誌 399号(2011年5月号)」に大光明克征さんが、「絶版小排気量車の特集」に登場されるというの知って意を決して(?)ブログに載せることにしました。わたしは、昔から八重洲出版のファンであり 今でもマニアックな(?)雑誌は特に購入しています。また、私が次号の別冊MCの予約をしましたし 少しは雑誌の宣伝になったかもしれませんので、著作権の件はご容赦くださいね、天国の酒井文人会長さん!・・・・・・・・・・・・m(_ _)m