favourite his films & parts | CAHIER DE CHOCOLAT

favourite his films & parts

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今年はロバート・パティンソン出演作品をたくさん観たので、ロブ出演作だけでfavourite選んでみました。favourite musicfavourite filmsもそうですが、ほんとうに個人的に好きという観点のみで選んでいます。順不同。ランキングではありません。


favourite films(作品として好きなもの)

◾️The Lighthouse
謎の既視感がある『The Lighthouse』。なんか知らんがとても懐かしい気がする。『ウィッチ』にも少しそういうところはあるから、ロバート・エガース監督の作品自体にそういうものを感じるというのもあるとは思うけど、『ウィッチ』以上に『The Lighthouse』には懐かしい記憶を見ているようなものをものすごく感じる。過酷な状況とは相反する美しい光景も好き。

◾️天才画家ダリ 愛と激情の青春(Little Ashes)
これはもうほんとうに大好きな作品。時代、衣装、生活、感情、登場人物……全部いい。特に、ダリのちょっとしたしぐさや表情の可愛らしさよ。ダリとフェデリコふたりのシーンはどれもこれもまぶしくて、愛おしい。スペインでのバカンスの白い衣装は最高。

◾️真夜中のギタリスト(How To Be)
登場人物たちの世界も、作品自体も、この小ささが好き。基本的にみんなどこかヘタレでおかしいけど、特に、アートの友だちのニッキーがかなりいい味。ニッキーの家のインテリアや屋上もとってもいい感じ。音楽もとても好き。もちろんロンドンの空気を感じられるところも。

◾️コズモポリス(Cosmopolis)
すごくおもしろかった。1回目に観たときのカタルシスも良かったけど、2回目以降は会話がもっと入ってきたり、もっと笑えたり、また違った良さがあった。この作品でカンヌ映画祭に行ったとき、デヴィッド・クローネンバーグ監督が「何人途中退席するかな~」みたいなことを言ったのがロブには衝撃で、人に気に入られようとして作品を作って、それで気に入られたとしても満足はできない、ということがわかったとか。なんて素晴らしい教訓。私も学びました。

◾️マップ・トゥ・ザ・スターズ(Maps to the Stars)
かなり狂ってておもしろい。時間が経っても頭から離れない印象的なシーンが多かった。ジェロームの絶妙なだめっぷりもリアルでいい。この作品の中で使われていた詩、ポール・エリュアールの『Liberté』はとても印象的だった。ダリとの縁もちょっと不思議といえば不思議(ただの偶然といえば、それはまあそう)。これもクローネンバーグ監督。ほかにもいくつか観ましたが、どうやら私はクローネンバーグ作品が好きなようです。


favourite parts(好きな役、人物)

◾️ニール(『TENET テネット(TENET)』 )
これはもうダントツ。そもそもニールがいなかったら、私はロブの作品を観ることもなかった。それにしても、ニールはほんとうにニールで、まったくロブには見えない。ロブもニールには見えない。『TENET テネット』 の話をしてる動画のロブ(おそらく撮影中で髪とか見た目としてはニール状態)でも、同じ動画内のニールと同じ人とは思えない。声もぜんぜん違う。どういうことなのか!? ニールっていう人がほんとに実在してるんじゃないの?とさえ思えてくる。すごすぎる。ニールのタリスマンについては、わかってすっきりというよりも、あいまいなのがよかったな……というなんともいえないびみょうな気持ちだったり。

◾️サルバドール・ダリ(『天才画家ダリ 愛と激情の青春(Little Ashes)』)
人見知りのはにかみ、はしゃいでる笑顔、自信たっぷりな顔、あふれ出るせつなさ、奇人の顔の裏にある苦悩……どれもこれもいい。可愛すぎるダリ。酔っ払って悪態つくところも可愛い。基本的には作品そのものと演じる俳優の現実の背景というのはまた別のものだとは思いますが、“トワイライト”の混乱の中である意味苦しみつつのあの演技……というのを知ると、やっぱりすごいなと思います。その辺りを知ったのは観たあとだったので、それが作品に対して感じたことに影響したわけではないんですけども。

◾️ドーファン(『キング(The King)』)
ニールは大好きだし、『悪魔はいつもそこに』のティーガーディンもそうとうだと思ったし、「この人はすごい!」と実感したのは『天才画家ダリ 愛と激情の青春(Little Ashes)』だったけど、決定的に「この人の演技って……!」となったのは、たぶんこの役。作品が始まってから半分ぐらいのところまでは、話題には上がるけど姿を見せないドーファン。その登場シーンの強烈さよ。妹にジェラシっててプリンス&プリンセスになりたいのに、その妹(きりっと聡明)からは「My brother was too stupid to conjure such a plan(兄は愚か、とても陰謀など)」とさくっと言われてしまうという。おもしろすぎて愛しいです。

◾️デニス・ストック(『ディーン、君がいた瞬間(LIFE)』)
デニスは強烈なキャラクターではないけど、なんとも不器用そうなところがたまらない。人に対する感情表現はうまくできないし、自分の中の感情をどう扱ったらいいのかすらわからないんじゃないかというようなところも見える。あまり愛情いっぱいに育てられなかったのか、トラウマな体験をしたことがあるのか。人を完全に信じられない、信じて裏切られたら恐いと思っていそう。でもそうやって常に感情を探っているようなところがあるから、一瞬の表情をとらえられるのかもしれない……と思ったりした。

◾️エリック・パッカー(『コズモポリス(Cosmopolis)』)
頭が良くて、先も読めて(見えて)、巨額の富を手に入れている成功者エリック。でもこういう人物にありがちな嫌味な感じはほとんどない。それは、彼がなんともいえないコワレモノのようなあやうさを持っているからかもしれないと思う。有形のものをじゅうぶんすぎるほどに所有しているにもかかわらず、欲にまみれた感じもなくて、自分が欲しいもの(しかも超豪華なおもちゃみたいなものばかり)以外には興味なさげ。むしろ周りにその富をわかりやすく誇示できるものはどうでもよさそう。居心地の良さと悪さを同時に感じているような床屋でのやり取りが可愛い。





……とこれだけ書いてみたけど、私はなんでロブのことがこれほど気になるのか、まだいまいちはっきりとわかっていません。もちろん演技が好きということは明らかなのですが、正直、見た目がすごく好みとかではないです。「ニールかっこいい!」となったあと画像検索(お約束)をしたけど、「なんか違うかも」と思って、一回放り出したりしてます。今も画像だけ見ても特には。でもなんかどうにも気になる。わかっている要因のひとつとして、役によってアクセントを変えてくるというのはあります。というのも、一応言語にまつわる仕事をずっとしているというのもあって、演じる役のパーソナリティによってアクセントを変えるというのは気になるし、さらにそれを基本自分でやるというところがものすごく興味ある。アクセントコーチについてトレーニングするのだったら、ここまで気にならなかったと思う。どうやってそれを習得して、自分の一部となった役の説得力あることばとして発するのか、それが知りたくて仕方がない。だから、『TENET テネット』の次に見たのが、アクセントのことがすごく話題になってた『悪魔はいつもそこに』で、その後、『キング』で「おもしろすぎるワ、この人!」ってなった。そういえば、『TENET テネット』の予告を見たときには、「air」と「a little dramatic」の発音に「おっ」となっていました。そのときは、それがあんなに本人の素の声と違うとは知らなかったわけですが。まあよくわからなくてもとにかく興味ある俳優さんに出会えたことはやっぱり嬉しいし、楽しい。デヴィッド・クローネンバーグ、デヴィッド・ミショッド、ロバート・エガース、ゼルナー兄弟……など、好きだなーと思う作品を作る監督に出会えたのも嬉しい。ロブの出演作品、国内盤が出ていない映画のDVDやBlu-rayでいくつかまだ届いてないものがあるので、年が明けてから観るのがとても楽しみです。


【自分メモ】
観た作品
2020年12月30日まで。

TENET テネット(TENET)
悪魔はいつもそこに(The Devil All the Time)
天才画家ダリ 愛と激情の青春(Little Ashes)
キング(The King)
シークレット・オブ・モンスター(The Childhood of a Leader)
グッド・タイム(Good Time)
ロスト・シティZ 失われた黄金都市(The Lost City of Z)
The Summer House
真夜中のギタリスト(How To Be)
ディーン、君がいた瞬間(LIFE)
アラビアの女王 愛と宿命の日々(Queen of the Desert)
The Lighthouse
Damsel
コズモポリス(Cosmopolis)
奪還者(The Rover)
マップ・トゥ・ザ・スターズ(Maps to the Stars)
ハイ・ライフ(High Life)
ベラミ 愛を弄ぶ男(Bel Ami)