ベラミ 愛を弄ぶ男（Bel Ami）

「愛と欲望の世界」とか説明にあるこの作品、シラフで観るのはきついかも、と思っていました。けど、……ぜーんぜんだいじょうぶだった。「bel ami（美しき友）」と呼ばれ、「外見は申し分なく完璧なのに！」と言われるジョルジュ。その美しい肉体を道具のように巧みに駆使して、極貧生活脱出の人生ゲームに挑みます。ブルジョワ社会で今よりももっと上にいくためには手段を選ばず、のし上がることしか考えていない彼の姿は観ていてむしろ清々しさすら感じる。頭は良くないので、時々くやしい思いをしたりもします。でもめげません。その時々で自分に必要な相手を見極め、確実に落とすのも間違いなくある種、才能です。私は、序盤のもらった小銭を見つめるところと娼婦の髪を翌朝結ってあげるところ以外、まったく色気は感じませんでしたが。