「CB650R e-clutch」、注文したよ、たぶん。
DONE!(契約成立!)
その日の午後は、いよいよ営業の仕上げである。
初芝病院の7階、副院長室。今日は、初芝電産の総合企画部の松本副部長と総務部の綾部副部長、そして初芝メディカルシステムズの石田技術本部長が同席している。今回の輸入案件について、初芝電産の法人保証をいただいている。
「大阪貿易の山本でございます。本日は、御社のMRI「Mutive 1.0T」輸入案件についてご説明させていただきます。まず、本件輸入のリスクについてご説明いたします。」
小一時間かけて輸入案件全体について詳しく説明した。
「ご質問等はありませんか?」
初芝メディカルシステムズの石田技術本部長が口を開いた。「無礼を承知で一言申し上げますと、私どもは当初、なぜ大阪貿易さんにお願いするのか理解できなかったのですが、黒田副院長がぜひとも御社を輸入元に、と推薦されたことと、四菱銀行国際部の榊原さんに完全フォローを約束いただいたのでお願いすることにしました。今説明をお聞きして、納得がいきました。松本副部長、ゴーサインでよろしいですね。」
「これで行きましょう。」松本副部長が言った。
小川次長が携帯電話を俺に渡しながら言った。「有永副部長に連絡だ。これでGOだ!」
この案件については、何らトラブルも、面白い話も、この後何も起こらなかった。
病院では、新たにMRIシールド工事(MRIなどから発生する磁気が室外の人や機器に影響を与えないよう、壁などを加工すること)が始まり、約2か月後にMRIは成田空港に到着し、無事設置された。
思い出といえば、
輸入完了時に、大阪貿易東京支店、四菱銀行国際部、初芝電産、初芝病院、初芝メディカルシステムズの関係者14名で屋形船に乗って大宴会をしたことか。
あるいは、黒田副院長と小川次長の3人で箱根に泊りがけで行ったことか。

いや、実はこの出来事から四半世紀後の2020年、私は黒田院長を訪ねて初芝病院を再び訪れることになる。
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