CB650R e-clutch を買う夢を見ました。
バイクショップ「BOXER」
先に松岡支店長が応接室を出て行った。
小川次長が、鋭い目でこちらを見た。「君が、山本か。」次長の噂は、以前から耳にしていた。本人には言わないが、ほぼ全員が口をそろえて言う。「リアル島耕作」と。見た目も仕事の進め方も、そして人たらしの手腕も、すべてが本物だそうだ。
「ところで山本、おまえ、大阪弁じゃないな。」
「はい。和歌山出身ですし、両親も東京育ちなので。」「でも次長こそ、慶応大学野球部出身なんですよね?」
「よく知ってるな。」小川次長は笑った。「まぁ、東京で標準語をしゃべったとて、関西出身だとすぐにバレるしな。」
次長が少し身を乗り出し、声を潜めた。「ところで田沼部長から聞いたんだが、バイクに乗っているそうじゃないか。それもBMWだと?」
「はい、K75です。」
「K75か。実は俺もBMWをこっちに持ってきた。R75って知ってるか?」
「あ、本物ですね…」俺は思わず本音を言ってしまった。
R型は水平対向2気筒、いわゆるボクサーツインだ。俺のK75は3気筒左側置きでBMWバイクの本流ではない。
「よし、今度の日曜日、11時に高井戸のバイクショップ『ボクサー』に集合だ。昼飯は春木屋だと言いたいが、混んでるから丸福の中華そばをおごる。それでいいか?」
「でも私のはボクサーエンジンじゃありませんよ。」「関係ないさ。ビーエムのバイクなら何でも見てくれる。」次長はにやりと笑う。「店のオーナーは江口勝次郎。俺たちは『江口っぁん』と呼んでる。」
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