cb650r-eのブログ

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まさかの...。

 

ヘルメット。それも最新ギアじゃないか。
「おい、こんな高価なもの、ほんとうにもらっていいのか」
「いいの、いいの。ほんの快気祝いですから」
「ありがとう」
 

確かに事故の時に被っていたガンヘルは、結果としては慢性硬膜下血種を発病したものの、外傷はゼロに守ってくれた。
それだけでも、フルフェイスのヘルメットを被っておいてよかったと思った。
 

俺は、もらったヘルメットを試し被りしたりしながら、心から、これからのバイク運転の安全運転を心に誓った。
 

 

 

 

 

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大きな包み

 

さて、日本全国「黄金週間」真っただ中である。
我が家も長女の彩(あや;大学6年生)と次女の史(ふみ;大学3年生)が和歌山の実家に戻ってきている。


「お父さん、バイクの事故の後遺症はもう大丈夫なの?」と次女の史が言った。
「もちろん大丈夫。ただ右腕はまだ回復過程だな。」
「では、バイク復帰のお祝として私たち娘からお祝いの品を寄贈いたします。」と長女の彩が、調子をつけていった。
 

安全運転祈願です。といって、大きな布に包まれた物体を俺に差し出してきた。

 

 

 

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See you!

 

仲間たちが見守る中、俺は一人、エンジンをかけた。

来た道を、ゆっくりと引き返していく。

バックミラーの中で、仲間たちが立ったまま、俺を見送っていた。

俺は軽く手を上げ、別れの合図を送った。

風はまだ少し冷たかった。
だが、胸の奥には確かな春が来ていた。

 

 

 

 

 



 

 

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第二章の始まり

 

「じゃあ、第二章の始まりだな。E-clutchの」

「そんなところだな」

俺は笑った。

「でも今日は、これで帰るよ。家族も心配してるだろうし」

「そうだな。バトルはしばらくお預けだ」

シータがニヤリと笑う。

「それでいい」

俺も笑い返した。

 

 



 

 

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今日のコンディション

 

K-1にも春は来ている。
だが、まだ風は冷たい。

「昨日まで風が強かったからな。今日は路面コンディションが悪いぞ」

片山さんが声をかけてきた。

「なら、今日はスポーツ走行はなしですね」

「それが無難だな」
片山さんは頷いた。

「それにしても、片山さんのTZR250R、いつもピカピカですね」

「掃除が趣味なんだよ。2ストはオイル汚れがひどくてな」

 



嬉しそうに答える。



 

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俺 - バイク

 

ヘルメットを脱ぐと、真っ先に声をかけてきたのはシータだった。

「ヘルメット、傷ないじゃないか。お前のはズタボロになってたはずだろ」

「これはスペアのガンヘルだよ。前のは廃棄した」



「……生きててよかったな」

シータがぽつりと言った。

「おかげさまで。こうしてK-1に戻ってこられたよ」

「奥さんと娘さんの許可は出たのか?」

「もちろん。今日も笑顔で送り出してくれた」

少し照れながら続ける。

「俺からバイクを取り上げたら、廃人同然だってさ」

「そりゃ、いい例えだ」

その場にいた仲間たちが、一斉に笑った。

 



 

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俺の居場所

 

やがて、K-1の“溜まり場”が近づいてくる。

俺は少しだけ緊張しながら、そこへバイクを進めた。

近づくにつれ、見慣れたマシンが目に入る。

――やっぱり、いた。

YAMAHA R1のシータを筆頭に、いつもの面々が揃っている。

俺がバイクを停めようとすると、マモラさんこと片山さんが、駐車場係のように手を振った。
「こっちだ」と言わんばかりに、R1の隣へ誘導する。

俺も遠慮なく、シータのYAMAHA R1の横にCB650Rを並べた。

 



 

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菜の花畑

 

K-1に入ると、やはり以前とは違う。

頭のどこかで、イノシシをはじめとする野生動物との遭遇がちらつく。
無意識にアクセルを戻しがちになる。

それでも走り続けるうち、視界がふっと開けた。

目の前に広がったのは、一面の菜の花畑だった。

「ああ……ここ、菜の花畑だったよな」

 


長年見てきたはずなのに、今、改めて気づかされた気がした。
下界より少し涼しいK-1にも、確かに春が来ていた。

今日は日曜日。
すれ違うバイクも多い。

ツーリンググループの何台かが、今どきでは少し懐かしいピースサインを向けてくれる。
俺も少し照れながら、メジャーリーグの大谷選手風にデコルテポーズを返した。

こんなのんびりしたツーリングも、悪くない。
そう思えた。


 

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装備は万全!

 

休憩を挟みながら一時間ほど走ると、俺たちのワインディングロード――通称「K-1」の入口に到着した。

俺はバイクを停め、サイドバッグからニーパッドと、新しく購入したエルボーパッドを取り出して装着する。



前回の事故では、ライダー仲間のシータ(あだ名)に勧められていたニーパッドのおかげで、あばらは折れたものの、膝はまったくの無傷だった。
だが肘は違った。
骨が露出するほどの大ケガを負い、今も右腕には鈍い痛みが残っている。

俺は家族との約束どおり、膝と肘をしっかり守り、CB650RをK-1へと進ませた。



 

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老木と若木

 

今日は絶好のツーリング日和だ。
ただ、風が少し強い。

今咲いている桜の多くは「ソメイヨシノ」という品種だという。
だが、その大半が寿命を迎えつつあるらしい。

そもそも桜の木はもろく、全国で倒木のニュースも耳にする。

K-1へ向かう途中、いつもバイクを停める場所で、俺は一本の小さな桜の木に気づいた。
まだ植えられたばかりの、細い幹の若木だ。

 

…… 誰かが植えたのだろうか。

しばらくその木を眺める。

この桜も、十年後、二十年後には大きく育ち、
春になれば、美しい花を咲かせて人々を楽しませるのだろうか。

風に揺れる細い枝を見ながら、
俺はふと、自分のことを重ねていた。



 

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