cb650r-eのブログ

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F's Garage ④

 

「ここにある21個のヘルメット、全部、自分でペイントしたんだよ」

「自分で、塗ったですと?」

俺は思わず聞き返した。

お世辞抜きで、どう見てもメーカー純正のペイントにしか見えない。

ステッカーだと思っていた部分も、よく見ると、そのほとんどがペイントだった。

ほかの客たちも、信じられないといった表情でヘルメットを眺めている。

「さて、山本君には、挨拶代わりに一台、バイクを紹介しよう」

F氏がそう言って、ガレージの奥を指差した。

 



「これだよ。車種はわかるかい?」

俺はしばらく眺めた。

「さて……CB72ですかね?」

「ブー!」

F氏は、うれしそうな顔をした。

 

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

 

 

 

F's Garage ③

 

俺はCB650Rに乗って、F氏のガレージを訪ねた。

広い駐車場には、すでにバイクや車が10台ほど並んでいる。

「こりゃ、すごいな……」

10人以上のパーティーになりそうだ。

俺は、ガレージというより「デザイナーズハウス」と言ったほうがしっくりくるような玄関の呼び鈴を鳴らした。

中に入った瞬間、俺は度肝を抜かれた。

「なんじゃ、ここは……」

まず目に飛び込んできたのは、壁一面に並べられたバイク専門誌のバックナンバー。

そして、その上に整然と並ぶ――21個のヘルメット。

 


※よく見ると本棚の上に21個のヘルメットがずらり

「山本君、驚くのはまだ早いよ」

F氏が得意げに言った。

 

 

 

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F's Garage ②

 

「で、お盆、暇だったら俺んちのガレージに遊びに来ないか? 何人かのバイク乗りにも声をかけているんだ」

「お手製のジビエ料理を振る舞うよ」

「ジビエって……まさか、イノシシとか?」

「その通り」

F氏はニヤリと笑った。

「師匠もご存じの通り、俺、イノシシとは一戦交えて、このありさまですから。俺、食べられますかね?」

「何を言っとるんだ、山本君」

F氏は笑った。

「イノシシを食って、やり返すチャンスだぞ」

「それは……ちょっと話が違うような」



「まあ、いずれにしても、ガレージには来いよ」

「わかりました。必ず伺います」

――そして、迎えたお盆の15日。

 

 

 

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F's Garage ①

 

いつもの峠、通称「K-1」で、仲間たちと暑さをしのぎながら木陰で休んでいると、F氏から声をかけられた。

「山本君、お盆休みはどうするの?」

「いや、特に予定はありませんけど」

F氏は、俺のバイクの師匠である。年齢は俺より5つほど上だと思うが、これまで正確に聞いたことはない。

「山本君とは長い付き合いだけど、俺のガレージには来たことがないよな」

「はい。師匠、いつもはハーレーかCB400ですよね」

「まあな。ハーレーは乗りやすいし、CB400は俺が高校生のときに初めて買ったバイクで、思い入れが強いんだ」

「なるほど。師匠は、峠を攻めるタイプではないですもんね」

「俺も若かったら、山本君には負ける気がしないけどね」

「それは、そうでしょうけど……」

俺は苦笑した。

 

 

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夏のはじめに⑤

 

ふと前方を見る。

青い空。

そして、その空に向かって大きく膨らむ入道雲。

真っ白な雲の峰が、まるでこれから始まる夏を予告しているように見えた。

――夏本番は、これからだ。

目の前にそびえる入道雲が、俺にそう言っているような気がした。

 

 

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夏のはじめに④

 

新品タイヤになったCB650Rを受け取り、俺は再び走り出す。

 




 

目指すは――K-1(ホームの峠道)。

バイク屋からK-1へ向かう道を走りながら、俺はあらためて感じていた。

「夏ウェア、快適だな……」

メッシュのジャケット。

メッシュのパンツ。

ボディプロテクター。

そして、新しく手に入れたライディングシューズ。

朝一番のまだ涼しい時間帯ということもあり、むしろ涼しすぎるくらいだ。

「これなら、真夏でも走れそうだな」

俺は、そう思いながらアクセルを開けた。

 

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夏のはじめに③

 

娘の史の機転のおかげで、夏用ウェアと安全ギアの予算をかなり抑えることができた。

その分、なんとか夏のボーナスの残りでタイヤ交換費用を捻出できそうだ。

 



俺は、いつものバイク屋に電話を入れた。

「タイヤ交換をお願いしたいんですが」

すると店員さんから、

「前回と同じ、ピレリのディアブロでいいかい?」

と聞かれた。

「はい。それでお願いします」

俺は即答した。

ピレリのディアブロ。

ハイグリップタイヤには間違いない。

これまで走っていて、不安を感じたこともない。

何より、俺にはタイヤのグリップ力が必要だ。

「安全料、安全料……」

俺はそう自分に言い聞かせた。

そして、CB650Rをバイク屋へ持ち込んだ。

しばらくして、前後のタイヤ交換が無事に完了した。

 

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夏のはじめに②

 

タイヤの溝が、かなり減っている。

確か、前回タイヤを交換したのは走行距離4,000kmほどだったと記憶している。

そして現在の距離計は、8,000kmに達している。

「やっぱり、4,000kmくらいが寿命なのか……」

ツーリングにも使っているとはいえ、K-1でのスポーツ走行もかなりの距離を走っている。

特にリアタイヤの減りが目立つ。左右と中央のコンパウンドの境もはっきりと出ている。

 



前輪はもう少し使えそうな気もする。

 



だが……。

「どうせなら、セットで交換するか」
 

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夏のはじめに①

 

さて。

ある晴れた夏の日曜日。

俺は久しぶりにK-1――行きつけの峠道へ向かうことにした。

自宅の車庫で、CB650Rにかけていたカバーを外す。

 



そのときだった。

「あれ……?」

俺は、タイヤを見て固まった。

「マジか……」
 

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真夏の方程式 ㉑

 

それから、今後はスポーツ走行ばかりではなく、痛めた右肩のリハビリも兼ねて、温泉施設を目的地にしたツーリングにも出かけようと思っている。

そうなると、どうしても収納力のあるサイドバッグが必要になる。

とはいえ、こちらは予算の厳しい還暦サラリーマン。

新しいバイク専用バッグを買う余裕はない。

そこで、これまでビジネスで使っていたリュックサックを改造して、バイクに取り付けることにした。

100円ショップで買った金属パーツなどを駆使して、なんとかしっかり固定する。

 



さらに、シート下の左右には、水筒専用の小さなバッグも取り付けた。

 

100円ショップの300円商品。デフォルト(無改造)でピタリと装着できた。

250ccのプラスチック製水筒(@100円)を左右に一本ずつ。

これで、温泉ツーリングの準備も整った。

還暦ライダーの夏仕様。

快適性と安全性、そして財布。

その三つを、なんとか両立させたつもりだ。

 

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