間に合ったよ、おかげさまで。
2026年4月6日、日曜日。天気は快晴。
桜は少しだけ散り始めている。
俺はCB650Rのセルスイッチをいつもの力で、いつもの右親指で押した。
軽やかにセルが回り、エンジンが力強く始動した。
直列4気筒のミドルバイク。お気に入りの E-clutchだ。
「そうそう、俺はこれに乗りたかったんだよな。」俺は新鮮な気持ちでバイクに跨った。
E-clutchのスタートは滑らかだ。俺はギアを上げながら、K-1へと続く道にバイクを進めた。
不思議なことに、バランス、乗り味、安心感は、事故前と全く変わらない。
頑丈な倒立サスペンションのおかげで、フロント周りはガッチリと安定している。
コーナリングも、全く素直なままだ。
いつもの、青い海が見えてきた。この道には、昔から桜の木がたくさん植えられている。
「どうにか、桜の花に間に合ったな。」
俺は、バイクを停め、桜の木を見上げた。
「今、俺はまちがいなく生きている。」そう一人でつぶやいた。
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