新しい職場
病院の玄関を出ると、俺はこの春から勤める新しい職場へ電話をかけた。
「大阪経済同友会でございます」
「4月からそちらでお世話になります、山本と申します。廣瀬事務局長はいらっしゃいますか?」
「山本さん、お体は大丈夫ですか?」
「はい。今、ドクターからゴーサインが出ました」
「それは何よりです。少々お待ちください。局長におつなぎします」
やがて受話器の向こうから、明るい声が聞こえてきた。
「廣瀬です。お久しぶりですなあ、山本さん。ほんまにご本人ですか。幽霊やないでしょうね」
「またまた、きつい冗談をおっしゃいますね。4月から出勤できそうです」
「それはよかったですわ。こっちは猫の手も借りたいくらい忙しいんで、ほんま助かります。けど、無理したらあきませんよ。ほんまに」
「私は大阪弁が話せませんので、しばらくは妙な標準語でお願いします」
「了解です。ほな、お待ちしてます」
そうして、廣瀬事務局長との事務連絡は無事に終わった。
このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
