宇都宮先生
「宇都宮先生。このたびは大変お世話になりました」
「直太郎君、先日の3月19日に、和歌山のご実家にある頴二君の墓参りをしてきたよ。きれいな花が供えてあった」
「父が亡くなって、もう四十年になりますね」
「そうだな……四十年か。君が高校を卒業した春だったな」
そして宇都宮先生は、堤先生のほうを向いた。
「堤先生、直太郎君は完治ということでいいのだな」
「はい。念のため、職場復帰日の前日に最終確認をする予定です」
「よし、それでいいだろう」
それから宇都宮先生は、まっすぐ俺を見て言った。
「直太郎君。君との約束は果たしたぞ」
「親子二代にわたってお世話になりました。本当にありがとうございました」
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