スローなツーリング
――きっと、この辺りの茶葉も、関東や海外へ向けて出荷されているのだろう。
俺はヘルメットのシールド越しに、もう一度茶畑を眺めた。
事故の前は、速く走ることばかり考えていた。
景色なんて、ほとんど見ていなかった気がする。
だが今は違う。
ゆっくり走るからこそ、見える景色がある。
そんなことを考えながら、俺は再びCB650Rのエンジンをかけた。
このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
茶畑か...。
しばらく走っていると、ふと景色が気になってバイクを停めた。
今日は空気が澄んでいる。
青い海が、やけに鮮やかだ。
そして、改めて周囲を見回して気づいた。
道路脇の斜面には、一面に茶畑が広がっていた。
深い緑色の茶の木が、春の日差しを受けて静かに揺れている。
「茶畑か……」
今まで何度も通ってきた道なのに、あまり気に留めたことがなかった。
そういえば、少し前にローカルニュースで見た。
地元の若い製茶会社の経営者たちが、抹茶を中心に商品開発を進め、アメリカなど海外へ輸出しているらしい。
抹茶や抹茶アイスの原料として人気が高いのだとか。
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俺 - バイク
ヘルメットを脱ぐと、真っ先に声をかけてきたのはシータだった。
「ヘルメット、傷ないじゃないか。お前のはズタボロになってたはずだろ」
「これはスペアのガンヘルだよ。前のは廃棄した」

「……生きててよかったな」
シータがぽつりと言った。
「おかげさまで。こうしてK-1に戻ってこられたよ」
「奥さんと娘さんの許可は出たのか?」
「もちろん。今日も笑顔で送り出してくれた」
少し照れながら続ける。
「俺からバイクを取り上げたら、廃人同然だってさ」
「そりゃ、いい例えだ」
その場にいた仲間たちが、一斉に笑った。
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