第一関門突破
翌日の夕暮れ時。湯浅所長から一本の電話が入った。
「千葉理事が――大阪ビジネスコンサルタンツさんとお会いするとのことです」
「あっ、そうなんですか。本当ですか。所長、ご尽力に感謝いたします!」
「いやいや、“お会いする”だけです。引き受けるとは言ってませんよ」
「分かっています。あとは、我々の誠意をどう伝えられるかです」
「ご健闘を祈りますよ」
短いやり取りの中にも、胸が熱くなる。
電話を切ったあと、私は成瀬代理に向き直った。
「まずは――第一関門突破だ!」
「ラッキーでしたね。じゃあ、来週は永田町の四菱総合研究所へ出張ですね」
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