地域戦略部には戦略が無い(195)研究所訪問の成果 | cb650r-eのブログ

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研究所訪問の成果

高砂研究所を後にすると、外はすでに夕闇が迫っていた。
車に乗り込むと、成瀬代理が大きく息を吐いた。
「いやあ……千葉誠一さん。まさか名前が出るとは思いませんでした」

「相当な大物のようだな」

「大物なんてもんじゃありません。業界では、以前は“ミスター・ターボチャージャー”と呼ばれ、今は“カーボンニュートラルの司令塔”と呼ばれています。欧州の国際会議でも何度もスピーカーを務めていますし、国のエネルギー政策に対しても大きな発言力を持っている。……正直、雲の上の存在ですよ」

 



――なるほど。つまり、千葉さんにご登壇いただけるのなら、このフォーラムは一気に格が違うものになる。
だが逆に言えば、だめなら“並の企画”に終わってしまう。

俺は車の助手席で、前を見据えたまま呟いた。
「千葉さんを口説き落とせるかどうか……それが成否を決めるわけか」

成瀬代理がうなずく。
「はい。ただし、もしお会いできたとしても、一筋縄ではいかないはずです。千葉さんは、安直なイベントやセミナーには決して登壇しません。信念で動く方ですから」

「つまり、中途半端な提案では門前払い……ってわけだな」

車窓に映る大阪の街の灯りが、どこか挑発的に瞬いて見えた。
次なる戦いの舞台に登れるのか、それとも門前払いか。

 

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