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cb650r-eのブログ

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おっさんのバイクは?

 

「ただいま」
森君は、どうやら両親と暮らしているらしい。仕事は、小学校や中学校向けの副教材を納品する会社の従業員だとか。

自分の部屋に戻ると、着替えを済ませ、スマホで俺のバイクを検索したらしい。

 

CB650R E-clutch?

 


650ccか。車重はR1とほぼ同じだな。でも、馬力は90……R1の半分もねぇな。

オートマではなくて、一応マニュアルなんだ。
遅いわけじゃないけど、あの山本とかいうおっさんの乗り方を見てると、まったく乗りこなしてる感じがしなかったな。
これに懲りて、「のんびりツーリングおじさん」にでもなってくれればいいんだけど――

さて、一方の俺は……。

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

少しだけ無理してみる。

 

「少しだけ無理してみるか。」俺はヘルメットの中でつぶやいた。
俺はギアを一速に入れ、静かにアクセルを回した。

 

(注)演出のため、動画速度を速めています。


だめだ。全く乗れていない。

CBの良さがまるで出せていない。

 

森君は余裕で背後にピタリと付けてきやがる。
 

俺は、8.5KmのK1のゴール地点にある駐車場にバイクを滑り込ませた。エンジンを切ると、横に森君がNinjaを止めた。彼もエンジンを切り、ヘルメットのシールドを開け、大きめの声で俺に話しかけてきた。
 

「R1を追っかけるなんて、到底無理だね。今日はだいぶ冷えるんで、俺帰るわ。」そう言って、森君はバイクを方向転換させると、「お先に!」と言って走り去っていった。
 

「250にベタ付けされるとは、ショックはショックだな。」俺はひとり呟いて、帰路に就いた。

 

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本当に知らなかった。

 

「マジか? おじさん、本当に知らないの? 市販車の中でも最速って言われてるぜ。何しろ300万円もするし、ほとんどレース仕様のバイクに保安部品を付けただけみたいなもんだ。まぁ、速いのなんのって、俺様でもコーナーを二つも曲がれば置いていかれて、追いかける気力もなくなるね。」


森君が続ける。
「とにかく1000ccのモンスターバイクを、まるで250ccのライトウエイトスポーツみたいに、ヒラリヒラリと倒し込んでいく。これは噂だけど、元白バイ隊員とか、元プロレーサーだったって話もあるくらいの切れ者らしいぜ。」
 

「そうか、それほどのライダーなら、一度その走りを見てみたいもんだな。」
「冗談きついぜ、おじさん。」
「おっさんのバイク、何馬力? R1は200馬力だぜ。」 「それに、おじさんのCBってオートマだろ? スクータータイプじゃ、逆立ちしても敵わないよ。」
 

やはり、そうなるか──と俺は心の中でつぶやいた。
 

「じゃあさぁ、俺様がおじさんの走りを後ろから見てやるよ。抜きはしないから安心しなよ。ただし、俺の前で絶対にコケんなよ!」
 

「了解、了解。安全運転で行きましょう!」と俺は森君に言った。
 

俺はヘルメットを被り、グローブをはめて、セルを回した。 すぐにNinjaのエンジンにも火が入り、バックミラーにはスタンバイした森君の姿が映っていた。

 

 

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19.9km!

 

燃費をCB650R E-clutch の購入判断項目にする方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、ご参考までに私のケースをご紹介します。

 

カタログ値:WMTCモード:21.3km/ℓ

私の平均燃費は今のところ19.9km/ℓ

ちなみに、油種はレギュラーです。

 

 

バイクライフにかかるメンテ費、用品、ウェアなどは切り詰めておりますがガソリン代だけはどうにもなりませぬ。

 

 

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R1?

 

「君、名前なんていうの?ひょっとしたら、この峠の最速の男だったりして。」
「いやいや、俺より早い人は何人かいるよ。俺の名前は森。」


「週末にはこのあたりに流しに来るのかい?」
「そうだね、常連的な人は10人ぐらいかな。俺より早い人は何人かいるよ。でも、一人だけは別格。」
「別格?」
 

「R1」
「R1?」
 

「明治の乳酸菌飲料じゃないぜ。おじさん。」

「なんだ? R1て。」
 

「本当に、浦島太郎なおじさんだな。」
「スマホで、YAMAHAのR1検索してみなよ。」


俺は、スマホを取り出して検索してみた。

「YZF R1。1000㏄か。」

 

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みやぞん?

 

Ninjaは、俺のCB650R E-Clutchの横に静かにバイクを停めると、すばやく降り、ヘルメットを脱いだ。
Kawasakiグリーンでコーディネイトされたヘルメットとクシタニのレザーのツナギがいかにも走り屋の雰囲気を醸し出している。

「ちゃーす!」

20代半ばぐらいの若者だ。人の容姿をどうこう言うのは俺の主義に反するが――いや、言わせてもらおう。
顔はお笑いタレントの「みやぞん」にそっくり。ただし、体格は一回り小さい。

「はい、こんにちは」
「おじさん、見ないバイクだけど、ここは初めて?」
「まあ、そんなところだな。正確には……20年ぶり、かな」

若者は興味深そうに俺のバイクを眺める。

「ホンダのCBか。きれいだけど、新車?」
「まだ2,000キロくらいしか走ってないな。いわゆる“リターンライダー”ってやつだ」
「ふーん。おじさん、久しぶりに戻ってきたって感じ?」

彼の視線が、一瞬だけ鋭くなった気がした。気のせいか?

「君のバイクはNinja 250だね。クォーターでは唯一の4気筒、いい音してる」
「だろ? 正確には「ZX-25R」これ、めちゃ高いんだよ!」
「そうらしいね」

俺が軽く相槌を打つと、彼はふと、エンジンに目をやった。

「……おじさんのバイク、これ、雑誌で見たことある。最近話題のオートマチックのやつじゃん」
「いや、正確には違うけど……まあ、そんな感じかな」

若者はニヤリと笑う。
「歳を取ったら、オートマがいいよね」

その言葉に悪意はない。むしろ、どこか無邪気な響きさえあった。だが――なぜだろう。この会話の流れに、うっすらとした違和感があった。

 

 

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高野山に帰る

 

和歌山県伊都郡高野町、高野山の周辺には、いくつものワインディングロードがある。

2025年2月のある土曜日の昼下がり、俺は1980年代の半ば頃から峠族に「K1」と呼ばれたワインディングロードへと向かった。

2005年にBMW K75を手放して以来、ここにバイクで来るのは20年ぶりだ。K1のスタート地点とゴール地点(どちらがどちらでもよいが)には、小さな駐車場があり、自動販売機が設置されている。かつてはライダーたちの憩いの場、そして情報交換の場でもあったが、今日は誰の姿もない。

俺は家から持ってきた小さな折り畳み椅子を広げ、ゆっくりと腰を下ろす。水筒に入れてきたホットコーヒーの蓋を開けると、湯気が静かに立ち昇った。

‘80年代後半、日曜日ともなれば数十台のバイクが集まったこの場所も、今では静寂に包まれている。来る途中の景色もすっかり変わった。昔はなかった大規模な太陽光発電所が点在し、冬の寒さも手伝ってか、バイクとすれ違うことは一度もなかった。

静寂の中、ふと遠くからバイクのエンジン音が微かに聞こえてきた。

滑らかで軽やかな音。

次第に音が大きくなる。

やがて視界に飛び込んできたのは、車体色カワサキグリーンのNinja。

懐かしくもあり、そしてどこか異質な気配を感じさせる、そのバイクは――。

 

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いよいよ納車。

 

さて、2024年8月の日曜日の昼下がりのことである。 俺には2人の娘がいる。長女は阪大の医学部医学科の4年生、次女は阪大の理学部数学科の1年生。 2人とも夏休みで、実家に帰省している。

俺は、寝転がりながら「CB650R E-clutch」のカタログを眺めていた。 そこに、2人がニヤニヤしながら近づいてきた。

「お父様、退職金でバイクを買われたんですね。しかも新車で。」と長女。 「お高いんでしょ~?」と次女。

「正しくは『積立ニーサ』、つまりパパのへそくりです。」

「ズルーイ!」 「私たちにも買って~買って~!」

「何を買うんだ?」

「え~、まずは長女の私から。アメリカ製の聴診器、色はワインレッド一択! 臨床学習がそろそろ始まるんだよね。」

「私は、YAMAHAの2輪! 通学に使うから、アパートに届けてください。」と次女。

「今、取ってるのは車のAT免許だろ?」

「電動自転車っす。10万円超えのやつ。」 

「わかった、わかった。」 

 

「私は携帯電話の機種変で~」と妻の華が、話に加わった。

「それも含めて、了解、了解。」

2024年12月26日の午後、家の納屋にCB650R E-clutchが収まった。 妻と子供たちが音を聞きつけて、見に出てきた。

「かっこいいねぇ!」

35年間の俺へのご褒美。 「いいんじゃねぇ?」と俺はつぶやいた。


第一部終

 

 

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万年次長決定。

 

4月に入り、大阪北病院の「事業承継」と「病院建て替え」プロジェクトは、いよいよ正式にスタートを切った。

その日、田下部長から声をかけられた。「少し、時間をもらえるか?」

俺は、少し驚きながらも小会議室に足を踏み入れた。久しぶりに田下部長と向き合う瞬間だった。

「今回の大阪北病院の件、君のおかげで起死回生だ。感謝するぞ、山本次長。」

「いえ。色々な意味で自分にとっても勉強になりました。」俺は、少し緊張しながら答えた。

「実は、君の今回の活躍をきっかけに、もう一度君の職歴を見返してみたんだ。率直に言うと、なぜ君が出世できないのか不思議だった。」

田下部長は、少し真剣な表情で続ける。

「小川専務やOBの上釜さんにも話を聞いたが、最終的に俺が出した結論はこうだ。君の外為に関する知識とスキルは、グループトップクラスだ。ただ、それ以外は、平均か、それ以下だと感じる。けれども、不思議なことに、君がピンチに陥ると必ず誰かが助けてくれて、難局を乗り越える。まるで、運命に守られているような男だ。」

「その通りだと思います。」俺は静かに頷いた。

「実は、僕も過去に唯一1度だけ一番になったことがあるんですよ。」俺は少し恥ずかしそうに話を切り出す。

「それは大学生の時、和歌山の高野山の峠で「最速の男」と言われたことなんですけど。笑い話のようですが、それだけが今日までの人生の支えだったんです。」俺は続けた。

「最近はっきりと分かったんですよ。何かというと、私の自力は全くダメ。ただ、バイクや、他人の力を借りた時に実力以上の力と結果が出る。」

「なるほど。」田下部長は少し意外そうな表情を見せた。

 



「というわけで、君の出世はもうないだろう。この先も恐らくは山本次長のままだろう。それでいいな?」

「はい、万年次長で結構です。」俺は平然と答えた。

「そうか。俺は、もっと上を目指すがな。」田下部長は、力強く言い放った。

「足を引っ張らないよう、気をつけます。」俺は、冷静に答える。

「はっはっはっ。」田下部長は、笑いながら部屋を出て行った。

その背中を見送りながら、俺は自分の立ち位置を改めて確認した。

 

今後どう進むべきか――それが、この先の運命を決めるのだろう。

 

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心配ご無用!

 

帰りの車中、宇都宮理事長は俺が知らなかった親父の和歌山県立大学でのエピソードを語ってくれた。とにかく、頴二は優秀だったと繰り返していた。

父の名前から「頴」、理事長の名前から「悟」を取って、医療法人「頴悟会」が名づけられたことについては、恐らくそうだと思っていたが、「頴悟」という言葉自体が、賢く聡明で、才知に優れるという意味を持つことを、理事長からその時初めて教わった。

無事に理事長を送り届け、事務長に車を返すと、彼は長旅にもかかわらず、矍鑠(かくしゃく)とした足取りで病院の建物に戻っていった。

数日後、井村さんと一緒に北病院を訪れ、事務長に報告とお礼を伝えるために玄関に近づくと、スーツ姿で眼鏡をかけた細身の男性が出てきた。大阪経営の藤沢社長だ。

俺は軽く会釈をしてすれ違おうとしたが、その時、藤沢社長はすれ違いざまに振り返り、こう言った。 「ひょっとすると、山本さんですか?」

「はい、そうですが…。」俺は答えた。

「大阪経営の藤沢です。実は、宇都宮理事長からとても素晴らしい話を伺いましたよ。」

「そうですか。」俺は淡々と答えた。

「私はね、両親を大切にする人間が好きなんです。身近な人を大切にできない人間は、信用できませんから。」

「余計なお世話かもしれませんが、事業承継と病院建て替え、このタイミングではしっかりコンサルをしないとダメですよ。」藤沢社長がこちらに背中を向けて歩き出しながら言った。

その言葉を聞いて、井村さんが大きな声で言った。「心配ご無用!私たちが、しっかりやります!」

藤沢社長は振り返らず、右手を軽く上げて応じた。

「井村さん、言うね~。」俺は呟くように言った。
 

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