オートバイをもう一度(114) | cb650r-eのブログ

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上海市武昌路(ぶしょうろ)。

 

翌日。大西洋ホテルのロビーに11時に集合である。今日も謝さんが一日運転手を務めてくれる。俺と謝さんは、集合時間の30分前にロビーで地図を広げて武昌路301号を調べていた。地元っ子の謝さんも、戦前にそのあたりに日本人街があったことは聞いたことがあるという程度だった。

 

 「そうか、じゃあまずは『豫園(よえん)』に行って、昼ごはんに南翔小籠包を食べることにしよう。それから武昌路に行ってみよう。」そう話し合っているうちに林ご夫妻と華さんがロビーに集合した。「では、参りましょう。」 平日にもかかわらず、上海の『豫園』の「南翔小籠包(なんしょう しょうろんぽう)」は大盛況である。謝さんに携帯電話で席を予約してもらっていたので待たずに入れた。今日は謝さんも一緒に食事である。謝さんが注文してくれるので心強い。

「昨夜も食べましたけど、小籠包といえばここが元祖です。」 小籠包以外も頼んだが、5人で、4個入りの丸い蒸しセイロを一体何杯食べたことか。 

 

さて、満腹のまま、いよいよ武昌路301号付近に到着。謝さんは運転席で紙の地図を開いて、なにやら真剣に考えている。そして片言の日本語で俺に説明した。「山本さん。車ここまで。私車で待ちます。皆さん、歩いて行きます。」 

「謝さん、車で待ってて。」そう言いながら我々4人は車から降りた。さて、ここからは歩きである。上海は治安は良いと言われるが、それでもこの辺りは薄暗くて、少し怖い。ましてスーツ姿1名と観光客3名である。周囲の雰囲気からは、相当浮いている。地元の住民からは、怪しいものを見る目で見られている気がする。

 

 

 

 

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