オートバイをもう一度(111) | cb650r-eのブログ

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それなら4人で

 

「それなら、今日明日、私たち4人で行動しましょうよ。山本さん、いいでしょ。」 

謝さんは、何となく察したのか、指でOKサインを出している。「私、車で待っています。」と謝さんは片言の日本語で言った。

実は、謝さんには、食事も同席してもらうつもりだったが、辞退の意向らしい。

「ご夫妻がよろしければ、私は、かまいませんが…。」

「じゃあ決まり。」 奥様は何かうれしそうである。

 

まず、大西洋ホテルに林社長ご夫妻をチェックインさせ、俺は、華さんを歩いて揚子江ホテルに案内した。

 

チェックインが終わってロビーのソファーに座っていた俺のところに、華さんが戻ってきた。そして俺の顔をじっと見ていった。「山本さん、肌荒れてるねぇ。」

そう、この半年、水が合わないのか、食事か油か。顔の吹き出物がひどい状態だった。

華さんは、ポーチを取り出して、ごそごそしだした。「やっぱり、持ってこなかったか。」そういうとオレンジキャップの小さなチューブを差し出した。

「『VG』という薬で、ステロイド系の強い塗り薬。本当は「アクアチウム」がいいと思う。ただし、これは私が、置き忘れたものをあなたが拾って、勝手に自分で、塗ったのである。私は処方しておりませんので、そこんとこヨロシク。」 

「はあ、ありがとうございます。」と俺は言った。実は、上海に来て唯一の心配が、この顔の吹き出物であり、本当にありがたかった。

 


 

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