ブロンプトンで秘湯へ行こうリターンズ。とっておきのホンモノ秘湯へ行ってきた。
三連休中日の晴れ間を狙い、吾妻小富士をめざしてブロンプトン登山にやってきた。紅葉が始まっていると耳にしたからだ。しかし、浄土平目指して磐梯吾妻スカイラインをヒルクライムする途次、標高1200メートル地点で完全にホワイトアウト、これはマズイと不動沢橋で撤退を決めて、這う這うの体で下山してきた。ダウンヒルで冷えた体を温めるためには秘湯が要る。最寄りの秘湯「高湯温泉」に行くしかない。
高湯温泉を復習しておこうか。
湯治場としての開湯は慶長12年(1607年)と言われている。温泉の存在自体はその50年以上前から知られていたらしい。昔は場所が不便で、知る人ぞ知る鄙びた湯治場でしかなかった。
高湯温泉は開湯当初から療養泉として利用されてきた。温泉地にありがちな宿での遊行は厳しく制限され、三味線や太鼓など「一切の鳴り物を禁ず」という地域内の取り決めがあったそうだ。こうしたストイックな姿勢は高度成長期・バブル期にも変わることなく、それ故に、落ち着いた雰囲気と品格が保たれたのであろう。その結果、本物志向が強まる中で、薬効豊かなホンモノの秘湯として、高湯温泉は大いにその名声を高めている。
温泉湧出量は2,956リットル/毎分・泉温 42.8~50.5℃となっており、6軒の温泉宿と1軒の共同浴場で使用している。当然のことながら、すべてかけ流しである。
やってきたのは通(ツウ)のあいだで『高湯温泉で最も秘湯』と評判の静心山荘だ。内湯のみだが独自源泉を持ち、全国でも有数の高濃度硫黄泉の源泉掛け流しが楽しめる高湯温泉の中でも、その濃厚さは随一ではないだろうか。
[走行データ]
①高湯温泉(標高752メートル)→旧不動沢橋(標高約1200メートル)
②旧不動沢橋→高湯温泉静心山荘
使用機材:M6L-X
青線が予定ルート、赤線が実走ルート。
宿に着いたとたん、雨脚が強まってきた。下山判断のタイミングはいろいろな意味で正しかったようだ。
玄関をあけて「さきほど立ち寄りの電話をしたXXです。」とご主人にお声がけして、受付していただいた。そう、旧・不動沢橋から予め電話して営業確認をしておいたのだ。東京から福島まで新幹線日帰りでわざわざやってきて「ヒルクライム途中撤退/紅葉も見れず」でも、この湯に入れるのであれば、全く惜しくない。電話で確認したとたんご機嫌になって速攻で下山してきたのである。
湯屋は源泉に近い上のほうにあるのだ。折れ曲がった廊下の階段を数十段のぼっていく。
着いた。誰もいません。
源泉は湯花沢1番とある。この宿が占有する源泉だ。泉温は43.8度と高湯温泉の中ではぬる湯の部類に入る。この湯は酸性度が高いのに何故かまろやかで通好みの湯なのだ。
引き戸をあけると。
素晴らしいエメラルド色の湯が私を待っていてくれた!
入念に掛け湯していざ入湯。すると湯の中で手足がホワイトアウトした。こういうホワイトアウトなら大歓迎である。
極楽極楽。いつもの炭酸水は持ってきていないので、ヒルクライム終了時に飲もうとしてもってきたポカリスウェットをここで飲もう。
ダウンヒルで冷えた身体が十分に温まった。さて雨はそろそろ止んだだろうか。
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