ブロンプトンで秘湯へ行こう。


寒くなる前に微温湯(ぬるゆ)温泉へブロンプトンで行ってきた。

 

朝8時前、福島駅からヒルクライム・スタート地点の土船へバスで向かうことにした。駅からいきなりスタートするよりも100メートルほど標高をかせげるので。

 

土船終点バス停についた。ここから、山へと続くこの道を一時間少々まっすぐ登って行った先が目的地となる。土船のあたりは吾妻山から流れ出る渓流に形成された扇状地で、水はけのよい地である故に果樹園が広がる。

 

微温湯温泉に通じる山道は今も車がすれ違えないほどの狭い道である。つい数年前まで一部区間が未舗装であったらしい。

 

 

微温湯温泉二階堂は吾妻小富士の標高920mの少々ひらけたところで三百年以上湯宿を営んでおられる。絶品のぬる湯が滾滾と湧き出ている。全国的に見ても貴重なホンモノ秘湯である。

 

帳場で日帰り入浴の受付をして頂いた。「自転車だと最後の3キロが大変だったでしょ。」と笑われてしまいました。その通りです、はい。

 

昭和な風情を色濃く残していて、素敵である。「脳病に特効」とある。急に思い立って自転車で登って来てしまうような私にちょうどいいかもしれない。

 

微温湯温泉は享保年間(1716~1735年)すでに存在が知られていたというが、深山幽谷の地にて利用する人は稀であったようだ。享和三年(1803年)、二階堂家の祖「傳四郎」氏が桜本村(現・福島市桜本)から温泉と建物を譲り受けた。

 

四代目「清三郎」氏の時代、明治戊辰の年(1868年)に宿坊が官軍により焼き討ちされた。幕末の動乱期、地元の福島藩、米沢藩、会津藩は奥羽列藩同盟にくみしたことで、このあたりの住民も悉く敵視されたためであろうか。戊辰の役では、近隣の土湯温泉や高湯温泉も同様に灰燼に帰したと伝わる。写真中央の最も古い藁ぶき屋根の古家棟は明治5年(1872年)頃の建築と伝えられている。旅館の古家棟、中座敷棟、帳場棟のいずれもが国の有形文化財に指定されている。

 

 

湯殿は帳場棟から延びている長い廊下の先にあるらしい。はやる気持ちを抑えつつ急ぎ足で向かうと。

 

これは素晴らしい!手前のヒノキ風呂がぬる湯の源泉、奥のポリ浴槽が体を温めるための真水の沸かし湯である。

 

大量かけ流しなので源泉温度がほぼ維持されている。湯口のあたりでは温かく快適にすごせる。特に本日は気温も高いので湯温は33度ほどはあっただろうか。長湯しても寒くならない。

 

微温湯温泉は古くから貝掛温泉や姥子温泉に並んで「眼の三大温泉」と言われる名湯らしい。目薬やうがい薬にも使われ殺菌効果のあるミョウバン成分が多く含まれているため、眼病によく効くということだ。また、その薬効から、日本ぬる湯番付では「東の横綱」とされている。

 

 

 

湯に浸かりながら外を眺める。陽の光が降り注ぐ明るい森が広がるピクチャーウィンドウだ。極楽極楽。

 

いつもの炭酸水を飲もう。ぬる湯につかりながら小一時間ほど、気持ちよく過ごすことができた。

 

風呂上りにゆっくりしていると、宿の名物猫がやってきた。

 

なかなかの器量よしである。

 

秋と思えない猛暑の一日、真夏のうちに訪れる機会のなかったぬる湯を堪能することができた。また来なくてはいけない秘湯が増えた。

 

 

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