ブロンプトンで秘湯へ行こうリターンズ。ブロンプトンで奈良田の秘湯へ行ってきた。

 

奈良田(山梨)はかつて日本の秘境であった。かつて というのは今はそこに通じる道路規格が大いに改善されたうえ、ダム等による河川開発により水害も激減しているからだ。以前は台風や大雨のあと崖崩れ等で2~3週間ほど外部と遮断されてしまうことが日常茶飯事であったという。

 

旧奈良田集落は南アルプスに連なる西山山系の谷あい深くにへばりついた寒村であった。山奥ゆえに奈良時代から伝わる数々の伝説や独自の風習が残されていたという。急峻な地形と寒冷な気候により米作の条件に恵まれず、主に焼き畑農業で生計をたてていた。暴れ川である早川(富士川の支流)の水害に悩まされてきたが、1957年に発電用ダムとして運用が始まった西山ダムによってできたダム湖に沈んだ。

 

今の奈良田は、ダム湖岸の高台に移転した集落となっており、南アルプス登山の玄関口の一つとして有名だ。観光や電力に従事する住民が多いという。


 

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実は、奈良田の秘湯へはブロンプトンで日帰りに行こうと過去に何度も検討し、そのたびに断念してきた。理由は遠いことと、体力的に行き着けるかどうか自信がなかったことがある。

 

遠いといっても単に距離的な問題という訳ではない。不便なのである。身延線という東京に近い割に極めて本数の少ない鉄道路線沿いにある。その上、最寄駅からのバス便が輪をかけて少なくて、日帰り/夜は家で食事 を可能にする公共交通機関の組み合わせがなかなか無い。(できれば登りの行きをバス輪行にしたいところなのだが、そんな贅沢、許される訳ない。)

 

体力的な問題もある。奈良田は最寄り駅から35キロほど離れている上に標高差が700メートルもある。ブロンプトン秘湯として日帰りするには、長距離の登りをブロンプトンでそこそこの平均時速で登らなければ秘湯に入る時間が無くなってしまう(それどころか、到達できずに途中撤退になる可能性も高い)。

 

計算上は平均2%程度の勾配であるから、まあ大したないといえばそうなのだが、35キロというブロンプトンとしてはそこそこのロングライドで尻上がりに傾斜が増していくのはどうなのか。

 

しかし、今は以前と異なり、6速のチタンモデルがある。チェーンリングは標準装備より一回り小さい44T に変えてある。オーストラリアで鍛えぬかれた身体も自信になっている。数週間前に標高差1000メートルの箱根の山をこなして、余裕であった。

 

そして10月24日土曜日は快晴の予報。11月以降の南アルプスは寒すぎる。いつ行くの?今でしょ。(いつものパターンですね。)

 

[走行データ]

距離 35.83 km
タイム 2:38:15
平均速度 13.6 kph
高度上昇 692 m

使用機材 三号機M6L-X(チェーンリングを44Tに変更)

 

ブロンプトンでスタートするのは『はだかじま』という駅だ。別にはだかの人が居るわけではない普通の無人駅だが、秘湯へむけて出発するのにふさわしい駅の名前であると思う。

 

まず富士川をわたろう。見えているのは身延山(標高1,153m)、日蓮宗の総本山である。

 

ここからは南アルプス街道(県道南アルプス公園線)をどんどん登っていく。ペースはまずまずだ。途中、旧道に入ってみる。

 

旧道をたどっていくと、道がどんどん狭くなり、最後は吊り橋になった。勿論、車は通れない。おもしろい。

 

南アルプス街道は坂とトンネルの連続である。写真は青崖トンネル(「あおがれ」と読む)、施工延長891メートルで、長かった。

 

山が色付き始めている。

 

西山温泉まで2キロ、奈良田まで6キロの表示があった。もうすぐだ。

 

奈良田トンネルを通過すると、ようやく奈良田だ。

 

着いた。

 

(続く)


 

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