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ネジ式ザゼツキー
島田荘司 著
講談社ノベルス ※文庫版もあります
島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第19作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
06. 暗闇坂の人喰いの木
07. 水晶のピラミッド
08. 眩暈
09. アトポス
11. 御手洗潔のメロディ
12. Pの密室
13. 最後のディナー
14. ハリウッド・サーティフィケート
15. ロシア幽霊軍艦事件
16. 魔神の遊戯
18. 上高地の切り裂きジャック
19. ネジ式ザゼツキー
帯、裏表紙に書かれた説明
ぼくには帰るべき場所がある。だが、それがどこなのか解らない。
著者の言葉
マンハッタン島は新天地だった。17世紀、欧州の調和的秩序とその飽和から抜け出したオランダ人が、大西洋を渡り、この「丘の島(マンハッタン)」を見つけて100ドルで買った。当時の誰も、ここが重要な場所とは思わなかったが、それが不世出の未来都市へのスタートとなった。21世紀が開け、ぼくも太平洋を渡り、どこかに新たな先進科学の王国が築ける大陸はないかと捜している。この作品の示す場所が将来マンハッタンになれるかどうかは解らないが、探索法のヒントぐらいにはなってくれないかと、今期待している。
記憶の一部をなくした男が書いた奇妙な童話『タンジール蜜柑共和国への帰還』。蜜柑の樹の上にある村、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機ーーー。そして彼の肩甲骨には翼のなごりがあった!妄想としか思えない男の話から、御手洗潔が導きだした真相とは何かーーー!?驚愕の結末が待つ本格ミステリー!
レビュー
ノベルス版で442ページ、そこそこの長編。
横書きで始まり...ちょっとビックリ。エゴン・マーカットと御手洗潔の会話。帰るべき場所がわからないというエゴン。タンジール蜜柑共和国、妖精、ネジ式の首などを語るエゴン。分かれて5分後に、エゴンと御手洗が会うと、直前の記憶はなく自己紹介から始まる...。そして、タンジール蜜柑共和国のお話し、舟をこいだり、熊と話したり、ファンタジー?肘(ひじ)の骨から持ち主を探し出して届けると、不思議な理屈で お話しがどんどんと進む。
海洋微生物研究、船乗りのあとに、30年分の記憶を失っているエゴン。フィクションだと思われていた「タンジール蜜柑共和国」の話しが、部分的には真実であることが、御手洗の推理で判明する。国は特定され、首がネジの人間が実在した(!?)。そして、御手洗の推理は進み...
最後の謎解きは圧巻ですねぇ~!ほぉ~なるほどぉ~っという深く繊細な作りこみ。今回の御手洗君は、安楽椅子探偵っで IP電話を駆使して、ノルウェーから世界をまたにかけて 事件を解決っ!
ちょっとグロテスクなファンタジーに抵抗がない方、生物学・宇宙科学などに興味がある方、御手洗シリーズファンの方、島田荘司ファンの方にはお勧めの作品です。
雑誌との相性
昨日に続いて、今日もサブスク(定額制)の楽天マガジンのお話し。
「サンデー毎日」という紙雑誌時代から有名な雑誌がありますが...何号かに1度、ダウンロードして読んでいるのですが、ピンとこない。何だろ、面白くない記事?着眼点?
「朝日新聞出版の雑誌AERA」と同じく、「毎日新聞社のサンデー毎日」も同じような編集方針だからでしょうか...記者が取材した「しっかりした記事」みたいな、誤字脱字のないところは誉めてあげたいのですがw 中身が...。
明らかにターゲットが違っている雑誌(女性セブンとか)ならば、ターゲットが違うから面白く感じないんだろうなぁ~って分かるのですが、そんなに属性(性別、年齢、国籍、年収)が外れているとも思えず...謎は深まるばかり。