最後のディナー 御手洗潔シリーズ13
島田荘司 著
講談社文庫

島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第13作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
06. 暗闇坂の人喰いの木
07. 水晶のピラミッド
08. 眩暈
09. アトポス
10. 龍臥亭事件 上巻/龍臥亭事件 下巻
11. 御手洗潔のメロディ
12. Pの密室
13. 最後のディナー
裏表紙に書かれた説明
龍臥亭で出会った里美と石岡に新たな事件が降りかかる。上京してきた里美に勧められるままに、英会話学校に通うはめになる石岡。そこで知り合った孤独な老人と親交を深める。しかしイヴの夜に里美と三人で囲んだ晩餐を最後に、彼は帰らぬ人となった。あの夜、彼が取った謎の行動の意味とは・・・?表題作「最後のディナー」ほか全三編を収録。心が痛むほどの透き通った愛を描いた、「御手洗シリーズ」珠玉の短編集。
レビュー
表題作を含む3つの短編集。245ページ、シリーズで最も薄い本ですね。そして、ミステリー要素は少なめ。
▶ 里美上京
龍臥亭の犬坊里美が横浜のセリトス女子大進学で馬車道にあらわれる。
互いの近況報告や、講演依頼や、横浜デートのお話し。
ファンサービスですかね。ミステリー要素0です。
▶ 大根奇聞
里美から大学ミステリー研の顧問・御名木教授を紹介される。教授と石岡は、生麦事件、里美の大学での状況などの話しをする。話しのついでで、教授の父親が亡くなる前に「解けない謎」が託された。天保9年に桜島が大噴火して作物が全滅、海産物も少なく、飢饉が起きた。そんな時に町はずれの一角にある桜島大根だけが育った。薩摩藩がこの畑を管理して盗んだ人は厳罰とした。僧侶と子供が行き倒れになりそうになるが老婆・お嘉が介抱して大根を食べさせてもらうが「どうやって生き延びたか」が謎。
石岡は御手洗に電話でこの謎を相談。1週間後に御手洗が謎を解き、石岡に電話する。
謎は、簡単なものですね...。
▶ 最後のディナー
里美に誘われて英会話学校の無料体験に行くことになった石岡。その後、週1回レッスンに里美と石岡で行くことに。石岡は、同じクラスの 69歳のキリスト教信者・大田原智恵蔵と話すようになった。大田原は元・映画プロデューサーだった。クリスマスを最後に大田原は地方に引っ越し、英語は辞めるという。石岡と里美は、大田原にクリスマスイヴに礼拝・バー・部屋でのディナーに招待される。年が明けて、神社で大田原が絞殺されていたことを新聞で知る石岡と里美。
殺人事件は3ヵ月たっても解決せず、石岡はFAXで御手洗に連絡。御手洗から電話があり、クリスマスイヴの謎、大田原殺人の謎はあっさり解決...。あっさり過ぎて面白みに欠けますね。
あっさり謎が解けるミステリーが好きな方、御手洗潔シリーズのファンの方、島田荘司ファンの方にはお勧めの作品です。

『風水吉凶方位』