御手洗潔のダンス 御手洗潔シリーズ５
島田荘司 著
講談社文庫
島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第５作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
帯、裏表紙に書かれた説明
人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして四日目、彼は地上二十メートルの電線上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで！画家に何が起きたのか？名探偵・御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。
レビュー
ミステリー短編小説×４です。
▶ 山高帽のイカロス
空を飛べるという画家・赤松稲平が数十メートル上空に浮かび、その妻が公園で発狂、人の右腕がついたロープを電車が引っ張っていた。
浅草に住む湯浅真は空中の高いところにポツンとあるドアに興味があり写真を撮っていた。ドアを誰が使うかを御手洗に相談に訪れた。
御手洗は警察署で刑事たちの力を借りて、操作を進め、夜に現場でアッサリ謎解き。
そんなに難しい謎ではなく、リアリティはビミョーですが、ミステリーを楽しめる作品かと。
▶ ある騎士の物語
石岡が大学の後輩である女性の結婚披露宴で聞いた話し。ピストルで至近距離から射殺された男性。容疑者が見つからず迷宮入り。
大学生が五人で始めたバイク便などの会社・クイックサービス。順調に成長していたがある時にトラブルが起きて、代表者がこっそりと権利売却など行い、消えた。
謎解きは、御手洗ではなく…犯人からの手紙で。
アリバイトリック、随所なヒントがあるので、しっかり読み込めば解けない謎ではないかと。
▶ 舞踏病
浅草で食堂を営む陣内巌が御手洗に相談。2階に住む下宿人が狐付き、身体をクネクネした踊りをするという。
舞踏病、凌雲閣、大正時代などなど、短編なのに沢山の要素を詰め込んだ、面白い作品でした。
謎解きは途中でだいたい分かってしまう内容ですが。
▶ 近況報告
石岡和巳による御手洗潔のプライベート公開。シリーズファンの方は必読ですね。
少しライトなミステリー短編×３と、御手洗潔を知るための短編×１ですね。御手洗潔ファンの方、島田荘司さんのファンの方、本格推理が好きな方にはお勧めの作品です。
『二十四節気と七十二候』