アトポス 御手洗潔シリーズ９
島田荘司 著
講談社文庫
島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第９作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
06. 暗闇坂の人喰いの木
07. 水晶のピラミッド
08. 眩暈
09. アトポス
帯、裏表紙に書かれた説明
血でただれた顔、その上を縦横に走る不可解な亀裂。凄絶怪奇な「怪物」が虚栄の都・ハリウッドに出没。あらゆる生物を拒絶する水の砂漠・死海に浮かぶ「塩の宮殿」で、そのほとりに立つ尖塔で繰り返される惨事ーーー。御手洗潔の託宣がミステリの新たな地平を開く。島田荘司が圧倒的な筆力で描ききった傑作！
レビュー
ノベルス版で７５８ページ！紙の本を読むのに、筋トレが必要になりそう。
顔中から血が噴き出す夢をみると、精神科医に相談する女優・松崎レオナ。
吸血鬼のグロい物語。その吸血鬼を題材としたホラー作品。ロスで深夜にホラー作家が怪物にアイスピックでめった刺しにされて死亡。
ハリウッドで女優・シャロンが行方不明に。シャロンにおかしな手紙を書いていたレオナが捜査対象に。警官に尾行されるレオナ。別の場所で怪物が赤ちゃんを連れ去る。同じような赤子連れ去りがビバリーヒルズのレオナ家近くで5件発生。その後、遺体が発見されたりして……前半終了。
ホラーテイストすぎて状況把握が散漫になり、「色んな謎」があるけど、さっぱり わかりません。
後半は上海で阿片、娼婦、人魚のお話しから。続いて「サロメ」の台本と映画スタッフリスト。死海、世界の有名な宗教。死海についた映画スタッフ。迷路のような二階建て施設に宿泊する。
映画撮影で作り物の「生首」が本物に入れ替わっていた。翌朝には人工島セットの上部に、背中から串刺しにされた別の遺体が見つかる。次にレオナの近くに泊まっていた女優が血まみれで発見される。ハリウッドのレオナ家から瓶詰めの赤子の遺体が見つかる。行方不明だった二人のプロデューサーの死体が見つかる。……これでもかっというぐらいの大ピンチに陥ったレオナ。
（残り160ページぐらい）レオナが現場から逃げ出して歩いていると馬に乗った御手洗と会う。名探偵らしく、数々の謎をアッサリと解明する御手洗。血でただれた顔、赤子の誘拐、人魚の話し、くし刺しの遺体．．．ぜんぶ 解決。
おまけで エレナと御手洗のプライベートトーク付きですね。石岡氏、登場しない．．．。
たくさん人が死んでも我慢できる方、グロいお話しが嫌いでない方、御手洗潔ファンの方、島田荘司さんのファンの方にはお勧めの作品です。
『風水吉凶方位』