逆ソクラテス
伊坂幸太郎 著
集英社
2020年4月の終わりに刊行された伊坂幸太郎さんの最新作です。毎度、新しい書籍が出版されると購入しちゃいますね。お話しや設定などが面白いので。
帯、裏表紙に書かれた説明
敵は、先入観。世界をひっくり返せ!
「僕は、そうは、思わない」
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!
逆境にもめげず
簡単ではない現実に立ち向かい
非日常的な出来事に巻き込まれながらも
アンハッピーな展開を乗り越え
僕たちは逆転する!
無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200513/19/booklog2019/33/bd/j/o0200020014758196720.jpg?caw=800)
レビュー
どうして出版社が作る帯って「〇〇万部」っとか 「〇〇周年」っとか 「書き下ろし」っとか どぉでもいいことが書かれているのでしょうか。この本、こんなに売れているんだよっていう「おせっかいな紹介」や、「作り手側の自慢?」 醒めるわぁ...。
それはさておき、伊坂幸太郎さんの短編×5です。タイトルは何やらカタカナだらけ。
▶ 逆ソクラテス
表題作。子供らしいというべきか、子供らしくないというべきか...。
相手の「決めつけ」「先入観」に対して、「僕は、そうは、思わない」っと意思表明することの大切さみたいなものが 面白いテイストで書かれた作品。小学生が登場人物の作品なのですが、色々と考えさせられますね。
『無知の知』で有名なソクラテス。逆ソクラテスは「自分が知識が無いことを知らない」ということですかね。
『教師期待効果』は 誉めて伸ばす。ピグマリオン効果(Pygmalion effect)、ローゼンタール効果と言われる教育心理学の用語ですね。
▶ スロウではない
ゴッドファーザーのドン・コルレオーネの口癖、ドラゴンボールのピッコロのマント。小学生の頃にありがちな、友達と映画やアニメの話しでの盛り上がり。小学生は運動ができるとモテるけど大人になると運動神経を披露する機会が減り……お金持ちがモテるっとか、笑っちゃいました。テーマは「いじめ」でしょうか。ちょいダークな感じ。
▶ 非オプティマス
授業中に缶ペンケースを落として授業妨害する生徒。生徒に舐められている教師一年目。車に化けている宇宙人 トランスフォーマーのように、今は仮の姿っと強がる生徒。トランスフォーマーのオプティマスプライム「私にいい考えがある」。大切なのは「評判」!?
色々と詰め込みすぎな感じがしますが、割といいお話しだと思いました。
▶ アンスポーツマンライク
小学生のミニバスケ。以前は怒ることが多い監督だったが、いまの監督は感情的にはならず具体的な指示を出すタイプ。
試合終了間際に相手チーム選手にアンスポーツマンライク ファウルしてしまい、試合に敗れた。
高校生の頃、3on3を公園でしようとしていたら 刃物を持った男と遭遇。自分以外の4人が連携して不審者を取り押さえて警察に通報。6年後にミニバスケメンバー5人で集まったら、6年前に捕まった不審者が拳銃を持って現れる。何とか5人で協力して 最後は足を引っかけて(アンスポ) 不審者を取り押さえる。
小学生の指導方法というかパワハラというか、そんな感じのテーマ。友達っていいねっていうお話し(?)。
▶ 逆ワシントン
夏休みの自由研究でクレーンゲームの攻略方法を調べたが、他の保護者からのクレームで失格となった少年。
母親が若い男性と再婚して虐待されているのではないかと思われる少年。
いじめられたら いじめた人が幸せになることだけは阻止すると豪語する母親。
題名「ワシントン」は 桜の木を切ったことを正直に父親に申告した ワシントン大統領。
クレーンゲームでミニドローンをゲットして、虐待が疑われる少年の部屋をのぞくと...。
盛り上げて盛り上げて・・・ほのぼのストーリー。