水晶のピラミッド 御手洗潔シリーズ７
島田荘司 著
講談社文庫
島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第７作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
06. 暗闇坂の人喰いの木
07. 水晶のピラミッド
帯、裏表紙に書かれた説明
エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが５０００年の時空を超えて突然蘇り、空中３０メートルの密室で男が溺死を遂げる！アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。壮大なテーマに挑んだ本格推理の名作。
レビュー
７３４ページの長編。文庫でこんなに分厚いのは、「京極堂か 島田荘司か」っという感じですね。
ニューオリンズ、夜に海水浴をする男女が岩かげで「狼のような怪物」を見る。その4日後に、ピラミッド脇の塔の7階（密室）で溺死した死体が見つかる。
オーストラリア、レンタカーと男性の焼死体が見つかる。
大昔、エジプトの小さな島、少女・ミクルが見慣れない模様の木箱を川で見つける。木箱には若い男性・ディッカが閉じ込められていた。
大昔、豪華客船タイタニック号、考古学教授とミステリー作家との会話。
エジプトの少女、タイタニック号のお話しがそれぞれ進み……分厚い長編小説なので、本筋以外のお話しも丁寧な描写……。前半（30%）はホントに歴史の創作物語。ＴＫＧ(たぶんこうだったんじゃないか劇場)。
中盤からは現代、ニューオリンズのピラミッド。『暗闇坂』に続き、松崎レオナが登場！話しが進むかと思いきや、またまたピラミッドの薀蓄や映画撮影のお話し。
やっと、ピラミッド脇の塔の7階（密室）で溺死した死体の詳細が説明される。事件の影響で映画撮影が中断となり困ったレオナが御手洗を召喚。
エジプト経由でニューオリンズ。終盤、探検がインディージョーンズやダ・ヴィンチコードみたいでかっこいいですね。
終盤は スピーディーな展開で、いい感じ。どんでん返しもあり、謎解きも面白い感じでした。
長いミステリーが読める方、映画のようなミステリーが好きな方、御手洗潔ファンの方、島田荘司さんのファンの方にはお勧めの作品です。
『奇門遁甲』