御手洗潔のメロディ 御手洗潔シリーズ11
島田荘司 著
講談社文庫
島田荘司さんの本格推理小説 御手洗潔シリーズ、第11作です。
01. 占星術殺人事件
02. 斜め屋敷の犯罪
03. 御手洗潔の挨拶
04. 異邦の騎士
05. 御手洗潔のダンス
06. 暗闇坂の人喰いの木
07. 水晶のピラミッド
08. 眩暈
09. アトポス
10. 龍臥亭事件 上巻/龍臥亭事件 下巻
11. 御手洗潔のメロディ
帯、裏表紙に書かれた説明
御手洗潔の過去・現在
貫き流れる音楽
次々と壊される便器と美女。不可解な事件に隠された真実とは・・・!?
何度も壊されるレストランの便器と、高名な声楽家が捜し求める美女。無関係としか思えない二つの出来事の間に御手洗潔が存在するとき、見えない線が光り始める。御手洗の奇才ぶり天才ぶりが際立つ「IgE」のほか大学時代の危険な事件「ボストン幽霊絵画事件」などバラエティ豊かな四つの傑作短編を収録。

レビュー
短編×4。これまでの作品が500ページ超えの長編ばかりだったので 少ないページ数の短編で ほっとしながら(しかし 楽しみながら)読みました。
▶ IgE
声楽家の男性・秦野大造が御手洗に「レッスンにきて、食事やドライブをした20代の女性・洋子を捜してほしい」と依頼。
川崎のレストランバイト・本宮雅志が御手洗に「変な嫌がらせ(便器破壊×3回)」を報告。
関係のなさそうな2つの事象から、御手洗が事件の真相を推理して神奈川県警と石岡を動かす...そして 予想通りの展開で解決。
短編なので 色々っと凝縮していて、あれよ あれよ という間に終わった感じです。
▶ SIVAD SELIM
龍臥亭事件の後、指圧と鍼でリハビリする石岡。資料を整理して5年前の事件を紹介することに...。
1990年クリスマス。横浜の高校生からクリスマスパーティで御手洗のギター演奏が聞きたいという依頼。
その日は別件があり御手洗は参加できないというが...。
音楽ものですね。ミステリーではなく、御手洗潔シリーズのファン向けの作品。
▶ ボストン幽霊絵画事件
1960年代ボストン、御手洗が(飛び級)大学生だった頃の事件。
修理工場の看板と壁に銃弾が撃ち込まれた。
同級生のビリーと御手洗で、どのようなケースがあるか推理を開始すると...意外な方向に発展して...殺人事件を見つける。
謎解きも、その後の第二弾の謎解きも あざやかに。短編の割には凝ったミステリー作品で、いい感じですね。
▶ さらば遠い輝き
松崎レオナの雑誌インタビュー記事。レオナがローマでモデルの仕事をしていた時に知り合った、スェーデンの弁護士兼作家・ハインリッヒ。ハインリッヒは、ストックホルム大で脳研究をしている御手洗を取材している。レオナとハインリッヒはロスでランチして、御手洗のことを語り合う。
サイドストーリー的な...御手洗潔ファンへのサービスですね。
半分はミステリーとして、もう半分は御手洗潔シリーズファン向けの短編集という感じです。松崎レオナファンの方、御手洗潔シリーズのファンの方、島田荘司ファンの方にはお勧めの作品です。
保険のお話し

ダイヤモンド、今週の特集は「保険」でした。
コロナウィルスで仕事環境変化 → 給与減 → 家計見直し → 保険見直しという連想でしょうか。
日本のサラリーマンは、平均で年4万円ぐらい保険代金を払っているとか...。生命保険、損害保険、自動車保険、火災保険、地震保険などなど。
流れに逆らうようですが、今月から、保険の内容を見直して支払額が増えます...。

『奇門遁甲』