青桐美幸(Blue)

ライフスタイルレコードの場にようこそ♡


自己紹介はこちらから。

 

 

自分自身と向き合い

幸せな毎日を創るために。

仕事も遊びも恋愛も、
「好き」を表現することから

自分を確立するライフスタイルを

綴っています。

 

 

 

今までの話はこちら。↓

 

◆高校生編はこちらから。

◆大学生編はこちらから。

 

【片恋物語】社会人編①過ちはいつも後戻りできなくなってから気づく。

【片恋物語】社会人編②新しく出会う。それは誰かとの決別を意味する。

【片恋物語】社会人編③誰でもよかった。自分を認めてくれる人ならば。

【片恋物語】社会人編④関係を断つのは、まるで自分の甘さと弱さに足元を掬われた感覚に似て。

【片恋物語】社会人編⑤それはどこまでも追いかけてくる。だって振り返ることをやめないから。

【片恋物語】社会人編⑥自尊心を満たす。それだけのために利用した代償は重かった。

【片恋物語】社会人編⑦欲望は、時に刃となって傷つける。

【片恋物語】社会人編⑧愛してほしかった。でも愛されなくてもよかった。

【片恋物語】社会人編⑨ごまかしても燻る熱が消えないなら、いっそ灰になるまで。

【片恋物語】社会人編⑩再び会う。過去の清算と未来へ繋がる絆のために。

【片恋物語】社会人編⑪惑わせるのは、蘇る思い出か募る恋心か。 ←今ここ

 

 

 

 

 

 

 

7月某日。

 


Sに会った瞬間、
懐かしさでいっぱいになって
挨拶以上の言葉が出てこなかった。

 


顔立ちも雰囲気も変わっておらず、
時間だけが経過したという印象だった。

 


対する私はというと、
この日の夜にライブの予定が
あったため驚くほどの軽装で、
どう見ても好きな人に久しぶりに会う
格好じゃないことを気にしていた。

 


もちろんSが昔の性格のままなら
そんなこと気にもしないとは思うけれど。

 


そんな複雑な心境もあり、
話の接ぎ穂をなかなか掴めずにいた。

 


Sも笑ってはくれたものの言葉少なで、
お互い空白の6年を埋めるために
どんな会話を重ねれば良いのか
考えあぐねていた。

 


幸いにも行き先がカラオケだったので
そこまで沈黙に困ることはなく、
学生時代を彷彿とさせるような光景の中
Sの歌声を聞き楽しんでいた。

 

 

 

 

 

一緒にいたのは3時間にも満たなかった。

 


次の目的地へ移動する頃合いとなり、
店を出る支度をし始める。

 


これから行くところがあることはSにも
話していたので片づけもスムーズで、
制限時間を迎える前には全て整っていた。

 


すると、「忘れてた」と言いながら
Sがポケットの中から何かを取り出した。

 


S「はい。あげる」

 

B「……え?」

 

S「誕生日プレゼント」

 

B「……どうしたの?
今までそんなのしたことなかったのに」

 

S「それは誕生日がいつ
なのか知らなかったから」

 


当然と言えば当然の理由だったが、
だからと言ってここにきて突然
プレゼントをくれる説明がつかない。

 


驚きすぎて半ば呆然としながらも、
礼を述べて手のひらに乗せられた
小箱を開けてみた。

 

 

 

 

 

そこに入っていたのは、
華奢なシルバーのネックレスだった。

 

 

 

 

 

B「え、アクセサリー!?
これどうしたの!?」

 

S「内緒」

 

B「何で!?」

 

S「何ででも」

 


どこでどうやって選んだのか、
どれだけ追及しても答えてくれなかった。

 


それ以上に時間が迫っていたため、
結局何でネックレスをプレゼント
してくれたのか聞けないまま
その日は別れた。

 


誕生日をお祝いしてくれたのはわかる。

 


プレゼントを用意してくれたのも
予想外だったけれど嬉しかった。

 


でも、なぜそのプレゼントが
ネックレスだったのだろう。

 


ただの女友達にアクセサリー
なんて渡すだろうか。

 


もしかしたら、本当にもしかしたら、
何か特別な意味があったのだろうか。

 


だとすれば、どういう意図で
このプレゼントをくれたのだろう。

 


考えても答えは出ず、
さりとて直接訊ねる勇気もなく、
しばらく悶々と過ごすことになった。

 

 

 

 

 

それから2週間後。

 


混乱したままの日々を打開する
チャンスとなるメールが送られてきた。

 


盆休みに実家に帰省するということで、
デートに誘われたのだ。

 


前回といい今回といい、
昔なら絶対Sから2人で遊ぼうなんて
言ってこなかったからその変化に
未だ自分がついていけないでいた。

 


とはいえ、
ゆっくり話せる機会が巡ってきた
ことには違いがないので了承した。

 


行きたいところを聞かれたので、
無難に「映画が観たい」と答える。

 


そういえばSとは一度も一緒に
映画館に行ったことがなく、
またベタすぎるデートプランとして、
自分から提案しておきながら
妙に恥ずかしくなってしまった。

 


本当に、
Sとデートらしいデートをするのが
10年ぶりぐらいだったから。

 


そんな私の気持ちも知らず、
Sはあっさり映画鑑賞に同意した。

 


でももっと大事なことが
あるとこの時確信していた。

 

 

 

 

 

ようやくSの本心が突き止められる。

 

 

 

 

 

⑫に続きます。↓

 

【片恋物語】社会人編⑫14年越しの恋は、愚かでも幼稚でも消えることなくここに在る。

 

 

 

 

 

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