青桐美幸(Blue)

ライフスタイルレコードの場にようこそ♡


自己紹介はこちらから。

 

 

自分自身と向き合い

幸せな毎日を創るために。

仕事も遊びも恋愛も、
「好き」を表現することから

自分を確立するライフスタイルを

綴っています。

 

 

 

今までの話はこちら。↓

 

◆高校生編はこちらから。

◆大学生編はこちらから。

 

【片恋物語】社会人編①過ちはいつも後戻りできなくなってから気づく。

【片恋物語】社会人編②新しく出会う。それは誰かとの決別を意味する。

【片恋物語】社会人編③誰でもよかった。自分を認めてくれる人ならば。

【片恋物語】社会人編④関係を断つのは、まるで自分の甘さと弱さに足元を掬われた感覚に似て。 ←今ここ

 

 

 

 

 

 

 

Kとつき合うことが決まってから、
私はSと会うことにした。

 


彼氏ができたという報告をするためだ。

 


最後に会ったのは半年以上前で、
お互い仕事で忙しかったことから
連絡も滞りがちになっていた。

 


そんな背景もあったからこそ、
敢えて直接話すという方法を
取ったのかもしれない。

 


「会いたい」という
気持ちを覆い隠すために。

 

 

 

 

 

少し緊張しながらKとのことを言うと、
すごく単純に喜んでくれた。

 


S「だから言っただろ?
絶対想ってくれる人が現れるって」

 


学生時代の頃から、
Sが私の個性を認めてくれた時から、
彼はずっと「お前のことを真剣に
想ってくれる人が必ずいる」と
言い続けていた。

 


私自身でさえこんなひねくれた
人間につき合ってくれる人なんか
いないと思っていたのに、
Sだけはその主張を曲げなかった。

 


S以上の人は現れないと信じていたし、
寧ろ自分のことを1番わかってくれる
Sがいるからそれでいいとすら考えていた。

 


だからこそ、
Sが純粋に祝福してくれたことに
複雑な感情も抱いたのだけれど。

 


そしてそれ以上に、
その後に続いたSの言葉に全てを奪われた。

 

 

 

 

 

S「これで俺の役目も終わった。
最後まで繋がってたお前も
俺の手を離れる時が来たな」

 

 

 

 

 

――――どういう、意味。

 

 

 

 

 

Sは昔話をしてくれた。

 


高校生の頃、部活動であまり
他のメンバーと馴染めていない
私が気にかかっていたこと。

 


そこで自分達のフィールドに
引っ張り込もうと思って近づき
声をかけてくれたこと。

 


私が素を出せるようになってからは、
見守ることが自分の役目
だと思っていたこと。

 


決してお荷物に思っていた
わけではなくて、
ただずっと不器用な性格の私を
気にかけてくれていたこと。

 

 

 

 

 

知らなかった。

 


そんな風に思われていたなんて。

 


私が感じていたより
ずっと大事にされていた。

 


でも決して恋愛関係にはならなかった。

 


いや、なれなかったのだと言った。

 


「自分から人を好きになったことが
ないから自ら動くことはない」のだと。

 


だったら私はSにとってどういう
立ち位置にいたのだろう。

 


「自分のテリトリーとして作った殻の
1番近くにいた」のだとSは答えた。

 


無理に殻を破ろうとしたり、
無意識に定めた距離から強引に
近づこうとしなかったから
最良な関係ができたのだろうと。

 

 

 

 

 

完全に理解したわけじゃなかったけれど、
つまるところこれ以上は
どうしようもなかったのだと悟った。

 


ただただ単純に、
Sにとって私は大事な友達止まりで、
恋愛感情が湧かない相手
だったというだけの話だ。

 


そしてその、これまで保っていた
「大事な友達」としての接し方さえも、
Sの言葉1つで変えざるを得ない
状態になってしまった。

 


どこかで、大切な人が別にできても
Sとは変わらないスタンスで
いられると信じていた。

 


もしかしたら、
その存在を明かした瞬間に線を
引かれるかもしれないと考えたけれど、
はっきり今までの関係を終わらせる
発言をされるとは想像してなかった。

 


端的に言えば、
自分の中で決めかねていた関係性に
きっちりと区切りがついただけ。

 


つけれくれたのかつけさせられた
のかはわからないけれど。

 


今まで背中にあった手が静かに
離れていったというだけ。

 


正確には自分から離して
いったのかもしれないけれど。

 


少なくとも離れようと思って
離れたわけではないし、
本音を言えば離れてほしくなかった。

 


それでも多分もう滅多なことでは
メールもしてこないだろうし、
会うことさえしなくなるかもしれない。

 


その予感に予想以上に打ちのめされた。

 


1番居心地の良い関係で、
1番自分を受け入れてくれていた
相手と離れることがこんなに
堪えるとは思わなかった。

 

 

 

 

 

ただ1つ言えるのは、
私にとってSが特別な存在だと
いうことは決して変わらない。

 


それだけが、
これまで引きずっていた様々な感情を
清算してなお残っていた思いだった。

 


そしてこの日の会話が、
ある意味では次に進むために
必要な儀式だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

そう、自分を納得させた。

 

 

 

 

 

⑤に続きます。↓

 

【片恋物語】社会人編⑤それはどこまでも追いかけてくる。だって振り返ることをやめないから。

 

 

 

 

 

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